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【発明の名称】 モップの絞り機能を備えた清掃用バケツ
【発明者】 【氏名】山 下 修 右

【要約】 【課題】モップの濡れた糸束を簡単且つ確実に絞ることができると同時に、ホースによる給水を手で該ホースを支えることなく簡単に行うことができる、使用性に勝れた清掃用バケツを得る。

【解決手段】上面が開口するバケツ本体2に把手3を起倒自在に取り付け、この把手3に、モップの濡れた糸束を押し付けて絞るための多孔状の窪み部4と、給水用ホースの先端を挿入するためのホース孔9と、モップの柄を差し込むことによって該モップを逆向きに立てて保管するためのモップ支持孔10とを形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】上面が開口するバケツ本体と、該バケツ本体の上端部に該バケツ本体を横断するように取付けられた起倒自在の把手とを含み、上記把手が、倒した状態でバケツ本体の上面に臨む位置に、モップの濡れた糸束を押し付けて絞るための多孔状の窪み部と、給水用ホースの先端を挿入するためのホース孔とを有する、ことを特徴とするモップの絞り機能を備えた清掃用バケツ。
【請求項2】請求項1に記載の清掃用バケツにおいて、上記把手が、モップの柄を差し込むことによって該モップを逆向きに立てて保管するためのモップ支持孔を有することを特徴とするもの。
【請求項3】請求項2に記載の清掃用バケツにおいて、上記把手が、倒した状態でバケツのに体の上面の一部を部分的に覆うプレート状をなしていて、このプレートの一部に上記窪み部とホース孔とモップ支持孔とが形成されていることを特徴とするもの。
【請求項4】請求項3に記載の清掃用バケツにおいて、上記モップ支持孔が、把手の肉厚より軸線方向長さが長い筒状をしていることを特徴とするもの。
【請求項5】請求項1から4までのいずれか1つに記載の清掃用バケツにおいて、上記把手が、倒した状態でバケツ本体を横断する縁辺に、該バケツ本体内に糸束を差し込んだ状態でモップを立て掛けておくための凹欠部を備えていることを特徴とするもの。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、清掃用のバケツに関するものであり、さらに詳しくは、モップの絞り機能を備えた清掃用バケツに関するものである。
【0002】
【従来の技術】モップの絞り機能を備えた清掃用バケツとして、水を入れるためのバケツ本体の上部に一対の棒状ローラーを設け、これらのローラーをペダルの踏み込み操作で閉じるようにしたものは公知である。このものは、上記一対のローラー間にモップの濡れた糸束を挟持させた状態で、該糸束をローラーから引き抜くことによって絞るものである。
【0003】ところが、上記従来の清掃用バケツは、一対のローラーとペダル及びそれらを結合する結合機構等を有しているため、部品数が多くなって構造が複雑であるばかりでなく、取り扱いも面倒であり、一般家庭で手軽に使用するものとしては不向きであった。
【0004】そこで、本出願人は先に、特開平8−299241号公報に開示されているように、バケツ本体に起倒自在に取り付けた把手の一部に、モップの濡れた糸束を押し付けて絞るための多孔状の窪み部を設けた清掃用バケツを提案した。この清掃用バケツは、従来のローラー式のものに比べて構造が非常に簡単で、モップの糸束を単に窪み部内に押し付けるだけで簡単且つ確実に絞ることができるという利点を有する。
【0005】このような清掃用バケツを使用して床面等を清掃する場合には、該バケツにホースで適量の水を充填しなければならない。充填した水は、モップの糸束に吸収されることによって徐々に減少していくため、その減少分をホースで補給する必要がある。
【0006】ところが、このようにホースでバケツに水を供給する場合、該ホースを自由にしておいたのでは水圧によって該ホースが動き回るため、手でホースの先端を支えながら給水しなければならず、作業が面倒である。特に、水道栓がバケツから離れた位置にあるような場合には、ホースの先端を自由にしたまま水道栓を開閉する訳にはいかないため、バケツを一々水道栓の位置まで運んでホースにより水を補給し、水の補給で重くなったバケツを再び作業現場に運ばなければならず、作業が一層面倒になる。
【0007】また、使用後のバケツとモップは、適当な場所に収納されるが、濡れたモップの収納場所には困るケースが多い。それは、該モップを壁に吊したり立て掛けたりしておくと、濡れた糸束によって壁面が汚れたり腐食したりし易いという問題があるからである。しかも、バケツとモップを別々に収納しなければならないため、取り扱いが面倒であると同時に、次に使用する場合に不便である。
【0008】そこで、上記清掃用バケツが、モップの絞り機能の他に、このような給水の問題とモップの収納の問題とを解決できる構成を備えていれば、その使用性はより向上することになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主要な技術的課題は、モップの濡れた糸束を簡単且つ確実に絞ることができると同時に、ホースによる給水を手で該ホースを支えることなく簡単に行うことができる、使用性に勝れた清掃用バケツを提供することにある。
【0010】本発明の他の技術的課題は、上記清掃用バケツにおいて、モップの収納機能を付加することによってその使用性を更に高めることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明によれば、上面が開口するバケツ本体と、該バケツ本体の上端部に該バケツ本体を横断するように取付けられた起倒自在の把手とを含み、該把手が、倒した状態でバケツ本体の上面に臨む位置に、モップの濡れた糸束を押し付けて絞るための多孔状の窪み部と、給水用ホースの先端を挿入するためのホース孔とを有する清掃用バケツが提供される。
【0012】上記構成を有する本発明の清掃用バケツは、バケツ本体内にホースで適量の水を入れ、モップによる水拭き清掃に使用する。このとき把手は、窪み部が上を向く側に倒しておき、そのホース孔内に上記ホースの先端を差し込み、その状態で水を供給する。これにより、該ホースを手で支えることなく水を供給することができる。
【0013】バケツ本体内の水に浸漬させた糸束を絞るときは、その糸束を多孔状の窪み部内に押付けるか、押付けながら捩じるようにする。これにより、上記糸束が圧縮されて余分な水分が絞り出され、その水分がバケツ本体内に還流する。
【0014】本発明において好ましくは、上記把手が、モップの柄を差し込むことによって該モップを逆向きに立てて保管するためのモップ支持孔を有することである。
【0015】この構成により、モップとバケツを常にセットにして保管することができるため、取り扱いが容易で、次に使用する際にも非常に便利である。しかも、清掃用バケツをモップの収納にも兼用できるため、非常に合理的且つ効率的であるばかりでなく、モップの保管場所に困ることもなく、濡れたモップを壁に吊したり立て掛けたりする必要がないため、壁面が汚れたり腐食したりするといった問題も解消される。
【0016】本発明の具体的な実施形態によれば、上記把手が、倒した状態でバケツの本体の上面の一部を部分的に覆うプレート状をなしていて、このプレートの一部に上記窪み部とホース孔とモップ支持孔とが形成されている。
【0017】この場合に上記モップ支持孔は、把手の肉厚より軸線方向長さが長い筒状とすることが望ましく、これにより、モップ支持孔の強度を高めて把手がこのモップ支持孔の部分から破損するのを防ぐことができる。
【0018】本発明の好ましい実施形態によれば、上記把手が、倒した状態でバケツ本体を横断する辺に、該バケツ本体内に糸束を差し込んだ状態でモップを立て掛けておくための凹欠部を備えている。
【0019】
【発明の実施の形態】図1〜図4は、本発明のモップの絞り機能を備えた清掃用バケツの第1実施例を示すもので、この第1実施例の清掃用バケツ1Aは、上端部が開口する平面視略四角形のバケツ本体2と、該バケツ本体2の上端部に該バケツ本体2を横断するように取付けられた起倒自在の把手3とからなっている。
【0020】上記把手3は、それを倒した状態でバケツ本体2の上面のほぼ半部を覆うようなプレート状に形成されていて、起立時における中央部上端寄りの位置には、持ち運び用の手提げ穴5が形成されている。また、該把手3の中央部より左右何れか一側に偏寄した位置には、該把手3を倒した状態でバケツ本体2の上面に臨むように、モップ30の糸束31(図4参照)を押し付けて絞るための多孔状の窪み部4が形成されている。
【0021】上記窪み部4は、底部側ほど次第に小径をなす円錐状をしていて、その壁面及び底面に多数の通水孔4aを有するもので、図4に示すように、柄32の先端に糸束31を丸い房状に取付けた丸型モップ30に適合するように形成されたものである。このとき、上記把手3は、その一半部3aの幅が他半部3bの幅より広く形成されていて、該把手3の幅広の半部3a側に上記窪み部4が形成され、幅狭の半部3b側に、モップ30を出し入れするための空間部7が形成され、この広い空間部7により、モップ30をバケツ本体2内により円滑に出し入れすることができるようになっている。
【0022】上記把手3にはまた、図2に示すように、給水用ホース34の先端を挿入するためのホース孔9と、図5に示すように、モップ30の柄32を差し込むことによって該モップ30を逆向きに立てて保管するためのモップ支持孔10とが設けられている。
【0023】上記ホース孔9は、把手3の上端部両端寄りの位置に2つ設けられ、それらを選択的に使用できるようになっているが、その位置及び数は任意であり、1つであっても良い。このホース孔9の孔径は、差し込んだホース34が不時に抜けないように、該ホース34の外径よりやや大きい程度が好ましい。
【0024】一方、上記モップ支持孔10は、モップ30を立てた時にバランスが保たれるように、バケツ本体2のできるだけ中央寄りの位置に設けられている。このモップ支持孔10は、図5から分かるように、把手3の肉厚より軸線方向長さが長い筒状に形成されており、これにより、モップ30をできるだけ鉛直に近い角度に立てることができるようにすると共に、孔の強度を高めて、把手3がこのモップ支持孔10の部分から破損することのないようにしている。
【0025】上記把手3の裏面側には、モップ30を絞る際に把手3が変形することのないように、該把手3の強度を高めるための補強用のリブを設けることができる。このようなリブを設ける場合、その方向は任意であって、縦横いずれの方向であっても、両方向に格子状に設けても良い。
【0026】また、上記把手3の外周には、裏面側に立ち上がったフランジ状の壁8が形成されていて、把手3を倒した時この壁8が、バケツ本体2の外方に張り出した上縁2a上に載置するようになっている。
【0027】しかし、図6に示す第2実施例のバケツ1Bのように、上記壁8を、把手3を倒したとき上縁2aの外周部に嵌合するように構成することもできる。このように構成することにより、モップ30の糸束31を絞る際に、把手3ががたつかないように確実に固定すると共に該把手3が下向きに変形するのを防止して、糸束31を絞る作業を安定的に行うことができる。
【0028】上記把手3にはさらに、図2に示すように、その外周のバケツ本体2を横断する縁辺3cの中間位置に凹欠部12が設けられ、この凹欠部12により、バケツ本体2内に糸束31を挿入した状態でモップ30を立て掛けておくことができるようになっている。
【0029】上記構成を有する清掃用バケツ1A,1Bは、バケツ本体2内に適量の水を入れ、モップ30による水拭き清掃に使用する。このとき上記把手3を、窪み部4が上を向く側に倒しておき、そのホース孔9内に上記ホース34の先端を差し込み、その状態で水を供給する。これにより、該ホース34を手で一切支えることなく水を供給することができる。また、減少した水を補給する作業も、単に水道栓を開閉するだけで簡単に行うことができる。
【0030】モップ30の糸束31を水に浸漬する作業は、把手3の窪み部4が形成されていない幅狭の半部3b側に形成された広い空間部7を通じて行い、水に浸漬した糸束31を絞る作業は、図4に示すように、その糸束31を多孔状の窪み部4内に押付けるか、押付けながら捩じることにより行う。これにより、上記糸束31が圧縮されて余分な水が絞り出され、その水が通水孔4aを通じてバケツ本体2内に流下する。
【0031】かくして上記構成を有する清掃用バケツ1A,1Bは、把手3に多孔状の窪み部4を設けただけの簡単な構成であるにもかかわらず、上記窪み部4を利用してモップ30を簡単且つ確実に絞ることができ、ホース34による水の供給も非常に容易である。
【0032】また、清掃が終わったあとは、モップ30の糸束31を良く絞って十分に水切りを行うと共に、バケツ内の水を捨て、把手3のモップ支持孔10内にモップ30の柄32を差し込むことにより該モップ30を逆向きに立てた状態で、所定の場所に収納する。
【0033】これにより、バケツとモップとをセットにして保管することができるため、取り扱い及び保管場所が常に一緒で次に使用する際に非常に便利である。しかも、清掃用バケツをモップの収納にも兼用できるため、非常に合理的且つ効率的であるばかりでなく、モップの保管場所に困ることもなく、濡れたモップを壁に吊したり立て掛けたりする必要がないため、壁面が汚れたり腐食したりするといった問題も解消される。
【0034】上記各実施例では、上記把手3と窪み部4とを合成樹脂により一体形成しているが、このように一体に形成することなく、把手3の一部に開口部を設け、この開口部に、別形成した合成樹脂製又は金属製のカップ状をした多孔質の窪み部形成用部材を取付けるようにしても良い。これにより、窪み部が壊れた際に該窪み部だけを交換することができる。
【0035】また、把手3の幅が、窪み部4が形成されている部分と形成されていない部分とで違っているが、把手3の幅は全体として均一であっても良く、この場合に窪み部4はどの位置に設けても良い。
【0036】さらに、上記実施例では窪み部4が円錐状に形成されているが、該窪み部の形状はこのような円錐状に限るものではなく、T形モップを対象とする場合は、V字形や略U字形の断面を持つ直線溝状に形成される。図7には、このような直線溝状の窪み部を持った第3実施例のバケツ1Cが示されている。
【0037】この第3実施例のバケツ1Cにおいては、把手3が、矩形のバケツ本体2のほぼ一半部を覆うような長方形状に形成されていて、該バケツ本体2を横断する縁片2cに沿うように上記窪み部4が形成されている。また、ホース孔9は手提げ穴5の横に1つだけ形成されており、モップ支持孔10は、上記縁片2cの中央部に形成されている。このモップ支持孔10は、完全な孔とすることなく、優弧状の切欠にしても良い。また、上記縁片2cの適宜位置に、上記第1実施例にあるような凹欠部を設けることができる。
【0038】なお、上記各実施例ではバケツ本体2が矩形状をしているが、円形であっても良く、このように円形とした場合には、把手3の形状はほぼ半円形となる。
【0039】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明の清掃用バケツによれば、把手に多孔状の窪み部を設けただけの簡単な構成であるにもかかわらず、上記窪み部を利用してモップを簡単且つ確実に絞ることができ、取り扱いも容易である。しかも、把手のホース孔内に給水用ホースの先端を差し込み、その状態で該ホースを通じて水を供給することにより、該ホースを手で支えることなく簡単に水を供給することができる。また、上記把手にモップ支持孔を設けることにより、このモップ支持孔にモップの柄を差し込むことによって該モップを逆向きに立てて保管することができるため、バケツとモップとを常にセットにして保管することができ、取り扱いが容易で、次に使用する際にも非常に便利である。しかも、清掃用バケツをモップの収納にも兼用できるため、非常に合理的且つ効率的であるばかりでなく、モップの保管場所に困ることもなく、濡れたモップを壁に吊したり立て掛けたりする必要がないため、壁面が汚れたり腐食したりするといった問題も解消される。
【出願人】 【識別番号】000101363
【氏名又は名称】アズマ工業株式会社
【出願日】 平成10年8月18日(1998.8.18)
【代理人】 【識別番号】100072453
【弁理士】
【氏名又は名称】林 宏 (外1名)
【公開番号】 特開2000−60785(P2000−60785A)
【公開日】 平成12年2月29日(2000.2.29)
【出願番号】 特願平10−232037