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【発明の名称】 ダストコントロールレンタルマット
【発明者】 【氏名】加重 貞義

【要約】 【課題】ダスト捕集性を高めると共に、吸着したダストによる汚れを目立たないようにしてレンタルサイクルを長くし、そうすることによって洗浄頻度を少なくして耐久性を高め、又、回収と再貸与に伴う取替手間を省力化して経済的にダストコントロールレンタルマットを提供する。

【解決手段】異色の3種類以上のパイル糸が基布に差し込まれてカットパイルとループパイルを選択的に形成したタフテッドパイル地の裏面にゴム接着剤を塗布してパイルを基布に固定し、そのゴム接着剤の塗布面に未加硫ゴムシートを圧着して加熱加硫してダストコントロールレンタルマットを構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 パイル糸を基布に差し込んでパイルを形成したタフテッドパイル地の裏面にゴム接着剤を塗布してパイルを基布に固定し、そのゴム接着剤の塗布面に未加硫ゴムシートを圧着して加熱加硫して構成され、パイル糸が色彩の異なる異色の3種類以上であり、それぞれバックステッチの両端からU字状に突き出たカットパイルと、バックステッチを介して数珠繋ぎに連続して輪奈状に突き出たループパイルを選択的に形成していることを特徴とするダストコントロールレンタルマット。
【請求項2】 前掲請求項1に記載のパイル糸に10デニール以上の太手の繊維と1デニール未満の極細繊維が混在している前掲請求項1に記載のダストコントロールレンタルマット。
【請求項3】 前掲請求項1に記載のループパイルが、パイル長の異なる長ループパイルと短ループパイルの2種類以上である前掲請求項1に記載のダストコントロールレンタルマット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋内外の出入口に置敷して屋外で付着した靴裏のダストを吸着して屋内への侵入を防止するダストコントロールレンタルマットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のレンタルマットは、需要者に貸与し、一定期間使用する毎に回収して洗浄し、ダスト吸着処理をして再貸与するレンタルシステムで使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、ダストコントロールレンタルマットは、ダストを吸着させる目的をもって使用され、使用の際にはダスト捕集性を高めるためにスピンドル油、マシン油、パラフイン等の鉱物油や油溶性アニオン界面活性剤やノニオン界面活性剤等によるダスト吸着処理が施されるので、パイル表面は汚れが目立ち易くなり、回収と再貸与のレンタルサイクルが短く、頻繁に繰り返し洗浄される。このため、ダストコントロールレンタルマットには、パイル表面の耐摩耗性や耐変退色性等の物性品質の面で過酷な使用条件に耐える高度な耐久性が要求される。
【0004】
【発明の目的】本発明は、ダストコントロールレンタルマットのダスト捕集性を高めると共に、吸着したダストによる汚れを目立たないようにしてレンタルサイクルを長くし、そうすることによって洗浄頻度を少なくして耐久性を高め、又、回収と再貸与に伴う取替手間を省力化して経済的にダストコントロールレンタルマットを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るダストコントロールレンタルマットは、パイル糸34を基布11に差し込んでパイルを形成したタフテッドパイル地の裏面にゴム接着剤46を塗布してパイルを基布11に固定し、そのゴム接着剤46の塗布面に未加硫ゴムシート47を圧着して加熱加硫して構成され、パイル糸34が色彩の異なる異色の3種類以上であり、それぞれバックステッチ43の両端からU字状に突き出たカットパイル19と、バックステッチ43を介して数珠繋ぎに連続して輪奈状に突き出たループパイル20を選択的に形成していることを第1の特徴とする。
【0006】本発明に係るダストコントロールレンタルマットの第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、パイル糸34に10デニール以上の太手の繊維と1デニール未満の極細繊維が混在していることにある。
【0007】本発明に係るダストコントロールレンタルマットの第3の特徴は、上記第1と第2の何れかの特徴に加えて、ループパイル20を、パイル長の異なる長ループパイル20aと短ループパイル20bの2種類以上としたことにある。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るダストコントロールレンタルマットの裏面の一部を切截して図示し、バックステッチ43は基布11の長さ方向Nにジグザグに連続しており、そのジグザグに連続するバックステッチ43の折返点44も基布の長さ方向にジグザグに連続し、隣合うバックステッチ43とバックステッチ43の境界45がダストコントロールレンタルマットのパイル表面に筋状に現れないようになっている。
【0009】パイル糸には、麻、木綿、レーヨン等のセルロース系繊維、ポリアミド繊維(羊毛繊維・ナイロン)、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ビニロン等の熱可塑性合成繊維が使用される。好ましい繊維は、木綿、レーヨンおよび保水率が20%以上の架橋アクリレート系繊維や高吸湿性アクリル繊維等の吸湿性繊維であり、これらの繊維は、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、一般のアクリル繊維、ビニロン等と組み合わせて使用される。吸湿性繊維は、異色の3種類以上のパイル糸の中の少なくとも何れか1種類のパイル糸に使用すればよい。吸湿性繊維の保水率は、水に十分浸漬した試料繊維を回転速度2000rpmの遠心分離機(回転半径10cm)に5分間かけ、その遠心分離機にかける前後の試料繊維の重量差を、遠心分離機にかけた後の試料繊維の重量で除して算出される。パイルのブラシ作用によるダスト捕集性を高めるには、10デニール以上の繊維をパイル糸に使用するとよいが、パイルの保水性とパイルへのダストの吸着性を高めるには、1デニール未満の極細繊維をパイル糸に使用するとよく、従って、パイルには10デニール以上の太手の繊維と1デニール未満の極細繊維を混用することが推奨される。
【0010】異色の3種類以上のパイル糸は、麻パイル糸、レーヨンパイル糸、ナイロンパイル糸、ポリエステル繊維パイル糸、アクリル繊維パイル糸等、それぞれ異なる繊維によって構成されたものであってもよく、それら異色の3種類以上のパイル糸の色彩の相異は、それらのパイル糸を構成する繊維固有の色彩や光沢の差異によるものであってもよい。
【0011】基布には、不織布と織布が使用される。ゴム接着剤やゴムシートとの接着性を高めるためには、基布の裏面、即ちバックステッチ面側を起毛しておくとよい。特に、テープヤーンを経糸と緯糸に使用した織布では、ゴム接着剤やゴムシートとの接着性を高めるためには、基布(織布)の表面、即ちパイル表面側に繊維ウエブを積層し、ニードルパンチングを施して、その繊維毛羽を基布の裏面側に突き出しておくとよい。
【0012】図2は、異色の3種類以上のパイル糸34を基布11に差し込んでカットパイル19とループパイル20を選択的に形成するタフテッド機を図示し、ニードルシフト手段と間欠基布送り手段とニードル選択手段を具備し、各ステッチサイクル毎にニードルへのパイル糸の送出量を加減する糸送り調整手段と、ルーパーが受け取ったパイル糸ループをループパイルにすべきかカットパイルにすベきかを選択するカットパイル・ループパイル選択形成手段が搭載されている。ニードルシフト手段は、多数のニードル21を昇降可能に支持するニードルバー22と、ニードルバー22をタフテッド機の幅方向に往復駆動するカム装置23とによって構成されている。間欠基布送り手段は、基布を送るスパイクロール24と、スパイクロール24を間欠的に回転駆動するサーボモーター25によって構成されている。ニードル選択手段は、多数のニードルホルダー26を昇降駆動するプッシュバー(図示せず)と、ニードルホルダー26とプッシュバーとの係合・離脱を制禦するパターン制禦装置27によって構成され、ニードル21は各ニードルホルダー26の下端に装着されている。
【0013】カットパイル・ループパイル選択形成手段は、ナイフ18と協働してパイル糸ループ30をカットしてカットパイルとするカットパイル・ループパイル兼用ルーパー12と、ルーパーの先端を閉じてパイル糸ループ30のルーパーからの離脱を防ぐクリップ31と、クリップ31のルーパー12との接触位置を変えてルーパーの先端の開閉を制禦するクリップ駆動装置32によって構成されており、クリップ31が前進していているときはパイル糸ループ30がルーパーから離脱せずカットパイルを形成し、クリップ31が後退していているときはパイル糸ループ30がルーパーから離脱してループパイルを形成することになる。糸送り調整手段は、クラッチ28を内蔵し、そのクラッチによって回転速度が制禦されるクラッチインロール29によって構成されており、そのクラッチインロール29からのパイル糸の送出量に応じてループパイルの長さを加減し、長ループパイル20aと短ループパイル20bを選択的に形成する。
【0014】ニードルシフト手段のカム装置23、間欠基布送り手段のサーボモーター25、ニードル選択手段のパターン制禦装置27、糸送り調整手段のクラッチ28、および、カットパイル・ループパイル選択形成手段のクリップ駆動装置32は、コンピューター33を介して同期して作動し、それによって基布の所要の位置に所要の色彩をパイル糸34による所要のパイル長のカットパイル19またはループパイル20が選択的に植設されるようになっている。
【0015】ニードルシフト手段については、特公昭50−15185、特公昭54−43939、特公昭56−13819、特開昭55−26213等に開示されていて公知である。ニードル選択手段については、特公昭46−14227、特公昭54−10906、特公昭57−4366、特開昭59−179863、特開昭60−39466、特開昭60−88166、特開昭63−135553等に開示されていて公知である。糸送り調整手段については、特開昭43−9872、特開昭44−12071、特開昭44−22025、実開昭47−40628、特開昭45−19144、特開昭46−11912、特公昭55−32822、特公昭57−30415、特公昭50−16985、特公昭55−23944、特公昭57−8707、特公昭44−3395、特開昭50−118860等に開示されていて公知である。又、カットパイル・ループパイル選択形成手段については、特公昭39−16426、実公昭59−31752、特公昭62−19539、特公昭62−21897、特公昭61−35303等に開示されていて公知である。これら公知のニードルシフト手段、ニードル選択手段、糸送り調整手段、カットパイル・ループパイル選択形成手段およびカットパイル・ループパイル兼用ルーパーは、何れも本発明に適用することが出来る。
【0016】基布11とルーパー12の間には、毛先13が基布の搬送方向に向き、毛根14がニードル作動位置15から後退した部位におかれ、植設直後のループパイル16に接するブラシ17と、そのブラシ17を基布の搬送方向に往復駆動するブラシ駆動手段が取り付けられている。ブラシの立毛(17)には、単糸繊度が100〜500デニールの合成繊維を使用するとよい。
【0017】図2において、40は、正逆反転するロッキングシャフトであり、ロッキングシャフト40に取り付けられたアーム41とロッキングアーム37はコネクチングロッド42で連結されている。ルーパー12は、ルーパーシャフト36に取り付けられたロッキングアーム37に担持されて基布11の搬送方向に往復駆動されている。このため、ブラシ駆動手段にはルーパーシャフト36を利用し、そのロッキングアーム37をルーパー12に向き合う位置まで突き出た馬蹄形状のものにしているが、ロッキングアーム37と同様に別のアーム37aをルーパーシャフト36に取り付け、そのルーパー12に向き合うアームの上端にブラシ17を取り付けてもよい。基布11は、ニードル21が昇降運動して基布に差し込まれるニードル作動位置15において、フインガー針35に支えられている。このためブラシ17は、フインガー針35の下側において毛先13が基布11に平行してニードル作動位置15の前後に往復運動するように駆動される。
【0018】幅方向に配列されて隣合う多数のニードル21は、パイル糸34の種類の数に応じて組分けされ、そのパイル糸34の種類の数に応じた隣合う複数本1組の各ニードル21にそれぞれ異色のパイル糸34が引き込まれ、数ステッチサイクルにわたって基布11を搬送せずに停止状態におき、その間にニードル21をタフテッド機の幅方向に1ステッチサイクル毎に1ニードルゲージ分つづ移動し、タフテッド機の幅方向にニードルゲージと同じゲージで配列された各ルーパー12が、それぞれ異色のパイル糸34が引き込まれた複数本1組の何れか1本のニードル21からパイル糸ループ30を受け取るようにニードル21が選択的に基布11に差し込まれる。
【0019】図3は、タフテッド機の要部側面図であり、1ステッチサイクルにおいて、ニードル21とループ12は分図(a)と(b)と(c)と(d)の順に作動し、この一連の作動を終えてニードル21がタフテッド機の幅方向に1ニードルゲージ分移動し、次のステッチサイクルに移り、再び分図(a)と(b)と(c)と(d)の順に作動する。基布11は、そのパイル糸34の種類の数に応じた数ステッチサイクルにわたって停止状態にあり、その一連の数ステッチサイクルの作動を終えて基布11が1ステッチゲージ分搬送され、再び、次の数ステッチサイクルに移る。ルーパー12は、基布11が停止状態にあるパイル糸34の種類の数に応じた数ステッチサイクルの何れかの1ステッチサイクルにおいてニードル21からパイル糸ループ30を受け取る。従って、この分図(a)と(b)と(c)と(d)が示す1ステッチサイクルにおいて、ニードル21が選択されないときは、ニードル21は基布11に差し込まれず、従って、ルーパー12はパイル糸ループ30を受け取らない。
【0020】図3(a)に示すように立毛間(17)を掻き分けて降下したニードル21からルーパー12に引き渡されたパイル糸ループ30は、図3(b)に示すようにルーパー12がニードル作動位置15から後退するときブラシ17が基布11の搬送方向に向けて前進するので、図3(c)に示すようにルーパー12から外れた時点では立毛(17)に挟持された恰好になり、その前進するブラシ(17)によって基布の搬送方向へと押し返されることになる。ブラシの立毛(17)がパイル糸ループ30の輪奈の中に入り込まないようにするために、基布11に差し込まれたニードル21が立毛(17)に交叉し、立毛間を掻き分けるようにしてルーパーの作動位置まで降下し、立毛(17)の下側においてパイル糸ループ30がルーパー12に引き渡されるように毛先13の位置を設定するとよい。
【0021】図3において、クリップ31はパイル糸ループ30のルーパー12からの離脱を妨げないように後退した位置にあるが、カットパイル19が形成されるときは、クリップ31がニードル作動位置15を越えて突き出るように押し出された位置におかれる。そうすると、パイル糸ループ30aは、ルーパー12に圧接しているクリップの先端38よりもルーパーの奥まった位置でルーパーに係止されることになり、クリップ31に妨げられてルーパーから離脱せず、その後のステッチサイクルにおいて、図3(c)に示すように、搬送される基布11と共に更にルーパーの奥まった位置まで移動し、そこでルーパー12とナイフ18にカットされてカットパイル19となる。
【0022】基布11は、ニードルが抜き取られてフリーの状態になっても搬送されず停止状態のまま次のステッチサイクルに移行する場合もある。しかし、このタフテッド機では、数ステッチサイクルの中の1回のステッチサイクルにおいて搬送される間欠的基布送りとなっており、又、各ルーパーは間欠的基布送りの1周期内の何れか1回のステッチサイクルにおいて何れか1本のニードルと協働して1個のパイルを形成する。このため、ニードル21は、基布が搬送されない停止状態のまま引き続き行われる次のステッチサイクル(図3a)において、先のループパイル16(図3cと図3d)を形成したルーパー12が重ねてパイルを形成するように選択されて基布11に差し込まれることはない。従って、この先のループパイル16(図3cと図3d)が植設されてから次に搬送されるまでの基布11が停止状態にある間のステッチサイクルにおいてチェンステッチは生じない。
【0023】勿論、間欠的基布送りの1周期内において既にループパイル16が植設されていてニードル21が差し込まれない箇所のルーパーも、次に基布が搬送されるまでの間の何れかのステッチサイクルにおいてパイルを形成することになる他のルーパーと一緒にロッキングアーム37に担持されていてニードル作動位置15へと往復駆動されるが、そのルーパー12がニードル作動位置15に向けて前進するときは(図3a)、ルーパー12に同期してブラシ17が後退するので、先のループパイル16(図3cと図3d)は、その後の何れかのステッチサイクルにおいて基布が搬送されるまで、立毛間に軽く挟持されて基布の搬送方向に向けてブラシ17に押し返された状態におかれる。
【0024】しかし実際には、ブラシの立毛間(17)の密度は、開毛状態にある毛先13よりも毛根14の方が緻密になっているので、先のループパイル16(図3cと図3d)は、立毛間に挟持されるとしても更に毛根14に向けて深く入り込むことはなく、密度が粗い毛先13の方へと移動して毛先13より抜け出し易くなっているので、次のステッチサイクルにおいてニードルが差し込まれずにブラシ17とルーパー12が共にニードル作動位置15の前後に往復運動するとき、図3(d)に示すように、毛先13から抜け出して基布の搬送方向に押し出された恰好になる。仮に、そのように毛先13から押し出されないとしても、基布11が搬送されるまでにブラシの毛根13の方、つまり、基布の搬送方向の逆方向に先のループパイル16が移動することはなく、従って、先のループパイル16を形成したルーパー12(図3cと図3d)が次のパイルを形成する過程(図3a)においてチェンステッチは起きない。
【0025】このようにブラシ17は、ニードル作動位置15へと食み出さないように先のループパイル16を押し返すものであって、先のループパイル16を立毛間(17)に挟持するためのものではなく、又、毛先での立毛(17)の密度が粗いほどループパイル16がブラシ17から外れ易くなるので、その立毛の密度は、ループパイルが立毛間に確りと挟持される程度に緻密にする必要はない。
【0026】このように、基布11とルーパー12の間に、毛先13を基布の搬送方向に向け、毛根14をニードル作動位置15から後退した部位におき、植設直後のループパイル16に接するブラシ17を設け、そのブラシ17が基布の搬送方向に往復駆動されるので、異色数種のパイル糸34による濃色カットパイル19と淡色ループパイル20が混在し、パイル糸の色数以上に多彩で変化の富んだタフテッドパイル地が効率的に得られる。
【0027】タフテッドパイル地に塗布するゴム接着剤には、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ウレタンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴムが使用され、その裏打層を厚くしたい場合、ゴム接着剤と同質の未加硫ゴムシートを重ね合わせて加圧加熱し、加硫と同時に接着する。ゴム接着剤と未加硫ゴムシートの加硫には、硫黄と共に加硫促進剤も使用されるが、パイル表面の耐光性と耐変褪色性を高めるにはベンゾチアジルジスルフイド、メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールやヘキサメチレンテトラミンを加硫促進剤として使用することが推奨される。ゴム接着剤の塗布量は40〜700g/m2 (乾燥重量)にし、未加硫ゴムシートの厚みは2〜7mmにする。未加硫ゴムシートのタフテッドパイル地への押圧力は3〜10kg/cm2 にし、150〜160℃にて10〜20分間加熱して加硫する。
【0028】ダストコントロールレンタルマットのパイル表面には、ダスト捕集性を高めるためにダスト捕集剤を5〜100重量%付与し吸着させる。ダスト捕集剤には、ミツロウ、モクロウ、ミクロクリスタルワックス、カンデリラロウ、ベイベリーロウ等の融点30〜85℃のワックス類、パラフイン油、スピンドル油、マシン油、α−オレフイン油、ポリクリコール油、アルキレート油、ヒマシ油、オリーブ油、椿油等の油剤や油溶性アニオン界面活性剤やノニオン界面活性剤が使用される。油剤は、パイル表面に吸着し易くするために、油溶性アニオン界面活性剤やノニオン界面活性剤等の界面活性剤を配合したエマルジョンとして調製して使用するとよい。
【0029】ダスト捕集剤には、アミドホスファゼン化合物、N(フルオロジクロメチルチオ)フタルイミド、ジハロアルキルアリルスルホン、N・N・ジメチル・N′・フェニル(N・フルオロジクロルメチルチオ)スルファミド、ジ・ヨードメチル・P・トリルスルホン、2・2′・ヒドロキシ・5・5′・ジクロル・ジフェニルメタン(G・4・ジクロロフェン)、2・プロモ・2・ニトロプロパン・1・3・ジオール、フェノキシエタノール、2(チオシアナートメチルチオ)ベンゾチアゾール、2・ベンイソミダゾリル・カルバミン酸メチルエステル、ベンゾイミダゾール、P・ヒドロキシメチルベンゾエート、ジファニルエーテル(シリコーン)第4級アンモニウム塩、2・4・4′・トリクロロ・2′・ヒドロキシジフェニルエーテル、α・プロムシンナムアルデヒド、4・クロロ・m・クレゾール・クロロ・3・5・キシレノール、5・メチル・2(1・メチルエチル)フェノール、2・2′・メチレンビス(3・4・4′・トリクロロフェノール)、2・2・チオビス・4・6・ジクロロフェニール、3(トリメトキシシリル)プロピルオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド、N・ベンジル・N・ドデシル・メチル(2・ヒドロキシエチルスルホニル)プロピルアンモニウムブロマイド、1・3・ジシアノ・2・4・5・6テトラクロロベンゼン、ジンク・2・ピリジムオール・1・オキサイド、ソデイウムピリジンチオール・1・オキサイド等の抗菌防黴剤を配合するとよい。
【0030】更にダスト捕集剤には、L・アスコルビン酸・鉄(2)化合物カルボキシフタロシアニン金属錯体等の消臭剤を配合することも出来る。銅イオン、亜鉛イオン、水銀イオン、鈴イオン、鉛イオン、ビスマスイオン、カドニウムイオン、クロムイオン、タリウムイオン、アンモニウムイオン等によってナトリウムイオン、カルシウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、鉄イオン等のイオン交換可能なイオンが置換されたゼオライトやセピオライト(含水珪酸マグネシウム)や銅粉末は、合成繊維ポリマーに練り込んで紡糸し、抗菌・消臭性パイル糸を調製するとよい。
【0031】
【発明の効果】タフテッドパイル地のパイル表面を構成するカットパイル19の上端面は、無数の繊維の断面と、それらの繊維間の無数の微細隙間で構成され、パイル表面に当たる光が極めて狭く深い繊維間の微細隙間に入り込むので、パイル表面での光の反射率が低くなる。一方、ループパイル20の上端面は、彎曲した無数の繊維の側面によって構成され、その繊維の側面が素材を同じくするプラスチックフイルムの表面と同等の鏡面光沢を有するので、パイル表面の光の反射率はカットパイル19に比して高い。このため、同じパイル糸34で構成されていても、カットパイル19は濃色になり、ループパイル20は淡色になり、両者は異色のものとなり、その結果、パイル表面にはパイル糸の色数の2倍の色彩効果が生じて極めて多彩になり、そこに吸着したダストによる汚れが目立ち難くなり、従って、レンタルサイクルを長くすることが出来、その分だけ洗浄頻度が少なくなると共に回収と再貸与に伴う取替手間が省力化され、又、U字状に基布に把持されるカットパイル19だけではなく、バックステッチ43を介して数珠繋ぎに繊維が連続したループパイル20によってパイル表面が構成されているので、耐久性に優れたダストコントロールレンタルマットを経済的に提供することが出来る。
【0032】その輪奈構造を成すループパイル20は、長柱構造のカットパイル19のように座屈応力が作用せず、ループパイル20がカットパイル19を支えることになるのでダストコントロールレンタルマットのクッション性が高まり、カットパイル19の場合と異なりループパイル20にはダストが引っ掛かり易く、その輪奈構造の内部に入り込んだダストは容易には外部に飛散せず、その結果、ダストコントロールレンタルマットのダスト捕集性が高まり、特に、パイル糸に10デニール以上の太手の繊維と1デニール未満の極細繊維を混用するときは(請求項2)、その太手の繊維によるブラシ作用と極細繊維の保水機能とダスト吸着機能によってダスト捕集性が高まり、従って、パイル表面全体を汚染し易くすることにもなるダスト捕集剤の使用量を少なくすることが出来、その結果、レンタルサイクルを長くすることも出来、そして、洗浄し易くもなり、又、洗浄排液に含まれるダスト捕集剤も少なくなって、洗浄排液の処理も容易になる。
【0033】パイル表面が異色の3種類以上で濃淡異なるカットパイル19とループパイル20に彩られ、ループパイルを高低異なる長ループパイル20aと短ループパイル20bにするときは(請求項3)、その短ループパイル20bにダストが落ち込んでダスト捕集性が更に高まり、又、その長ループパイル20aと短ループパイル20bとの高低差の陰影が現れてパイル表面の立体感を深め、デザイン的にも斬新で彩色豊かなダストコントロールレンタルマットが得られる。
【出願人】 【識別番号】394014803
【氏名又は名称】株式会社オーノ
【出願日】 平成11年6月14日(1999.6.14)
【代理人】 【識別番号】100081891
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 茂雄
【公開番号】 特開2000−350696(P2000−350696A)
【公開日】 平成12年12月19日(2000.12.19)
【出願番号】 特願平11−166618