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【発明の名称】 電気掃除機用吸込具
【発明者】 【氏名】丸山 敏行

【要約】 【課題】エアタービンの駆動性能と吸塵性能の両者を同時に満足させながら、吸込具の下ケースにおけるエアタービン収納部分の下側でもゴミを送り込むために十分な吸引風を得られるようにする。

【解決手段】吸込ロ20を有する下ケース16と上ケース18と吸口継ぎ手19とを結合してなる吸込具本体15の内部に、その周壁に設けた吸気口36,37から吸口継ぎ手19に連なる風路34,43を形成し、風路の途中に、吸込ロに配置したブラシ21を吸引時の風力を利用して回転駆動するエアタービン26を配置し、かつ下ケース16における風路34内のエアタービン収納部39に、床面に臨むスリット44を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 吸込ロを有する下ケースと上ケースと吸口継ぎ手とを結合してなる吸込具本体の内部に、その周壁に設けた吸気口から前記吸口継ぎ手に連なる風路を形成し、該風路の途中に、前記吸込ロに配置したブラシを吸引時の風力を利用して回転駆動するエアタービンを配置し、かつ前記下ケースにおける前記風路内のエアタービン収納部に、床面に臨むスリットを形成したことを特徴とする電気掃除機用吸込具。
【請求項2】 エアタービンを、ブラシ両端にそれぞれ設置して、軸方向より吸気し、周面より排気するように形成するとともに、スリットの形成位置を、回転するエアタービンの周面から排気される風の遠心力に伴う勢力の及ぶ範囲内に設定してなることを特徴とする請求項1記載の電気掃除機用吸込具。
【請求項3】 エアタービンの軸とブラシの軸を、互いに連通するパイプから形成するとともに、それぞれの軸壁に穴を設け、エアタービンで吸気した空気の一部がブラシ側より吸い出されるように構成してなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の電気掃除機用吸込具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気掃除機用吸込具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ごみ吸込み性能を上げる目的で、絨毯等の毛の奥に入り込んだ塵挨を掻き出す機能を持ったエアタービン駆動方式の回転ブラシを吸込口部に取り付けた電気掃除機用吸込具は知られている。またこの回転ブラシとして、吸込具の中に小型モータを組み込み、ブラシ体を強制回転させるパワーブラシと、吸込具の内部にエアタービンやファンを設け、吸引風によりエアタービンを駆動してブラシ体を回転させるタービンブラシとが知られている。
【0003】最近では、掃除機の使い勝手向上の観点から吸込具を軽量化することが望まれており、モータの分、重量の重たいパワーブラシを用いた吸込具より、重量の軽いタービンブラシを用いた吸込具が多く使用されてきている。
【0004】エアタービンを用いた吸込具では、エアタービンの駆動源となる電気掃除機の吸引風を吸込具本体の周壁に形成した吸気口より引き込むため、ゴミを吸引するために使用する吸引風と、エアタービンを回転させるために使用する吸塵に寄与しない吸引風とのバランスの取り方が吸込具の性能を決定する上で重要な要素となる。
【0005】例えば、エアタービンを駆動するための風路に吸引風を多く通過させるようにすると、エアタービンの駆動は強力になり、トルク、回転数共に上昇し、掻き上げ性能が向上する。しかし、この場合は床面上のゴミを掃除機本体へ送り込むための吸引風が少なくなってしまうので、結果的に吸塵性能の向上はみられないことも多い。逆にゴミを送り込むための吸引風を増やすと、エアタービンの回転トルクが得られず、更に吸塵性能を低下させることになる。
【0006】そこで、エアタービンを駆動した後の吸引風が吸込具の吸込ロ内で旋回流となるように構成して、この旋回流も利用して床面のゴミを掃除機本体に送り込み、これによって吸引風を効率的に利用し、両者の性能を同時に向上させるようにしたものが提案されている(特開平9−28630号公報)。
【0007】これを図9に示す吸込具の横断面図に基づき詳述すると、1は吸込具の本体であり、吸込ロ2を有する下ケース3と、下ケース3にバンパー4を介して結合された上ケース(図示せず)と、これら上下ケース間の後部中央に接続した吸口継ぎ手5とから形成されている。
【0008】吸込具本体1の吸込ロ2には、床面の掻き上げを行う棒状の回転ブラシ6が配設され、回転ブラシ6の軸の両端部にそれぞれエアタービン7,7が取り付けられている。
【0009】吸込具本体1の左右後方および左右上面には、それぞれエアタービン7,7に連なる吸気口8,8が設けられているとともに、回転ブラシ6の各ブレード6aは、それぞれ中央部が回転方向後方へ傾いた平面的にみてV形となる角度に設定され、回転時には両側のタービン7,7部から空気を引き込むことができるようになっている。
【0010】従って、各吸気口8,8から吸い込まれた空気は、それぞれ左右の風路9,9を通って各エアタービン7,7に流れてこれを駆動し、その後、吸込ロ2に引き込まれて旋回流となり、床面のゴミを巻き込んで中央部に移動し、吸口継ぎ手5から図示しない延長管、可撓性ホースを介して掃除機本体に吸引される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エアタービンを駆動した後の吸引風が吸込具の吸込ロ内で旋回流となるように構成して、エアタービンの駆動性能と吸塵性能の両者を同時に向上させるようにした前述の従来例にあっても、旋回流は吸込口の中央側でしか発生せず、吸込具の下ケースにおけるエアタービン収納部分の下側では依然としてゴミを送り込むために十分な吸引風が得られていないのが実状である。
【0012】本発明の技術的課題は、エアタービンの駆動性能と吸塵性能の両者を同時に満足させながら、吸込具の下ケースにおけるエアタービン収納部分の下側でもゴミを送り込むために十分な吸引風を得られるようにすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る電気掃除機用吸込具は、吸込ロを有する下ケースと上ケースと吸口継ぎ手とを結合してなる吸込具本体の内部に、その周壁に設けた吸気口から吸口継ぎ手に連なる風路を形成し、風路の途中に、吸込ロに配置したブラシを吸引時の風力を利用して回転駆動するエアタービンを配置し、かつ下ケースにおける風路内のエアタービン収納部に、床面に臨むスリットを形成したものである。
【0014】また、本発明の請求項2に係る電気掃除機用吸込具は、エアタービンを、ブラシ両端にそれぞれ設置して、軸方向より吸気し、周面より排気するように形成するとともに、スリットの形成位置を、回転するエアタービンの周面から排気される風の遠心力に伴う勢力の及ぶ範囲内に設定したものである。
【0015】また、本発明の請求項3に係る電気掃除機用吸込具は、エアタービンの軸とブラシの軸を、互いに連通するパイプから形成するとともに、それぞれの軸壁に穴を設け、エアタービンで吸気した空気の一部がブラシ側より吸い出されるように構成してなるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態に係る電気掃除機用吸込具の上面図、図2はその側面図、図3はその上ケースを取り外した状態の上面図、図4はその一部を破砕して示す側面図、図5はその下面図、図6はそのエアタービン周辺の風の流れの説明図、図7はそのエアタービン収納部分の下側への風の流れの説明図、図8は本発明を適用した電気掃除機の全体構成を示す斜視図である。
【0017】まず、本実施形態の電気掃除機用吸込具の説明の前に、本発明を適用した電気掃除機の全体構成について図8に基づき説明すると、11は集塵部や電動送風機が内蔵された掃除機の本体、12は掃除機本体11に接続された可撓性ホース、13は可撓性ホース12の先端に結合された手元操作部、14は手元操作部13の他端に接続された延長管、15は延長管14に接続された本発明に係る吸込具の本体である。
【0018】吸込具本体15は、図2,図4に示すように高さ方向の中央部で2分割され、下ケース16と、これに家具等ヘキズがつくのを防止するための軟質材料で作られたバンパー17を介し結合された上ケース18と、これら上下ケース16,18の後部中央に接続した吸口継ぎ手19とから形成されている。
【0019】上ケース18は、前半分が着脱自在のカバー18aから形成され、内部に収納した回転ブラシ21を取り外しできるようになっている。
【0020】吸口継ぎ手19は、上下動可能な連結管19aと、その後端に軸線周りに回動可能に取り付けられた曲がり管19bとから形成され、曲がり管19bが延長管14に接続されるようになっている。
【0021】下ケース16には、図5に示すように本吸込具を前後にスムーズに移動可能にするためと、本吸込具と床面との距離を一定に保つことを目的に左右一対の前輪22,22が設けられ、また後方には前記目的以外に床面を乾拭きするためのフェルトを巻き付けたローラ23が設置されている。
【0022】吸込具本体15の内部には、下ケース16の吸込口20位置に塵埃の掻き上げを行う回転ブラシ21が配段されている。回転ブラシ21は、その軸24がアルミニウム等の金属からなるパイプ24aとパイプ外周に被着した軟質材からなるチューブ24bとからなり、かつ軟質材チューブ24bの周面の複数個所に、放射方向にリブ状に突出するプレート25が設けられ、各プレート25にてブラシ回転時に床面を掻き上げることができるようになっている。
【0023】回転ブラシ21の両端には、それぞれエアタービン26,26が取り付けられている。各エアタービン26,26は、その軸27,27がパイプから形成されて回転ブラシ21の軸24のパイプ24aと管継手部28,28を介して接続され、連通しているとともに、図6に示すようにこれらの軸壁に穴27a,24cが形成され、各エアタービン26,26で吸気した空気の一部が各穴27a,27aから軸27,27、管継手部28,28、パイプ24aを通り、回転ブラシ21の各穴24cより吸い出されるようになっていて、穴24cから吸い出された風が床面のゴミを掻き上げるのに利用されるようになっている。
【0024】また、各エアタービン26,26の軸27,27の外端部には、それぞれ予めベアリング29,29が取り付けられていて、これらベアリング29,29部が、吸込具本体15の下ケース16と上ケース18のカバー18aとに設けた半割円筒状の支持片(図示せず)によって、上下で支持されるようになっていて、カバー18aを開けて回転ブラシ21を取り外す際には、左右のエアタービン26,26及びベアリング29,29も回転ブラシ21と一体に取り外されるようになっている。
【0025】また、エアタービン26は、図4,図6に示すようにそのフィン31が卍形に形成され、更にその周面における各フィン間位置にそれぞれ排気孔32が設けられていて、軸方向より吸引し、周面から吸い出される空気の反発によって回転駆動されるようになっている。
【0026】各エアタービン26,26の内端面は、それぞれ管継手部28,28とその周りを閉塞する上下二分割構成の隔壁33,33によって摺動自在に閉塞されているとともに、その外端面は開口し、図3,図7に示すように各エアタービン26,26への外気導入風路34を形成する上下二分割構成の仕切壁35,35によって開口周りのみがそれぞれ閉塞されている。
【0027】外気は、図2,図4,図7に示すように周壁の一部を形成しているバンパー17の両側面にそれぞれ設けた吸気口36と、図1に示すように上ケース18のカバー18aの上面における両側縁部に形成した吸気口37とから風路34内へ導入され、風路34内へ導入された空気は全て各エアタービン26,26の開口内に入り、主に各エアタービン周面の排気孔32より吸い出され、一部は前述の軸部風路を介して回転ブラシ21側に流れるようになっている。
【0028】下ケース16の吸込口20の後壁38は、図3,図6,図7に示すように下ケース16の底壁16aと隔壁33と仕切壁35とで囲まれるエアタービン収納部(以下、単に収納部という)39の後方まで延出し、収納部39に臨む部位に連通路となる切欠き41が形成され、更に吸込口20に臨む部位にも連通路となる切欠き42が形成されており、エアタービン周面の排気孔32より収納部39内に吸い出された外気は、主に切欠き41から後部風路43内へ流れ、そこから切欠き42を通って一旦吸込口20内に吸い出された後、ゴミと共に吸口継ぎ手19から掃除機本体11へ運ばれるようになっている。
【0029】収納部39の底壁16aには、回転するエアタービン26の周面から排気される風の遠心力に伴う勢力の及ぶ範囲内に、図3乃至図7に示すように床面に臨むスリット44が形成されており、エアタービン周面の排気孔32より収納部39内に吸い出された外気の一部が、スリット44から床面に向けて吸い出されるようになっている。このスリット44から吸い出される空気は、前述のようにスリット44の形成位置が回転するエアタービン26の周面から排気される風の遠心力に伴う勢力の及ぶ範囲内に設定され、更にスリット44下面の負圧力が存在するため、スリット44を高速度で通過して床面に衝突し、床面のゴミを掻き上げて中央の吸込口20ヘゴミを送り込むように作用する。なお、図1,図8中の符号45は図示しない風量調整手段の操作部、46はカバー18aの着脱操作部である。
【0030】本実施形態の電気掃除機用吸込具は、以上のように構成され、エアタービン26を駆動した後の風を、下ケース16におけるエアタービン収納部39の下方へも送り込むようにしているので、エアタービン26の駆動性能と吸塵性能の両者を同時に満足させながら、ゴミを送り込むために十分な吸引風を下ケース16の下方の横幅全域で発生させることができる。
【0031】また、エアタービン16を、回転ブラシ21の両端にそれぞれ設置して、軸方向より吸気し、周面より排気するように形成するとともに、スリット44の形成位置を、回転するエアタービン16の周面から排気される風の遠心力に伴う勢力の及ぶ範囲内に設定しているので、スリット44から吸い出される空気の速度を高めることができ、これによってスリット44を通過した風を床面に衝突させて、床面のゴミを掻き上げさせることができ、吸塵性能を一層向上させることができる。
【0032】また、エアタービン16の軸27と回転ブラシ21の軸24を、互いに連通するパイプから形成するとともに、それぞれの軸壁に穴27a,24cを設け、エアタービン16で吸気した空気の一部が回転ブラシ21の穴24cより吸い出されるようにしているので、回転ブラシ21の穴24cから吸い出された風を床面のゴミを掻き上げるのに利用することができて、吸込口20部における吸塵性能を一層向上させることができる。
【0033】なお、スリット44から吸い出される風量は、スリット44の数で調整することができるし、更に風量を増やしたい場合には、スリット44の後縁部に、所定高さを有しかつエアタービン16の周面の沿う円弧状の風向板を設ければよい。
【0034】また、スリット44は、エアタービン16の下方に形成してもよい。この場合は、エアタービン16の径を若干小さくして、エアタービン収納部39の底壁16aの床面からの高さを高く設定することが望ましい。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1の発明によれば、吸込ロを有する下ケースと上ケースと吸口継ぎ手とを結合してなる吸込具本体の内部に、その周壁に設けた吸気口から吸口継ぎ手に連なる風路を形成し、風路の途中に、吸込ロに配置したブラシを吸引時の風力を利用して回転駆動するエアタービンを配置し、かつ下ケースにおける風路内のエアタービン収納部に、床面に臨むスリットを形成したので、エアタービンの駆動性能と吸塵性能の両者を同時に満足させながら、ゴミを送り込むために十分な吸引風を下ケースの下方の横幅全域で発生させることができた。
【0036】また、請求項2の発明によれば、エアタービンを、ブラシ両端にそれぞれ設置して、軸方向より吸気し、周面より排気するように形成するとともに、スリットの形成位置を、回転するエアタービンの周面から排気される風の遠心力に伴う勢力の及ぶ範囲内に設定したので、スリットから吸い出される空気の速度を高めて床面に衝突させることができる。このため、スリットから吸い出される空気を利用して、床面のゴミを掻き上げさせることができ、吸塵性能を一層向上させることができた。
【0037】また、請求項3の発明によれば、エアタービンの軸とブラシの軸を、互いに連通するパイプから形成するとともに、それぞれの軸壁に穴を設け、エアタービンで吸気した空気の一部がブラシ側より吸い出されるように構成したので、ブラシの穴から吸い出された風を床面のゴミを掻き上げるのに利用することができて、吸込口部における吸塵性能を一層向上させることができた。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
【出願日】 平成10年8月19日(1998.8.19)
【代理人】 【識別番号】100061273
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 宗治 (外3名)
【公開番号】 特開2000−60777(P2000−60777A)
【公開日】 平成12年2月29日(2000.2.29)
【出願番号】 特願平10−232422