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【発明の名称】 電気掃除機
【発明者】 【氏名】萩野 真一

【氏名】福島 定男

【氏名】米山 顕啓

【氏名】藤吉 俊行

【要約】 【課題】バスケットの取付けおよび取外しを容易かつ確実に行なうことができる電気掃除機を提供する。

【解決手段】掃除機本体1の内部に電動送風機および集塵室3を有する電気掃除機であって、前記集塵室3内部に紙パック4を装着するためのバスケット5が着脱自在に設けられ、前記バスケット5を前記集塵室3内部の所定位置に装着する際に前後および上下方向についてのバスケットの位置決めを行なうための第1前後・上下位置決め機構31および第2前後・上下位置決め機構32を備えてなる電気掃除機。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 掃除機本体の内部に電動送風機および集塵室を有する電気掃除機であって、前記集塵室内部に紙パックを装着するためのバスケットが着脱自在に設けられ、前記バスケットを前記集塵室内部の所定位置に装着する際に前後および上下方向についてのバスケットの位置決めを行なうための前後・上下位置決め機構を少なくとも1つ備えてなる電気掃除機。
【請求項2】 前記前後・上下位置決め機構の少なくとも1つが、前記バスケットの前壁上部に設けられた下方にのびるリブと、前記集塵室の前壁上端縁から上方にのびるリブとからなる請求項1記載の電気掃除機。
【請求項3】 前記下方にのびるリブの後面側には、当該リブの下端に向かって漸次前記掃除機本体の前方側へ傾斜した傾斜部が形成されてなる請求項2記載の電気掃除機。
【請求項4】 前記前後・上下位置決め機構の少なくとも1つが、前記バスケットの底壁外側に形成された凹部と、前記集塵室の底面から上方にのびるリブとからなる請求項1、2または3記載の電気掃除機。
【請求項5】 前記リブの前面側には、当該リブの上端に向かって漸次前記掃除機本体の後方側へ傾斜した傾斜部が形成されてなる請求項4記載の電気掃除機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気掃除機に関する。さらに詳しくは掃除機本体の集塵室内部に紙パック装着用のバスケットを備えた電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、集塵室内部に紙パックを装着した電気掃除機が種々提案されている。とくに近年では、紙パックを容易に集塵室から着脱できるように、集塵室内部に紙パック装着用のバスケットが設けられた掃除機が採用されている。
【0003】従来より用いられるバスケットは、図11に示されるごとく、紙パックが装着されていないときでもバスケット内部に集塵できるように、箱形を呈しており、バスケットの上端縁の外周にはゴミもれ防止用のゴム製のパッキンが設けられている。また、バスケットの側壁および底面には大きな開口が形成され、フィルタなどが貼りつけられている。
【0004】このようなバスケットを備えた電気掃除機では、掃除を終えて紙パックを廃棄するときには、集塵室からバスケットを取り出して、ゴミ箱の上で紙パック固定用のクランプを外してバスケットを逆さまにして紙パックを捨てる。また、紙パックを用いない場合もゴミを捨てるときにはバスケットを集塵室から取り出して捨てる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の電気掃除機では、バスケットを集塵室へ取り付ける場合、バスケット上端縁のパッキンの平坦な外周面を掃除機本体の集塵室の内壁に密着させる必要があるため、バスケットをセットする場合、前後左右の位置をおおよそ合わせて、バスケットを手にもって集塵室に挿入し、所定の位置までバスケットを下方へ押し込まなければならず、ワンタッチでバスケットをセットするのが難しい。
【0006】所定の位置(とくに、所定の高さ)にバスケットがない場合、掃除機本体のホース差込口とバスケットの吸込口の軸心がずれるため、ホースが挿入できなかったり、またはゴミもれを起こすという問題がある。
【0007】また、バスケットの取出し時においても、バスケットのパッキンが掃除機本体と密着しているため、ワンタッチで取り外すことが容易に行なえないといった問題がある。
【0008】本発明はかかる問題を解消するためになされたものであり、バスケットの取付けおよび取外しを容易かつ確実に行なうことができる電気掃除機を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の電気掃除機は、掃除機本体の内部に電動送風機および集塵室を有する電気掃除機であって、前記集塵室内部に紙パックを装着するためのバスケットが着脱自在に設けられ、前記バスケットを前記集塵室内部の所定位置に装着する際に前後および上下方向についてのバスケットの位置決めを行なうための前後・上下位置決め機構を少なくとも1つ備えてなることを特徴とするものである。
【0010】前記前後・上下位置決め機構の少なくとも1つが、前記バスケットの前壁上部に設けられた下方にのびるリブと、前記集塵室の前壁上端縁から上方にのびるリブとからなるのが好ましい。
【0011】前記下方にのびるリブの後面側には、当該リブの下端に向かって漸次前記掃除機本体の前方側へ傾斜した傾斜部が形成されてなるのが好ましい。
【0012】前記前後・上下位置決め機構の少なくとも1つが、前記バスケットの底壁外側に形成された凹部と、前記集塵室の底面から上方にのびるリブとからなるのが好ましい。
【0013】前記リブの前面側には、当該リブの上端に向かって漸次前記掃除機本体の後方側へ傾斜した傾斜部が形成されてなるのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】つぎに図面を参照しながら本発明の電気掃除機を詳細に説明する。図1は本発明の電気掃除機の一実施の形態を示す電気掃除機本体の蓋を開けた状態における斜視説明図、図2は図1のバスケットの拡大斜視図、図3は図1のバスケットの正面図、図4は図1のバスケットの側面図、図5は図1のバスケットの平面図、図6は図1のバスケットに紙パックを装着した状態を示す断面説明図、図7は図1の掃除機本体にバスケットおよび紙パックを装着した状態における部分切欠側面図、図8は図1の掃除機本体にバスケットを装着した状態における部分切欠平面図、図9は図1の掃除機本体の前後・上下位置決め機構を示す断面説明図および図10は図1のバスケットにおけるパッキンによるシールの様子を示す断面説明図である。
【0015】図1および図7〜8に示される電気掃除機は、掃除機本体1の内部に電動送風機2および集塵室3を有しており、集塵室3内部には紙パック4(図7参照)を装着するためのバスケット5が着脱自在に設けられている。
【0016】掃除機本体1の上部には、集塵室3を開閉するための蓋6が設けられている。また、掃除機本体1の下部には、掃除機本体1を床面を転がして移動できるように車輪7が設けられている。さらに、掃除機本体1の前面には、吸入口1aが開口されており、かかる吸入口1aにホースなど(図示せず)が接続される。また、集塵室3の後側の内壁面(後壁)3aには、前記電動送風機2に通じる排気口3bが形成されている。
【0017】バスケット5は、図2〜6に示されるように、上部および後部が開放された略箱形を呈しており、後面開口を取出口9としている。取出口9の下部開口縁に立壁(後壁)8が形成されている。バスケット5は、合成樹脂などによって作製される。さらに、バスケット5には、バスケット5の引き出しおよび運搬のための取っ手16、前記紙パック4を固定するためのクランプ17、および前記掃除機本体1および紙パック4に対するバスケット5のシール性を保つための円形のパッキン14を備えている。
【0018】また、本実施の形態では、図10に示されるように、バスケット5の前壁12には、前記掃除機本体1の吸入口1aに接続される接続口13が形成されており、当該接続口13の周縁には、パッキン14が設けられている。
【0019】図3、図6および図10に示されるパッキン14は、固定板10に接触する半円形断面を呈する円環状のリング部14aと、ホースが差し込まれる接続口13の内周面に嵌着される円環状の嵌着部14bと、前記接続口13を開閉自在におおう弁部14cと、集塵室3の前壁3cの内面に接触する半円形断面を呈する円環状のリング部14dとから構成されている。
【0020】リング部14aが隙間なく固定板10に接触することにより、前壁12と固定板10とのあいだを気密的に封止する。それとともにリング14dが隙間なく集塵室3の内壁に接触することにより、集塵室3の内壁と前壁12とのあいだを気密的に封止する。
【0021】図2および図6に示されるように、紙パック4をバスケット5にセットする場合、紙パック4に固着された固定板10を溝15とクランプ17とのあいだに嵌め込めばよい。反対に、紙パック4を取り出して廃棄する場合にはクランプ17を上方へ回動するだけでよい。
【0022】本実施の形態のバスケット5は、紙パック4を取り付けて使用することを前提とし、従来のバスケット41の上端縁に設けられたパッキン42(図11参照)を廃止し、かつ掃除機本体1とバスケット5の側壁11とあいだに隙間24(図8参照)が形成されている。また、バスケット5をある程度の位置(高さ)から手を離すと、バスケット5が掃除機本体の集塵室3の内部の所定の位置にすべりこむような後述する前後・上下位置決め機構31、32が設けられている。
【0023】かかる構造を採用することにより、バスケット5を掃除機本体1の集塵室3の内部に完全に押し込むことなく、所定の位置に容易かつ確実に取り付けることができ、かつ取出しも取っ手16を持って容易に引き上げることができるようになった。
【0024】以下、さらに具体的に前後・上下位置決め機構31、32を説明する。
【0025】図9に示されるように、第1前後・上下位置決め機構31は、前記バスケット5の前壁12上部に設けられた取っ手16から下方にのびるリブ33と、バスケット5を案内するために前記集塵室3の前壁3c上端縁から上方にのびるリブ34とから構成されている。リブ33の後面側(バスケット5側)に、該リブ33の下端に向かって漸次掃除機本体1の前方側へ傾斜した傾斜部33aが形成されているため、バスケット5の挿入にしたがって徐々にバスケット5が吸入口1a側へ押し付けられる。
【0026】一方、第2前後・上下位置決め機構32は、前記バスケット5の底壁25外側に形成された凹部35と、前記集塵室3の底面37から上方にのびるリブ36とから構成されている。リブ36の前面側(吸入口1a側)に、該リブ36の上端に向かって漸次掃除機本体1の後方側へ傾斜した傾斜部36aが形成されているため、凹部35の前部がバスケット5の挿入にしたがって徐々にバスケット5が吸入口1a側へ押し付けられる。
【0027】また、前記傾斜部33a、36aによって、バスケット5の挿入時に、吸入口1aとバスケット5のパッキン14とのあいだに若干の隙間を有した状態で挿入開始し、装着完了に従って徐々に吸入口1aに押しつけられるような動きになるため、吸入口1aとバスケット5のパッキン14が接触した状態で垂直に挿入する場合に比べて、パッキン14のめくれを防止できる。
【0028】かかる構成により、まず、第1前後・上下位置決め機構31によって、バスケット5と掃除機本体1との前後および上下方向の位置決めを行なう。バスケット5側のリブ33が集塵室3の前壁3cのリブ34を挟み込むことにより、前記電動送風機2の運転時にバスケット5が電動送風機2側に引っ張られるのを防止する。
【0029】第1前後・上下位置決め機構31は、本実施の形態のようにリブ33およびリブ34の組合せでもよいし、または凸部および穴の組合せでもよい。
【0030】前後方向の位置決めは、前記第1前後・上下位置決め機構31の他にも第2前後・上下位置決め機構32によって、集塵室3のの底面37のリブ36が、バスケット5の底壁25外側の凹部35に嵌まり込むことによって、バスケット5と掃除機本体1との前後および上下方向の位置決めを行なう。また、第2前後・上下位置決め機構32によって、前述と同様に、電動送風機2の運転時にバスケット5が電動送風機2側に引っ張られるのを防止することができる。
【0031】第2前後・上下位置決め機構32は、凹凸の配置が逆であってもよく、たとえば、集塵室3の底面37に凹部を形成し、バスケット5の底壁25外側に凸部を設けてもよい。
【0032】以上の前後・上下位置決め機構31、32のように、2つの位置決め機構を備えれば、バスケット5の上下2か所において位置決めおよび保持を行なうため、位置決め・保持効果が非常に高いが、第1前後・上下位置決め機構31または第2前後・上下位置決め機構32のいずれか一方を備えていても充分な位置決め・保持効果を奏することができる。しかも、従来のバスケットと比較して大幅にバスケット5の脱着の利便性を向上させることができる。
【0033】また、従来のバスケットでは、バスケット5の前後の集塵室3の前壁3cおよび後壁3aに当接させて位置決めする場合、バスケット5の前後の寸法が大きいためにそれに比例して寸法誤差が大きくなるため、シールの確実性(信頼性)を得ることができなかった。一方、本実施の形態では、前後・上下位置決め機構31、32により、バスケット5の前部においてバスケット5の位置決めを行なうことにより、掃除機本体1との寸法(距離)が短い位置で位置決めをすることができ、シール性を確実に向上させることができる。
【0034】また、電動送風機2が駆動した際にバスケット5が電動送風機2側へ引っ張られる力が加わるが、吸入口1aに近いバスケット5前部の上下2か所で係止しているため、バスケット5が所定位置からずれることにより生じるシール性の低下を防止することができる。
【0035】さらに、図9に示されるように、バスケット5の後側をガイドするために、バスケット5の後面の曲面部39と、集塵室3の後壁3aに突設されたガイド用のリブ40とからなるガイド機構38とを備えているため、バスケット5を集塵室3へ投入するときに当該バスケット5が傾くのを防止することができる。
【0036】本実施の形態のパッキン14は、図11に示される従来のパッキン43と比較した場合、リング部14dを有している点で大きく異なっている。
【0037】本実施の形態では、図10に示されるリング部14dによって、バスケット5と掃除機本体1とのあいだのシールを行なうことができる。しかも、従来のバスケット上端縁のパッキン42(図11参照)を設けた場合と比較して、バスケット5の取付けおよび取外しが容易である。
【0038】しかも、リング部14dが半円形断面を呈するため、バスケット5の取付けおよび取外し時のリング部14dのめくれや引掛かりを防ぐことができ、確実にバスケット5と掃除機本体1とのあいだのシールを行なうことができる。
【0039】さらに、図3、図6および図10に示されるように、バスケット5にパッキン14のリング部14dの半円形状の最大外周部14eを受けるためのリブ5aが設けられているため、リング部14dのめくれや引掛かりを防ぐことができる。
【0040】以上のように、パッキン14の表裏に半円形断面形状を呈する円環状のリング部14a、14dを設けることにより、バスケット5の取付けおよび取外しの利便性を失わず、かつ確実にシールを行なうことができる。
【0041】しかも、図10に示されるように、バスケット5と掃除機本体1とのあいだに隙間44をもたせた状態でバスケット5が挿入され、最終的に前記リブ33の傾斜部33aでバスケット5を掃除機本体1に押し付けるようにしてシール性を向上することができる。
【0042】さらに、本実施の形態では、バスケット5の前壁12に取っ手16および前記クランプ17が設けられている。具体的には、アーチ型形状を呈する取っ手16が、当該取っ手16の両端から下方に突設された爪18(図3参照)によってバスケット5の前壁12に固定されている。取っ手16に囲まれる空間の内側には、クランプ17が、両側面に突出形成された一対の軸19(図3参照)によって揺動自在に取り付けられている。クランプ17は、図6に示されるように、バネ20によって前記固定板10を挟持する方向に常時付勢されている。
【0043】かかる構造により、紙パック4を廃棄する場合、つぎのようにして行なう。まず、紙パック4をバスケット5に取り付けたまま、バスケット5を掃除機本体1から取っ手16を持って引き出し、取っ手16を手で持ったまま前壁12側にあるクランプ17を上方へ回動して外す。本実施の形態では箱形のバスケット5の後面を取出口9とし、取っ手16がバスケット5の前端部に取り付けられているため、取っ手16を持ったときにバスケット5の後方が下がる。その結果、紙パック4を自然落下によって容易に廃棄することができる。したがって、取っ手16を手で持ったままバスケット5を逆さまにすることなく紙パック4の廃棄作業を容易に行なうことができる。また、クランプ17は、取っ手16を持っている手で片手で操作でき、便利である。
【0044】一方、紙パック4を取り替える場合には、掃除機本体1の外で、バスケット5に紙パック4を装着し、そののち取っ手16を持ってバスケット5を掃除機本体1に容易に装着することができる。
【0045】さらに、従来では、フィルタ付きのバスケットを紙パックなしで使用する際にゴミなどによるフィルタの目詰まりによって吸込性能が低下していたが、本実施の形態では、吸込性能の低下を防止するために、図2および図4に示されるように、紙パック4を用いることを前提として、バスケット5の少なくとも側壁11に少なくとも1個の通気用の開口22が形成されている。
【0046】また、図8に示されるように、バスケット5と掃除機本体1の集塵室3における内側の側壁23とのあいだには、若干の隙間24が形成されている。そのため、前記バスケット5の側壁11の開口22は、隙間24および排気口3bを通して、前記電動送風機2に連通している。かかる構成により、開口22への空気の流路が確保されるため、紙パック4内部に均一に吸い込み、紙パック4の後面だけでなく側面にもゴミをためることができ、吸込性能の低下を防止することができる。
【0047】開口22は、図2および図7〜8に示されるバスケット5の底壁25に形成することもでき、その場合も前述と同様に吸込性能の低下を防止することができるが、底壁25に開口22を形成する代わりに、図2および図7〜8に示されるように、紙パック4と底壁25との密着を防ぐための面状の突起26を突設すれば、バスケット5から集塵室3へゴミやチリなどがこぼれることなく、吸込性能の低下を防止することができる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、バスケットのための前後・上下位置決め機構を備えていることにより、バスケットの取付けおよび取外しを容易かつ確実に行なうことができる。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成10年8月27日(1998.8.27)
【代理人】 【識別番号】100065226
【弁理士】
【氏名又は名称】朝日奈 宗太 (外1名)
【公開番号】 特開2000−70195(P2000−70195A)
【公開日】 平成12年3月7日(2000.3.7)
【出願番号】 特願平10−242133