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【発明の名称】 靴拭いマット製造装置における毛起こし装置
【発明者】 【氏名】宮田 義延

【要約】 【課題】靴拭いマットを製造する装置に設けられて、靴拭いマットを連続的に毛起こしすることができ、しかも、マット同士が接触して部分的に毛が起きないという問題や、毛起こし後のマットの乾燥に時間が掛かり、パイル糸の腰が弱いという問題を解消することができる毛起こし装置を提供する。

【解決手段】靴拭いマット製造装置における毛起こし装置は、搬送コンベヤ101 により搬送される靴拭いマットのパイル糸3aに熱風を吹き付ける熱風吹付け装置103 と、熱風吹付けにより柔らかくなったパイル糸3aを吸引する吸引装置104と、吸引装置104 によって引き起こされたパイル糸3aに冷風を吹き付ける冷却装置106 と、熱風吹付け前にパイル糸3aに強風を吹き付けるパイル糸ほぐし装置102 とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 パイル糸(3a)が表面に植え込まれた方形状基布(3) の裏面に方形状ゴム製裏敷きシート(4) が加硫接着されてなる靴拭いマットを製造する装置に設けられて、加硫時に倒れたパイル糸(3a)を元に戻す毛起こし装置(19)であって、搬送コンベヤ(101) により搬送される靴拭いマットのパイル糸(3a)に熱風を吹き付ける熱風吹付け装置(103) と、熱風吹付けにより柔らかくなったパイル糸(3a)を吸引する吸引装置(104) と、吸引装置(104) によって引き起こされたパイル糸(3a)に冷風を吹き付ける冷却装置(106) とを備えている靴拭いマット製造装置における毛起こし装置。
【請求項2】 熱風吹付け前にパイル糸(3a)に強風を吹き付けるパイル糸ほぐし装置(102) をさらに備えている請求項1記載の靴拭いマット製造装置における毛起こし装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、店舗や事務所の出入口に設けられて靴に付着した泥、ごみなどを除去する靴拭いマットを製造する靴拭いマット製造装置において、加硫時に倒れたパイル糸を元に戻す毛起こし装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、靴拭いマット製造装置における毛起こし装置としては、図4および図5に示すように、カバー(162) 付きのケース(161) と、ケース(161) 内に設けられかつ水平回転軸を有する羽根車(163) と、羽根車(163) の水平回転軸を駆動する電動機(164) と、ケース(161) 内に蒸気を導入する蒸気導入管(165) と、蒸気導入管(165) に接続されかつ多数の蒸気吹き出し孔を有する蒸気供給ヘッダ(166)と、ケース(161) 内の蒸気を排出する蒸気排出管(167) と、ケース(161) 下端部に設けられたほこり溜めボックス(168) とを備えているものが知られている。
【0003】この従来の毛起こし装置は、加硫後の靴拭いマットを所定枚数ごとに乾燥させかつ加硫時に倒れたパイル糸を元に戻す毛起こしを行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の靴拭いマット製造装置における毛起こし装置で同時に処理できる枚数が限られているという問題や、マット同士が接触して部分的に毛が起きないという問題があった。また、毛起こし後のマットは、常温の大気中に放置されて自然乾燥させられるだけであり、乾燥に時間が掛かり、パイル糸の腰が弱いという問題もあった。
【0005】この発明の目的は、靴拭いマットを製造する装置に設けられて、靴拭いマットを連続的に毛起こしすることができ、しかも、マット同士が接触して部分的に毛が起きないという問題や、毛起こし後のマットの乾燥に時間が掛かり、パイル糸の腰が弱いという問題を解消することができる靴拭いマット製造装置における毛起こし装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明による靴拭いマット製造装置における毛起こし装置は、パイル糸が表面に植え込まれた方形状基布の裏面に方形状ゴム製裏敷きシートが加硫接着されてなる靴拭いマットを連続的に製造する装置に設けられて、加硫時に倒れたパイル糸を元に戻す毛起こし装置であって、搬送コンベヤにより搬送される靴拭いマットのパイル糸に熱風を吹き付ける熱風吹付け装置と、熱風を吹き付けられて柔らかくなったパイル糸を吸引する吸引装置と、吸引装置によって引き起こされたパイル糸に冷風を吹き付ける冷却装置とを備えているものである。
【0007】熱風吹付け前にパイル糸に強風を吹き付けるパイル糸ほぐし装置をさらに備えていることが好ましい。
【0008】また、吸引装置と冷却装置との間に、吸引装置によって引き起こされたパイル糸に着塵剤、抗菌剤、防災剤などの薬剤を吹き付ける薬剤添加装置を備えていることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。
【0010】以下の説明において、図1の左を前、右を後というものとし、同図の上下を上下というものとする。また、表裏は、靴拭いマットの使用時を基準としていうものとし、したがって、同図の上が裏側、下が表側となる。
【0011】靴拭いマット製造装置は、パイル糸(3a)が表面に植え込まれた方形状基布(3)の裏面に方形状ゴム製裏敷きシート(4) が加硫接着されてなる靴拭いマットを連続的に製造するものであり、図1は、靴拭いマット製造装置の加硫を行うまでの部分を示し、図2は、この発明の毛起こし装置の部分を示している。
【0012】靴拭いマット製造装置は、所定寸法に裁断されたパイル糸付き基布(3) 、パイル糸付き基布(3) の端部間にまたがるように配される幅方向増しゴム(5) 、長尺の長さ方向増しゴム(6) および長尺のゴム生地(7) とからなる未加硫の長尺積層体(10)を形成する積層体形成装置(1) と、長尺積層体(10)を移送しながら加熱および加圧する加硫装置(2) とを備えている。
【0013】パイル糸付き基布(3) は、所定寸法に裁断されて供給され、幅方向増しゴム(5) は、パイル糸付き基布(3) の幅に等しい長さの短尺状で供給され、長さ方向増しゴム(6) およびゴム生地(7) は、いずれも離型紙(29)(38)に貼り合わされたコイル状の形で供給される。
【0014】積層体形成装置(1) は、搬送コンベヤ(11)上に所定寸法に裁断したパイル糸付き基布(3) をパイル糸(3a)を下向きにしてかつ所定間隔をおいて載せるアームロボット(基布供給装置)(12)と、搬送コンベヤ(11)上の隣り合うパイル糸付き基布(3) の端部間にこれらにまたがるように幅方向増しゴム(5) を載せるアームロボット(幅方向増しゴム供給装置)(13)と、幅方向増しゴム(5) が載せられることにより長尺シート状となったパイル糸付き基布(3) の両縁部に長尺の長さ方向増しゴム(6) を載せる長さ方向増しゴム供給装置(14)と、幅方向および長さ方向増しゴム(5)(6)が載せられた長尺シート状パイル糸付き基布(3) にこれと略同幅の長尺のゴム生地(7) を載せるゴム生地供給装置(15)とからなる。
【0015】搬送コンベヤ(11)の後方には、長尺積層体(10)の下面に貼り合わされる不燃性ガラスファイバー製の下部保護シート(8) を供給する下部保護シート供給装置(16)が設けられている。下部保護シート供給装置(16)は、コイル状の下部保護シート(8) が巻かれている巻戻しローラー(21)と、搬送コンベヤ(11)と巻戻しローラー(21)との間に配置されて電動機(22)により駆動される駆動ローラー(23)と、駆動ローラー(23)の前後に配置された一対の送り出しローラー(24)とよりなる。
【0016】搬送コンベヤ(11)は、後方に位置し電動機(25)により駆動される駆動ローラー(26)と、前方に位置する従動ローラー(27)と、両ローラー(26)(27)に巻き掛けられた無端ベルト(28)とよりなる。
【0017】各アームロボット(12)(13)は、公知のものであり、所定長さに裁断済みのパイル糸付き基布(3) および幅方向増しゴム(5) をそれぞれ所定間隔で搬送コンベヤ(11)上の下部保護シート(8) 上に供給していく。
【0018】長さ方向増しゴム供給装置(14)は、コイル状の離型紙(29)付き長さ方向増しゴム(6) が巻かれている巻戻しローラー(30)と、電動機(31)により駆動されて離型紙(29)を巻き取る駆動ローラー(32)と、長さ方向増しゴム(6) を長尺シート状パイル糸付き基布(3) の両縁部に圧着する圧着ローラー(33)と、圧着ローラー(33)のすぐ上方に配されたガイドローラー(34)と、巻戻しローラー(30)とガイドローラー(34)との間に配されかつ連結ロッド(35)により連結された一対のテンションローラー(36)と、テンションローラー連結ロッド(35)に所定の付勢力を与えるスプリング(37)とよりなる。
【0019】ゴム生地供給装置(15)は、長さ方向増しゴム供給装置(14)と同様の構成であり、コイル状の離型紙(38)付きゴム生地(7) が巻かれている巻戻しローラー(39)と、電動機(40)により駆動されて離型紙(38)を巻き取る駆動ローラー(41)と、ゴム生地(7) を長尺シート状パイル糸付き基布(3) の全面に圧着する圧着ローラー(42)と、圧着ローラー(42)のすぐ上方に配されたガイドローラー(43)と、巻戻しローラー(39)とガイドローラー(43)との間に配されかつ連結ロッド(44)により連結された一対のテンションローラー(45)と、テンションローラー連結ロッド(41)に所定の付勢力を与えるスプリング(46)とよりなる。
【0020】搬送コンベヤ(11)の従動ローラ(27)の上方位置には、下端にV溝形成用刃先(47)を有し、エアシリンダー(油圧シリンダー、水圧シリンダーでも可)(48)により上下させられるカッター(17)が設けられている。カッター(17)は、図3に示すように、長尺積層体(10)のパイル糸付き基布(3) とパイル糸付き基布(3) との間にあるゴム生地(7) の部分、すなわち、幅方向増しゴム(5) の前後の中央に対応するゴム生地(7) の部分に、全幅にわたる伸縮調整用溝(49)を形成するためものである。伸縮調整用溝(49)は、長尺積層体(10)に長さ方向の張力または収縮力がかかったとき、溝(49)のあるところのゴム生地(7) が伸縮することにより、パイル糸付き基布が(3) 貼り合わせられているゴム生地(7) の部分の伸縮を防止するためのものであり、加硫後の長尺積層体は、この伸縮調整用溝(49)のあるところで裁断され、1枚ずつの靴拭いマットとされる。
【0021】加硫装置(2) は、加硫室(51)と、長尺積層体(10)を上下両側から挟んで搬送する上下一対の搬送コンベヤ(52)(53)と、上部搬送コンベヤ(52)と長尺積層体(10)との間に介在される不燃性ガラスファイバー製の上部保護シート(9) を供給する上部保護シート供給装置(54)と、長尺積層体(10)を上面から加熱する加熱装置(56)と、加熱される長尺積層体(10)に所定の圧力を与える加圧装置(55)と、ゴム生地(7) 裏面(長尺積層体(10)上面)に凹凸模様を形成する凹凸模様形成装置(57)と、ゴム生地(7) 裏面に接する上部保護シート(9) 下面にごみ付着防止用シリコンを吹き付けるシリコン散布ノズル(58)とを備えている。
【0022】加硫室(51)は、断熱壁により形成されており、前壁に未加硫の長尺積層体(10)の搬入口が、後壁に加硫後の長尺積層体(10') の搬出口がそれぞれ設けられている。上下一対の搬送コンベヤ(52)(53)、上部保護シート供給装置(54)、加熱装置(56)、加圧装置(55)およびシリコン散布ノズル(58)は、加硫室(51)内に納められている。
【0023】上部搬送コンベヤ(52)は、後方に位置し電動機(図示略)により駆動される駆動ローラー(61)と、前方に位置する従動ローラー(62)と、両ローラー(61)(62)に巻き掛けられたスチール製の無端ベルト(63)とよりなる。駆動ローラー(61)は、上下移動可能なように支持されている。
【0024】下部搬送コンベヤ(53)は、後方に位置し電動機(64)により駆動される駆動ローラー(65)と、前方に位置する従動ローラー(66)と、両ローラー(65)(66)に巻き掛けられたスチール製の無端ベルト(67)とよりなる。下部搬送コンベヤ(53)の両ローラー(65)(66)は、上部搬送コンベヤ(52)の両ローラー(61)(62)に比べて大径であり、かつその軸間隔が上部搬送コンベヤ(52)の両ローラー(61)(62)の軸間隔よりも若干大きくなされている。
【0025】上部保護シート供給装置(54)は、無端状の上部保護シート(9) を連続的に回転させて繰り返し使用するもので、加硫室(51)内後方の上部にそれぞれ設けられた圧着ローラー(68)、後部ガイドローラー(69)、連結ロッド(70)により連結された一対のテンションローラー(71)および連結ロッド付勢用スプリング(72)と、加硫室(51)内前方の上部に設けられた前部ガイドローラー(73)とよりなる。圧着ローラー(68)は、上部保護シート(9) を未加硫の長尺積層体(10)に圧着するもので、後部ガイドローラー(69)は、圧着ローラー(68)の上方に配され、テンションローラー(71)は、後部ガイドローラー(69)のさらに上方に配置されている。上部保護シート(9) は、上部搬送コンベヤ(52)の従動ローラー(62)、前部ガイドローラー(73)、テンションローラー(71)、後部ガイドローラー(69)および圧着ローラー(68)を経て上部搬送コンベヤ(52)の従動ローラー(62)に戻るように巻き掛けられており、上部搬送コンベヤ(52)との間の摩擦力と従動ローラー(62)との間の摩擦力とにより、長尺積層体(10)の移送速度に同調して回転させられる。シリコン散布ノズル(58)は、上部搬送コンベヤ(52)の従動ローラー(62)と前部ガイドローラー(73)との間に配されている。
【0026】加熱装置(55)は、上部搬送コンベヤ(52)の上方に固定された蒸気供給ローラー(74)と、蒸気供給ローラー(74)の軸から上部搬送コンベヤ(52)の駆動ローラー(61)の軸を経ておよび従動ローラー(62)の軸に至り蒸気供給ローラー(74)の軸に戻るように設けられた加熱用蒸気供給用配管(75)と、上部搬送コンベヤ(52)の無端べルト(63)の前方に移動する部分に上から当接するとともに加熱用蒸気供給用配管(75)に接続された複数の中空状加圧ローラー(76)とを備えている。加圧ローラー(76)は、その中心軸の左右端部同士が連結ロッド(77)で互いに連結された前後一対のものが計5対前後に所定間隔をおいて配置されたものである。配管(75)途中には、配管(75)の伸縮による破壊防止のための蛇腹(78)が設けられている。
【0027】加圧装置(56)は、下部搬送コンベヤ(53)の下方でかつ蒸気供給ローラー(74)に対応する位置に上下移動自在に配された可動ローラー(79)と、蒸気供給ローラー(74)と可動ローラー(79)とを連結しているメイン油圧シリンダー(80)と、蒸気供給ローラー(74)と中央のものを除く各加圧ローラー(76)の連結ロッド(77)とを連結している計4対の左右上部サブ油圧シリンダー(81)と、可動ローラー(79)と下部搬送コンベヤ(53)の駆動および従動ローラー(65)(66)とをそれぞれ連結している前後一対の左右下部サブ油圧シリンダー(82)とを備えている。
【0028】凹凸模様形成装置(57)は、加硫後の裏敷きシートの裏面にイボ、ネーム、絹目などの特殊形状を形成するためのもので、型ゴムまた転写シールなどからなる長尺の凹凸模様形成体(83)と、加硫室(51)の後方外側に設けられた凹凸模様形成体送り出し装置(84)と、加硫室(51)の前方外側に設けられた凹凸模様形成体巻取り装置(85)とよりなる。凹凸模様形成体送り出し装置(84)は、コイル状の凹凸模様形成体(83)が巻かれている巻戻しローラー(86)と、電動機(87)により駆動される駆動ローラー(88)と、駆動ローラー(88)との間に凹凸模様形成体(83)を挟む従動ローラー(89)と、凹凸模様形成体(83)を長尺積層体(10)の上面に圧着する圧着ローラー(90)とよりなる。凹凸模様形成体巻取り装置(85)は、凹凸模様形成体(83)をコイル状に巻き取る巻取りローラー(91)と、電動機(92)により駆動される駆動ローラー(93)と、駆動ローラー(93)との間に凹凸模様形成体(83)を挟む従動ローラー(94)とよりなる。巻戻しローラー(86)および巻取りローラー(91)の軸は、いずれも上下動可能なように支持されている。
【0029】加硫室(51)の前方には、図2に示すように、加硫後の長尺積層体(10') から下部保護シート(8) を剥離する下部保護シート剥離装置(18)と、加硫時に倒れたパイル糸(3a)を元に戻す毛起こし装置(19)と、毛起こし後の長尺積層体(10') を裁断プレス(図示略)に搬送する搬送コンベヤ(20)とが設けられている。
【0030】下部保護シート剥離装置(18)は、下部保護シート(8) をコイル状に巻取る巻取りローラー(95)と、電動機(96)により駆動される駆動ローラー(97)と、駆動ローラー(97)の上方に配置された一対のガイドローラー(98)とよりなる。巻取りローラー(95)の軸は、前後移動可能なように支持されている。
【0031】毛起こし装置(19)は、加硫後の長尺積層体(10') 上面を吸着して搬送する吸着コンベヤ(101) と、パイル糸(3a)に強風を吹き付けるパイルほぐし装置(102) と、パイルほぐし装置(102) によってほぐされたパイル糸(3a)に熱風を吹き付ける熱風吹付け装置(103) と、熱風吹付けによって柔らかくなったパイル糸(3a)を吸引する吸引装置(104) と、吸引装置(104) によって引き起こされたパイル糸(3a)に着塵剤、抗菌剤、防災剤などの薬剤を吹き付ける薬剤添加装置(105) と、薬剤添加後のパイル糸(3a)に冷風を吹き付ける冷却装置(106) とを備えている。パイルほぐし装置(102) 、熱風吹付け装置(103) 、吸引装置(104) 、薬剤添加装置(105) および冷却装置(106) は、吸着コンベヤ(101) の下方にかつ後方からこの順に配置されている。
【0032】吸着コンベヤ(101) は、電動機(111) により駆動される駆動スプロケット(112) と、これの後方に配置された従動スプロケット(113) と、両スプロケット(112)(113)間に巻き掛けられかつ多数の吸気口を有する吸着ベルト(114) と、吸着ベルト(114) の搬送面に接して設けられかつ負圧状態に保たれた真空室(115) とを備えている。
【0033】パイルほぐし装置(102) は、上端が開口した直方体状ボックス(116) と、ボックス(116) 内に設けられかつ垂直回転軸を有する羽根車(117) と、羽根車(117)を駆動する電動機(118) と、ボックス(116) 開口に設けられかつ多数のオリフィスを有する多孔板(119) とを備えている。
【0034】熱風吹付け装置(103) は、上端が開口した直方体状のボックス(120) と、ボックス(120) の底部を貫通しておりパイル糸(3a)に熱風を吹き付ける熱風導入管(122) と、ボックス(120) の開口に設けられかつ多数のオリフィスを有する多孔板(124) とを備えている。
【0035】吸引装置(104) は、熱風吹付け装置(103) のボックス(120) を囲むように設けられた上端が開口した直方体状のボックス(121) と、ボックス(121) の底部の前部を貫通しており熱風吹付け装置(103) のボックス(120) と吸引装置(104) のボックス(121) との間にあるエアを強制的に吸引する吸引管(123) とを備えている。
【0036】薬剤添加装置(105) は、上端が開口した直方体状ボックス(125) と、ボックス(125) の底部を貫通しておりパイル糸(3a)に薬剤を吹き付ける薬剤導入管(126)と、ボックス(125) 開口に設けられかつ多数のオリフィスを有する多孔板(127)とを備えている。
【0037】冷却装置(106) は、上端が開口した直方体状ボックス(128) と、ボックス(128) の底部を貫通しておりパイル糸(3a)に冷風を吹き付ける冷風導入管(129) と、ボックス(128) 開口に設けられかつ多数のオリフィスを有する多孔板(130) とを備えている。
【0038】毛起こしを施された長尺積層体を裁断プレスに搬送するコンベヤ(20)は、電動機(131) により駆動される駆動ローラー(132) と、長尺積層体(10') を駆動ローラー(132) との間に挟む従動ローラー(133) とを備えている。
【0039】上記のように構成された靴拭いマット製造装置は、次のように運転される。
【0040】まず、下部保護シート供給装置(16)の電動機(22)を起動することにより、駆動ローラー(23)を回転させ、巻戻しローラー(21)に巻き取られている不燃性ガラスファイバー製下部保護シート(8) を搬送コンベヤ(11)上に送り出す。次いで、下部保護シート(8) 上にパイル糸付き基布(3) および幅方向増しゴム(5) をアームロボット(12)(13)により所定位置に載せる。アームロボット(12)(13)の載せ操作のタイミングは、下部保護シート(8) の送り出し速度と同調させられる。次いで、搬送コンベヤ(11)の電動機(25)を起動することにより、駆動ローラー(26)を回転させ、無端ベルト(28)を介して従動ローラー(27)を回転させ、無端ベルト(28)との摩擦力により、下部保護シート(8) を前方に送り出す。下部保護シート供給装置(16)の駆動ローラー(23)の周速度と搬送コンベヤ(11)の駆動ローラー(26)の周速度とは同調させられ、これにより、パイル糸付き基布(3) のシワの発生が防止される。次いで、長さ方向増しゴム供給装置(14)の電動機(31)を起動することにより、駆動ローラー(32)を回転させ、長さ方向増しゴム(6) から離型紙(29)を巻き取る。長さ方向増しゴム(6) は、離型紙(29)からの張力によりテンションローラー(36)およびガイドローラー(34)を介してパイル糸付き基布(3) および幅方向増しゴム(5) の上に載せられ、前方へと送り出される。テンションローラー(36)は、長さ方向増しゴム(6) にかかる張力を所定値に保つものであり、その張力値はスプリング(37)の付勢力により調節される。同様に、ゴム生地供給装置(15)の電動機(40)を起動することにより、駆動ローラー(41)を回転させ、ゴム生地(7) から離型紙(38)を巻き取る。ゴム生地(7) は、離型紙(38)からの張力によりテンションローラー(45)およびガイドローラー(43)を介して長さ方向増しゴム(6)の上に載せられ、前方へと送り出される。テンションローラー(45)は、ゴム生地(7) にかかる張力を所定値に保つものであり、その張力値はスプリング(46)の付勢力により調節される。次いで、ゴム生地(7) がライン上に送り出された直後の位置に設けられたカッター(17)により、ゴム生地(7) にV型の伸縮調整用溝(49)を形成する。これにより、ライン上のゴム生地(7) に発生した異常伸縮が、迅速に吸収される。なお、カッター(17)を下降させるタイミングは、各幅方向増しゴム(5) の中心位置に伸縮調整用溝(49)が設けられるように、ゴム生地(7) の送り速度と同調させられている。次いで、凹凸模様形成装置(57)の凹凸模様形成体送り出し装置(84)の電動機(87)を起動することにより、駆動ローラー(88)を回転させ、巻戻しローラー(86)に巻かれている型ゴムまた転写シールなどからなる長尺の凹凸模様形成体(83)を駆動ローラー(88)と従動ローラー(89)とで挟み、圧着ローラー(90)を介してライン上に送り出す。コイル状の凹凸模様形成体(83)は、駆動ローラー(88)および従動ローラー(89)に自重により圧接し、その巻取り量に応じて巻戻しローラー(86)の軸が上下する。こうして、パイル糸付き基布(3) 、幅方向増しゴム(5) 、長尺の長さ方向増しゴム(6) および長尺のゴム生地(7) とからなりかつその下面に下部保護シート(8) が貼り合わされた未加硫の長尺積層体(10)は、次いで、加硫室(51)に送られ、加硫条件を満たす温度および圧力で加硫される。
【0041】加硫室(51)内では、下部搬送コンベヤ(53)の電動機(64)を起動することにより、駆動ローラー(65)を回転させ、無端ベルト(67)を介して従動ローラー(66)を回転させ、下部無端ベルト(63)上の長尺積層体(10)を上部無端ベルト(63)で押さえることにより長尺積層体(10)を前方に送り出す。加硫は、長尺積層体(10)を上下の搬送コンベヤ(52)(53)によりサンドイッチ状に挟んで加圧するとともに、長尺積層体(10)の上面から加熱することにより行われるが、上部搬送コンベヤ(52)の下面と長尺積層体(10)の上面との間には、不燃性ガラスファイバー製上部保護シート(9) が介在させられており、長尺積層体(10)が高温の蒸気で直接に加熱されないようになされている。保護シート(9) は、連結ロッド付勢用スプリング(72)がテンションローラー(71)を引張ることにより、適切な張力を受け、後部ガイドローラー(69)および前部ガイドローラー(73)を介して回転する。その回転力は、上下の搬送コンベヤ(52)(53)のスチール製無端ベルト(63)(67)の回転力と上下の搬送コンベヤ(52)(53)により挟まれることによる摩擦力とによる。上部保護シート(9) は、シリコン散布ノズル(58)によりクリーニングと塵埃付着防止が施されて繰り返し回転させられる。長尺積層体(10)の加熱は、高温(135〜140℃)の蒸気が蒸気供給ローラー(74)から配管(75)により上部搬送コンベヤ(52)の駆動ローラー(61)および従動ローラー(62)を介して複数の加圧ローラー(76)に供給されることにより行われる。配管(75)途中に蛇腹(78)が設けられていることにより、配管(75)が伸縮することにより破損することが防止されている。また、上部搬送コンベヤ(52)の駆動ローラー(61)および従動ローラー(62)は、長尺積層体(10)の厚さに対応して上下させることができ、靴拭いマットの仕様変化に容易に対応できる。長尺積層体(10)の加圧は、メイン油圧シリンダー(80)の引張力により複数の加圧ローラー(76)が上部搬送コンベヤ(52)を介して長尺積層体(10)を下部搬送コンベヤ(53)に押圧することにより行われる。上部サブ油圧シリンダー(81)およびサブ油圧シリンダー(82)は、メイン油圧シリンダー(80)の引張力に応じて同調伸縮し、これにより、長尺積層体(10)は均一に加圧される。上記の加硫は、雰囲気温度が100〜120℃に保たれた加硫室(51)内で行われるため、加硫時の熱効率が向上する。こうして、長尺積層体(10)は、均一な条件下で連続して加硫され、加硫室(51)から送り出される。
【0042】加硫室(51)から出てきた長尺積層体(10') は、その直後に下部保護シート(8)が下側保護シート剥離装置(18)により剥離される。すなわち、電動機(96)により駆動ローラー(97)を回転させ、下部保護シート(8) がガイドローラー(98)を介して巻取りローラー(95)に巻き取られる。このさい、巻取りローラー(95)の軸は、巻取り量の大小に応じて自動的に前後方向に移動する。
【0043】下部保護シート(8) が剥離された長尺積層体(10') は、まず、パイルほぐし装置(102) により加圧されたパイル糸(3a)をほぐされる。すなわち、羽根車(117)を電動機(118) により回転させることにより、多数のオリフィスを通してパイル糸(3a)に強風を断続的に吹き付け、これにより、パイル糸(3a)同士の間に適当な隙間が確保される。パイル糸(3a)をほぐされた長尺積層体(10') は、次いで、熱風吹付け装置(103) の熱風吹付けによって柔らかくされ、吸引装置(104) のバキュームの吸引力によりに引き起こされる。こうして、毛起こしが施された長尺積層体(10') は、次いで、薬剤添加装置(105) により着塵剤や抗菌剤、防災剤などの薬品が吹き付けられて消毒される。消毒された長尺積層体(10') は、次いで、冷却装置(106) により急冷され、これにより、パイル糸(3a)の強度アップが図られ、大気中での自然冷却に比べて、腰の強いパイル糸(3a)が得られる。
【0044】加硫室(51)から出てきた長尺積層体(10') の搬送は、吸着コンベヤ(101) の推進力と電動機(131) により回転させられる駆動ローラー(132) および従動ローラー(133) とによって行われ、最終工程の裁断プレス工程に送られて裁断される。
【0045】
【発明の効果】この発明の靴拭いマット製造装置における毛起こし装置によると、加硫後の靴拭いマットは、搬送コンベヤによって搬送されながら、そのパイル糸が熱風によって柔らかくされた状態で引き起こされ、その後冷風により強制的に冷却されることにより、連続的に毛起こしが施される。したがって、マット同士が接触して部分的に毛が起きないという問題や、毛起こし後のマットの乾燥に時間が掛かるという問題が解消され、しかも、冷風により急冷されることによりパイル糸の強度が上がり、大気中での自然冷却に比べて腰の強いパイル糸が得られる。
【出願人】 【識別番号】598159849
【氏名又は名称】栗山興産株式会社
【識別番号】592183938
【氏名又は名称】宮田産業株式会社
【識別番号】390000985
【氏名又は名称】宮田 義延
【出願日】 平成10年11月19日(1998.11.19)
【代理人】 【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助 (外4名)
【公開番号】 特開2000−152905(P2000−152905A)
【公開日】 平成12年6月6日(2000.6.6)
【出願番号】 特願平10−329079