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【発明の名称】 洗浄機の洗剤供給装置
【発明者】 【氏名】児玉 光司

【要約】 【課題】簡単な構造でもってかつ必要な時期に的確に洗剤を供給する。

【解決手段】洗浄室2には洗浄ノズル6とすすぎノズル7とが備えられ、洗浄ノズル6には洗浄水タンク9に貯留された洗浄水が洗浄ポンプ11により洗浄水路12を通して圧送される。洗浄室2の前面に設けられた扉5の裏面には、洗剤収納容器26が洗浄水タンク9の上方に臨んで取り付けられている。洗浄水路12の途中には分岐管54が設けられ、洗浄収納容器26の上面の導入口35とホース55により接続されている。洗浄工程において、洗浄ポンプ11が駆動されて洗浄水が圧送されると、少量の洗浄水が分岐管54とゴムホース55を通して洗剤収納容器26に供給され、中に入れられた粉末洗剤が溶かされて、下面側の投入口42から洗浄水タンク9内に滴下される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 洗浄室内に収容された被洗浄物に対して、洗浄水タンクに貯留された洗浄水を洗浄ノズルから噴出することで洗浄を行ったのち、すすぎノズルからすすぎ水を噴出することですすぎを行うようにした洗浄機において、前記洗浄室内の前記洗浄水タンクに臨んだ位置には、粉末洗剤が収納可能でかつ水分により溶解された溶解洗剤を流出可能な開口を備えた洗剤収納容器が設けられるとともに、前記洗浄水タンクから前記洗浄ノズルへの給水路の途中に分岐路を設けて、この分岐路を前記洗剤収納容器に接続したことを特徴とする洗浄機の洗剤供給装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食器洗浄機等における洗剤供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】食器洗浄機の一般的な構造並びに作用を例示すると、以下のようである。すなわち、洗浄すべき食器が洗浄室内に収容されると、洗浄水タンクに貯留された洗浄水が洗浄ノズルにより食器に向けて噴射されて洗浄が行われ、そののち貯湯タンクに貯留されたすすぎ水(温水)がすすぎノズルから噴射されてすすぎが行われるようになっている。ここで洗浄水は、温水中に洗剤を投入することで作られ、上記のように洗浄水タンク内に貯留されるが、従来、洗剤を洗浄水タンクに供給する部分の構造は、例えば特開平4−309324号公報や特開平4−141124号公報に記載されているように、粉末洗剤を入れた洗剤収納容器を洗浄水タンクの上方に臨ませて設け、洗浄時に容器の蓋をモータやソレノイド等の電動機構を介して開放し、洗剤を自重により投入したり、ノズルからの散水で洗剤を溶かして滴下させるようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のものでは、モータやソレノイド等の駆動機構を利用して洗剤収納容器の蓋を開閉しているため、構造が複雑となり、また駆動機構の設置スペースにも多く要して装置が大型化するという問題があった。本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、簡単な構造でもってかつ必要な時期に的確に洗剤を供給できるようにするところにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、洗浄室内に収容された被洗浄物に対して、洗浄水タンクに貯留された洗浄水を洗浄ノズルから噴出することで洗浄を行ったのち、すすぎノズルからすすぎ水を噴出することですすぎを行うようにした洗浄機において、前記洗浄室内の前記洗浄水タンクに臨んだ位置には、粉末洗剤が収納可能でかつ水分により溶解された溶解洗剤を流出可能な開口を備えた洗剤収納容器が設けられるとともに、前記洗浄水タンクから前記洗浄ノズルへの給水路の途中に分岐路を設けて、この分岐路を前記洗剤収納容器に接続した構成としたところに特徴を有する。
【0005】
【発明の作用及び効果】<請求項1の発明>洗浄を行うべく洗浄水タンクから給水路を通して洗浄ノズルに洗浄水が送給されると、送給された洗浄水の一部が分岐路を通って洗剤収納容器に導入され、内部の粉末洗剤を溶解して開口から洗浄水タンクに滴下され、すなわち洗浄水タンクに洗剤が投入される。洗剤収納容器に入れられた粉末洗剤を洗浄水の一部で溶解して洗浄水タンクに供給するようにしたから、洗剤供給のための格別の駆動機構が不要で、構造が簡単となり、また省スペース化を図ることができる。また、洗剤が供給されるのは洗浄時に限られるから、洗剤の無駄な消費が防止される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を家庭用食器洗浄機に適用した実施形態を添付図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>本発明の第1実施形態を図1ないし図5によって説明する。図1および図2において、符号1は、箱形に形成された洗浄機本体であって、その内部の上部側に洗浄室2が形成され、その前面の出入口3に扉5が設けられられており、図示しない食器がラックに入れられて、出入口3から洗浄室2内に出し入れされるようになっている。洗浄室2内には、それぞれ上下一対ずつの洗浄ノズル6とすすぎノズル7とが回転可能に支持されている。
【0007】洗浄室2の前面側の下方位置には、洗浄水を貯留する洗浄水タンク9が設けられ、その供給口9Aが洗浄ポンプ11の吸引側と接続されているとともに、洗浄ポンプ11の吐出側が洗浄水路12によって上下の洗浄ノズル6と接続されている。なお、洗浄水タンク9の排出口13には排水ポンプ14が接続され、その吐出側に排水管15が接続されている。
【0008】一方、洗浄室2の背面側には、すすぎ水を貯留する貯湯タンク17が設けられている。この貯湯タンク17は、水位が下限水位まで低下したことが下側のフロートスイッチ18Aで検知されると、水道水の供給管19の給水弁20が開放されて水道水が供給され、水位が上限水位まで上昇したことが上側のフロートスイッチ18Bで検知されると給水弁20が閉じることで、所定量の水が貯留可能とされているとともに、底部側にヒータ21が装備されて所定温度の温水として貯留し得るようになっている。貯湯タンク17の供給口17Aにはすすぎポンプ23の吸引側が接続され、すすぎポンプ23の吐出側がすすぎ水路24を介して上下のすすぎノズル7と接続されている。
【0009】上記した扉5の裏面には、洗剤収納容器26が設けられている。この洗剤収納容器26は、図4及び図5に示すように、容器本体27と蓋28とから構成されている。容器本体27は、前面(図4の右側の面)が開口された方形の箱形に形成されており、その前面側の上縁から左右の側縁にわたって、外側に張り出したフレーム30が形成されている。左右のフレーム30の下端部は、容器本体27の底壁31よりも所定寸法下方に突出しているとともに、底壁31の前縁は少し後方に後退している。また、この底壁31の下面には、前縁から所定寸法入った位置において垂下板32が形成され、その下縁が前方に直角曲げされることで、底壁31の前縁と同位置まで突出した突壁33が底壁31との間に上下に間隔を開けて形成されている。
【0010】容器本体27の後縁側の上面には、その幅方向の中央部において導入口35が上向きに突設されている。一方、扉5は二重構造となっていて、その裏板5Aに方形の取付孔36が開口されている。従って容器本体27は、導入口35を潜らせて扉5の中空内に入れつつその後面側が取付孔36に嵌められ、フレーム30が取付孔36の表面の口縁に当てられる。そして、取付孔36のほぼ四隅の位置でフレーム30に対してねじ止めすることによって、容器本体27が扉5の裏板5Aに固定されている。
【0011】蓋28は、図5に示すように、上縁並びに左右の側縁に容器本体27の三方のフレーム30の外側を覆えるような側板38を設けた浅皿状に形成されている。蓋28の下縁は、幅方向の中央部分が下方に張り出した段付状に形成されていて、この張出部分39の両端に、軸受孔41の開口された軸受部40が形成されている。また、両軸受部40の間の空間によって投入口42が構成されるようになっている。
【0012】一方、上記した容器本体27の左右のフレーム30の下方位置にも、同様に軸受孔45の形成された軸受部44が形成されている。蓋28は、容器本体27のフレーム30の外側に被せられることで、その両軸受部40が容器本体27の左右の軸受部44の内側に嵌められ、容器本体27と蓋28の軸受部44,40の軸受孔45,41にわたって軸46を挿通することにより、蓋28は、軸46を中心として上縁側の揺動開閉可能に支持されている。また、容器本体27における一方の軸受部44の近傍に設けられた支持部48にはピン49が突設され、このピン49にねじりコイルバネ50が装着されて、その両端が支持部48と蓋28の下端部とに係合されており、ねじりコイルバネ50の弾力により蓋28には常に閉じる方向の揺動力が付勢されている。一方、蓋28は、ねじりコイルバネ50の付勢力に抗して開放可能となっている(図1参照)。
【0013】また、蓋28の裏面の下端寄りの位置には、突壁51が立てられている。この突壁51は、上記のように蓋28が閉鎖状態にある場合には、図4に示すように、容器本体27の底壁31とその下方の突壁33とのほぼ中間位置に進入し、かつその突出縁と垂下板32との間には隙間が構成される設定となっている。一方、容器本体27側の底壁31と突壁33は、それぞれの突出縁と蓋28との間に隙間が構成される。したがって、蓋28が閉じられた状態では、洗剤収納容器26の下端部において、3枚の邪魔板が交互に突出したラビリンス構造部52が形成され、上記した投入口42に至るようになっている。なお、扉5が閉じられた状態では、洗剤収納容器26の投入口42は、洗浄水タンク9の前面側の端部の上方に臨むようになっている。
【0014】さて、上記した洗浄水路12の途中には、洗剤収納容器26に洗浄水の一部を分岐して供給する分岐管54が設けられている。この分岐管54は詳細には、図3に示すように、洗浄水路12と比較して極く小径に形成され、上側の洗浄ノズル6と接続された分流部分12Aとは反対側の面に突設されている。この分岐管54には、ホース55の一端が接続され、その他端は、図2に示すように、扉5の下縁側から中空内に導かれて、上記の洗剤収納容器26の導入口35に接続されている。
【0015】続いて、本実施形態の作用を説明する。貯湯タンク17内には予め所定量の水道水が供給され、ヒータ21により加熱されて所定温度の温水として貯留されている。一方、洗剤収納容器26には粉末洗剤Sが入れられている。洗浄室2内に洗浄すべき食器を入れて洗浄スイッチ(図示せず)を操作すると、まず、すすぎポンプ23が駆動して、貯湯タンク17内に貯留された温水がすすぎ水路24を通して圧送されて、上下のすすぎノズル7から食器に向けて噴射される。これにより食器の予洗いが行われる。予洗いに供された温水は、洗浄水タンク9に流入して貯められる。洗浄水タンク9が所定水位にまで達したことがフロートスイッチ(図示せず)で検知されると、すすぎポンプ23が停止し、温水の噴出も停止する。
【0016】続いて、洗浄ポンプ11が駆動される。そうすると、洗浄水タンク9に貯められた温水が洗浄水路12を通して上下の洗浄ノズル6に圧送され、洗浄ノズル6から食器に向けて噴射される。このとき、圧送される温水の一部が分岐管54からホース55を通り、図4に示すように、導入口35から洗剤収納容器26内に供給される。分岐管54並びにホース55は小径であって、導入口35からは少量の温水が吐出されることになる。そうすると、温水中に粉末洗剤Sが少しずつ溶解し、この温水に溶け込んだ洗剤Sが、洗剤収納容器26の下端部のラビリンス構造部52を通過して、投入口42から洗浄水タンク9内に滴下する。これにより、洗浄水タンク9内では、温水中に洗剤Sが混入された洗浄水が生成される。そののちは、洗浄水タンク9から洗浄水が洗浄ノズル6に圧送されて食器に向けて噴射されることが循環状になされて、食器の洗浄が継続して行われ、また洗浄水の一部が洗剤収納容器26に導かれることで、溶解した洗剤Sが引き続いて洗浄水タンク9に供給される。
【0017】予め設定された洗浄時間が経過すると、洗浄ポンプ11が停止して洗浄工程が終了する。洗浄ポンプ11が停止すれば、洗剤収納容器26側に洗浄水が供給されることも停止するから、洗剤Sが洗浄水タンク9側に供給されることも停止する。なお、洗剤収納容器26の投入口42の上方はラビリンス構造部52となっているので、残っている粉末洗剤Sが流出することはない。上記のように洗浄ポンプ11が停止したら、それに代わって排水ポンプ14が所定時間駆動され、洗浄水タンク9内の使用済みの洗浄水が排水管15により排水される。
【0018】続いて、すすぎポンプ23が駆動され、貯湯タンク17内の温水がすすぎ水として圧送されて、すすぎノズル7から食器に向けて噴射され、すすぎ工程が行われる。この間、洗剤収納容器26には温水が供給されず、また洗剤収納容器26は蓋28で閉じられていてすすぎノズル7からの散水が内部に浸入することもないから、粉末洗剤Sが溶け出して洗浄水タンク9に供給されることはない。所定時間が経過したら、すすぎポンプ23が停止してすすぎ工程が終了する。その後、扉5を開放して食器を機外に取り出せばよい。なお、すすぎに供された温水は順次に洗浄水タンク9に貯められ、排水ポンプ14の駆動により外部に排出される。また、粉末洗剤Sを補給する場合は、図1に示すように、扉5を開けた状態にして洗剤収納容器26の蓋28を開け、内部に粉末洗剤Sを入れればよい。
【0019】以上説明したように本実施形態によれば、洗剤収納容器26に入れられた粉末洗剤Sを洗浄水の一部で溶解して洗浄水タンク9に供給するようにしたから、洗剤供給のための格別の駆動機構が不要で構造が簡単にでき、また、省スペース化が図られてひいては食器洗浄機全体をコンパクトにまとめることができる。また、洗剤Sが洗浄水タンク9に供給されるのは、洗浄ポンプ11が駆動されたとき、すなわち洗浄時に限られるから、洗剤Sが無駄に消費されることがない。
【0020】<第2実施形態>洗剤収納容器の設置場所は、上記第1実施形態に例示した扉5の裏面に限らず、例えば図6に示すように、洗剤収納容器26Aを洗浄室2の前面側の上部の隅部に設けるようにしてもよい。この場合は、分岐管55Aを洗浄水路12における上側の洗浄ノズル6との接続部付近に設けると、ホース55Aにより最短距離で洗剤収納容器26Aと接続することができる。その他の構造は上記第1実施形態と同様であり、同一機能を有する部位については、同一符号を付すことで重複した説明は省略する。第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0021】<他の実施形態>本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)洗剤収納容器の設置位置は、上記両実施形態に例示したものに限らず、要は、食器の出し入れやノズルの回転等の邪魔にならない場所で、洗浄水タンクの上方に臨んでいる場所であればよい。
(2)上記実施形態の洗浄サイクルは一例であって、他の洗浄サイクルを呈するものにも同様に適用することができる。
(3)本発明は家庭用食器洗浄機に限らず、業務用の食器洗浄機、さらには容器を洗浄する洗浄機等の洗浄機全般に広く適用することができる。
【出願人】 【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ電機株式会社
【出願日】 平成11年1月20日(1999.1.20)
【代理人】 【識別番号】100096840
【弁理士】
【氏名又は名称】後呂 和男 (外1名)
【公開番号】 特開2000−210243(P2000−210243A)
【公開日】 平成12年8月2日(2000.8.2)
【出願番号】 特願平11−12318