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【発明の名称】 ワックス磨き具
【発明者】 【氏名】松元 宏海

【要約】 【課題】ワックス液の散布とワックス磨きの作業を同時に行うことができ、またその仕組みが作業者に容易に理解でき、操作が容易であり、さらに作業労力を大幅に減少させる。

【解決手段】ワックス磨き用布、該布を保持する上盤、該上盤に取付けた柄及び把持部からなるワックス掛け具において、ワックス磨き用布を保持する上盤に1又は複数のワックス液噴射ノズルを備えていることを特徴とするワックス磨き具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ワックス磨き用布、該布を保持する上盤、該上盤に取付けた柄及び把持部からなるワックス磨き具において、ワックス磨き用布を保持する上盤に、前記ワックス磨き用布の前方にワックス液を噴射する1又は複数の噴射ノズルを備えていることを特徴とするワックス磨き具。
【請求項2】 噴射ノズルの開口部が上盤の前面部に配置されていることを特徴とする請求項1記載のワックス磨き具。
【請求項3】 ワックス磨き用布を保持する柄の少なくとも一部にワックス液を収容するタンクを備え、該タンクと噴射ノズルが連通していることを特徴とする請求項1又は2記載のワックス磨き具。
【請求項4】 ワックス磨き用布を保持する柄の少なくとも一部にワックス液用容器を収容するケースを有し、該ケースの周面の一部に前記容器が出し入れできる切り欠き部を備え、かつ前記容器と噴射ノズルが連通していることを特徴とする請求項1又は2記載のワックス磨き具。
【請求項5】 ワックス液を収容するタンク又は容器の一部又は全部が透明であることを特徴とする請求項1〜4のそれぞれに記載のワックス磨き具。
【請求項6】 ワックス液が電動又は圧力により噴射ノズルから噴射される請求項1〜5のそれぞれに記載のワックス磨き具。
【請求項7】 前記タンク又はケースが柄の一部を構成することを特徴とする請求項1〜6のそれぞれに記載のワックス磨き具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ワックス液をワックス磨き用布の前方に圧力式又は電動式により噴射することができる、ワックス液散布装置と手動式ワックス磨き(掛け)具とが一体になったワックス磨き具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、業務用ではワックス液を薬液缶から大量に散布すると同時に、電動式に回転するモップにより、ワックス磨きが行われているが、家庭用のワックス磨きでは、手作業で床に液ビンからワックス液を少量ずつ散布し、それを雑巾掛けあるいはモップにより磨くというようにして行われている。家庭用のワックス磨きでは、ワックス磨き作業を中断しながらワックス液を手作業により散布するということが行われているため、非常に面倒であり効率がわるかった。また、ワックス液の散布量が手作業で一定していないために、ワックス磨きの跡がまだらになるということも多かった。
【0003】駅構内の清掃作業のように大型の業務用の機械では電動ポンプによるワックス液散布方法も考えられるが、それはワックス機械の移動に追従して移動できるワックス液のタンクと大型の電動ポンプを備える場合であって、家庭用の手動による磨きの場合には、ワックス液の散布とワックス磨きを同時に行うことができる有効な手動式ワックス磨き具は存在していなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ワックス液の散布とワックス磨きの作業を同時に行うことができる手動式ワックス磨き装置に関し、その仕組みが作業者に容易に理解でき、かつ操作が容易で作業労力が大幅に減少できるワックス磨き具を得ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上から、本発明は(1)ワックス磨き用布、該布を保持する上盤、該上盤に取付けた柄及び把持部からなるワックス磨き具において、ワックス磨き用布を保持する上盤に、前記ワックス磨き用布の前方にワックス液を噴射する1又は複数の噴射ノズルを備えていることを特徴とするワックス磨き具、(2)噴射ノズルの開口部が上盤の前面部に配置されていることを特徴とする(1)記載のワックス磨き具、(3)ワックス磨き用布を保持する柄の少なくとも一部にワックス液を収容するタンクを備え、該タンクと噴射ノズルが連通していることを特徴とする(1)又は(2)記載のワックス磨き具、(4)ワックス磨き用布を保持する柄の少なくとも一部にワックス液用容器を収容するケースを有し、該ケースの周面の一部に前記容器が出し入れできる切り欠き部を備え、かつ前記容器と噴射ノズルが連通していることを特徴とする(1)又は(2)記載のワックス磨き具、(5)ワックス液を収容するタンク又は容器の一部又は全部が透明であることを特徴とする(1)〜(4)のそれぞれに記載のワックス磨き具、(6)ワックス液が電動又は圧力により噴射ノズルから噴射される(1)〜(5)のそれぞれに記載のワックス磨き具、(7)前記タンク又はケースが柄の一部を構成することを特徴とする(1)〜(6)のそれぞれに記載のワックス磨き具、を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明のワックス磨き具の1例(実施例)を図面に基づいて説明する。なお、これは理解を容易のするための好適な例を示すものであって、この例に制限されない。すなわち、本発明の技術思想に含まれる他の例及び変形は全て本発明に含まれる。
【0007】図1及び図2(なお、図1は本発明のワックス磨き具の1例を示す斜視図、図2は同側面図である。)においてワックス磨き用布1は上盤2の下面に取外し可能に保持されている。取外しの構造は従来公知の構造で良い。また、使い捨て型の固定式のものであってもよい。ワックス磨き具が全体として軽量化するように、ワックス磨き用布1を薄くしたり、上盤2やそれに結合する柄3の内部等を中空にし、あるいはアルミニウムやプラスチックス等(例えば塩化ビニールパイプ)の軽量材料を使用するのが望ましい。
【0008】上盤2の上面4に柄3を取付ける。この取付け構造は1方向にほぼ180°回動できるようにしたが、これを全方向に旋回できる構造としてもよい。この全方向旋回構造でも柄の取付け部の嵌合わせの強さを調節すれば、柄3の付け根をグラグラさせずに一定の角度に保持させることができる。柄3の途中にワックス液(乳剤)を収容するタンク5を設ける。タンク5は柄3の一部を少し膨らませ、その部分を空洞化させた構造とし、そこにワックス液を収容する。また、このタンク5は、重心を下げて安定性を向上させるために柄3の下方に配置するのがよい。タンク5の形状は図1では円筒形としたが、角筒形又は柄3と連続した曲線を描く楕円球や卵形としてもよい。
【0009】操作性や軽量化ということからみて、このタンク5は柄3と一体構造とするのが良いが、この柄とほぼ平行に別個に取付けることもできる。柄3の上端部には把持部8を設ける。タンク5には開閉可能なワックス液(乳剤)供給口6を設ける。タンク5からワックス液が一定量排出されると内部が負圧になり、それ以上のワックス磨き用布1への液の供給が止まってしまうので、吸気弁(図示せず)を取りつけることができる。また、上記供給口を開閉容易な構造とすることにより、それに替えることもできる。タンク5の一部又は全部を透明にすると内容量が分かるので、より好ましい。
【0010】図3に、本発明のワックス液を収容する容器の他の例を示す。この場合、柄3と結合している円筒形のケース11に周面に沿って切り欠き部12を有する。したがって、構造は図1又は図2のタンク5と類似しているが、この円筒形のケース11にワックス液は直接供給又は収容されない。すなわち、ワックス液の供給用の容器13は円筒形のケース11とは別個であり、前記切り欠き部12の開口から円筒形のケース11の中に容器13が挿入かつ収容できるようになっている。前記円筒形のケース11の切り欠き部12の長さは、容器13の長さと幅に対してやや大き目であるが、使用の際に簡単に落下したり、極度にぐらついたりしない程度の大きさに制限されている。また、円筒形のケース11の長さは容器13よりも長く、上部に若干の遊び(空間部)があり、容器13の出し入れが容易となっている。また、円筒形のケース11の下部は容器13が一部嵌入かつ収容できる円筒形の空間部を有する構造となっている。上記ケース11は円筒形で説明したが、前記タンク5と同様に角筒形でも良いし又楕円球、球形、卵形であっても良い。それに伴って、容器13はこのようなケース11に一致する形状、すなわち相似形であることが望ましい。
【0011】ワックス液の容器13は図3のように、肉眼で使用量が確認できるように目盛り16のついた透明の容器とすることができるが、不透明の容器であってもよい。使用後、空になったワックス液の容器13は新しい容器と交換しても良いし、また容器13を一旦取り外した後ワックス液を充填し、それを再び装填しても良い。上記のように別のワックス液の容器13を準備して置くことにより、交換が極めて容易にできるという利点がある。この容器13はケース11に適合するサイズであれば、市販のワックス液(乳剤)容器を使用することができる。その場合、口を下にしてケースに装填すれば良い。
【0012】挿入後は、止めバンド14により円筒形のケース11から脱落するのを防止できる構造となっている。また、容器13の円筒形ケース11への装填とそこからの取外しは、この止めバンド14の開閉操作により行う。止めバンド14は、例えば一端がケース11に固定され、他端が自由端となっているゴムやプラスチックス製等の弾性帯からなるもので、容器13の挿入後に自由端を容器13とケース11の間に挿入すれば、容器13をケース11に保持できる機能を持つ。止めバンド14は上記に説明した以外の、例えば掛け止め式等の構造を持つものであって良い。ワックス液の容器13の下方は後述する噴射ノズルに結合するワックス液供給ホース(図示せず)に液密に結合する。この結合方法は、特にワンタッチ方式に取付けできる構造が望ましい。ワックス液供給ホースは柄の操作の際に動きを伴うので、柔軟性及びある程度の耐久性のあるゴム又はプラスチックス製のホースであれば十分に使用でき、ワックス液供給に支障がなければ特にホースの材質や寸法に制限はない。
【0013】上盤2にはワックス液をワックス磨き用布1の前方に噴射する1又は複数の噴射ノズル7を設ける。この噴射ノズル7の開口部を、図1においては1個のみ示すが、間隔を開けて均一に配置した複数の噴射ノズルとすることもできる。また、この噴射ノズル7は図1において、上盤2の前面部に配置したが、これは構造的に自然な形であり、ワックス液をワックス磨き用布1の前方に噴射する場合に最も適している。しかし、前方に噴射するという機能が達成できれば、この位置に制限する必要はなく、他の位置、例えば上盤2の上に配置してもよい。
【0014】この噴射ノズル7は前記ワックス液を収容するタンク5又は容器13と連通する。また、上盤2の内部を空洞とし、ワックス液を収容するタンク5又は容器13から一旦上盤2の空洞部にワックス液をプラスチック製の細管等を介して移動(流動)させ、そこから噴射ノズル7に向けてワックス液を供給し、さらにワックス磨き用布1の前方に噴射するようにしてもよい。
【0015】噴射ノズル7からワックス磨き用布1の前方にワックス液を散布するには、上記のように吸気弁を開放し、例えば電池による噴射ポンプ9を用いて強制的に供給する。この場合の作動及び停止スイッチ10を把持部8又はその近傍に設けると便利である。噴射ポンプ9は操作に邪魔にならないように上盤2に内臓する構造とするが、他の構造であっても良くその取付け構造に特に制限はない。上記内臓型の場合、上盤に開閉蓋を設けて電池交換が容易にできる構造とする。電池は充電式とすることもできる。また、噴射ポンプ9も上盤2に内臓できる構造であれば公知のものでよく、特に制限はない。また、この噴射ポンプ9に替え、機械的に(手動等により)タンク5又は容器13等の内部に圧縮空気を送り込んでワックス液を強制的に噴射ノズルから散布する構造としても良い。
【0016】次に、図1及び図2に示すワックス磨き具の操作を説明する。まず、開口部6からワックス液をタンク5内に十分に満たす。この後、供給口6を閉鎖し、必要に応じて吸気弁を開き、かつスイッチ10を作動させ噴射ポンプ9を駆動して噴射ノズル7からワックス液をワックス磨き用布1の前方に散布する。図2に、ワックス磨き用布1の前方に噴射されたワックス液15を示す。散布量は噴射ポンプ9の作動時間、すなわち作動及び停止用スイッチ10により調節することができる。図3の場合も、ワックス液を満たした容器13をケース11に設置した後は、上記と同様の操作を行う。
【0017】この後、散布されたワックス液の個所及びその周辺をワックス磨き具の布を床に当てワックス磨きを行う。ワックス液量が不足した場合、又は新たな床を磨く場合には、上記噴射ポンプ9を再び作動させて噴射ノズル7からのワックス液の散布を繰り返す。ワックス液の容器5が結合しているので、従来の布だけのものに比べて重量が若干増すが、その分だけ床との間に適度な接触力が生じ、効果的にワックス磨きを行うことができる。但し、容器5が必要以上に大きいと重量が増し、操作性が悪くなるので、適度なサイズとする。
【0018】
【発明の効果】上記の通り、ワックス液の散布とワックス磨きの作業を同時に行うことができ、操作が容易でありかつ作業労力が大幅に減少できる効果を有する。特に、ワックス磨き用布の前方にワックス液を散布できるので、散布の量と位置を容易に確認することができ、さらに把持部又はその近傍に配置したスイッチにより散布できるので著しく操作性が高まる。また、ワックス液は柄の一部に取付けるので、全体としてコンパクトになり、またワックス磨きの力がワックス液やそのための容器による自重でカバー(補足)できるので効率的なワックス磨きができ、ワックス磨きを中断することなくワックス液の散布ができる優れた特徴を有している。
【出願人】 【識別番号】399016743
【氏名又は名称】大立工業有限会社
【出願日】 平成11年4月8日(1999.4.8)
【代理人】 【識別番号】100093296
【弁理士】
【氏名又は名称】小越 勇
【公開番号】 特開2000−287902(P2000−287902A)
【公開日】 平成12年10月17日(2000.10.17)
【出願番号】 特願平11−100870