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【発明の名称】 回転ブラシ付き掃除機
【発明者】 【氏名】藤村 靖之

【氏名】中井 一成

【要約】 【課題】電気的な駆動手段を用いることなく、塵埃回収部本体に対向配置された回転ブラシを塵埃回収部本体の走行中、常に同一方向に回転させることのできる簡単な構成の回転ブラシ付き掃除機を得ること。

【解決手段】塵埃回収部本体12には、その被清掃面上の移動時に回転する電気的な駆動源を有しない車輪15が設けられている。そして、回転ブラシ18を回転させるための回転ブラシ駆動機構は、この車輪15の回転動作を駆動源として回転ブラシ18を駆動させるが、複数の回転部を用いて前記車輪15の回転方向の如何に関わらず回転ブラシ18を一定の方向に常に回転させるようにしている。その回転方向は、互いの対向面側が上方へ移動する方向の回転動作である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 塵埃を回収するために被清掃面上を移動される塵埃回収部本体と、該塵埃回収部本体内にほぼ平行な回転軸にて対をなすように対向配置されその回転先端部が前記被清掃面に接するように設けられた回転ブラシと、前記塵埃回収部本体にその被清掃面上における手動による移動のために設けられた車輪と、該車輪の回転動作をその回転方向の如何に関わらず前記回転ブラシを互いの対向面側が上方へ移動する方向に回転させるように伝達する複数の回転部を有する回転ブラシ駆動機構と、を備えたことを特徴とする回転ブラシ付き掃除機。
【請求項2】 前記回転ブラシ駆動機構は、前記車輪の回転動作により直接回転される第1の回転部と、前記各回転ブラシと共に同軸で回転するようにそれぞれ設けられた最終の回転部と、前記第1の回転部の回転動作をその第1の回転部の回転方向の何如を問わず常に前記回転ブラシを前記方向へ回転させる動作として前記最終の回転部に伝達する中間の回転部と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の回転ブラシ付き掃除機。
【請求項3】 前記第1の回転部は、前記車輪と同軸に取り付けられ該車輪の正・逆回転動作に応じて所定角度範囲で往復回動する2本のアーム部材で互いのなす角度が常に一定である2本のアーム部材と、その2本のアーム部材のそれぞれの先端部に1個ずつ設けられた2個の第1回転体と、を有し、前記車輪の正又は逆の回転動作によって生じる前記両アーム部材の回転動作により前記2個の第1回転体のうちの一方又は他方の回転体のみが前記中間の回転部への回転動作を伝達する状態となり、前記中間の回転部は、前記一方又は他方の第1回転体のいずれの側からの回転動作伝達によっても前記最終の回転部には常に同方向の回転動作を伝達するように配置された複数の第2回転体にて構成されたことを特徴とする請求項2に記載の回転ブラシ付き掃除機。
【請求項4】 前記第1の回転部は、前記車輪と同軸に取り付けられ該車輪の正・逆回転動作に応じて所定角度範囲で回動する1本のアーム部材と、その先端部に設けられかつ前記車輪の回転動作が直接伝達される1個の第1回転体と、を有し、前記車輪の正又は逆の回転動作によって生じる前記アーム部材の回動動作により前記第1回転体が一方側の最終回転部に直接回転動作を伝達する状態となり、前記中間の回転部は、前記第1回転体による一方側の最終の回転部への直接伝達の際に、前記第1の回転部からの回転動作を他方側の最終の回転部に伝達する複数の中間回転体を有することを特徴とする請求項2に記載の回転ブラシ付き掃除機。
【請求項5】 前記第1の回転部は、前記車輪と同軸に取り付けられ該車輪の正・逆回転動作に応じて所定角度範囲で回動する1本のアーム部材と、その先端部に設けられかつ前記車輪の回転動作が直接伝達される1個の第1回転体と、を有し、前記車輪の正又は逆回転動作によって生じる前記アーム部材の回動動作により前記第1回転体が一方側の最終の回転部に直接回転動作を伝達する状態となり、前記中間の回転部は、前記第1回転体と同軸で回動可能に取り付けられた小アーム部材と、その先端部に設けられ前記第1回転体から回転動作が伝達される中間回転体と、を有し、前記第1回転体による一方側の最終の回転部への直接伝達の際に、前記アーム部材の回動動作と前記第1回転体の回転動作によって生じた前記小アーム材の回動により前記中間回転体が他方側の最終の回転部に回転動作を伝達する状態となることを特徴とする請求項2に記載の回転ブラシ付き掃除機。
【請求項6】 前記第1回転体は、前記車輪に形成したインターナルギヤの内側の遊星ギヤとして構成されたことを特徴とする請求項3から5の何れかに記載の回転ブラシ付き掃除機。
【請求項7】 前記塵埃回収部本体には、被清掃面上の塵埃を空気の上昇流を利用して上昇移動させるための上昇空気流形成手段が設けられ、前記回転ブラシは、前記形成される上昇空気流部分を挟んで対をなすように対向配置されたことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の回転ブラシ付き掃除機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回転ブラシ付き掃除機、特に被清掃面上の塵埃を回収する回収部に回転ブラシを有する回転ブラシ付き掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】被清掃面上で移動する塵埃回収部本体に回転ブラシを設けた掃除機は、従来から存在している。例えば、特開平4−58921号公報においてその第6図及び第7図に示された従来の電気掃除機には、被清掃面上をブラッシングする回転ブラシが設けられている。この回転ブラシの回転駆動は、モータ及びこのモータの回転駆動力を回転ブラシに伝達するための回転ベルト及び回転速度調整のためクラッチが設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のような回転ブラシ機構は、電気的な駆動手段によって回転ブラシを自動的に回転させるようにしていることから、塵埃の回収のための電力に加えてこの回転ブラシの回転のための電力が必要となり、消費電力の増加を伴う。また、電気的な駆動手段を用いることにより重量の増加や駆動手段設置用のスペースの増加、更に機構の複雑化を伴うことが避けられなかった。
【0004】また、電力を使用せずに塵埃回収部における回転ブラシの回転を行う構成としては、走行用の車輪に一体的に回転ブラシを取り付ける構成も考えられるが、このような構成の場合には、走行方向によって回転ブラシの回転方向が変化するので、塵埃回収部を往復運動させたような場合でも、回転ブラシによる一方向のみのかき込み効果しか得られず、塵埃の回収部を前後に設けねばならないという問題やブラッシングの効果が十分に得られないという問題も生じる。
【0005】そこで、塵埃回収部の走行用車輪とは別の回転軸にて回転する回転ブラシを設け、ワンウエイクラッチを介して、塵埃回収部の走行方向の如何を問わず常に一定方向の回転を回転ブラシに与える構成も考えられる。このような構成によれば、消費電力の増加を伴うことなく、回転ブラシを有効に機能させることができるが、ワンウェイクラッチを設けるためのスペースが必要となり、塵埃回収部の大型化が生じ、また回転ブラシの軸方向の長さが制限されるため、幅広いブラッシング領域の確保をできない。また、ワンウェイクラッチを装填するためコストの上昇を伴うなどの事情があり、更にワンウェイクラッチの場合には、塵埃などの混入による動作不良が発生し易いという問題もあった。
【0006】本発明は、上記種々の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は電気的な駆動手段を用いることなく、塵埃回収部本体に対向配置された回転ブラシを塵埃回収部本体の移動中、常に塵埃回収に適する一定方向に回転させることのできる簡単な構成の回転ブラシ付き掃除機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る回転ブラシ付き掃除機は、塵埃回収部本体に対をなすように対向配置された回転ブラシの回転動作は回転ブラシ駆動機構によって行われるが、この回転ブラシ駆動機構は、電気的な駆動源を用いることなくその駆動動作を行う。
【0008】すなわち、塵埃回収部本体には、その被清掃面上の手動による移動時に同時に回転する電気的な駆動源を有しない走行用の車輪が設けられている。そして、回転ブラシ駆動機構は、この車輪の回転動作を駆動源として回転ブラシを駆動させるが、複数の回転体を用いて前記車輪の回転方向の如何に関わらず回転ブラシを一定の方向に常に回転させるものである。この回転方向は、対向配置された回転ブラシの互いの対向面側が上方へ移動する方向の回転動作である。
【0009】このように、回転ブラシは、電気的な駆動手段を用いることなく、塵埃回収部本体の手動による移動時に生じる車輪の回転動作を用い、且つそれのみによってその一定方向の回転が行われる。
【0010】請求項2に係る回転ブラシ付き掃除機は、回転ブラシ駆動機構が、前記車輪の回転動作により直接回転される第1の回転部と、各回転ブラシと同軸でかつ共に回転する最終の回転部と、第1の回転部の回転動作を最終の回転部に前記第1の回転部の回転方向の如何を問わず常に前記回転ブラシが前記方向へ回転するように伝達する中間の回転部を備えている。
【0011】このように、3つの段階でそれぞれ異なった機能を奏する回転部によって、前記車輪の回転動作のみを駆動源とした回転ブラシの回転動作が達成されている。なお、最終の回転部は、回転ブラシが複数設けられる場合には、それぞれの回転ブラシ毎に同軸で設けられるので複数の回転体を有することとなる。
【0012】請求項3に係る回転ブラシ付き掃除機は、第1の回転部の構成が、前記車輪と同軸で取り付けられ所定角度範囲で回動する2本のアーム部材との先端部にそれぞれ1個ずつ設けられた2個の第1回転体とを有している。2本のアーム部材は、互いのなす角度が常に一定であり、例えば一体に形成されるものである。
【0013】この2個の第1回転体は、車輪の回転方向によって前記所定角度範囲で回動動作を行う。そして、その回動動作によって2個の第1回転体のうちの何れか一方のみが前記中間の回転部への回転動作伝達を行う。すなわち、2本のアーム部材は常に一定角をなしているので、それが回動して何れか一方側の回転体が中間の回転部へ回転動作を伝達している状況では、他方の第1回転体は中間の回転部から離れた状態におかれている。車輪の回転方向が変われば、他方側の第1回転体が回転動作を伝達する位置となり、一方側の第1回転体は伝達しない位置に来るものである。
【0014】そして、中間の回転部は、前記一方または他方の第1回転体のいずれからの回転動作の伝達によっても最終の回転部には常に同方向の回転動作を伝達するように配置された複数の第2回転体を有している。すなわち、2本のアーム部材の回動作を用いて、車輪の正方向の回転と逆方向の回転の動作をそれぞれ中間の回転部の異なる伝達動作により、最終の回転部の回転方向の一定化を達成しているものである。
【0015】請求項4に係る回転ブラシ付き掃除機は、第1の回転部が前記車輪の同軸に取り付けられ該車輪の正・逆回転動作に応じて所定角度範囲で回動する1本のアーム部材とその先端部に設けられかつ前記車輪の回転動作が直接伝達される1個の第1回転体とを有している。そして、前記車輪の正・逆回転動作による前記アーム部材の回動動作により第1回転体が一方側の最終の回転部に直接回転動作を伝達し、その際、他方側の最終の回転部には前記中間の回転部から回転動作が伝達される。
【0016】このように、1本のアーム部材の回動動作により、前記車輪から第1回転体、さらに最終の回転部への直接連結が一方側の回転ブラシを回転させる動作として行われる。従って、他方側の回転ブラシの回転のためのみに中間の回転部が用いられるので、その分中間の回転部の構成を簡略化することができる。例えば、中間の回転部として設けられる回転体の数を減少させることができる。
【0017】請求項5に係る回転ブラシ付き掃除機は、第1の回転部が請求項4に係る掃除機の構成と同様に1本のアーム部材とそのの先端部に設けられ車輪の回転動作が直接伝達される1個の第1回転体とを有している。そして、中間の回転部が第1回転体と同軸で回動可能に取り付けられた小アーム部材の先端部に設けられ第1回転体から回転動作の伝達される中間回転体で構成されている。そして、この中間回転体を有する前記小アーム部材は、車輪の正・逆回転動作によって生じる前記アーム部材の回動と第1回転体の回転動作によって回動動作を行う。この回動動作により、その小アーム部材の先端部に設けられた中間回転体はその回転軸位置が移動することとなる。この移動は、一方側の最終の回転部と他方側の最終の回転部との間で行われる。
【0018】この発明の回転動作伝達も、請求項4の発明と同じく、一方側の回転ブラシ回転用の動作として、車輪と第1回転体と一方側の最終の回転部との連結がなされ、他方側の回転ブラシの回転のための動作は、その回動軸位置を変化させることのできる中間回転体によって伝達される。したがって、中間回転体が回動軸位置を変化させることによりそれぞれの最終の回転部に回転動作を伝達することができるので、中間の回転部を構成する回転体の数を更に減少させることができる。
【0019】請求項6に係る回転ブラシ付き掃除機は、前記第1の回転部を構成する第1回転体が、車輪に形成されたインターナルギヤの内側の遊星ギヤとして構成されている。これにより、第1の回転部は車輪の内部に収められた構成となり、回転ブラシ駆動機構の小型化を図ることができる。
【0020】請求項7に係る回転ブラシ付き掃除機は、前記塵埃回収部本体に、被清掃面上の塵埃を空気の上昇流を利用して上昇移動させるための上昇空気流形成手段が設けられており、前記回転ブラシは、形成される上昇空気流部分を挟んで対をなすように対向配置されている。
【0021】従って、各回転ブラシは、前記上昇空気流部分への対向面側がそれぞれ上方へ移動する方向へ回転される。すなわち、それぞれ反対方向に回転ブラシ機構によって回転される。
【0022】これにより、上記各請求項に係る発明による作用に加えて、被清掃面上の塵埃をより効果的に上方へ移動させることができ、掃除機の集塵機能の向上が達成される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。図7は、本発明に係る回転ブラシ付き掃除機10の一例を示す外観構成斜視図である。本実施の形態に係る掃除機は、上昇空気流を電気的手段によって発生させるいわゆる電気掃除機であるが、空気を吸引して被清掃面上の塵埃を上昇移動させ、集塵袋を通過させて吸引した空気を外部へ排出するといういわゆる吸引式掃除機ではない。
【0024】被清掃面に対して空気を吹き付けて空気上昇流を形成し、その空気流れを塵埃回収部本体12内で循環させ、その循環途中で集塵するという還流式の電気掃除機を例にとっている。
【0025】なお、本発明は、このような還流式の電気掃除機に限って適用され得るものではなく、上述の吸引式の掃除機において回転ブラシを装着する場合においても適用することができるだけでなく、空気の流れを利用せずに塵埃回収を行う掃除機に適用することも可能である。
【0026】図示のように、電気掃除機10は、塵埃回収部本体12がその本体として構成され、その他にはこの塵埃回収部本体12を手動走行させるための取っ手13と棒状の把持部14が設けられているだけである。また、塵埃回収部本体12にはその被清掃面上での走行を容易なものとするために車輪15が設けられている。この車輪15の正・逆方向の自在の回転により、種々の方向への移動動作を簡単に行うことができる。車輪15を駆動するための動力手段は設けられていない。
【0027】図8は、塵埃回収部本体12の概略断面図である。図において、本願発明の構成と直接関連しない空気流発生のための駆動部などの構成はその図示を省略している。
【0028】この還流式の電気掃除機では、被清掃面に対して空気を吹き付けるための空気吹き出し部16が対向配置されている。この空気拭き出し部16は複数本の吹き出し口が互いに対向して整列配置されており、被清掃面に対しては所定角度の傾斜角で空気を吹き出すようにしている。
【0029】吹き出された空気は、矢印100で示したように被清掃面上で反射しその中央部分で衝突して上昇流200となる。すなわちこの上昇流200の部分に上昇空気流部分が発生している。
【0030】そして、この上昇空気流部分を挟むように回転ブラシ18−1及び18−2が設置されている。これら回転ブラシ18の回転軸は、車輪15とほぼ平行の回転軸20−1及び20−2である。
【0031】なお、空気吹き出し部16から拭き出される空気流の速度は、例えば、7〜11m/secである。また、対をなすように対向配置された回転ブラシ18−1及び18−2は、互いの毛の先端が約10mm程度重なるような状態で配置されている。
【0032】本件実施の形態に係る還流式の電気掃除機10は、上記のように空気吹き出し部16から空気を噴射することにより被清掃面上の塵埃を吹き上げてかつ回転ブラシ18−1、18−2により確実に塵埃を掃き上げて上昇流に乗せることができる。そして、塵埃回収部本体12内部において上昇流から連続する空気循環路が形成され(図示せず)、途中で流れてくる塵埃を集めるような構成がとられている。従って、吸引式の電気掃除機と異なり、吸い上げた空気を外部へ排出する機構を有しておらず、掃除機内部に一旦取り込まれながらも、捕獲しきれなかった塵埃が外方へ空気と共に排出されるということがない。
【0033】本発明の1つの特徴的な事項は、上記回転ブラシ18を電気的な駆動源によって回転させるのではなく、手動により移動される塵埃回収部本体12の動作に伴って回転させるようにした点である。すなわち、車輪15の回転動作を利用し、この動作のみによって回転ブラシ18を回転させるものである。従って、本発明に係る回転ブラシは、塵埃回収部本体が移動動作を行わない場合にはその回転を行わないものである。
【0034】図1には、車輪15の回転動作を用いて回転ブラシ18を回転させるようにした回転ブラシ駆動機構の第1の実施の形態が示されている。車輪15の内輪部は、インターナルギヤ15aとして形成されている。そして、この車輪15の回転動作を直接受ける第1の回転部として、2本のアーム部材22、24及びそれらの先端部に回転可能に取り付けられた2個の第1回転体としての第1回転ギヤ26、28が設けられている。
【0035】2本のアーム部材22及び24は、本実施の形態ではほぼ直線状に一体形成されており、その回動中心は車輪15と同軸である軸30である。これら2本のアーム部材22、24は回動規制ピン32及び34によって回動動作が規制され、それに衝突するまでの間で両方向に往復回動するものである。また、第1回転ギヤ26、28はそれぞれ車輪15のインターナルギヤ15aに噛合している。
【0036】図上、対をなすように対向配置された回転ブラシは、一点鎖線にて18−1及び18−2として示されており、最終の回転部として、これら回転ブラシ18と共に同軸で回転するブラシ同軸ギヤ36−1、36−2が設けられている。
【0037】また、第1回転ギヤ26及び28からの回転動作をブラシ同軸ギヤ36に伝達するための中間の回転部として、中間回転ギヤが4個設けられている。すなわち、第1回転ギヤ28と噛合する中間回転ギヤ38、ブラシ同軸ギヤ36−2に噛合する中間回転ギヤ40、この中間回転ギヤ40及びブラシ同軸ギヤ36−1に噛合する中間回転ギヤ42及びブラシ同軸ギヤ36−1に噛合する中間回転ギヤ44である。
【0038】次に、図2(A)及び(B)に基づいて、上記構成の回転ブラシ駆動機構の動作について説明する。同図(A)は図上矢印300方向に車輪15が回転した場合の動作、同図(B)は矢印400方向(以下、矢印300方向の回転方向を「正方向」、矢印400方向の回転方向を「逆方向」と称する)に車輪15が回転した場合の動作を示している。
【0039】車輪15が正方向に回転すると第1回転ギヤ26の正方向の回転動作と共にアーム部材22、24が規制ピン32に衝突するまで正方向に回動する。これにより、第1回転ギヤ26の回転動作は中間回転ギヤ44に伝えられブラシ同軸ギヤ36−1は正方向に回転する。そして、他方のブラシ同軸ギヤ36−2は2つの中間回転ギヤ42、44からの回転動作伝達により逆方向に回転する。従って、回転ブラシ18−1及び18−2は、それぞれ反対方向で上昇空気流部分に面する側が上方に移動する方向に回転することとなる。この状態では第1回転ギヤ28は他のギヤに回転動作を伝えることなく回転を続ける状態となっている。
【0040】また、車輪15が逆方向に回転した場合(同図(B)参照)、第1回転ギヤ28もこれに伴って逆方向に回転する。そして、アーム部材22、24は規制ピン34に衝突するまで逆方向の回動動作を行う。この状態では第1回転ギヤ26は他のギヤに回転動作を伝えることなく回転を続ける状態となっている。
【0041】第1回転ギヤ28の回転動作は、中間回転ギヤ38を介してブラシ同軸ギヤ36−2を逆方向に回転させる。そして、このブラシ同軸ギヤ36−2の回転動作は中間回転ギヤ40、42を介してブラシ同軸ギヤ36−2に伝達されブラシ同軸ギヤ36−1は正方向回転を行う。
【0042】このように、車輪15が正・逆方向に回転することにより他の動力を使うことなく2つの回転ブラシ18−1、18−2を常に一定の方向、すなわち上昇空気流部分の流れに沿った方向に回転させることが可能となっている。
【0043】なお、回転ブラシ18−1、18−2の回転速度は、第1回転ギヤ26、28とインターナルギヤ15aとのギヤ比や中間回転ギヤ38、40、42、44とブラシ同軸ギヤ36とのギヤ比などによって決まるが、回転ブラシ18の外径部分の回転動作時の速度が塵埃回収部本体12の走行速度よりも速くなるように設定されている。本実施の形態では、約2.2倍程度速い速度となる。これより、塵埃回収部本体12の移動速度如何に関わらず、回転ブラシ18による塵埃の掃き上げ機能は良好に確保されている。
【0044】次に、図3は、回転ブラシ駆動機構の第2の実施の形態を示している。なお、図において図1の実施の形態と同様の要素には同一の符号を付している。
【0045】図示のように、第1の回転部は、1本のアーム部材50とその先端部に取り付けられた第1回転ギヤ52とから構成されており、アーム部材50は車輪15と同軸で回動規制ピン53及び54との間で自在に回動する。また、ブラシ同軸ギヤ36−1及び36−2との間にはこれらに噛合連結された中間回転ギヤ56及び58が設けられている。
【0046】図4(A)及び(B)は、上記構成の実施の形態の動作を示している。まず、車輪15が正方向に回転すると、そのインターナルギヤ15aに噛合している第1回転ギヤ52が、正方向に回転し、これに伴ってアーム部材50も回動規制ピン54に衝突するまで正方向に回動する。この状態となった時、第1回転ギヤ52はブラシ同軸ギヤ36−2に噛合し、その回転動作を伝達する。従って、ブラシ同軸ギヤ36−2は逆方向の回転を行う。
【0047】そして、このブラシ同軸ギヤ36−2の回転動作は2つの中間回転部としての中間回転ギヤ58、56を介して対向するブラシ同軸ギヤ36−1に伝えられ、このブラシ同軸ギヤ36−1は正方向の回転を行う。
【0048】また、同図(B)に示したように車輪15が逆方向に回転すると、インターナルギヤ15aに噛合している第1回転ギヤ52が逆方向の回転を行い、これに伴ってアーム部材50は規制ピン53に衝突するまで逆方向の回動動作を行う。この状態で第1回転ギヤ52はブラシ同軸ギヤ36−1と噛合し、ブラシ同軸ギヤ36−1は正方向の回転を行う。
【0049】そして、このブラシ同軸ギヤ36−1の回転動作は、中間回転ギヤ56、58を介してブラシ同軸ギヤ36−2に逆方向の動作として伝達される。これにより、第1の実施の形態と同様に車輪15の正・逆方向のいずれの方向の回転によっても常に回転ブラシ18−1及び18−2は対向面側が上方に移動する方向の回転動作を行うこととなる。なお、本実施の形態によれば、第1の実施の形態に比べて第1の回転部のギヤを1個、中間回転部のギヤを2個それぞれ減少させることが可能となっている。
【0050】次に、図5は、回転ブラシ駆動機構の第3の実施の形態の構成を示している。なお、図において図1及び図3に示した構成要素と同様の要素には同一の符号を示している。
【0051】図において、第1の回転部としての構成は、アーム部材50と第1回転ギヤ52であり、図3に示した第2の実施の形態の第1の回転部の構成と同様である。そして、特徴的なことは、中間の回転部の構成を小アーム部材60及びその先端部に取り付けられた中間回転ギヤ62で構成したことである。
【0052】小アーム部材60は第1回転ギヤ52の回転軸と同軸で回動自在に設けられており、その先端部に取り付けられた中間回転ギヤ62は、第1回転ギヤ52に常に噛合した状態で小アーム部材60の回動動作に伴ってブラシ同軸ギヤ36−1と36−2との間を往復移動することが可能である。すなわち双方に噛合することが可能な構成となっている。
【0053】図6(A)に示したように、車輪15が正方向に回転するとそのインターナルギヤ15aに噛合した第1回転ギヤ52が正方向回転を行いこれに伴ってアーム部材50は回動規制ピン54に衝突するまで回動する。
【0054】そして、この状態で第1回転ギヤ52は、ブラシ同軸ギヤ36−2に直接その回転動作を伝達する。この時、中間回転部は、アーム部材50の正方向回動動作及び第1回転ギヤ52の正方向回転動作に伴って、小アーム部材60が正方向に回動動作を行い中間回転ギヤ62はブラシ同軸ギヤ36−1に噛合する。従って、第1回転ギヤ52の正方向回転動作は、ブラシ同軸ギヤ36−1に正方向動作として伝達される。これによりブラシ同軸ギヤ36−1及び36−2はそれぞれ所望の回転方向動作を行うこととなる。
【0055】一方、同図(B)に示したように、車輪15が逆方向の動作を行った場合、インターナルギヤ15aに噛合した第1回転ギヤ52は逆方向の回転を行い、これに伴ってアーム部材50は回動規制ピン53に衝突するまで逆方向回動動作を行う。
【0056】その状態で第1回動ギヤ52はブラシ同軸ギヤ36−1に直接回転動作を伝達しブラシ同軸ギヤ36−1は正方向回転動作を行う。アーム部材50の逆方向回動動作及び第1回転ギヤ52の逆方向回転動作によって、中間の回転部である小アーム部材60は逆方向の回動動作を行い、これにより中間回転ギヤ62は対向する側のブラシ同軸ギヤ36−2に噛合しこれを逆方向に回転させる。
【0057】このように、本実施の形態によっても回転ブラシを常に所望の回転方向に回転させることができる。そして、中間回転ギヤ62がその回転軸位置を変えて、双方のブラシ同軸ギヤ36−1,36−2に噛合するので、図3に示した第2の実施の形態に比べ、さらに中間の回転部のギヤ数を1個減らすことが可能となっている。
【0058】図9は、塵埃回収部本体12の車輪15の内側で回転ブラシ駆動機構がどのように構成設置されているかを示すための説明図であり、図1に示した第1の実施の形態についての例をとって示している。
【0059】図示のように、車輪15の内側には、第1の回転部、中間の回転部及び最終の回転部を備える回転ブラシ駆動機構が設けられていることが理解される。
【0060】そして、図10に示したように、最終の回転部であるブラシ同軸ギヤ36−1及び36−2には、それぞれ回転ブラシ18−1及び18−2直結されている。
【0061】なお、第1回転ギヤ26及び28を先端部に取り付けたアーム部材22、24は、車輪15と同軸にて車輪15側に取り付けられている。一方、4つの中間回転ギヤ38、40、42及び44からなる中間の回転部及び2つのブラシ同軸ギヤ36−1及び36−2からなる最終の回転部は、塵埃回収部本体12の本体側に取り付けられている。
【0062】上記各実施の形態によれば、上昇空気流部分の近傍に設けられた回転ブラシを塵埃回収部本体走行用の車輪15の回転動作のみによって回転させることができる。すなわち、消費電力の増加を伴うことなく塵埃の回収に良好な機能を奏する回転ブラシの動作を確保することができる。
【0063】従って、回転ブラシの回転のための電気的な駆動装置や動力伝達ベルト、さらにはクラッチ機構は不要であり、塵埃回収部本体の軽量化が図られる。また、電力を使用しない複数の回転部のみで構成されるため、コストも極めて小さいものとなる。また、ワンウェイクラッチを利用する場合に比べ、塵埃混入による作動不良の発生が抑制され、回転ブラシの回転動作の信頼性も向上する。
【0064】また、車輪15の走行方向の如何に拘らず回転ブラシは上昇空気流部分に面する側が上方に移動する方向に常に回転する。そしてそのような回転を得るための構成も回転部のみを使用した構造で達成されており、掃除機のコストの増加を極力抑えた状況で回転ブラシの装着が可能となっている。
【0065】なお、本発明は、上記各実施の形態の構成に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能であり、例えば車輪15から第1の回転部への回転動作の伝達は車輪15内輪側にインターナルギヤ15aを形成し、これに第1の回転体を噛合させるようにしたが、これに限られず、例えば車輪15の軸受け部分の周囲を大きな直径の円形部分に形成し、その外周部にギヤを形成した構成とし、これに第1の回転体を噛合させるようにする構成をとることも可能である。
【0066】また、上記各実施の形態では、回転体の構成をギヤとしたが、これに限られず、例えば摩擦係数の高いゴム部材などを周囲に配した円形体によって回転動作を伝達するようにすることも可能である。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る回転ブラシ付き掃除機によれば、塵埃の回収を回転ブラシのによる掃き上げ動作によってより効果的に行うことができ、またその回転ブラシの所望方向の回転動作を電力を消費することなく、塵埃回収部本体の移動動作に伴う車輪の回転動作のみを動力源として行うことが可能となっている。これにより、低消費電力による塵埃回収能力に優れた掃除機の構成が達成される。
【出願人】 【識別番号】000129194
【氏名又は名称】株式会社カンキョー
【出願日】 平成10年9月30日(1998.9.30)
【代理人】 【識別番号】100061712
【弁理士】
【氏名又は名称】田代 烝治 (外1名)
【公開番号】 特開2000−102499(P2000−102499A)
【公開日】 平成12年4月11日(2000.4.11)
【出願番号】 特願平10−277942