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【発明の名称】 クリーナー
【発明者】 【氏名】大田黒 隆浩

【氏名】酒井 秀雄

【氏名】鈴木 徳子

【氏名】柏田 利信

【要約】 【課題】被洗浄面を腐食させたり傷つけないで水垢を除去できるクリーナーを提供すること。

【解決手段】清掃面にアルミナ系長繊維を主成分とする繊維製品が使用されていることを特徴とする。特に繊維製品はアルミナ系長繊維の紡織布または不織布の形態で支持体の清掃面に固定させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 清掃面にアルミナ系長繊維を主成分とする繊維製品が使用されていることを特徴とするクリーナー。
【請求項2】 アルミナ系長繊維からなる繊維製品が支持体に固定されている請求項1記載のクリーナー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クリーナー、特に、通常の洗浄剤では除去しにくい水垢等(高硬質汚れ)を除去できるクリーナーに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、住居内で取れにくい汚れとして、水周りの場所に付着した水垢が挙げられる。従来の技術では、台所のステンレスに付着した水垢は■塩酸等の薬剤、■研磨粒子(アルミナ)が付着した樹脂シート、■水酸化アルミニウムと酸化アルミニウムの複合シート、又は研磨粒子が付着したスポンジを用いて擦る等の操作で水垢汚れの除去に対処している。しかしながら、■や■では、ステンレスや陶器などの表面に対してはある程度除去可能であるが、被洗浄面を腐食させたり、傷つけたりして満足できるレベルではないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、被洗浄面を腐食させたり、傷つけたりしないで水垢を除去できるクリーナー(又は清掃用品)を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、水垢の除去に効果のある各種材料について鋭意研究を重ねた結果、連続した長繊維であるアルミナ系長繊維の断面が円形であることから被洗浄面を傷つけず水垢除去に極めて有効であることを見いだし本発明を完成した。すなわち、本発明は清掃面にアルミナ系長繊維を主成分とする繊維製品が使用されていることを特徴とするクリーナーである。特にアルミナ系長繊維からなる上記繊維製品が支持体に固定されたものが好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。本発明で使用されるアルミナ系長繊維としては、オキシ塩化アルミニウム等の水溶性金属化合物やポリアルミノキサン等にシリカその他の添加剤を配合した高粘性原料を紡糸して連続フイラメントからなる前駆体繊維化法で製造されたものであって、特に繊維断面が円形状であることが必要である。
【0006】一般にアルミナ系繊維は、溶融繊維化法や前駆体繊維化法で製造されている。溶融繊維化法は圧縮空気を用いたブローイング法により平均繊維径2〜3μm、最大長さ250mm程度の短繊維であり、繊維断面が非円形状となっており本発明には好ましくない。一方前駆体繊維化法は、高粘度紡糸原液を乾式紡糸法により紡糸して連続したアルミナ前駆体繊維とし、これを直接に、または平織組織に製織した後で1000〜1300℃に加熱処理する(例えば特公昭60-52205号,特公昭60-52204号等)ことで得られ、その繊維の断面は円形状で高強度の柔軟な風合を保持する。
【0007】本発明に使用されるアルミナ系長繊維としては、後者の前駆体繊維化法で得られたアルミナ系長繊維であって、特に織布または不織布、編物、布、パイル或いは紐等の形態の繊維製品で使用することができる。ここで特に好ましいアルミナ系長繊維としては、断面が円形でその繊維直径が5〜20μm、好ましくは10μm前後のものであって、適宜の撚数にて加撚後製紐としたものや、目付が100〜1000g/m2好ましくは200〜600g/m2(特に280g/m2前後)の織布または不織布としたものが好ましい。
【0008】なお、本発明のアルミナ系長繊維製品には必要に応じてその他の天然又は化学繊維、合成繊維、金属繊維、ガラス繊維等を配合することができる。特に金属繊維であるステンレス繊維を配合したものがよい。繊維の織り方として、主に平織、綾織が挙げられる。具体的には平織や二重綾が良い。この繊維の密度はタテ糸(本/25mm)では8〜45、ヨコ糸(本/25mm)では8〜35が生産性が良く好ましい。更に、アルミナ系長繊維の中に他の金属(ステンレス、ガラス、クロム、鉄、銅、亜鉛、チタン、鋼)を含有することもできる。アルミナ繊維の弾性及び強度を向上させる性質の繊維であれば制限がない。
【0009】その他、繊維間をバインダー(高分子バインダーが特に良い)を使用したり、熱可塑性繊維等を配合して加熱することにより繊維間を接合し繊維製品の強度を高めることができる。この場合、繊維製品の中に配合されるこれらバインダーや熱可塑性繊維の含有量は20〜90wt%の範囲がよい。熱可塑性繊維としては、ポリオレフイン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等からなるものであり、具体的にはPE,PP,PET,6-ナイロン、66-ナイロン、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。更に上記繊維の中には、本発明の効果を阻害しない範囲で、消臭剤、抗菌剤等を添加してもよい。
【0010】本発明のクリーナー(清掃用品)の形状等は特に限定されず、例えば清掃面を含む全体がアルミナ系長繊維からなる製紐品や織布、不織布、パイル布等としたり、またはこれらを針金等にてタワシ状その他任意の形態に縛りブロック化したり、金属タワシに織り混ぜたもの、或いは支持体の清掃面にアルミナ系長繊維を、特に織布または不織布の形態ではめ込み、或いは接着剤による固定又は袋体による包囲固定等にて固定させたもの等が挙げられる。該支持体としては各種のプラスチック材料からなるシート又はボード状、発泡シート状、スポンジボード状、その他の各種成形体等が挙げられる。なお、前記繊維製品の厚さは0.1〜1.5mm程度が使用性が良い。
【0011】なお清掃面となる支持体がシート又はボード状の場合は、厚みが1.5〜30mm、好ましくは3〜20mm程度が好ましい。また清掃用品としてある程度柔軟な屈曲性が要求されることから、特に曲げ弾性率が 9800N/cm2〜245000N/cm2、特に好ましくは、49000N/cm2〜196000N/cm2の範囲にあるものが好ましい。かかる支持体に用いる材料としては、ポリアミド(6−ナイロン、6,6−ナイロン等)、ポリプロピレン、ポリエチレン、アイオノマー、ポリアセタール、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリフェニレンスルフイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエステル、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリアリレート等が挙げられる。特に好適な材料としては、ポリアミド(6−ナイロン、6,6−ナイロン等)、ポリプロピレン、ポリエチレンである。
【0012】本発明品を用いて清掃する場合、特にアルミナ系長繊維の断面形状が円形であることから、被洗浄面を傷つけることがなく、しかも従来の研磨粒子が付着した樹脂シート、水酸化アルミニウムと酸化アルミニウムの複合シート、又は研磨粒子が付着したスポンジでは取れない水垢が容易に除去できる。特に本発明品は、油汚れの複合汚れ、サビ汚れの複合汚れにも容易に除去できる。更に研磨粒子を用いないので、研磨剤の洗い流しがなく、蓄積しないので配管を詰まらせることもない。
【0013】
【実施例】実施例1〜2,比較例1〜3実施例1の清掃材としてアルミナ系長繊維(直径10μmの円形状)からなる目付280g/m2の紡織布(ニチビアルミナ長繊維クロス;品番2626−P)を支持体であるポリアミド製発泡シート(3cm×5cmの楕円形)の片面に接着固定して、ステンレス上に作成した水垢に対する汚れ除去効果をテストした。また、実施例2の清掃材として、上記のアルミナ系長繊維(50%)とステンレス繊維(直径30μmの円柱状)からなる目付180g/m2のニードルフェルトGS(ステンレス繊維100%;日本フェルト(株)製)(50%)からなるニードルパンチ法で得られた混合繊維布(平織)を用いて同様の水垢に対する汚れ除去効果をテストした。さらに比較例1〜2の清掃材として、市販の研磨粒子入り樹脂シートや水酸化アルミニウムと酸化アルミニウムの複合シートを用いて水垢の除去率を比較した。その結果を表1に示す。
【0014】
【表1】

【0015】但し表1の評価基準は下記の通りである。
(1)水垢除去効果水垢が付着したステンレス上を各テスト品のクリーナーで20回ずつ擦った時の表面を観察し下記の基準で評価した。
○:水垢が完全に除去できた。
△:水垢が一部除去できた。
×:水垢が除去できなかった。
(2)官能評価(傷つき性)
○:ステンレス表面に全く傷が付かなかった。
△:ステンレス表面に少し傷が付いた。
×:ステンレス表面に傷が付いた。
【0016】
【発明の効果】上記表1の結果から明らかなように、本発明のクリーナーは水垢除去効果と官能評価(耐傷つき性)に優れた効果を発揮することが分かる。従って本発明のクリーナーは、台所水周り、食器類等のベターリビング分野、ビル外壁用洗浄シート、ネイルポリッシュシート、カーケア用品その他の分野に好適に使用できる。
【出願人】 【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
【出願日】 平成11年3月17日(1999.3.17)
【代理人】 【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介 (外2名)
【公開番号】 特開2000−262454(P2000−262454A)
【公開日】 平成12年9月26日(2000.9.26)
【出願番号】 特願平11−71938