トップ :: A 生活必需品 :: A47 家具;家庭用品または家庭用設備;コ−ヒ−ひき;香辛料ひき;真空掃除機一般




【発明の名称】 便座シート
【発明者】 【氏名】河田 昌子

【要約】 【課題】従来衛生面で問題点を指摘されている洋式トイレにおいて、だれでもが簡単に失敗なく便座上に広げられ、しかも便座上でずれにくく、使用者が安心して着座利用できるための機能的かつ衛生的な便座シートを提供する。

【解決手段】便座シートの中央部に放射状の切り込み2を入れ、その端に周囲の切り込み3を入れることにより、便座シートを便座上にのせた時、中央部5が速やかに下方に開き、その1枚1枚が便座の内側の縁に沿って垂れ下がり、便座の内側からシートをしっかり固定する。そのため、便座シートは便座からずれにくく、使用者は安心して着座利用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 便座シートの中央部に放射状の切り込み(2)を有し、その切り込みの端に周囲の切り込み(3)を有することを特徴とする便座シート。
【請求項2】 便座シート中央部の放射状の切り込み(2)を有する部分の一部を、曲線状または直線状に切り抜いた請求項1に記載の便座シート。
【請求項3】 便座シート中央部の放射状の切り込み(2)の一部を、部分的につながった状態にカットした請求項1または2のいずれかに記載の便座シート。
【請求項4】 便座シート中央部の放射状の切り込み(2)を有する部分の一部に、切り取り部(8)を設けた請求項1または2のいずれかに記載の便座シート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洋式トイレの便座を衛生的に使用するための便座シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、公共の場に設置されている洋式トイレは、不特定多数の人間が直接肌を便座に接するために生じる不衛生感や病原菌感染の危険性を多く指摘されてきた。そのため、一部の施設では使い捨ての便座シートが壁面のケースに設置されたり、また同形のものが折りたたまれて携帯用として市販されたりしているが、これらの便座シートは構造的に便座上でずれやすく、使用者が便座に座ろうとして体の方向を変えたり、着衣をゆるめたりする動作だけで、便座シートが便座から外れたり、便器の中にすべり落ちて使用不可能になるという失敗がしばしばあった。そのため使用者は、無理な姿勢からもう一度便座シートを敷き直したり、常にシートがずれはしないかと不安に感じながら使用してきた。また、従来のものではシートの中央部を長く便器内に垂らす方式が多く、その垂れた部分が便器内の汚水に直接触れて不潔に感じるなど問題点が指摘されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、だれでもが簡単に失敗なく便座上に広げられ、しかも便座上でずれにくく、使用者が安心して着座することのできる機能的かつ衛生的な便座シートを提供することを目的としたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段と作用】上記の目的を達成するため、本発明の便座シートでは、便座の内側の穴に相当する部分に中央部から、放射状の切り込み2を入れている。この切り込みにより、便座シートを便座にのせると、切り込みのある中央部5が花びらのように下方に開き、その1枚1枚が便座の縁の内側からシートを固定するため、便座上でシートがずれない。さらに、この放射状の切り込みの端の部分に、周囲の切り込み3を入れることにより、中央部の1枚1枚がより安定して速やかに開き、便座シートを便器にしっかりと固定することができる。
【0005】
【実施例】以下、図面を用いながら、本発明の実施形態について説明する。図1は本発明による便座シートの一実施例である。この便座シート1では、シート中央部から周囲に向かって放射状の切り込み2が8本入り、さらにそれぞれの切り込みの端の部分から、便座の内周の形に添うように小さな周囲の切り込み3が入っている。この便座シートを、図2のように便座にのせると、シートの中央部5は自らの重みで花びらのように下方に開き、その1枚1枚が便座の内側の縁に添って垂れ下がり、便座の内側からシートをしっかり固定する。
【0006】一方、従来の便座シートでは、図3のように中央部6が1枚大きく垂れ下がるデザインになっており、使用時シートが便座の内側に接している連続部7はただ1カ所のみである。そのため従来の便座シートは、この連続部7を支点として左右に横すべりしやすく、使用者が便座に座ろうとして体の方向を変えたり、着衣をゆるめたりする動作だけで、便座シートが便座から外れたり、便器の中にすべり落ちてしまうという失敗がしばしばあった。そのため使用者は、無理な姿勢からもう一度別の便座シートを敷き直したり、常にシートがずれはしないかと不安に感じながら使用してきた。
【0007】しかし、本発明による便座シートでは、図2のように、内側に垂れたシートの中央部5が複数枚に分かれ、便座の内周にぐるりと接してシートを固定するため、どの方向に対しても横ずれしにくく、常に安定している。さらに、従来の便座シートでは中央部6が長く垂れ下がり、その先端が便器内の汚水に直接触れて不潔に感じるという苦情があったが、本発明による便座シートでは、垂れた中央部が汚水に達する心配もなく清潔である。
【0008】ところで、本発明による便座シートでは、中央部に放射状の切り込み2を入れているが、この切り込みを入れる方向には、図1の実施例のようにシート外周の4辺に対する平行線に重なる方法と、図4のようにその平行線に重ならない方法がある。つまり、図1と図4の実施例は、共に放射状の切り込みの本数は同じだが、切り込みの方向が異なるという応用例である。便座シートは一般に、収納や携帯の都合上、4ツ折りもしくはそれ以上に折りたたまれて用いる場合が多いが、シートを4ツ折りにした時、図1の実施例では切り込み線のうち4本がシートの折り目上に重なる。一方、図4の実施例では切り込み線が折り目上にこないため、シートが破れにくく、収納時など4ツ折り状態での強度は高くなる。したがって、この放射状の切り込み2を入れる方向については、シートの材質や強度、収納時の形状、切り込みを入れる製造機械の性能なども考慮し、そのシートに適した方向を選択する。
【0009】次に、放射状の切り込み2の本数については、その数がシートを便座の内側から固定する箇所の数に相当するので、物理的な安定上最低2本以上であることが必要だが、むやみに多くても今度はシートが破れやすくなってしまうので、シートの材質や強度、たたまれた状態からの開きやすさなどを考慮し、そのシートの材質に対して最も適した本数を選ぶ。ちなみに、図1の実施例では放射状の切り込みを8本としているが、図5ではこの数を4本に、図6ではこの数を12本に応用した場合の実施例を示したものである。いずれの本数の場合も、前述の図1と図4の実施例で比較説明したように、放射状の切り込み2の本数は同じで方向の異なる実施例がそれぞれ存在する。
【0010】なお、この放射状の切り込み2の切断状態については、製造時に最初から完全に切断された状態にカットしておく方法と、請求項3のように、最初から完全には切断せず、使用者が便座シートを使用する際に手で軽く分離できる程度に、放射状の切り込み2の一部を部分的につながった状態にカットしておく方法とがある。後者の場合、製造工程上シートを折りたたんで収納する際や、使用者が収納ケースから取り出す際に、シートの中央部がバラバラにならず扱いやすい。なお、この部分的につながっている箇所のカットの形態については、1〜数mmのミシン目のように1個1個が独立してつながった状態にカットしたものでもよいし、シートの繊維分がクモの糸をかけたようにゆるく不連続につながった状態のものでもよい。また、この部分的につながった箇所は、シートの中心部の形状を保つという目的上、放射状の切り込み2のシート中央部に近い位置に存在することが合目的だが、その存在箇所は放射状の切り込み2の全ての方向に配置されていてもよいし、そのうちの何本かを選んで配置されていてもよい。いずれにしても大切なのは、収納時にはシートの中心部がまとまり、使用者が取り出した際には、そのつながった箇所が手で速やかに分離できることである。
【0011】また、請求項4のように、シート中央部の放射状の切り込み2を有する部分の一部に、独立した切り取り部8を設けた便座シート、例えば図7の実施例のような便座シートでは、収納時に中央部がバラバラにならず扱いやすい。この場合、使用者がシートを取り出したら、4ツ折りまたは2ツ折りの段階で、この切り取り部8を手で引っ張って本体から切り離す。そうすると、隣接する中央部5が自動的に1枚ずつに分かれ実際の使用形態となる。なお、この切り取り部周囲の切り取り線9の切れ幅は、ミシン目のように細かくてもよいし、粗い切れ目でもよい。また、図7のように曲線状でもよいし、シンプルな直線状でもよい。いずれにしても大切なのは、シートが収納されている段階では中央部の形状が保たれ、使用時に手で軽く引っ張った際には、切り取り部8が容易く速やかに分離できることである。
【0012】ところで、放射状の切り込み2の端にある周囲の切り込み3の長さについて、図1の実施例では、放射状の切り込みの端から左右の両方向に、1周の全長の約32分の1ずつ、つまり1周の全長の中で、周囲の切り込み3と連続部4の各々の長さの比率が同程度になるようにデザインしてあるが、この比率はシートの材質や強度、放射状の切り込みの本数などを考慮して調整する。例えば、シートの材質が軟弱で破れやすい場合には、つながっている連続部4の比率を大きくし、逆に材質のこしが強く中央部5が開きにくい場合には、該当箇所の周囲の切り込み3の比率を大きくすれぱよい。また、放射状の切り込み2の本数が少ない場合には、中央部5が下方に開きにくくなるので周囲の切り込み3の比率を大きくし、逆に放射状の切り込み2の本数が多い場合には、中央部5の幅が狭く破れやすくなるので連続部4の比率を大きくすればよい。
【0013】次に、周囲の切り込み3を入れる箇所および数には、図1の実施例のように放射状の切り込み2の全ての端に入れる方法と、図8の実施例のようにその中の何カ所かを選択して入れる方法がある。例えば、図8のように周囲の切り込みの箇所を選択した場合、便座シートを4ツ折りにした状態で、折り目上に周囲の切り込み3がこないため、シートが破れにくく、収納時など4ツ折り状態での強度が高くなる。しかし、周囲の切り込み3の数が減ったぶん中央部5が下方へ開きにくくなるので、その場合には該当箇所の周囲の切り込み3の比率を大きくし、使用時に中央部が速やかに開くよう調整する。
【0014】なお、図1の実施例では中央部の放射状の切り込み2を切りっぱなしのシンプルな直線状にしているが、請求項2のように、この放射状の切り込みを有する部分の一部を、曲線状または直線状に切り抜くこともできる。例えば、図9のように中央部を曲線状に切り抜いたものでは、便座上に広げた時、中央部5がまさに花びらのように垂れ下がり、意匠的に美しく優れている。また、図10のように切り抜けば中央部5が下方に開きやすくモダンな製品となる。いずれにしても大切なのは、便座上に広げた時、中央部が速やかに下方に開き、シートを便座にしっかり固定できることで、この条件をクリアできていれば、切り抜きの形はいろいろに応用できる。なお、このように中央部の一部を切り抜いて仕上げた場合にも、請求項3のように、放射状の切り込み2の一部を部分的につながった状態にカットしておくか、または請求項4のように、放射状の切り込み2を有する部分の一部に切り取り部8を設けておいた場合、中央部がバラバラにならず収納時の便座シートが扱いやすくなる。
【0015】
【発明の効果】本発明による便座シートでは、内側に垂れたシートの中央部5が複数枚に分かれ、便座の内周にぐるりと接してシートを固定するため、どの方向に対しても横ずれしにくく安定している。そのため、使用者は便座シートがずれるのではないかという心配もなく、安心して着座できる。さらに、本発明による便座シートでは、垂れた中央部が便器内の汚水に達する心配もなく清潔である。このように信頼性の高い本便座シートは、従来不衛生感や病原菌感染の危険性が指摘されている公衆トイレにおいても安心して使用でき、広く普及できれば公衆衛生上非常に大きな効果をもたらす発明である。
【出願人】 【識別番号】599015973
【氏名又は名称】河田 昌子
【出願日】 平成11年5月12日(1999.5.12)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−316751(P2000−316751A)
【公開日】 平成12年11月21日(2000.11.21)
【出願番号】 特願平11−168744