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【発明の名称】 内視鏡用処置具挿抜装置
【発明者】 【氏名】小野田 文幸

【氏名】野村 忠国

【氏名】天野 敦之

【氏名】鳥山 誠記

【氏名】小野 哲哉

【氏名】牛房 浩行

【要約】 【課題】複数の処置具を自動的に交換して挿入・抜去できる取り扱いの容易な内視鏡用処置具挿抜装置の提供を目的としている。

【解決手段】本発明は、処置具60を内視鏡の鉗子チャンネルを介して体内に自動的に挿入・抜去するための内視鏡用処置具挿抜装置において、複数の処置具60を個別に収納保持する処置具収納部15と、処置具収納部15に収納保持された処置具を選択的に内視鏡の鉗子チャンネルに対して挿抜する処置具挿抜手段23,34,32,33と、処置具の先端に設けられた処置部を動作させる処置具動作手段45とを具備することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 処置具を内視鏡の鉗子チャンネルを介して体内に自動的に挿入・抜去するための内視鏡用処置具挿抜装置において、複数の処置具を個別に収納保持する処置具収納部と、処置具収納部に収納保持された処置具を選択的に内視鏡の鉗子チャンネルに対して挿抜する処置具挿抜手段と、処置具の先端に設けられた処置部を動作させる処置具動作手段と、を具備することを特徴とする内視鏡用処置具挿抜装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内視鏡の鉗子チャンネルを介して体腔内に挿入される鉗子、カテーテル、高周波ナイフ等の処置具を自動的に挿入・抜去するための内視鏡用処置具挿抜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鉗子等の処置具を内視鏡の鉗子チャンネルを介して体腔内に挿入する場合には、術者が自らの手で処置具を保持しながら鉗子チャンネルに挿入している。
【0003】しかしながら、例えば深部大腸用の内視鏡では、その全長が2mもあるため、処置具の挿入作業に手間がかかり、生検等の処置作業が極めて面倒であった。そのため、内視鏡の鉗子チャンネルに対する処置具の挿入・抜去を自動的に行なうことができる自動挿抜装置が特公昭61−37938号公報に提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記公報に開示された自動挿抜装置を使用する場合であっても、自動挿抜装置に対する処置具のセットは術者が使用の度毎に行なわなければならない。また、複数の処置具を使用する場合には、処置具を交換してセットし直す作業が必要となる。
【0005】本発明は前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、複数の処置具を自動的に交換して挿入・抜去できる取り扱いの容易な内視鏡用処置具挿抜装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、本発明は、処置具を内視鏡の鉗子チャンネルを介して体内に自動的に挿入・抜去するための内視鏡用処置具挿抜装置において、複数の処置具を個別に収納保持する処置具収納部と、処置具収納部に収納保持された処置具を選択的に内視鏡の鉗子チャンネルに対して挿抜する処置具挿抜手段と、処置具の先端に設けられた処置部を動作させる処置具動作手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1〜図4は本発明の第1の実施形態を示している。図1に示すように、本実施形態の内視鏡用処置具挿抜装置1は、本体2と案内チューブ3とフットスイッチ4とから構成されている。
【0008】案内チューブ3は可撓性を有する樹脂材料から成る。案内チューブ3の一端には、内視鏡5の鉗子チャンネルに通じる処置具挿入口6に着脱自在に接続可能な接続口金7が設けられ、また、案内チューブ3の他端には、本体2の前面のコネクタ8に着脱自在に接続可能な接続コネクタ9が設けられている。
【0009】本体2の前面には、前記コネクタ8の他、電源スイッチ10と、操作パネル11と、フットスイッチコネクタ12とが設けられている。また、本体2の側面には、処置具ケース13が挿入される挿入口14が設けられている。
【0010】図2および図3に示すように、本体2内には、複数(本実施形態では5つ)の処置具ケース13を収納可能な収納ケース15が設けられている。収納ケース15は、その両側面に設けられた4つのガイド部16を介して、本体2内のフレーム17に固定された4本のポール18に摺動可能に取り付けられている。また、収納ケース15の側面には上下方向に沿ってラック22が形成されている。このラック22は、第1のモータ19の回転軸20に接続されたギア21と噛み合っている。したがって、図示しない電源部から第1のモータ19に電源が供給されると、モータ軸20を介してギア21が回転し、ギア21と噛み合うラック22の作用により収納ケース15がポール18に沿って上下に移動される。なお、第1のモータ19はフレーム17に固定されている。
【0011】また、フレーム17には、各処置具ケース13に対応させて、5つの第1のフォトインタラプタ23が上下方向に沿って互いに所定距離離間して配設されている(各フォトインタラプタ23は、処置具ケース13の全てが挿入口14に位置する図1の状態で、各処置具ケース13と対応する位置に配置されている)。これらのフォトインタラプタ23は、所定の処置具ケース13をコネクタ8と対向する使用位置Aに確実に位置決めするために、昇降する収納ケース15の高さ方向の位置すなわち各処置具ケース13の高さ方向の位置を検出する。また、フォトインタラプタ23による位置検出を可能にするため、収納ケース15の側面には、フォトインタラプタ23の光路を横切る位置にピン24が設けられている。
【0012】なお、各フォトインタラプタ23にはそれぞれアドレスが付与されており、収納ケース15が移動することによりピン24がフォトインタラプタ23を横切ると、そのフォトインタラプタのアドレスに対応する位置信号が図示しない制御基板に送られるように回路構成が組まれている。また、制御基板は、所定の位置に収納ケース15を停止させるため、フォトインタラプタ23からの位置信号に基づいて、図示しない電源部から第1のモータ19への電力の供給を制御する。
【0013】図3および図4に示すように、各処置具ケース13の両側壁の端部には、弾力を有する樹脂製のバネ部25と爪部26とを備えたグリップ27が形成されている。一方、収納ケース15側には、各処置具ケース13のグリップ27が嵌め込まれる位置に、グリップ27の爪部26と係合可能な係合穴28が設けられている。したがって、このような構成では、処置具ケース13を収納ケース15に収納していく(嵌め込んでいく)と、爪部26が収納ケース15の内面によって内側に押圧されてバネ部25が内側に撓む。そして、爪部26が収納ケース15側の係合穴28と対向した時点で、バネ部25の弾性的な復元力により爪部26が外側に付勢されて係合穴28に係合する。これにより、処置具ケース13が収納ケース15に保持される。また、爪部26が係合穴28に係合した状態で、グリップ27を内側に押し込んでバネ部25を内側に撓ませると、爪部26と係合穴28との係合状態が解除され、収納ケース15から処置具ケース13を抜き出すことができる。
【0014】図3に示すように、各処置具ケース13の端面には突起29が設けられている。一方、収納ケース15の奥端面には、各処置具ケース13に対応させて、突起29を受け入れる5つの第2のフォトインタラプタ30が設けられている。この場合、フォトインタラプタ30は、収納ケース15に嵌着された状態で、処置具ケース13が収納される各収納部の内側に突出されている。したがって、このような構成では、処置具ケース13が収納ケース15内に完全に収納されると、処置具ケース13側の突起29がこれと対応するフォトインタラプタ30に挿入される。また、フォトインタラプタ30に突起29が挿入されると、その旨の信号がフォトインタラプタ30から制御基板に送られるようになっている。すなわち、フォトインタラプタ30に突起29が挿入されてフォトインタラプタ30から信号が出力されることにより、収納ケース15に対する各処置具ケース13のセットが検知されるようになっている。
【0015】図3に示すように、収納ケース15の側面には、コネクタ8と対向する使用位置Aに、処置具60を導出するための開口120が設けられている。また、各処置具ケース13の側壁には、開口120と対向可能な処置具投入用の開口31が設けられている。また、各処置具ケース13の内部には、開口31と対向する位置に、ゴム部材から成る駆動ローラ32と従動ローラ33とが互いに対向して配設されている。この場合、駆動ローラ32は、処置具ケース13の底面に埋設された第2のモータ34の回転軸35に圧入されている。一方、従動ローラ33は、処置具ケース13の底面から突出する軸36に回動自在に取り付けられている。なお、ローラ32,33間の距離は、これらローラ32,33間で処置具60を挟持しつつ送り出すことができる寸法に設定されている。
【0016】したがって、このような構成では、第2のモータ34の駆動によって駆動ローラ32が正逆回転すると、ローラ32,33間に挟持された処置具60が従動ローラ33の回転による案内によって進退される。
【0017】第2のモータ34に電力を供給するために、本体2には無接点給電システム37が設けられている。この無接点給電システム37は、使用位置Aでフレーム17に設けられた供給側ユニット44と、各処置具ケース13の側面に供給側ユニット44と対向可能に設けられた受け側ユニット38とから成る。この場合、供給側ユニット44は、制御基板による制御下で、これと対向する受け側ユニット38に電力を供給する。また、受け側ユニット38は、供給側ユニット44から得た電力を配線121を介して第2のモータ34に供給する。
【0018】また、フレーム17には、使用位置Aに位置して開閉ユニット45が固定されている。この開閉ユニット45は、リニアアクチュエータ46とスライドピン47とから成り、制御基板による制御下で図示しない電源部からリニアアクチュエータ46に電力が供給されると、リニアアクチュエータ46からスライドピン47が突出するようになっている。
【0019】また、収納ケース15の側面には、開閉ユニット45と対向する位置に、スライドピン47が貫通可能な貫通口43が設けられている。一方、各処置具ケース13の側壁には、貫通口43と対向可能な開口122が設けられている。また、各処置具ケース13内には、開口122と対向する位置に、開閉部材41が設けられている。この開閉部材41は、その底面の両側に形成された長穴40に案内用の支持ピン123が係合することにより、図3中に矢印で示す方向に沿ってスライドすることができる。また、開閉部材41は、コイルバネ42によって開口122側(処置具60のリング部62を引張る方向)に向けて常時付勢されている。なお、開閉部材41は、処置具60のリング部62を保持するリング保持部124を開口122の近傍に有している。また、処置具60のハンドル61を収納保持するための受け部39が開閉部材41に隣接して設けられている。
【0020】図1に示すように、フットスイッチ4は、ケーブル48を介して、本体2の前面のフットスイッチコネクタ12に着脱自在に接続されている。また、フットスイッチ4は、第1のペダル49と、第2のペダル50と、第3のペダル51とを有している。この場合、第1のペダル49を踏むと、処置具60の進退のための信号が制御基板に送られ、制御基板は供給側ユニット44を通じて受け側ユニット38に電力を供給する。したがって、第2のモータ34が駆動される。また、第2のペダル50を踏むと、処置具60の先端カップ64の開閉のための信号が制御基板に送られ、制御基板は図示しない電源部からリニアアクチュエータ46への電力の供給を制御する。すなわち、リニアアクチュエータ46に対してスライドピン47が突没する。さらに、第3のペダル51を踏むと、処置具ケース13の切り換えのための信号が制御基板に送られ、制御基板は図示しない電源部から第1のモータ19へ電力を供給する。
【0021】次に、上記構成の内視鏡用処置具挿抜装置1の動作について説明する。まず、フットスイッチ4の第3のペダル51を操作することにより、使用したい処置具60がセットされた処置具ケース13を使用位置Aに移動させる。この場合、第3のペダル51が踏まれると、前述したように、処置具ケース13の切り換えのための信号が制御基板に送られ、図示しない電源部から第1のモータ19に電力が供給される。これにより、収納ケース15が昇降する。そして、所望の処置具ケース13が使用位置Aに位置されたことがフォトインタラプタ23を介して制御基板で認識されると、制御基板は、図示しない電源部から第1のモータ19への電力の供給を停止し、第1のモータ19の駆動を停止させる。
【0022】所望の処置具ケース13が使用位置Aにセットされると、制御基板を介してリニアアクチュエータ46に電力が供給され、突出するスライドピン47によって開閉部材41がコイルバネ42の付勢力に抗して押し出される(開口122から離間する方向に移動される)。これにより、開閉部材41を介して処置具60のリング部62が押され、処置具60の先端カップ64が閉じて処置具60の挿抜が可能な状態となる。
【0023】この状態で、第1のペダル49を踏むと、制御基板を介して無接点給電システム37から第2のモータ34に電力が供給され、ローラ32,33間に挟持された処置具60の挿入部63が案内チューブ3と内視鏡5の鉗子チャンネルとを経て生体内に挿入される。
【0024】内視鏡5の観察下で、処置具60の先端カップ64が採取組織の近傍に位置したことを確認したら、第2のペダル50を踏む。これにより、制御基板を介してリニアアクチュエータ46への電力の供給が遮断され、スライドピン47がリニアアクチュエータ46内に引き込まれる。したがって、コイルバネ42の付勢力によって開閉部材41が開口122側に移動され、開閉部材41を介して処置具60のリング部62が引き戻される。これにより、処置具60の先端カップ64が開き、組織の採取が可能な状態となる。
【0025】開いた先端カップ64内に組織を位置させたら、第2のペダル50から足を離す。これにより、制御基板を介してリニアアクチュエータ46に電力が供給され、突出するスライドピン47によって開閉部材41が再び開口122から離間する方向に移動される。すなわち、処置具60の先端カップ64が閉じ、先端カップ64によって組織が採取される。
【0026】このような生検作業が終了したら、第1のペダル49を踏み、処置具60を処置具ケース13内に収納する。また、引き続いて他の処置具を使用したい場合には、第3のペダル51を操作して他の処置具ケース13を使用位置Aに移動させれば良い。
【0027】なお、術中に採取した組織を術者一人で生検ビン56に収納できるよう、図5に示すように、案内チューブ3の接続口金7に開口54と生検ビン接続部55とを設けても良い。
【0028】以上説明したように、本実施形態の内視鏡用処置具挿抜装置1は、複数の処置具を一度にセットでき、使用したい処置具をフットスイッチで選択できるように構成されているため、使用の度毎に処置具をセットして交換する煩わしさが改善される。すなわち、必要な処置具を処置具ケース13とともに収納ケース15内に前もってセットしておくだけで、使用する処置具を容易に選択して自動的に挿抜することができる。
【0029】図6および図7は本発明の第2の実施形態を示している。図6に示すように、本実施形態に係る内視鏡用処置具挿抜装置70は、接続ユニット71と、挿抜ユニット72と、開閉ユニット73と、電源ユニット74と、フットスイッチ75とから成る。
【0030】接続ユニット71には、スライド機構80を介して、挿抜ユニット72が摺動自在に取り付けられている。挿抜ユニット72と開閉ユニット73は、樹脂材料から成る伸縮自在なポール76によって互いに接続されている。ポール76内には、挿抜ユニット72と開閉ユニット73とを接続する各種の配線が配設されている。また、開閉ユニット73は、内視鏡100の操作部に着脱自在に接続される取り付け部77を有している。
【0031】図7に示すように、接続ユニット71は、処置具102が挿通可能な穴78を中央部に有している。また、接続ユニット71の端部は、内視鏡100の処置具挿入口101(図6参照)に着脱自在に接続される接続口金79として形成されている。
【0032】一方、接続ユニット71にスライド自在に取り付けられる挿抜ユニット72は、そのスライド方向に沿って連設された複数の駆動ユニット81から成る。各駆動ユニット81は、接続ユニット71の穴78と対向可能な処置具投入用の開口84を有しており、その摺動面に設けられた図示しない突起が接続ユニット71側の溝と係合することにより開口84が接続ユニット71の穴78と対向して位置決めされる(停止される)ようになっている。
【0033】駆動ユニット81と対向する接続ユニット71の面にはアルミシールから成る反射部82が埋設され、各駆動ユニット81の摺動面にはフォトリフレクタ83が埋設されている。フォトリフレクタ83は、駆動ユニット81の開口84が接続ユニット71の穴78と一致した時にのみ、接続ユニット71の反射面82により駆動ユニット81のセットを検知できる。
【0034】また、各駆動ユニット81には、開口84と対向する位置に、ゴム部材から成る駆動ローラ85および従動ローラ86が互いに対向して配設されている。この場合、駆動ローラ85は、駆動ユニット81の底面に埋設されたモータ87の回転軸88に圧入されている。また、従動ローラ86は、駆動ユニット81の底面から突出する軸89に回動自在に取り付けられている。なお、ローラ85,86間の距離は、これらローラ85,86間で処置具102を挟持しつつ送り出すことができる寸法に設定されている。
【0035】したがって、このような構成では、モータ87の駆動によって駆動ローラ85が正逆回転すると、ローラ85,86間に挟持された処置具102が従動ローラ86の回転による案内によって進退される。なお、本実施形態では、駆動ユニット81の開口84が接続ユニット71の穴78と一致した時にのみ、すなわち、フォトリフレクタ83によって駆動ユニット81のセットが検知された時にのみ、接続ユニット71と対向する駆動ユニット81のモータ87に電源ユニット74から電力が供給されるようになっている。
【0036】図6に示すように、開閉ユニット73は、処置具102のハンドル103を収納保持する複数の受け部90と、処置具102のリング部104を保持し且つブロック91に対して摺動自在な複数のスライド部材92と、伸縮可能なスライドピン95を有するリニアアクチュエータ94とを有している(図6には、受け部90とスライド部材92とリニアアクチュエータ94がそれぞれ1つだけ示されている)。
【0037】各スライド部材92は、コイルバネ93によって、処置具102のリング部104を押し込む方向(図中矢印方向)に常時付勢されている。また、リニアアクチュエータ94のスライドピン95の先端はスライド部材92と係合している。また、本実施形態では、電源ユニット74からリニアアクチュエータ94に電力が供給されると、スライドピン95が伸長し、スライドピン95と係合するスライド部材92がコイルバネ93を伸ばす方向(図中矢印と反対方向)に移動されるようになっている。
【0038】また、フットスイット75は、ケーブル96を介して、電源ユニット74の前面のフットスイッチコネクク97に着脱自在に接続されている。また、フットスイッチ75は、第1のペダル98と第2のペダル99とを有している。この場合、第1のペダル98を踏むと、処置具102の進退のための信号が電源ユニット74内の図示しない制御基板に送られ、電源ユニット74から駆動ユニット81のモータ87に電力が供給される。また、第2のペダル99を踏むと、処置具102の先端カップ105の開閉のための信号が前記制御基板に送られ、電源ユニット74からリニアアクチュエータ94へ電力が供給される。
【0039】次に、上記構成の内視鏡用処置具挿抜装置70の動作について説明する。まず、使用したい処置具102がセットされた駆動ユニット81を接続ユニット71と対向する使用位置に手で移動させる。駆動ユニット81の開口84が接続ユニット71の穴78と一致すると、その状態がフォトリフレクタ83によって検知され、使用可能状態となる。
【0040】この状態で、フットスイッチ75の第1のペダル98を踏むと、制御基板を介して電源ユニット74から駆動ユニット81のモータ87に電力が供給され、ローラ85,86間に挟持された処置具102が内視鏡100の鉗子チャンネルを通じて生体内に挿入される。
【0041】内視鏡5の観察下で、処置具102の先端カップ105が採取組織の近傍に位置したことを確認したら、第2のペダル99を踏む。これにより、電源ユニット74からリニアアクチュエータ94へ電力が供給されてスライドピン95が伸長し、スライドピン95と係合するスライド部材92がコイルバネ93を伸ばす方向(図中矢印と反対方向)に移動される。したがって、処置具102のリング部104が引き出され、これにより、処置具102の先端カップ105が開き、組織の採取が可能な状態となる。
【0042】開いた先端カップ105内に組織を位置させたら、第2のペダル99から足を離す。これにより、リニアアクチュエータ94への電力の供給が停止されてスライドピン95が収縮され、スライド部材92がコイルバネ93の付勢力によって元の押し込み位置に戻される。すなわち、処置具102の先端カップ105が閉じ、先端カップ105によって組織が採取される。
【0043】このような生検作業が終了したら、第1のペダル98を踏み、処置具102を生体内から抜去する。また、引き続いて他の処置具を使用したい場合には、手で挿抜ユニット72をスライドさせ、所望の駆動ユニット81を接続ユニット71と対向する使用位置に移動させれば良い。
【0044】以上のように、本実施形態によっても第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、本実施形態では、駆動ユニット81を手動で使用位置に移動させているが、接続ユニット71に対する挿抜ユニット72のスライドをモータを用いて自動で行なえるようにしても良い。この場合、モータの駆動をフットスイッチによって制御することが望ましい。
【0045】図8は、高周波焼灼処置を行なうことができる高周波処置具を示している。従来、ポリープの切除等で高周波処置を行う場合には、術者が自らの手で処置具を保持しながら内視鏡の鉗子チャンネルに挿入している。そして、術者がポリープにワイヤを掛けるとともに、補助者が術者の指示によりワイヤを引いてポリープを縛り、最後に術者がフットスイッチ等を操作して高周波処置を行なっている。しかし、この方法では、高周波処置を行なうために補助者が必要となり、また、術者と補助者の呼吸が合わない場合にはワイヤをポリープにうまく掛けることができない。
【0046】そこで、図8に示される高周波処置具では、内視鏡の操作部に対する接続手段を設け、内視鏡の操作部で高周波処置具の操作を行なうことができるようにしている。これについて、以下、詳細に説明する。
【0047】図8に示すように、高周波処置具110は、内視鏡111の操作部112に固定されるホルダ113を有している。ホルダ113は、弾性材料によって形成されており、それ自身弾性変形することによって操作部112に固定される。また、ホルダ113には操作ユニット114がスライド可能に取り付けられている。この場合、操作ユニット114は、ホルダ113に形成された長溝115と係合しており、スライドレバー116が操作されることによって長溝115に沿ってスライドされる。
【0048】また、高周波処置具110はワイヤ117を有している。ワイヤ117は、シース118内に摺動自在に配置されており、その先端がスネア119に固定されるとともに、その後端が開閉レバー120に固定されている。また、ワイヤ117は電線130を介して電気コードコネクタ121に電気的に接続されている。電気コードコネクター121には図示しない電気コードを介して高周波焼灼装置(図示せず)が接続される。
【0049】開閉レバー120は、操作ユニット114にインサートされているブラケット122の回転軸123に回動自在に取り付けられている。シース118は、その後端がブラケット122に固定されており、開閉レバー120の回転によりスネア119が開閉できるような長さに設定されている。開閉レバー120は、絶縁性の樹脂で被覆されており、その樹脂素材の弾性力によってスネア119をシース118内に引き込むことができるようになっている。
【0050】このような構成では、電気コードコネクタ121に電気コードを介して高周波焼灼装置を接続すれば、内視鏡111から手を離すことなく、スライドレバー116でスネア119の位置を調節できるとともに、開閉レバー120でスネア119の開閉を行なって高周波焼灼処置を行なうことができる。したがって、術者一人で高周波処置を行なうことができ、補助者を呼んだり補助者に細かな指示を出すなどの煩わしさが改善される。
【0051】なお、本構成では、操作ユニット114のスライド用の溝115がホルダ113に形成されているが、この溝115を内視鏡111の操作部112に形成しても良い。また、本構成は、高周波スネア以外のポリペクトミー用処置具、高周波ナイフ、高周波電源との接続部を持たない生検鉗子、把持鉗子、砕石具、注射針、洗浄チューブ、メジャー等にも適用することができる。
【0052】ところで、以上説明してきた技術内容によれば、以下に示すような各種の構成が得られる。
1.内視鏡の処置具挿入口への接続手段と、1本以上の内視鏡用処置具を収納する処置具収納手段と、前記処置具収納手段内の処置具を選択し内視鏡のチャンネルヘ挿抜する挿抜手段と、処置具の先端を開閉する開閉手段とを有し、内視鏡のチャンネルへの処置具の挿入および処置具の先端の開閉を自動的に行なえることを特徴とする内視鏡用処置具挿抜装置。
【0053】2.フットスイッチを有し、このフットスイッチによって、内視鏡のチャンネルへの処置具の挿入および処置具の先端の開閉ができることを特徴とする第1項に記載の内視鏡用処置具挿抜装置。
【0054】3.前記処置具収納手段は、装置内に設けられた収納部と、収納部に対して着脱自在な1つ以上の処置具収納ケースから成ることを特徴とする第1項または第2項に記載の内視鏡用処置具挿抜装置。
【0055】4.前記挿抜手段は、前記処置具収納手段に収納された処置具を把持・回転しながら挿抜する回転駆動ローラーと、内視鏡の処置具挿入口に着脱自在な処置具案内部材とから成ることを特徴とする第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の内視鏡用処置具挿抜装置。
【0056】5.前記処置具案内部材に採取組織収納手段を有することを特徴とする第4項に記載の内視鏡処置具挿抜装置。6.前記採取組織収納手段は、処置具案内部材に設けられた開口と、着脱自在な収納ビンとから成ることを特徴とする第5項に記載の内視鏡処置具挿抜装置。
【0057】7.前記開閉手段は、処置具のハンドル保持部と、先端開閉用リング駆動手段とから成ることを特徴とする第1項ないし第6項のいずれか1項に記載の内視鏡用処置具挿抜装置。
【0058】8.着脱自在な処置具を有し、操作部に前記処置具の操作手段を有し、処置ができる処置用内視鏡。
9.前記操作手段は、少なくとも内視鏡挿入部先端からの処置具の出没手段と処置具先端部の開閉手段とから成ることを特徴とする第8項に記載の処置用内視鏡。
【0059】10.前記操作手段に高周波焼灼装置との接続手段を有し、高周波焼灼処置ができることを特徴とする第9項に記載の処置用内視鏡。
11.前記出没手段は、操作部に設けられたスライド機構と、内視鏡のチャンネル内に挿入され且つ前記スライド機構により内視鏡先端より出没する処置具とからなることを特徴とする第9項または第10項に記載の処置用内視鏡。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の内視鏡用処置具挿抜装置によれば、複数の処置具を一度にセットでき、処置具を選択的に使用できるため、使用の度毎に処置具をセットして交換する煩わしさが改善される。すなわち、必要な処置具を処置具収納部に前もってセットしておくだけで、使用する処置具を容易に選択して自動的に挿抜することができる。
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス光学工業株式会社
【出願日】 平成10年6月15日(1998.6.15)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
【公開番号】 特開2000−207(P2000−207A)
【公開日】 平成12年1月7日(2000.1.7)
【出願番号】 特願平10−167117