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【発明の名称】 吸込み口体及び電気掃除機
【発明者】 【氏名】真野 文樹

【要約】 【課題】回転清掃体を回転させた循環空気を利用して吸塵性能を向上できる空気循環式電気掃除機の吸込み口体を得ることにある。

【解決手段】空気の循環に伴って被掃除面上の空気を吸込む吸気口91を有した吸込み口体主部52の幅方向中央部に、掃除機本体側に連通される連通管51を設ける。ねじれた複数枚のブレード(清掃部材)102103を有した回転清掃体53を、吸気口91に臨ませて主部52内に回転自在に取付ける。循環空気をねじれブレード102103に上方から吹付けるスリットからなる還流吹出し口54を、主部52にその幅方向に延ばして設ける。それにより、吹出し口54から吹出される空気をねじれブレード102103の一部に常に吹付けて清掃体53を回転させるとともに、ねじれブレード102103によりそのねじれ方向の端まで導いて、被掃除面に吹付けるようにしたことを特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】掃除機本体に内蔵された電動送風機により吸込まれる空気をフィルタに通して塵埃を捕捉し、前記フィルタを通過して前記電動送風機から排出された空気を回収し循環させながら掃除をする電気掃除機に備えられる吸込み口体において、前記空気の循環に伴って被掃除面上の空気を吸込む吸気口を有した吸込み口体主部と、この主部に設けられて前記掃除機本体側に連通される連通管と、前記吸気口に臨むとともに一部を前記連通管の入口に対向させて前記吸込み口体主部内に回転自在に取付けられ、かつ、少なくとも前記連通管の入口に向かい合っていない部位の外周面にねじれた清掃部材を複数有した回転清掃体と、前記回転清掃体の軸線からずらして前記吸込み口体主部にこの主部の幅方向に沿って連続又は非連続的に設けられ、前記清掃部材にその上方から前記循環する空気を吹付ける還流吹出し口と、を具備した吸込み口体。
【請求項2】前記清掃部材を前記回転清掃体の少なくとも軸方向両側部分に設けるとともに、これら両清掃部材のねじれ方向を互いに逆にしたことを特徴とする請求項1に記載の吸込み口体。
【請求項3】前記清掃部材を前記回転清掃体の略全長にわたり巻付くように連続して設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の吸込み口体。
【請求項4】前記回転清掃体を、コア軸と、この軸の外周面から突出された前記清掃部材と、前記コア軸の両端部外周に夫々同軸的に嵌着された支え軸サポートと、これら支え軸サポートから突設された支え軸と、これら支え軸を夫々軸支する軸受とで形成するとともに、少なくとも一方の前記支え軸サポートの前記コア軸への嵌合部に軸方向に延びる複数の切欠き溝を形成し、前記清掃部材の端部を前記切欠き溝に通して前記支え軸サポートの外周面から突出させたことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の吸込み口体。
【請求項5】掃除機本体内の電動送風機の動作により吸込み口体の吸気口から被掃除面側の空気を吸込み、この吸込んだ空気をフィルタに通して塵埃を捕捉し、前記フィルタを通過して前記電動送風機から排出される空気を前記吸気口に戻して、この戻された空気を回収し循環させながら掃除を行なう電気掃除機において、前記吸込み口体を前記請求項1〜4項のうちいずれか1項に記載の吸込み口体としたことを特徴とする電気掃除機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、掃除機本体内の電動送風機の動作により吸込み口体の吸気口から空気を吸込み、この吸込んだ空気をフィルタに通して塵埃を捕捉し、フィルタを通過して電動送風機から排出される空気を吸気口に戻して、この戻された空気を回収し、循環させながら掃除をする空気循環式の電気掃除機及びこれが備える吸込み口体に関する。
【0002】
【従来の技術】米国特許第5168559号明細書及び特開平4−193239号公報には、掃除機本体内の電動送風機から排出された空気を、回転清掃体が有するブレードを吹付けて回転清掃体を回転させるとともに、回転清掃体を回転させた空気を回収して前記電動送風機に吸込ませて、空気循環式の掃除を行なう空気循環式電気掃除機が記載されている。
【0003】米国特許第5168559号明細書に記載の技術によれば、周方向に間隔的に配置された各ブレードはいずれも回転清掃体の軸方向と平行に延びて設けられており、回転清掃体の下部に移動されたブレードに、電動送風機から排出された空気を被掃除面に沿って吹付けることにより、回転清掃体を回転させるようになっている。又、特開平4−193239号公報の技術によれば、ブレードは回転清掃体の外周面に螺旋状に巻き付けられており、電動送風機から排出された空気を、回転清掃体を収容した吸込み口体の幅方向一端部に導いて、回転清掃体の一端部において前記ブレードに吹付けて回転清掃体を回転させるとともに、この回転清掃体を回転させた空気を吸込み口体の幅方向他端部において回収するようになっている。
【0004】これらの公報に示されるように循環する空気をブレードに吹付けて回転清掃体を回転駆動させる吸込み口体の構成は、回転清掃体を回転させるのに電動モータやエアータービン及びエアータービン等から回転清掃体への伝動機構が不要である点で優れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、米国特許第5168559号明細書に記載のように各ブレードが回転清掃体の軸方向に平行に延びていると、ブレード数が少ない場合には、ブレードと、互いに隣接したブレード間とが、交互に電動送風機から排出された空気を吹出す還流吹出し口に対向するので、回転清掃体の回転速度及び回転トルクにむらを発生する。それに伴い、ブレードによる被掃除面の塵埃のかき出し性能、ひいては吸塵性能が低下するとともに、騒音を発生し易い。しかも、前記回転むらに伴い、回転清掃体の回りを通って電動送風機側に回収される空気の流れが乱されるので、回転清掃体が臨んだ吸込み口体の吸気口を通る塵埃を含んだ外気の吸込み性能、ひいては吸塵性能を低下させ易いという問題がある。
【0006】又、回転清掃体が螺旋状のブレードを有していても、回転清掃体の一端部だけに循環する空気を吹付けて回転清掃体を回転駆動し、この清掃体の他端部側から空気を回収する特開平4−193239号公報に記載の構成では、螺旋状のブレードに対する循環空気の吹付けが実質的には断続的となるので、前記米国特許第5168559号明細書のものと同様の問題がある。又、この従来技術においては、回転清掃体の螺旋状ブレードに吹付けられた空気がその後に被掃除面に吹き当って、この面の塵埃の浮き上げるかどうかは不明である。しかし、仮にそうであるとしても、その吹付けが既述のように部分的に制限されているので、塵埃を浮き上げる範囲が回転清掃体の一端側に片寄って小さく、そのため、吸込み口体での吸塵性能が低い。
【0007】又、前記いずれも従来技術においても、還流吹出し口から吹出された空気を、吸込み口体の吸気口の端にまで導いて被掃除面に吹付けるという点については考慮されていない。そのため、吸込み口体の幅方向の端部において循環する空気を利用して被掃除面の塵埃を効率よく浮き上げることが困難であり、吸込み口体での吸塵性能が低い。
【0008】本発明が解決しようとする第1の課題は、回転清掃体を回転させた循環空気を利用して吸塵性能を向上できる吸込み口体を得ることにある。
【0009】本発明が解決しようとする第2の課題は、第1の課題を解決するにあたり、更に吸塵性能を向上できるとともに回転清掃体の回転に伴う騒音も抑制できる吸込み口体を得ることにある。
【0010】本発明が解決しようとする第3の課題は、第1の課題を解決できる空気循環式の電気掃除機を得ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、掃除機本体に内蔵された電動送風機により吸込まれる空気をフィルタに通して塵埃を捕捉し、前記フィルタを通過して前記電動送風機から排出された空気を回収し循環させながら掃除をする電気掃除機に備えられる吸込み口体を前提とする。
【0012】そして、前記第1の課題を解決するために、請求項1の発明に係る吸込み口体は、前記空気の循環に伴って被掃除面上の空気を吸込む吸気口を有した吸込み口体主部と、この主部に設けられて前記掃除機本体側に連通される連通管と、前記吸気口に臨むとともに一部を前記連通管の入口に対向させて前記吸込み口体主部内に回転自在に取付けられ、かつ、少なくとも前記連通管の入口に向かい合っていない部位の外周面にねじれた清掃部材を複数有した回転清掃体と、前記回転清掃体の軸線からずらして前記吸込み口体主部にこの主部の幅方向に沿って連続又は非連続的に設けられ、前記清掃部材にその上方から前記循環する空気を吹付ける還流吹出し口と、を具備したものである。
【0013】この請求項1の発明において、電動送風機から排出された空気は吸込み口体を通って循環し、それに伴い吸込み口体主部の吸気口から被掃除面上の塵埃とともに吸引した空気を、連通管を通して掃除機本体側に吸込んで空気循環式の掃除をすることができ、その際に吸込み口体主部に戻された空気をこの主部の還流吹出し口から回転清掃体の清掃部材に吹付けて連通管に吸込ませるから、前記吹付けに伴い回転清掃体を回転させることができる。そのため、回転清掃体の清掃部材により被掃除面のごみを掻き出しながら空気循環式の掃除ができる。
【0014】そして、還流吹出し口は循環する空気を回転清掃体が連通管の入口に少なくとも向かい合っていないところで清掃部材に吹付けるので、還流吹出し口から吹出された空気が連通管に直ちに吸込まれて回収されることがなくなり、有効に清掃部材に吹付けることができる。しかも、その際において還流吹出し口は循環する空気を清掃部材にその上方から吹付けて回転清掃体を回転させるから、清掃部材に吹付けられた直後の空気を被掃除面に上方から吹付けて、被掃除面の塵埃を浮き上げることができるとともに、還流吹出し口は吸込み口体主部にこの主部の幅方向に沿って連続又は非連続的に設けられているので、被掃除面に上方から吹付けられる空気による塵埃浮き上げ範囲を吸込み口体主部の幅方向に長く確保できる。その上、各清掃部材はねじられているので、清掃部材に吹付けられた空気の一部を、清掃部材のねじれ方向に沿って回転清掃体の端まで容易に導いて、そこから下方の被掃除面に吹付けることができる。つまり、吸気口の端側に対向する被掃除面においてもその上方から清掃部材で斜め下向きに導かれた空気を吹付けて塵埃を浮き上げることができる。
【0015】請求項1の発明を実施するにあたり、この発明に従属する請求項2の発明のように、前記清掃部材を前記回転清掃体の少なくとも軸方向両側部分に設けるとともに、これら両側部分の清掃部材のねじれ方向を互いに逆にするとよい。このようにすることは、ねじれ方向が互いに逆の清掃部材によって、これら清掃部材に吹付けられた空気を、夫々のねじれ方向にしたがって回転清掃体の両端まで容易に導いて、回転清掃体の両端からその下方の被掃除面の夫々に上方から吹付けることができる点で優れている。
【0016】前記第2の課題を解決するために、請求項1又は2の発明に従属する請求項3の発明は、前記清掃部材を前記回転清掃体の略全長にわたり巻付くように連続して設けたものである。この発明において回転清掃体の両端部での各清掃部材のねじれ方向は、同じであっても、逆であってもよい。
【0017】この請求項3の発明においては、前記請求項1又は2の発明の作用に加えて、還流吹出し口から吹出された空気を、ねじれた清掃部材に対する吹き当り個所の回転清掃体の軸方向への変化を伴いながら、途切れることなくねじれた清掃部材のどこか一部に吹付けることができる。そのため、回転清掃体の回転トルク及び回転速度の変動を抑制して、円滑に回転清掃体を回転させることができる。しかも、清掃部材が回転清掃体の略全長に亘っていることから、回転清掃体の略全長で被掃除掃面の塵埃をかき出すことができる。
【0018】又、前記請求項1〜3の内のいずれかの発明を実施するにあたり、その発明に従属する請求項4の発明のように、前記回転清掃体を、コア軸と、この軸の外周面から突出された前記清掃部材と、前記コア軸の両端部外周に夫々同軸的に嵌着された支え軸サポートと、これら支え軸サポートから突設された支え軸と、これら支え軸を夫々軸支する軸受とで形成するとともに、少なくとも一方の前記支え軸サポートの前記コア軸への嵌合部に軸方向に延びる複数の切欠き溝を形成し、前記清掃部材の端部を前記切欠き溝に通して前記支え軸サポートの外周面から突出させて形成するとよい。このようにすることは、コア軸の端に支え軸を連結するための支え軸サポートがあるにも拘らず、その部分にまで清掃部材の端部を延ばして配置できるので、吸気口の端に対して清掃部材の端部をより接近させて、吸気口の端側の被掃除面に対する塵埃のかき出し性能を向上できる点で優れている。
【0019】請求項5の発明に係る電気掃除機は、掃除機本体内の電動送風機の動作により吸込み口体の吸気口から被掃除面側の空気を吸込み、この吸込んだ空気をフィルタに通して塵埃を捕捉し、前記フィルタを通過して前記電動送風機から排出される空気を前記吸気口に戻して、この戻された空気を回収し循環させながら掃除を行なう電気掃除機を前提とする。そして、前記第3の課題を解決するために、請求項5の発明に係る電気掃除機は、前記吸込み口体を前記請求項1〜4項のうちいずれか1項に記載の吸込み口体としたことを特徴とするものである。
【0020】したがって、この空気循環式電気掃除機においては、請求項1〜4の発明に係る吸込み口体を備えることにより、既述の請求項1〜4項の発明のうちいずれか1項の発明の作用を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図11を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。図1及び図2に示されるように第1の実施の形態に係るアップライト型の空気循環式電気掃除機11は、掃除機本体12と、吸込み口体13と、ハンドル14とを備えている。
【0022】掃除機本体12は、左右一対の合成樹脂製本体ケース21をねじ止め等により連結して形成されている。この本体ケース21の上端部一側(使用時に裏側となる側)には枢着部15を介してハンドル14が連結されている。操作スイッチ14aを有するハンドル14は、使用時には図1に示されるように掃除機本体12の上方に連続して延びる使用位置に配置され、非使用時には枢着部15を中心に下方に回動して折り畳まれて掃除機本体12の前記裏側に沿う非使用位置に配置される。このハンドル14の長さは掃除機本体12とこれに後述のように連結される吸込み口体13との合計長さに略等しく、前記非使用位置のハンドル14は、その下端が床面に接した際に掃除機本体12の自立姿勢が損なわれないように支え得るようになっている。
【0023】本体ケース21の下端部にはその下端面に露出する接続口22が取付けられている。図3に示されるように接続口22には吸込み口体13が着脱自在に挿入して取付けられる。この接続口22は、大径部22aと小径部22bとを連ねて段付き円筒状をなしていて、その小径部22bと大径部22aとの境をなす壁面には複数の通気孔22cが周方向に間隔的に設けられている。
【0024】図2に示されるように両本体ケース21の内面にはこれらの連結に伴って先端が互いに当接される所要の仕切りリブが一体に設けられており、これらリブによって、本体ケース21内は、下部の集塵室23と、中間部の排気室24と、上部のリール収容部25と、集塵室23及び排気室24にわたる還流室26とに仕切られている。排気室24の前側(吸込み空気を基準に上流側)に位置された集塵室23は、掃除機本体12の使用時に表側となる面において開口され、この開口は本体ケース21の下部に着脱可能に取付けられるケース蓋27により気密的に閉じられている。
【0025】図3に示されるように集塵室23の斜状底壁部はフィルタ取付け部28として形成され、このフィルタ取付け部28の近傍には手動により図示しないばねの力に抗して図2中矢印E方向に枢軸29を中心にして回動操作されるフィルタ押さえ30が取付けられている。フィルタ取付け部28と接続口22の小径部22bとの間には、これらの間を気密に仕切る環状のゴムシール20が介装されており、このシール20は次に説明する口枠の吸込み開口を開閉する弁板部20aを一体に有している。弁板部20aは吸込み負圧によって引き動かされて前記吸込み開口を開くとともに、前記負圧の消失に伴い自身の弾性力で吸込み開口を閉じる位置に戻される。
【0026】集塵室23に出し入れ可能に収容されるフィルタとしての紙パック製の集塵袋31は、その平板状でかつ中央部に吸込み開口を有した口枠31aを、フィルタ押さえ30によりフィルタ取付け部28に取付けて、集塵室23に収容されている。集塵室23の上部には多数の細長い通気孔を有したフィルタ支え32が収容され、このフィルタ支え32は掃除動作に伴い膨張した集塵袋31を支持する。
【0027】排気室24には電動送風機35がその吸込み口を集塵室23側に向けて設置されている。36、37は電動送風機35の前後両端部に嵌合された防振用のモータ支持ゴムである。排気室24と集塵室23との境界部に位置される仕切りリブ38には前記吸込み口に対向する開口38aが開けられており、それによって集塵室23内の集塵袋31を通過した空気が電動送風機35に吸込まれる。なお、図2中45は電動送風機35の吸込み側に連通して配置されて集塵室23内の真空圧が所定の値より下がった時に開いて掃除機本体12外の空気(外気)を集塵室23内に導入するためのリーク弁である。
【0028】電動送風機35は、電動送風部35aとこの送風部35aに取付けられたモータカバー39とを備えている。図2に示されるように電動送風部35aは、ディフューザ及び遠心ファンをファンカバーの内部に収めた送風部35bの下流側に、固定子及び回転子等の前記送風部以外の部品からなる整流子モータ部35cが突出した構成となっている。ファンカバーの外周面には前記モータ支持ゴム36が嵌合されている。この電動送風機35の運転時には、その吸込み口から遠心ファンに吸込まれた集塵室23側の空気は、このファンの周囲から吐出された後、ファンカバーの内面で案内されながらディフューザ内にその外周部の入口から流入し、そして、このディフューザにより静圧化されながら主として整流子モータ部35cの周囲等に向けて流出される。
【0029】合成樹脂によりカップ状に成形されたモータカバー39は、送風部35bのディフューザよりも下流側部分を覆い隠している。このカバー39の開口縁部は、ファンカバーの外周部に、両カバー間を気密的にシールする前記モータ支持ゴム36を挟んで嵌合されている。モータカバー39の周壁には、モータカバー39内と排気室24とを連通する図示しない複数の排気小孔が開けられているとともに、排気室24に臨んで本体ケース21には図示しない排気口(前記排気小孔よりも排気面積が遥かに大きい。)が設けられていて、これらの排出経路により循環風量に対して所定量の空気を掃除機本体12外に排出して必要な吸気性能を得ることができるようになっている。
【0030】モータカバー39の底壁中央部にはその外面から突出して前記モータ支持ゴム37が取付けられている。このモータカバー39を備えた電動送風機35は、その軸方向両端部にモータ支持ゴム36、37を夫々嵌め付けた状態で、排気室24及びリール収容部25の境界をなす仕切りリブ21bと前記仕切りリブ38との間に挿入して設置される。図2に示されるようにリール収容部25には電動送風機35に給電するためのコードリール40が収容されている。
【0031】図2に示されるようにモータカバー39の周部には前記図示しない排気小孔に比較して遥かに開口面積が大きい空気出口41が一体に突設され、この出口41にはゴムパッキン42が嵌合されている。空気出口41は前記還流室26を仕切る仕切りリブ43に設けた孔44に気密的に接続されている。そのため、空気出口41を介してモータカバー39内と還流室26とは連通されている。
【0032】次に、図3〜図11を参照して前記吸込み口体13について説明する。吸込み口体13は、掃除機本体12側に連通される接続部としての合成樹脂製の連通管51と、合成樹脂製の吸込み口体主部52と、回転清掃体53と、還流吹出し口54と、戻り風路A及び吸込み風路Bとを備えている。
【0033】前記接続口22に着脱可能に嵌入して取付けられることにより掃除機本体12側に連通される連通管51は、図3、図8、図9に示されるように接続口22の大径部22a内に挿脱可能に差込み接続された大径な外側管部61と、この内側に複数のリブを介して一体かつ同心的に設けられるとともに接続口22の小径部22b内に挿脱可能に差込み接続された小径な内側管部62と、互いに背向するように逆向きとなって両管部61、62の軸方向に対して略直角状に突設された左右一対の枢軸管部63とを有している。一対の枢軸管部63は、円筒形状をなしているとともに、その開放された先端縁には周方向に連続するフランジ63aが一体に突設されている。
【0034】外側管部61の一端は開放されており、他端は一対の連通口64を介して枢軸管部63に個別に連通されている。枢軸管部63の先端は開放されており、奥端は内側管部62で閉じられている。外側管部61の外周面には合成ゴム製Oリング等の環状シール材65が取付けられている。図3に示されるように外側管部61は、その外周面から一体に張り出したフランジ部61aが、前記接続口22の大径部22aの先端に当るまでこの大径部22aの内側に嵌入される。この嵌合による接続状態で、大径部22aと外側管部61との間の気密はシール材65により確保されるとともに、内外両管部61、62間の流路部分は通気孔22cを介して前記還流室26に連通される。なお、接続口22側には図示しないロック機構が設けられ、この機構の爪を外側管部61の外周面に設けた凹み61bに引っ掛けることにより、接続口22に対する吸込み口体13の外れ止めがなされるとともに、この外れ止めはメンテナンス等の必要により外すことができる。
【0035】外側管部61よりも長い円筒形状の内側管部62の軸方向両端はいずれも開放されている。接続口22への連通管51の前記取付けに伴い小径部22b内に嵌入された内側管部62は、塵埃を含んだ空気を前記集塵袋31内に導くようになっている。
【0036】接続口22外に突出された内側管部62の先端部の開口は、枢軸管部63間に設けられる入口62aをなしており、その上下縁には入口上部壁66及び入口下部壁67とが夫々外向きに突出されている。この入口62aと一対の枢軸管部63との境界をなす左右一対の入口端部側壁62bは、これらの対向面間距離が内側管部62に対する空気の吸込み方向上流側(図8点鎖線の矢印で示す。)程広がるように斜状に形成されている。この構成は風損を少なくして円滑に空気を入口62aに吸込むことができる点で優れている。
【0037】図4〜図7に示されるように吸込み口体主部52は、主部上ケース71と、主部下ケース72と、これらの間に挟着される主部中ケース73とをねじ止めにより連結して形成されている。
【0038】主部中ケース73より後側において主部上下両ケース71、72の内面には、半円状の凹みを有した一対の軸受部74(主部下ケース72側のもののみ図5、図6に示す。)が夫々一体に突設されていて、これら互いに合わされる上下の軸受部74により前記各枢軸管部63が夫々上下から挟まれて回動可能に連結されている。この連結構造により吸込み口体主部52の幅方向中央部における後部に連通管51が上下方向に起倒するように回動可能に枢着され、この回動により吸込み口体主部52は被掃除面に対して適正な姿勢を得られるようになっている。連通管51と吸込み口体主部52の相対的回動は、前記入口下部壁67と、主部下ケース72にその軸受部74間にわたって設けた上向きのストッパ部75とにより規制されるとともに、この回動の際フランジ部61aと軸受部74との互いの合い面は摺接される。図8中Pは連通管51と吸込み口体主部52との回動中心を示している。
【0039】吸込み口体主部52内は、吹出し室81と、この吹出し室81の下側の回収室82とに区画されていて、主部中ケース73は両室81、82間の隔壁をなしている。吹出し室81は、主部上ケース71の内面に突設されたリブ83(図4参照)と、主部下ケース72の内面に突設されたリブ84(図5、図6参照)との合い面を互いに凹凸嵌合させるとともに、前記リブ83に連なって主部上ケース71の内面に突設されたリブ85(図4参照)と、主部中ケース73の上面に突設されたリブ86(図5参照)との合い面を互いに凹凸嵌合させることにより、仕切られている。なお、図4〜図6中に示す他のリブ87〜90は吹出し室81の一側及び前側を囲んでおり、これらは前記リブ83〜86と同様に各ケース71〜73に設けられている。この囲みの前部は後述の吸気口91と略同形状であって、吸気口91の真上に形成されている。
【0040】回収室82は、主部下ケース72と主部中ケース73とで区画されており、これら両ケース72、73の合い面は互いに凹凸嵌合されている。主部下ケース72の底壁72aには、図6〜図8に示されるように回収室82に臨んで吸気口91が形成されている。この吸気口91は吸込み口体13の幅方向(図4〜図7において左右方向)に延びる長方形の開口で形成されている。図7に示されるように主部下ケース72の底壁72aには、吸気口91の後縁に沿って固定ブラシ92が取付けられている。このブラシ92は吸気口91を通って被掃除面に吹付けられた空気が吸込み口体13の後方に向けて吹き抜けることを防止する防風手段としても使用される。
【0041】図8に示されるように主部中ケース73の幅方向中央部における後端部は、上向きに折り曲げられて主部上ケース71の内面に凹凸嵌合されているとともに、この折り曲げ部分には円弧状部73aが形成されている。この円弧状部73aは前記連通管51の入口62aの前側に対向し配置されている。主部下ケース72には円弧状部73aの幅方向両端から下側に連続する円弧面を有したガイド93が設けられている。これら相連続する円弧状部73aとガイド93とは、円弧状をなすシャッタ94の移動を案内する。吸込み口体主部52に対する連通管51の起倒動作に連動して往復移動されるシャッタ94は、連通管51と吸込み口体主部52とにわたって設けられていて、その後縁部94aの内側には連通管51の入口上部壁66が引っ掛っている。
【0042】そのため、シャッタ94は、図8に示されるように吸込み口体主部52に対して連通管51が斜めとなる使用姿勢にある場合に、入口上部壁66に引張られて図8に示す開き位置に配置され、非使用時等において吸込み口体52に対して連通管51が直角状となる姿勢にある場合に、図3に示されるように前記後縁部94aに内側管部62が当ってこの管部62に押されて閉じ位置に配置される。シャッタ94が開き位置にある時は吸込み風路Bにおける前記入口62aの直前位置での風路断面積が最大となり、シャッタ94が閉じ位置にある時は前記直前位置での風路断面積が最小(シャッタ94が前記底壁72に当って風路断面積が零となる状態を含む。)となるように設定されている。このように連通管51がある角度以上に起き上がった際に連動するシャッタ94を設けて、それにより前記風路断面積を制限することは、図2、図3に示されるように掃除機本体12が自立姿勢に置かれた時に電動送風機35が動作していても、吸込み口体13を通って循環する風量が激減するので、自動的に回転清掃体53の回転を著しく減速ないしは停止させることができる点で優れている。
【0043】前記回収室82の前部は吸気口91の真上に位置されてこの口91に連通されている。回収室82の後部はその幅方向中央部に集束されるように狭められて後方へ少し延びており、この延出後部は連通管51の内側管部62の入口62aに対向し連通している。そして、回収室82と内側管部62の内側流路とは互いに連通する吸込み風路Bを形成している。この風路Bを通って、吸気口91に向けて回収室82に吹出された空気とともに、この吸気口91に被掃除面側から吸込まれる空気が、掃除機本体12側に吸込まれるようになっている。
【0044】図6〜図8、図10及び図11に示されるように前記回転清掃体53は、アルミニューム合金の押し出し型材等の金属からなるコア軸101と、この軸101の外周面から突出された清掃部材としての1以上の第1ブレード102及び第2ブレード103と、コア軸101の両端部外周に夫々同軸的に嵌着された支え軸サポート104、105と、これら支え軸サポート104、105から夫々突設された支え軸106と、これら支え軸106を夫々軸支する軸受107とを有して形成されている。したがって、回転清掃体53は、その両端の軸受107以外の部分が一体に回転されるようになっている。
【0045】この回転清掃体53のコア軸101及びこれに取付けられた複数枚のブレード102、103はいずれもねじられており、しかも、各ブレード102、103はいずれもコア軸101の全長に亘って連続して巻き付けられるように設けられている。したがって、各ブレード102、103は、いずれもコア軸101における前記連通管51の入口62aに向かい合っていない両端側部分を含んで設けられているものである。なお、図6中寸法Gはコア軸101の前記入口62aとの対向部分を示し、Hはコア軸101の前記入口62aとの非対向部分を示している。
【0046】コア軸101の周方向に180°隔てて設けられた第1ブレード102は、可撓性を有するゴムや合成樹脂製から形成されている。これら第1ブレード102とは90°隔てられるとともにコア軸101の周方向に180°隔てて設けられた第2ブレード103は、可撓性を有するゴムや合成樹脂製のブレード主板部と、この主板部の先端に埋め込まれて突出するブラシ毛とから形成されている。このような第1、第2のブレード102、103を有する回転清掃体53は特にフローリング床の清掃に適している。
【0047】第1ブレード102の支え軸サポート105側の端部は三角形状の延出端102aを形成しており、この部分は支え軸サポート105の外周面に対向されている。第2ブレード103の軸受サポート105側の端部は、このサポート105の外周面から突出されている。そのために、図11に示されるようにコア軸101の一端部に嵌合し接着止めされた軸受サポート105のブレード側筒部105aには、複数の切欠き溝105bが形成されている。この切欠き溝105bはねじれながら軸方向に延びて設けられ、そこに第2ブレード103の端部が通されている。第2ブレード103の軸受サポート105側の端面はコア軸101に対して直角となっている。なお、両ブレード102、103の軸受サポート104側の端面は、いずれもコア軸101に対して直角となっている。
【0048】前記構成の回転清掃体53は、その軸受107を主部下ケース72の幅方向両端部に設けられた図示しない軸受保持部に回り止めして取付けることにより、吸気口91と平行な姿勢でこれに臨んで回収室82に配置されている。回転清掃体53が回転される時、そのブレード102、103の先端部は吸気口91を通過して被掃除面に接するようになっている。
【0049】なお、主部下ケース72の幅方向一端部には、図7に示されるようにロック摘み108を回すことにより着脱されて吸気口91の幅方向一端を開放する底蓋109が取付けられており、この底蓋109の着脱を伴って回転清掃体53が吸込み口体主部52の下側から取付けられる。すなわち、底蓋109を外した状態において、回転清掃体53をその支え軸サポート104側の一方の軸受107を先頭にして吸気口91に下側から通して、前記一方の軸受107を図示しない一方の軸受保持部に挿入し保持させてから、回転清掃体53全体を吸気口91に通して主部下ケース72に収容するとともに、支え軸サポート105側の他方の軸受107を主部下ケース72に形成された図示しない軸受保持部に保持させ、最後に、底蓋109を主部下ケース72に取付けて、この底蓋109と前記他方の軸受保持部との間に前記他方の軸受107を保持する。以上の手順で回転清掃体53の取付けが行われる。
【0050】前記吹出し室81の後部には図4及び図5に示されるように連通管51の枢軸管部63が配置されていて、これらの管部63を介して吹出し室81と連通管51の内外両管部61、62間の流路とが連通されている。吹出し室81の前部は既述のように主部中ケース73に臨んでおり、この部分には主部中ケース73を貫通して前記還流吹出し口54が吸込み口体主部52の幅方向に沿って形成されている。吸気口91との間に回転清掃体53を置いて設けられた還流吹出し口54は、吹出し室81内の空気をブレード102、103に吹付けるものであり、吸込み口体13を前方へ押し動かす際に連れ回りする回転清掃体53の回転方向F(図8参照)を順方向と定義した時、この順方向の回転が得られるように回転清掃体53のコア軸101よりも前側に位置して、したがって、回転清掃体53の中心軸線から前側にずれて主部中ケース73に開口されている。前記前側へのずれ寸法を図8中Sで示す。
【0051】還流吹出し口54は吸込み口体主部52の幅方向に連続して延びるスリットにより形成されている。したがって、還流吹出し口54は回転清掃体53の軸線と平行に設けられている。そして、この還流吹出し口54は吸込み口体主部52の幅方向に連通管51を中心として同じ様に振り分けて設けられている。なお、還流吹出し口54は非連続な複数の孔等によって形成することもでき、この場合にも、本実施形態と同様に左右に振り分けて設ければよい。又、本実施形態の還流吹出し口54は前記コア軸101よりも短いが、コア軸101と略同じ長さにすることもできる。
【0052】前記構成において、連通管51の内外両管部61、62間の流路、枢軸管部63の内側流路、吸込み口体主部52の吹出し室81は、この記載順に互いに連通する戻り風路Aを形成しており、前記電動送風機35から吐出された空気は戻り風路Aによって還流吹出し口54に導かれて、この吹出し口54を通って吸気口91に戻されるようになっている。
【0053】なお、図中111は吸込み口体主部52の前部外面に沿って取付けられたバンパー、112は主部下ケース72に取付けられた前車輪、113、114は同じく後車輪である。
【0054】次に、前記構成の吸込み口体13を備えた空気循環式電気掃除機11の動作を説明する。この電気掃除機11は、図1に示されるように掃除機本体12の接続口22に吸込み口体13の連通管51を差込み接続した状態で、コードリール40から巻き戻された電源コードを介して電動送風機35に給電し、この送風機35を運転するとともに吸込み口体13を被掃除面に接触させながら、ハンドル14を介して電気掃除機11全体を移動させることにより使用される。
【0055】この使用時には、吸込み口体13の吸込み風路Bに導かれて集塵袋31に流入した吸込み空気(図1及び図8中点線矢印で流れ方向を示す)中に含まれる塵埃が集塵袋31に捕捉され、この集塵袋31を通った空気は、更にフィルタ支え32を通過して電動送風機35に吸込まれてから、そのモータカバー39の空気出口41を通って還流室26に排出されるとともに、その一部は図示しない排気小孔から排気室24を経由して図示しない排気口を通って掃除機本体12外に排出される。
【0056】還流室26に流入した排気は、接続口22の通気孔22cから吸込み口体13の戻り風路Aに導かれて、その還流吹出し口54から吸込み風路Bの回収室82側に例えば吸気口91に向けて吹出される。こうした空気の流れを図1及び図8中実線矢印で示す。そのため、吹出し空気は、還流吹出し口54の真下に回転自在に配置された回転清掃体53のブレード102、103に吹付けられて、この清掃体53を図8中時計回りに回転させるとともに、その直後に吸気口91に対向している被掃除面に吹付けられてから、この被掃除面の塵埃を浮き上げながら吸気口91を通って回収室82に吸込まれ吸込み風路Bに回収される。そして、この回収に伴い掃除機本体12の集塵室23に吸込まれる。
【0057】このように電動送風機35から排出された空気を吸込み口体13で回収し循環させることに伴い、その勢いで吸込み口体13の底壁72aと被掃除面との間の外部の空気を塵埃と一緒に吸気口91に吸込むとともに、前記循環する空気を利用して回転清掃体53を回転させてブレード102、103により被掃除面の塵埃のかき出しを行ないながら、空気循環式の掃除をすることができる。
【0058】ところで、既述のようにねじれたブレード102、103は回転清掃体53の略全長にわたり巻付くように連続して設けられているから、前記空気循環式の掃除においては、還流吹出し口54から吹出された還流する空気を、途切れることなくブレード102、103のどこか一部に必ず吹付けることができる。このようにブレード102、103への還流空気の吹付け個所の変化を伴いながら回転清掃体53を回転させることにより、回転清掃体53の回転トルク及び回転速度の変動が抑制され、円滑に回転清掃体53を回転させることができる。
【0059】この場合、連通管51の入口62aに回転清掃体53が向かい合っていないところでも、循環する空気が還流吹出し口54からブレード102、103に吹付けられているので、回転清掃体53が連通管51の入口62aに向かい合っていないところでは、還流吹出し口54から吹出された空気が、連通管51に直ちに吸込まれて回収されることがなく有効にブレード102、103に吹付けられる。したがって、既述のように回転清掃体53の回転むらが抑制されてこの回転清掃体53を円滑に回転させることができる。
【0060】こうした回転清掃体53の円滑な回転に伴い騒音発生を少なくできるとともに、そのブレード102、103による被掃除面の塵埃のかき出し性能を向上できる。その上、回転清掃体53の回転むらの抑制に伴い、回転清掃体53の回りを通って電動送風機35側に回収される空気の流れが乱されることも少なくなるので、回転清掃体53が臨んだ吸気口91を通る塵埃を含んだ外気の吸込み性能を高めることができる。
【0061】しかも、還流吹出し口54は循環する空気をブレード102、103にその上方から吹付けて回転清掃体53を回転させるから、第1、第2のブレード102、103に吹付けられた直後の空気を被掃除面にその上方から吹付けて、被掃除面の塵埃を浮き上げることができる。加えて、還流吹出し口54は吸込み口体主部52にこの主部52の幅方向に延びて連続して設けられているので、被掃除面にその上方から吹付けられる空気による塵埃浮き上げ範囲を吸込み口体主部52の幅方向に長く確保できる。
【0062】その上、第1、第2のブレード102、103はいずれもねじられているので、これらねじれブレード102、103に吹付けられた空気の一部を、ブレード102、103のねじれ方向下流側に向けて回転清掃体53の一端まで容易に導いて、そこから下方の被掃除面に吹付けることができる。このように吸気口91の一端側に対向する被掃除面においても、その上方から各ブレード102、103によりそのねじれ方向にしたがって斜め下向きに導かれた空気を吹付けて、塵埃を浮き上げることができる。それにより、被掃除面にその上方から吹付けられる空気による塵埃浮き上げ範囲を吸込み口体主部52の幅方向により長く確保できる。そして、こうした被掃除面への循環空気の吹付けは、本実施形態のようにブレード102、103よりも還流吹出し口54が短く、この口54がブレード102、103の中間部だけに対向している構成であっても、前記ねじれ方向下流側へのガイド作用によって実現できる。
【0063】又、本実施形態では、第1、第2のブレード102、103が回転清掃体53の略全長に亘っていることから、回転清掃体53の略全長で被掃除掃面の塵埃をかき出すことができる。しかも、回転清掃体53が備える一方の支え軸サポート105のブレード側筒部105aに形成した複数の切欠き溝105bに、第1ブレード102の端部を通して支え軸サポート105の外周面から突出させたから、回転清掃体53がそのコア軸101の端に支え軸106を連結するための支え軸サポート105があるにも拘らず、このサポート105の軸方向中間部にまで第1ブレード102の一端部を入り込ませて設けることができる。その上、第2ブレード103においても、その支え軸サポート105側の端部に三角形状の延出端102aを設けている。そのため、支え軸サポート105の存在に拘らず第1、第2のブレード102、103の一端部を、吸気口91の一端91aにより接近させて、ブレード102、103の全長をより長く確保できる。なお、図6中寸法Jは前記構造によりブレード102、103が延長された寸法を示している。このようにブレード102、103の被掃除面に接触する長さを長くできることにより、これらによる被掃除面の塵埃のかき出し範囲を長く確保でき、吸込み口体主部52の幅方向一端から前記かき出し範囲の端までの距離を短くできる。したがって、被掃除面の室壁に前記吸込み口体主部52の幅方向一端を当てたときに、前記室壁間際について塵埃のかき出しを行えない距離を短くできる。
【0064】なお、既述のような空気循環式の掃除をする電気掃除機11が備える吸込み口体13は、その還流吹出し口54を、吸込み口体主部52の幅方向中央部に設けた連通管51を中心としてブレード102、103が延びる方向に同じ様に振り分けて設けているため、還流吹出し口54から連通管51の入口62aに至る空気の流れが、回転清掃体53の長手方向一端部側に片寄ることがないとともに、回転清掃体53のブレード102、103の長手方向中間部に対して還流吹出し口54から空気を吹付けて、ブレード102、103に吹き当る空気が回転清掃体53に与える負荷を回転清掃体53の長手方向両端部で同じにできる。したがって、回転清掃体53を円滑に回転させることができるとともに、両軸受107に対する負荷が均等になって、一方の軸受107が他方の軸受107に対して早期に摩耗することが抑制されるので、長期にわたる使用においても回転清掃体53ががたつく恐れが少なく円滑な回転性能を維持できる。
【0065】更に、既述のように連通管51を中心にして吸込み口体主部52の幅方向に同様に振り分けて還流吹出し口54を設けたことにより、この吹出し口54の開口面積を、還流吹出し口54が回転清掃体53の一端部のみに対向して設けられる場合に比較して大きく確保できるとともに、還流吹出し口54をスリットで形成したから、その開口面積をより大きく確保できる。それにより、還流吹出し口54での空気抵抗が少なくなって循環する空気が流れ易くなるから、空気を循環させる電動送風機35に対するバックプレッシャーを低減でき、それに伴い電動送風機35の送風性能の低下が抑制されるだけではなく、ブレード102、103への吹付け風量が多くなって回転清掃体53を円滑に回転させる能力を向上できる。
【0066】又、第1の実施の形態においては、還流吹出し口54から吹出された空気によって回転される回転清掃体54の回転方向と、吸込み口体主部52を前進させた時の回転清掃体54の回転方向とが一致しているから、吸込み口体主部52を被掃除面に沿って前進させる時は、還流吹出し口54から吹出された空気の力で回転される回転清掃体54の回転により、吸込み口体主部52の前進を助けることができる。又、還流吹出し口54はブレード102、103のうち回転清掃体53の上部に移動されたブレード102、103に向けて循環する空気を吹付けるから、回転清掃体53の上部に移動されたブレード102、103が循環される空気を受けて回転力を発生する一方で、回転清掃体53の下部に移動されたブレード102、103が被掃除面の塵埃のかき出しをする。そのため、下部に移動されたブレード102、103には循環される空気が吹付けられることがないので、吹付けられる空気の勢いによって前記下部に移動されたブレード102、103が被掃除面から逃げるように撓んで、被掃除面の塵埃のかき出し性能を低下することを抑制できる。
【0067】なお、第1の実施の形態において、ブレード102、103はコア軸101の全体ではなく、連通管51の入口62aと対向するコア軸101の対向部分、例えば、前記寸法Gで示したコア軸101の中央部分を除いてその両側部分だけに設けて実施することができる。この場合、これら両端部のブレード102、103の夫々に対向して還流吹出し口54を左右に分けて設けてもよい。
【0068】次に、図12〜図14に示す本発明の第2の実施の形態について説明する。この説明にあたり、前記第1の実施の形態と同様な構成については第1の実施の形態の該当構成と同一符号を付してその説明を省略し、第1の実施の形態とは異なる構成についてのみ以下説明する。第2の実施の形態が第1実施形態と異なる点は回転清掃体の構成と還流吹出し口の長さである。
【0069】すなわち、回転清掃体121は、アルミニューム合金の押し出し型材等の金属製又は硬質合成樹脂製のコア軸122と、この軸122の外周面に被着されたスリーブ状のブレードベース123と、このベース123の外周面に周方向に沿って等間隔に設けられた清掃部材としての複数のブレード124とを有している。コア軸122の両端部には、夫々支え軸125が突設された支え軸サポート126が連結されているとともに、支え軸125を回転自在に支持する軸受127が取付けられている。
【0070】筒状ブレードベース123及び各ブレード124は一体成形されたものであって、各ブレード124はゴムや軟質塩化ビニール等の合成樹脂で形成されている。互いに平行な各ブレード124は、図13に示されるようにコア軸122の両端からコア軸122の長手方向中央に向けて互いに逆向きにねじられているとともに、コア軸122の長手方向中央で一体に連続されている。そのため、各ブレード124は、ブレードベース123の周面に沿って略V字状をなしているとともに、上方からみてV字の頂部が連通管51の入口62aに対し先行して接近するとともに、V字の両端が入口62aに対し後退するように設けられている。したがって、各ブレード124は、回転清掃体121の前側に位置されたときに吸込み口体13の前側から見てV字の頂部が上向きとなるとともに、V字の両端部が斜め下向きとなるように設けられている。それにより、回転清掃体121は、そのV字の頂部に対してV字の斜め下向きの両端部が回転方向に先行して回転されるように各ブレード124を設けて形成されている。又、各ブレード124は、V字の両端間を結ぶ直線に対して、回転清掃体121の回転方向前側に隣接するブレード124のV字の頂部が後方に向けて接するか交差する関係に設けられている。このようなV字状ブレード124を有する回転清掃体121は、ブレード124に吹付けられる空気によって、ブレード124のV字の両端部がV字の頂部よりも先行して回転される。又、この実施形態においては、還流吹出し口54をV字状ブレード124と略同じ長さの範囲にわたって設けられている。なお、以上説明した点以外の構成は、図12及び図13に図示されない構成を含めて前記第1の実施の形態と同じである。
【0071】この第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の作用を得て、本発明の第1の課題を解決できる。しかも、ねじれブレード124がその中央部を境に互いに逆方向にねじれられてコア軸122に対して巻き付くように設けられているので、これらブレード124の互いに逆方向にねじられた部位によって、これらブレード124にその上方の還流吹出し口54を通して吹付けられた空気を、夫々のねじれ方向にしたがって回転清掃体121の両端まで容易に導くことができる。それにより、回転清掃体121の両端からその下方の被掃除面の夫々に上方から還流する空気を吹付けることができから、被掃除面にその上方から吹付けられる空気による塵埃浮き上げ範囲を、第1実施形態の場合よりも吸込み口体主部52の幅方向により長く確保できる。
【0072】なお、この第2の実施の形態においても、ブレード124はコア軸122の全体ではなく、連通管51の入口62aと対向するコア軸122の対向部分、例えば、コア軸122の中央部分を除いてその両側部分だけに設けて実施できる。こ場合、これら両端部のブレード124の夫々に対向して還流吹出し口54を左右に分けて設けてもよい。
【0073】本発明は前記各実施の形態には制約されるものではなく、キャニスタ型やハンディ型の空気循環式電気掃除機にも適用できる。又、本発明において回転清掃体53、121の清掃部材は、ブラシ毛が列をなして連続的に並んで形成されたものでもよい。
【0074】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0075】請求項1及び2に記載の発明に係る吸込み口体によれば、還流吹出し口から吹出された空気を、回転清掃体の清掃部材にその上方から有効に吹付けた直後に被掃除面に対しても上方から吹付けて、被掃除面の塵埃を浮き上げ、しかも、この塵埃の浮き上げ範囲を吸込み口体主部の幅方向に長く確保できるとともに、各清掃部材のねじれによってこれら清掃部材に吹付けられた空気の一部を清掃部材のねじれ方向下流側に導いて、この空気を吸気口の端側に対向する被掃除面にもその上方から吹付けて塵埃を浮き上げるから、回転清掃体を回転させた循環空気を利用して吸塵性能を向上することができる。
【0076】請求項3に記載の発明に係る吸込み口体によれば、請求項1又は2の発明の効果に加えて、清掃部材による被掃除面の塵埃のかき出し性能の低下をもたらす回転清掃体の回転トルク及び回転速度の変動を抑制して、回転清掃体を円滑に回転できるので、回転清掃体の回転に伴う騒音を抑制できるとともに、回転清掃体の略全長において被掃除掃面の塵埃をかき出すことができ、加えて、回転清掃体の回りを通って電動送風機側に回収される空気の流れが乱されることが少なく吸気口から外気を容易に吸込めるので、更に吸塵性能を向上することができる。
【0077】請求項4に記載の発明に係る吸込み口体によれば、請求項1〜3のうちのいずれかの発明の効果に加えて、吸気口の端に対して清掃部材の端部をより接近させて、吸気口の端側の被掃除面に対する塵埃のかき出し性能を向上できる。
【0078】請求項5の発明に係る空気循環式電気掃除機によれば、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸込み口体を備えるから、前記第1の課題を解決できるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
【出願日】 平成10年12月25日(1998.12.25)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
【公開番号】 特開2000−189363(P2000−189363A)
【公開日】 平成12年7月11日(2000.7.11)
【出願番号】 特願平10−371284