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【発明の名称】 電気掃除機
【発明者】 【氏名】寺田 健

【要約】 【課題】電気部品を効率よく冷却でき放熱板が小型化する電気掃除機を提供する。

【解決手段】電動送風機を収容する電動送風機室15の前側に隔壁12にて集塵室13を区画形成する。集塵室13内に壁状の区画壁部31を設け、区画壁部31と下部ケース2aと隔壁12とにて回路室32を区画形成する。区画壁部31に集塵室13に連通する通気口38を設け、隔壁12に電動送風機の吸気口に連通する流通口を設ける。バンパ3に回路室32の上面を閉塞する閉塞蓋部46を設ける。回路室32内に電動送風機の駆動状態を制御する制御手段を構成しトランジスタ33を搭載した回路基板34を収容する。吸込口51から吸い込んだ塵埃を集塵袋にて捕捉し、空気は集塵室13から一部回路室32内を介して電動送風機の吸気口に吸気する。回路基板34およびトランジスタ33を集塵効率を損なわずに直接冷却でき、放熱板36を小型化できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ケース体と、このケース体に設けられ電動送風機を収容する電動送風機室と、前記ケース体に設けられ前記電動送風機の負圧側に位置し吸込口が開口された集塵室と、前記ケース体に設けられ前記電動送風機の駆動状態を制御する電気部品を搭載した回路基板と、前記集塵室内に略壁状に設けられ前記集塵室および前記電動送風機室にそれぞれ通気可能に連通して前記回路基板を収容する回路室を前記集塵室の内壁とにて区画形成する区画壁部とを具備したことを特徴とする電気掃除機。
【請求項2】 ケース体と、このケース体に設けられ電動送風機を収容する電動送風機室と、前記ケース体に設けられ前記電動送風機の負圧側に位置し吸込口が開口された集塵室と、前記ケース体に設けられ前記電動送風機の駆動状態を制御する電気部品を搭載した回路基板と、前記集塵室内に略壁状に設けられ前記集塵室に通気可能に連通して前記回路基板を収容する回路室を前記集塵室の内壁とにて区画形成する区画壁部とを具備したことを特徴とする電気掃除機。
【請求項3】 集塵室を開閉する蓋体を有し、ケース体は、上面を開口する下部ケースと、この下部ケースの集塵室側を含む周縁に設けられるとともに回路室の上方を閉塞する閉塞蓋部を有したシール部材とを備えたことを特徴とする請求項1または2記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発熱する電気部品を搭載し電動送風機の駆動を制御する回路基板を備えた電動送風機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電気掃除機としては、例えば特開平6−335436号公報に記載の構成が知られている。
【0003】この特開平6−335436号公報に記載の電気掃除機は、掃除機本体の内部に集塵室と電動送風機室と回路室とを区画形成し、トランジスタなどの発熱する電気部品が実装された回路基板にて電動送風機の駆動を制御し、吸い込んだ塵埃を集塵室内に装着した集塵袋に捕捉する。そして、トランジスタを冷却するために、電動送風機室と回路室とを区画する壁部に形成されパッキングが取り付けられた通孔に挿通されて電動送風機の負圧側に気密に突設する略L字状に折曲形成した放熱板をトランジスタに装着し、電動送風機の吸気風を利用して放熱板を介してトランジスタを冷却している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特開平6−335436号公報に記載の従来の電気掃除機では、区画された回路室内に位置するトランジスタおよび回路基板は吸気風にて直接冷却されないため、放熱板を大型化しなければならない。そこで、回路基板全体を吸気風が流通する位置に配設することも考えられる。しかしながら、電動送風機の下流側に配設したのでは、電動送風機の熱により既に吸気風の温度が上昇しており、効率よく冷却できない。また、電動送風機の上流側で集塵室との間では、集塵室を通過した吸気風の流れが阻害され、吸気効率が低下してしまう。さらに、集塵室内に直接配設したのでは、吸気による集塵袋の拡張が阻害されるおそれがある問題がある。
【0005】本発明は、このような点に鑑みなされたもので、電気部品を効率よく冷却でき放熱板が小型化する電気掃除機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の電気掃除機は、ケース体と、このケース体に設けられ電動送風機を収容する電動送風機室と、前記ケース体に設けられ前記電動送風機の負圧側に位置し吸込口が開口された集塵室と、前記ケース体に設けられ前記電動送風機の駆動状態を制御する電気部品を搭載した回路基板と、前記集塵室内に略壁状に設けられ前記集塵室および前記電動送風機室にそれぞれ通気可能に連通して前記回路基板を収容する回路室を前記集塵室の内壁とにて区画形成する区画壁部とを具備したものである。
【0007】そして、電動送風機の駆動状態を制御する電気部品を搭載した回路基板を、電動送風機の負圧側に位置する集塵室内に略壁状に突出した区画壁部と集塵室の内壁とにて集塵室および電動送風機室にそれぞれ通気可能に連通する回路室内に配設するため、例えば集塵室内に装着され掃除の際に膨れる集塵袋と回路基板とが干渉することなく集塵袋が確実に膨れるので、集塵効率が低下することなく、集塵室から回路室内を介して通気する吸気流にて電気部品が直接冷却されるので、電気部品を効率よく冷却する。
【0008】請求項2記載の電気掃除機は、ケース体と、このケース体に設けられ電動送風機を収容する電動送風機室と、前記ケース体に設けられ前記電動送風機の負圧側に位置し吸込口が開口された集塵室と、前記ケース体に設けられ前記電動送風機の駆動状態を制御する電気部品を搭載した回路基板と、前記集塵室内に略壁状に設けられ前記集塵室に通気可能に連通して前記回路基板を収容する回路室を前記集塵室の内壁とにて区画形成する区画壁部とを具備したものである。
【0009】そして、電動送風機の駆動状態を制御する電気部品を搭載した回路基板を、電動送風機の負圧側に位置する集塵室内に略壁状に突出した区画壁部と集塵室の内壁とにて集塵室に通気可能に連通する回路室内に配設するため、例えば集塵室内に装着され掃除の際に膨れる集塵袋と回路基板とが干渉することなく集塵袋が確実に膨れるので、集塵効率が低下することなく、掃除により常に冷えた状態の集塵室に通気可能な回路室内も冷えた状態となるので、回路基板全体が常に冷えた環境にさらされるので、電気部品を効率よく冷却する。
【0010】請求項3記載の電気掃除機は、請求項1または2記載の電気掃除機において、集塵室を開閉する蓋体を有し、ケース体は、上面を開口する下部ケースと、この下部ケースの集塵室側を含む周縁に設けられるとともに回路室の上方を閉塞する閉塞蓋部を有したシール部材とを備えたものである。
【0011】そして、蓋体の閉塞状態のときに蓋体とケース体との間をシールするシール部材を利用して別部材を用いることなく回路室が閉塞され、部品点数が減少して製造性が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電気掃除機の実施の一形態を図面を参照して説明する。
【0013】図2において、1は電気掃除機本体で、この電気掃除機本体1は、上面を開口した下部ケース2a、および、この下部ケース2aの後部上面を閉塞する上部ケース2bとが、前面を含む周縁にシール部材としてのバンパ3を挟持して接合されて前側上面部を開口したケース体としての本体ケース2を有し、この本体ケース2に前側上面部の開口を開閉自在に閉塞する蓋体4を回動自在に軸支して形成されている。なお、バンパ3は、外周面が衝撃吸収部材として機能し、上面が蓋体4とのシール部材としての機能を有するように構成されている。
【0014】そして、本体ケース2は、進行方向の前側下面に旋回自在の図示しない旋回輪が取り付けられ、本体ケース2の後側側面に大径の従動輪6,6が回転自在に設けられ、電気掃除機本体1は旋回輪と従動輪6,6とにて図示しない床面上を走行可能となっている。また、本体ケース2の上部には、上下方向に摺動自在のハンドル7が設けられている。
【0015】一方、電気掃除機本体1内には、図1および図2に示すように、複数の図示しない連通孔を有した格子状の隔壁12により、上方が開放された集塵室13が、電気掃除機本体1の進行方向の前側に区画形成されているとともに、この集塵室13の後方に電動送風機14を収納した電動送風機室15が区画形成されている。そして、集塵室13内には、この集塵室13内に枢着された図示しないホルダにより集塵袋が着脱自在に装着される。
【0016】また、隔壁12の前面には、その連通孔を覆い集塵室13の上面開口を介して着脱される図示しない補助集塵フィルタが着脱自在に装着されている。さらに、蓋体4は、上部ケース2bに後端部が枢着されており、集塵室13を上方から開閉自在に覆うように形成されている。
【0017】一方、電動送風機室15内には、電動送風機14が配設されている。この電動送風機14は、図示しないファンを回転駆動する電動部21と、ファンを覆うファンカバー22とを有している。このファンカバー22の前面中央部には吸気口23が開口形成され、電動部21のフレームには図示しない排気孔が開口形成されている。そして、電動送風機14の前端部には前端の外周縁に環状の図示しないゴム製支持体が嵌合され、電動送風機14は本体ケース2内に突設された図示しないリブにて吸気口23が集塵室13に連通孔を介して気密に連通して固定され、集塵室13から電動送風機14の吸気口23までが吸込風路24を構成する。
【0018】また、電動送風機室15の進行方向の一側には、図示しない電源コードを巻回するドラムを回転自在に軸支するドラム室25が区画形成されている。
【0019】さらに、集塵室13内には、進行方向の一側に位置して平面が進行方向に沿った壁状の区画壁部31が突設され、この区画壁部31と集塵室13の内壁である下部ケース2aと、隔壁12とにて回路室32が区画形成されている。そして、この回路室32内には、電動送風機14の駆動状態を制御する制御手段を構成し発熱する電気部品としてのトランジスタ33を搭載した回路基板34が収容されている。この回路基板34には、熱伝導率の高いアルミニウム合金などにて略平板状に形成され、トランジスタ33と回路基板34との間にねじ35にて取り付けられた放熱板36が設けられている。
【0020】また、区画壁部31には、集塵室13と回路室32とを連通する通気口38が複数開口形成されている。そして、区画壁部31には、通気口38,38を通気可能に閉塞する補助フィルタ39が取り付けられている。また、隔壁12には、電動送風機14の吸気口23に連通する複数の図示しない流通口が開口形成されているとともに、ドラム室25に連通し回路基板34に接続されたリード線40を挿通するコード孔41が開口形成されている。そして、集塵室から区画壁部31の通気口38、回路室32および流通口を介して電動送風機14の吸気口23に至る風路が冷却風路43となる。
【0021】また、バンパ3には、隔壁12の上部縁に係合しシール部材として機能する密着部45と、回路室32の上面を閉塞して覆い区画壁部31に係合する閉塞蓋部46が一体に設けられている。
【0022】一方、電気掃除機本体1内には、電動送風機室15の後方に位置して、図示しない排気室が区画形成され、電気掃除機本体1の上部ケース2bの後側上部には、排気室を介して電動送風機14の図示しない排気孔に連通する排気孔が開口形成されている。
【0023】また、本体ケース2の前側略中央には、延長管48を介して吸込口体49を接続するホース50を着脱自在に接続する吸込口51が開口形成されている。
【0024】次に、上記実施の一形態の内部構成を図2および図3を参照して説明する。
【0025】電動送風機14が電気掃除機本体1内に配設されるとともに、この電動送風機14は、回路基板34に搭載された制御手段55の図示しない電力制御用のトライアック、ヒューズ56およびドラム57に巻回される電源コード58を介して商用交流電源に接続される。
【0026】さらに、制御手段55には、ホース50の延長管48が接続される一端に設けられた把持部60に配設した操作手段61が電気的に接続され、この操作手段61を構成する強/弱切替用スイッチ62、低騒音用スイッチ63、自動用スイッチ64および停止用スイッチ65の操作に従って、トライアックを位相制御し、電動送風機14を所定の駆動状態の入力に制御する。
【0027】次に、上記実施の一形態の動作について説明する。
【0028】通常の掃除時には、蓋体4を閉じておき、電源コード58を介して電力を供給し、例えばシャッタを摺動移動して吸込口51を開く。この状態で、ホース50や延長管48、吸込口体49を適宜接続し、ホース50の把持部60を把持して電動送風機14を適宜駆動させて掃除する。この掃除により、吸込口体49から延長管48およびホース50を介して吸込口51から空気とともに塵埃が吸い込まれ、電気掃除機本体1の集塵室13に導かれて、図示しない集塵袋内に捕捉される。
【0029】そして、集塵袋にて塵埃が除去された空気は、図示しない補助集塵フィルタを流通して微細な塵埃が捕捉され、連通孔から電動送風機14の吸気口23に吸い込まれる吸込風路24を流過するとともに、一部は補助フィルタ39を介して回路室32内に流入し、回路基板、トランジスタ33などの電気部品、放熱板36を冷却して流通口から電動送風機14の吸気口23に吸い込まれる冷却風路を流過する。さらに、吸込風路24および冷却風路43を流通して電動送風機14の吸気口23に吸い込まれた空気は、電動送風機14内を通って電動送風機14の図示しない排気孔から排気室に排気され、排気孔から電気掃除機本体1外の外気へ排気風として排出される。
【0030】上述したように、上記実施の形態によれば、発熱するトランジスタ33などの電気部品を搭載した回路基板34を、電動送風機14の負圧側に位置する集塵室13内に略壁状に突出した区画壁部31と集塵室13の内壁とにて集塵室13および電動送風機14の負圧側にそれぞれ通気可能に連通する回路室32内に配設するため、例えば集塵室13内に装着され掃除の際に膨れる集塵袋と回路基板34とが干渉することなく集塵袋が確実に膨れ、吸込口51から吸い込まれた空気は一旦集塵室13から冷却風路43の回路室32に一部分流するが再び合流して電動送風機14に吸い込まれるので、別途外部から吸気して回路基板34を冷却する構成に比して集塵効率が低下することを防止でき、集塵室13から回路室32内を介して通気する吸気流にて電気部品および複数の電気部品を搭載する回路基板34が直接冷却されるので、電気部品を冷却するために取り付けられる放熱板36が小型化あるいは放熱板36を設けなくてもよく、特に発熱量の多いトランジスタ33以外の電気部品も冷却でき、電気掃除機本体1を小型化でき、放熱板36を設けなくてもよい場合には製造性を向上でき製造コストをも低減できる。
【0031】また、本体ケース2に取り付けられるバンパ3に、回路室32を覆う閉塞蓋部46を一体に設けたため、区画壁部31を設ける簡単な構造で回路基板34を収容する上面を開口した回路室32を容易に区画形成できるとともに、バンパ3を利用して別部材を用いることなく回路室32を閉塞でき、部品点数が減少して製造性を向上できる。
【0032】さらに、区画壁部31に集塵室13を回路室32に連通する通気口38を通気可能に閉塞する補助フィルタ39を設けたため、集塵袋にて除去できなかった微細な塵埃が回路室32内に流入することを防止でき、回路基板34に塵埃が付着することにより誤作動などを生じることを防止できる。
【0033】なお、上記実施の形態において、キャニスタ型に限らず、吸込口体49が吸込口51に直接設けられたアップライト型や自走式のものなど、いずれの構成でもできる。
【0034】また、回路室32に流通口を開口して説明したが、流通口を設けず、回路室32を集塵室13に連通するとともに、集塵室13を介して電動送風機14の負圧側である吸気側に連通する構成としてもよい。この構成の場合、集塵室13は吸気風にて常時冷却された状態であり、この集塵室13に連通する回路室32の内部も冷却された状態となることから、回路基板34全体が常時冷却された回路室32にさらされるので、放熱板36の小型化が図れる。
【0035】
【発明の効果】請求項1記載の電気掃除機によれば、電気部品を搭載した回路基板を、集塵室内に略壁状に突出した区画壁部と集塵室の内壁とにて集塵室および電動送風機室にそれぞれ連通する回路室内に配設するため、例えば集塵室内に装着され掃除の際に膨れる集塵袋と回路基板とが干渉することなく集塵袋が確実に膨れるので、集塵効率の低下を防止できるとともに、集塵室から回路室内を介して通気する吸気流にて電気部品を直接冷却でき、電気部品を効率よく冷却することができる。
【0036】請求項2記載の電気掃除機によれば、電気部品を搭載した回路基板を、集塵室内に略壁状に突出した区画壁部と集塵室の内壁とにて集塵室に連通する回路室内に配設するため、例えば集塵室内に装着され掃除の際に膨れる集塵袋と回路基板とが干渉することなく集塵袋が確実に膨れるので、集塵効率の低下を防止できるとともに、常時冷却される集塵室に連通し冷却された回路室内に回路基板全体がさらされるので、電気部品を効率よく冷却することができる。
【0037】請求項3記載の電気掃除機によれば、請求項1または2記載の電気掃除機の効果に加え、蓋体の閉塞状態の時に蓋体とケース体との間をシールするシール部材に回路室の上方を閉塞する閉塞部材を設けるため、シール部材を利用して別部材を用いることなく回路室を閉塞でき、部品点数が減少して製造性を向上できる。
【出願人】 【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
【出願日】 平成11年1月18日(1999.1.18)
【代理人】 【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄 (外2名)
【公開番号】 特開2000−201863(P2000−201863A)
【公開日】 平成12年7月25日(2000.7.25)
【出願番号】 特願平11−9899