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【発明の名称】 炊飯器
【発明者】 【氏名】石川 比呂賀

【氏名】河合 敏明

【要約】 【課題】カバー蓋を本体器に対して取外しできる構造、及び蓋ヒータで内鍋の蓋も加熱できる構造を備えながら、炊飯時における加熱むらを改善してより熱的条件の良い炊飯器を得る。

【解決手段】内鍋3を収容する本体器1と、本体器1の後側に枢支されるアーム体31と、アーム体31に対して着脱自在に装備されて本体器1の蓋となるカバー蓋32とを備え、内鍋3の蓋となる放熱板34をカバー蓋32に備えるとともに、放熱板34を加熱する蓋ヒータ37をアーム体31に備えてある炊飯器において、蓋ヒータ37を、放熱板34のほぼ中央に位置するようにアーム体31に配置し、内鍋3内の蒸気を外部に逃がす調圧部38を、アーム体31の本体器1への枢支部と蓋ヒータ37との間に配設する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内鍋を収容する本体器と、該本体器の一側に枢支されるアーム体と、該アーム体に対して着脱自在に装備されて前記本体器の蓋となるカバー蓋と、前記アーム体に装備される蓋ヒータとを備えてある炊飯器であって、前記アーム体を、前記内鍋の開口直径線上のほぼ中央部または中央部を越える位置まで延設して、このアーム体に、前記蓋ヒータを前記内鍋の開口のほぼ中央部に位置するように設けるとともに、前記内鍋内の蒸気を外部に逃がす調圧部をこのアーム体の本体器への枢支部と前記蓋ヒータとの間に位置するように設けてある炊飯器。
【請求項2】 前記内鍋の蓋となる放熱板を前記カバー蓋に備えるとともに、前記放熱板が前記蓋ヒータで加熱されるように構成してある請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】 前記蓋ヒータが前記放熱板のほぼ中央に配置されている請求項2に記載の炊飯器。
【請求項4】 前記放熱板の下方に配置される内蓋を設け、該内蓋は前記放熱板との間に所定の間隔を有した状態で取付けられている請求項2又は3に記載の炊飯器。
【請求項5】 前記内蓋を、前記調圧部に形成された第1装着部と、前記放熱板における前記調圧部と反対側の部分に設けた第2装着部との2個所で取付け支持してある請求項4に記載の炊飯器。
【請求項6】 前記調圧部が前記放熱板上に配置され、該放熱板に形成された複数の通気孔を通って前記内鍋内の蒸気を前記調圧部に導くように構成してある請求項2〜5のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項7】 前記カバー蓋に、前記アーム体を入り込ませるための下方に凹入した装填部を設けるとともに、前記アーム体における前記蓋ヒータ部分を前記放熱板の上面に当接させる接当孔を前記装填部に形成してある請求項1〜6のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項8】 前記カバー蓋と前記アーム体とを、前記装填部における長手方向の一端側に形成した軸部と、該軸部を下方から受け止めるべく前記アーム体に形成された支持アームとで成る引掛け機構、及び前記装填部に備えたロック機構とで連結一体化させてある請求項7に記載の炊飯器。
【請求項9】 前記カバー蓋を前記アーム体に取付けた状態では、前記カバー蓋の外面と前記アーム体の上面とで連続した略均一となる蓋表面が形成されるように構成してある請求項7又は8に記載の炊飯器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炊飯器に係り、詳しくは、内鍋の蓋を加熱する構造としながら、カバー蓋を丸洗いできるように取外し自在とされた炊飯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の炊飯器の一例が特許公報第2638455号に記載されている。その炊飯器は、図12に示すように、本体器71の上面に、アーム体72とカバー蓋73とを相互に組付けた構成の蓋体74が取付けられている。アーム体72は、上面略中央の領域から後方に延びる形状で形成され、その後端部で本体器71に枢支されている。カバー蓋73は、アーム体72の前部および両サイドを囲う形状で形成され、図13に示すように、上記アーム体72に下側から組付けて係止させることにより、このアーム体72と一体に開閉動作を生じるようになっている。
【0003】本体器71内には、図14に示すように、内部に装着された内鍋75を底部側から加熱するため、複数のシーズヒータ76が埋め込まれた熱盤タイプのメインヒータ77が底部側に配置されている。一方、前記蓋体74のカバー蓋73には、内鍋75の上面開口を覆う放熱板78が取付けられている。また、内鍋75の中心線よりもやや後端(図において右端)側の位置に、内鍋75内で発生する蒸気を外部に逃がす調圧部79が、アーム体72を貫通して上方に延びる形状で設けられている。そして、アーム体72における上記調圧部79回りに蓋ヒータ80が設けられ、この蓋ヒータ80によって放熱板78を適当な温度に加熱し得るようになっている。このように、蓋ヒータ80を調圧部79の周りに配備することで、保温時の温度むらを極力無くせるとともに、蓋ヒータ80をアーム体72における後端側の枢支部に近づけたことで、蓋ヒータ80のリード線の短縮化が図れる等の利点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術は、主として炊き上げ後の保温時の温度むら回避に主眼を置いたものであったため、炊飯時について考えた場合には一考の余地が残されている。すなわち、炊飯時には、内鍋75をその下方に配置したメインヒータ77で加熱するとともに、蓋ヒータ80で内鍋75の蓋である放熱板78も加熱することにより、内鍋75における上下部位での温度差を少なくして良好な加熱条件を得るようにしてあるが、蓋ヒータ80をアーム体72の枢支部に近接配置すると、放熱板78に対しても蓋ヒータ80が端に寄った状態になり、このため、加熱時における放熱板78の温度均一化については改善の余地が残されていた。
【0005】本発明の目的は、カバー蓋を本体器に対して取外しできる構造、及び蓋ヒータで内鍋の蓋も加熱できる構造を備えながら、炊飯時における加熱むらを改善してより熱的条件の良い炊飯器を得る点にある。又、アーム体とカバー蓋との連結構造部の見直しによる軽量化や、合理化等も目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】〔構成〕第1発明は、内鍋を収容する本体器と、本体器の一側に枢支されるアーム体と、アーム体に対して着脱自在に装備されて本体器の蓋となるカバー蓋と、アーム体に装備される蓋ヒータとを備えてある炊飯器において、アーム体を、前記内鍋の開口直径線上のほぼ中央部または中央部を越える位置まで延設して、このアーム体に、蓋ヒータを内鍋の開口のほぼ中央部に位置するように設けるとともに、内鍋内の蒸気を外部に逃がす調圧部をこのアーム体の本体器への枢支部と蓋ヒータとの間に位置するように設けてあることを特徴としている。
【0007】第2発明は、第1発明において、内鍋の蓋となる放熱板を前記カバー蓋に備えるとともに、放熱板が蓋ヒータで加熱されるように構成してあることを特徴とする。
【0008】第3発明は、第2発明において、蓋ヒータが放熱板のほぼ中央に配置されていることを特徴とする。
【0009】第4発明は、第2又は第3発明において、放熱板の下方に配置される内蓋を設け、内蓋は放熱板との間に所定の間隔を有した状態で取付けられていることを特徴とする。
【0010】第5発明は、第4発明において、内蓋を、調圧部に形成された第1装着部と、放熱板における調圧部と反対側の部分に設けた第2装着部との2個所で取付け支持してあることを特徴とする。
【0011】第6発明は、第2〜第5発明において、調圧部が放熱板上に配置され、放熱板に形成された複数の通気孔を通って内鍋内の蒸気を調圧部に導くように構成してあることを特徴とする。
【0012】第7発明は、第1〜第6発明において、カバー蓋に、アーム体を入り込ませるための下方に凹入した装填部を設け、かつ、アーム体における蓋ヒータ部分を放熱板の上面に当接させる接当孔を装填部に形成してあることを特徴とする。
【0013】第8発明は、第7発明において、カバー蓋とアーム体とを、装填部における長手方向の一端側に形成した軸部と、軸部を下方から受け止めるべくアーム体に形成された支持アームとで成る引掛け機構、及び装填部に備えたロック機構とで連結一体化させてあることを特徴とする。
【0014】第9発明は、第7又は第8発明において、カバー蓋をアーム体に取付けた状態では、カバー蓋の外面とアーム体の上面とで連続した略均一となる蓋表面が形成されるように構成してあることを特徴とする。
【0015】〔作用・効果〕請求項1の構成によれば、アーム体を内鍋の開口直径線上のほぼ中央部または中央部を越える位置まで延設して、蓋ヒータを内鍋の開口のほぼ中央に位置させたので、蓋ヒータが内鍋開口の端に寄って位置する従来のものに比べて、蓋ヒータ作動時の加熱による温度分布の均一化が促進され、より温度むらの少ない状態で内鍋開口に対して加熱できるようになる。
【0016】一般に、炊飯スイッチや表示パネル等の操作部は、取扱いを考慮した構造上、カバー蓋の開閉部、すなわちアーム体の枢支部と反対側に配置するようになるから、調圧部を蓋ヒータとアーム体枢支部との間に配置すれば、該調圧部と操作部との間隔を無理なく遠ざけることができ、炊飯時に吹き出す蒸気と手指等との干渉おそれをより少なくすることができる。
【0017】つまり、調圧部は必ずしも内鍋開口の中央に無ければならいというものではなく、多少端に寄っても十分機能するものであることの認識に基づくことにより、加熱時における温度分布の均一化を図るべく蓋ヒータを内鍋開口の中央に寄せることが想起できたのである。又、蓋ヒータが内鍋開口の中央に寄ることは、保温時の温度むらも少なくできて好都合であるとともに、ヒータ面積(発熱面積)を従来よりも大きくすることができ、内鍋の大容量化に対応し易いとか炊飯の迅速化が行えるようにもなる。
【0018】請求項2の構成によれば、請求項1の構成による作用・効果を有するとともに、蓋ヒータで加熱される放熱板を内鍋の蓋として設けたので、加熱時及び保温時の熱電導分布や温度分布の均一化が促進できる利点がある。
【0019】請求項3の構成によれば、請求項2の構成による作用・効果を有するとともに、蓋ヒータを放熱板のほぼ中央に位置するようにもなるので、蓋ヒータが放熱板の端に寄って位置するものに比べて、加熱時における放熱板の温度分布の均一化が促進され、より温度むらの少ない状態で内鍋の蓋を加熱できるようになる。
【0020】請求項4の構成によれば、請求項2又は3の構成による作用・効果、及び次の作用効果を有する。放熱板の下方に所定間隔開けて内蓋を装備したので、放熱板の熱が内蓋を介して間接的に内鍋に放射されるようになり、より均一な加熱が行えるとともに、略2重蓋構造となって保温性も向上するようになる。
【0021】請求項5の構成によれば、請求項4の構成による作用・効果を有するとともに、次のような作用・効果がある。内蓋を放熱板の下方に配置するのに、調圧部に形成された第1装着部と、放熱板における調圧部と反対側の部分に設けた第2装着部との2個所で取付け支持したので、元々存在する調圧部を利用し、かつ、2個所でもって位置ずれなくしっかりと支持できる。又、放熱板の蓋ヒータ部分との接触箇所を極力避けた位置に第1及び第2装着部が配置でき、円滑な熱伝導の妨げになり難い点も好ましい。その結果、放熱板の有効な加熱作用を得ながら、調圧部を利用した2箇所の装着部でコスト安で安定的に内蓋を支持できる利点がある。
【0022】請求項6の構成によれば、請求項2〜5の構成による作用・効果のいずれかを有するとともに、次の作用・効果がある。放熱板上に調圧部を配置し、放熱板に形成された通気孔を通って内鍋内の蒸気を調圧部に導くように構成したので、元々蓋カバーとは別部品である放熱板を使って蒸気通路を形成することができ、別途、蒸気通路用の部品を設ける必要が無くなる。又、その複数の蒸気通路は、放熱板としての端部に位置するようになるので、放熱板の温度変化部分を小さな範囲に収めることが可能になり、蓋ヒータの加熱作用を極力均一な状態にすることの妨げとなり難い点で好都合である。その結果、蓋ヒータによる極力均一な加熱作用を得ながら、蒸気逃がし用の調圧部を廉価に構成できる利点がある。
【0023】請求項7の構成によれば、アーム体装填用として下方に凹入した装填部をカバー蓋に設け、アーム体の蓋ヒータ部分を放熱板の上面に当接させる接当孔を装填部に形成したので、蓋ヒータの熱を効率よく放熱板に伝導できるとともに、アーム体からカバー蓋を取外した状態では、接当孔から放熱板の中心部分の上面が露呈されるので、点検や清掃等のメインテナンスが行い易い。詰まり、蓋ヒータの熱を効率よく放熱板に伝導できるとともに、放熱板部分の点検や清掃等のメインテナンス操作に便利となるようにできた。
【0024】請求項8の構成によれば、カバー蓋に形成した軸部と、アーム体に形成された支持アームとで成る引掛け機構と、ロック機構との2箇所の機構でアーム体とカバー蓋とをしっかりと相対連結固定できる。支持アームは軸部を下方から受け止めるので、ロック機構を解除しても、直ちに引掛け機構も解除されることにはならないので、カバー蓋をアーム体から外した勢いで落としてしまう不都合が生じ難いようになる。その結果、外したカバー蓋を誤って落としてしまう等の不都合が生じ難くなって、取扱いし易い状態でアーム体に対してカバー蓋を着脱できる利点がある。
【0025】請求項9の構成によれば、カバー蓋をアーム体に装備した状態では、カバー蓋の外面とアーム体の上面とで上方に凸となる一連一体の蓋表面が形成されるように構成したので、例えばアーム体がカバー蓋から飛び出るように配置されたものに比べて、外観が向上するとともに突出部が存在しないので収納性やコンパクト性の点で有利である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1、図2及び図11に炊飯器の全体図が示され、本体器1内に内鍋3を収容し、本体器1の後部にヒンジ軸4により枢支した蓋体5により、内鍋3及び本体器1の開口部3a,1aを同時に開閉する蓋となるように構成してある。
【0027】本体器1は、金属製の内ケース7と合成樹脂製の外装ケース8とで構成されている。外装ケース8は、有底の本体8a、及び肩部材8bとを胴継ぎ連結して構成されている。内ケース7は、上端の外向きフランジ7aを、肩部材8bが形成する本体器開口部1aの開口縁部下面に当てがった状態にて固定してある。図2に示すように、ネジ9により外装ケース8と内ケース7とは、内ケース7の下向き凸部27と本体8aの底部との間にネジ9を通して互いに連結してある。
【0028】内ケース7の下側に第1主ヒータ11を、かつ、内ケース7の底部周囲の湾曲面部分の下側の第2主ヒータ12を夫々配置してあるとともに、内ケース7の底部中央には第1、第2の主ヒータ11,12を加熱制御するための温度センサ16を配置してある。温度センサ16は、その上面が内鍋3の底面に接触するように内ケース7を上方に突出貫通してあり、内鍋3の炊飯温度や保温温度を検出できるようにしてある。
【0029】本体器1の内ケース7の胴部の周りには、この内ケース7を加熱可能な保温用の胴部ヒータ17が巻付けられるように装備され、内ケース7の全体からの輻射熱によって内鍋3の加熱及び保温を行うように構成されている。内ケース7の胴部の周りに、胴部ヒータ17を外側から覆う状態の断熱材を装備すれば、炊飯及び保温時の外部への熱の逃げを極力防止するようになって好都合である。
【0030】内ケース7及び外装ケース8の胴部間の前部空間内には制御基盤18を設けてあり、肩部材8bの前部に設けた操作パネル19の内側に位置する操作基盤21と共に、各種のモード設定とそれに応じた制御、及び操作状態や動作状態の表示のための制御を行うようにしてある。本体器1の外装ケース8の内側の空間部24には、電気コードを引き出せるように巻き取り収納したコードリール25が収納されている。
【0031】制御基盤18及び操作基盤21は、合成樹脂製の制御ホルダ22に保持され、肩部材8bの前部の下面に、ネジ23で取り付けられている。肩部材8bが係止している本体器1の後半部外周の段部59には、倒伏したハンドル60を格納できるようにしてあり、このハンドル60は、これの両端に一体に設けた内向きの枢軸60aを、肩部材8bの軸穴61に挿入して枢支されている。枢軸60aの先端外周にはストッパ片(図示せず)が突設され、ハンドル60の非使用状態となる所定の回動姿勢でのみ、軸穴61の切欠き(図示せず)と対向してハンドル60を着脱することができる。
【0032】図1〜図3、及び図7に示すように、内鍋3及び本体器1の開口部3a,1aを開閉する蓋体5は、本体器1の後側にてヒンジ4で枢支されたアーム体31と、このアーム体31に着脱自在に装備されたカバー蓋32とで構成されている。このカバー蓋32における内鍋3の開口部3aに対向する裏面範囲は放熱板34で形成され、アーム体31にカバー蓋32が装着された一体状態では、平面視において円形の放熱板34のほぼ中央に位置する蓋ヒータ37をアーム体31に備えてある。
【0033】蓋ヒータ37はアーム体31の熱伝導板35上に載置され、この熱伝導板35を介して放熱板34に熱伝導し、内鍋3の開口部3aの全域を加熱できるようにしてある。又、蓋ヒータ37からのリード線36は、アーム体31の本体器1への枢支部を迂回する状態で本体器1に配線されている。尚、蓋ヒータ37は、マイカ式でもコード式でも良い。
【0034】図3及び図5〜図7に示すように、アーム体31は、先端にヒータ内蔵部31aを備えた合成樹脂製の上カバー41と、この上カバー41に下面から当てて嵌め込み装着された下板43とで構成され、下板43のヒータ内蔵部31aに相似するやや小径な開口42を有している。この開口42に熱伝導板35をシールパッキン13を介して若干の上下動が可能に上方から嵌め合わせて開口42の口縁にて下方より支持してある。
【0035】図1、図3、図6に示すように、ヒンジ軸4による本体器1への枢支部は、下板43の開口42の口縁部から後方へ延びる取付け板43bの下向き折り曲げ基部43cの両側板43dに通したヒンジ軸4を、肩部材8bに設けた後方に開放する固定軸受部8cと、これに後方から嵌め付けた軸受蓋部材8dとで挟持することにより行い、この挟持作用とともに軸受蓋部材8dが固定軸受部8cの後方への開放部を蓋するようにしてある。
【0036】軸受蓋部材8dの下辺部の左右に設けた下向きの突起8gを、肩部材8b上面の係合穴8hに嵌め合わせるとともに、左右一対の挟持腕8fの先端を固定軸受部8cの上端部に形成した係合穴8iに嵌め合わせることにより、固定軸受部8cに安定して枢支することができる。
【0037】アーム体31の上カバー41と下板43との間には、上カバー41の内面に沿う状態となってヒンジ軸4の周りに左右2箇所の巻回部を有した巻きばね45を装備してある。巻きばね45の両端部45aとは逆向きに延びた中央張出し部45bを肩部材8bの固定軸受部8cの基部が位置する部分に開設した穴8jに係合させることにより、アーム体31を、すなわち蓋体5を開く方向に付勢してある。
【0038】従って、蓋体5は巻きばね45に抗して閉じ状態とされるが、閉じ状態ではカバー蓋32前端部の係止部32aが肩部材8bの前部に設けられ、常時ロック位置にあるようにばね47で付勢されたロックレバー46をばね47に抗して押動し、枢軸48を中心に反時計周り方向に回動させることにより、蓋体5のロックを解除することができるように構成してある。
【0039】図3,4,6,8,9に示すように、カバー蓋32は、基本的には合成樹脂製の上カバー51のみで構成され、この上カバー51は、上方に凸となる湾曲状の外面52から下向きリブ53を一体形成して必要な強度が備わるように構成された型成形品である。そして、カバー蓋32の蓋体5としての本体器1への枢支側には、アーム体31が上方から入り込みで嵌まり合うように凹入した装填部14が形成されるとともに、アーム体31における蓋ヒータ部分、すなわち熱伝導板35を放熱板34の上面に当接させるための接当孔55を装填部14に形成してある。
【0040】カバー蓋32における装填部14の周囲部分は、上方に凹入した空間部15が形成されたくり抜き構造としてあり、余分な肉を落として蓋体5としての軽量化を図ってある。空間部15にグラスウール等の断熱材(図示せず)を充填して断熱性を向上させると好都合である。又、空間部15への水の侵入を防ぐため、放熱板34と下向きリブ53とに亘ってこれら両者の間を閉塞するための仕切り部材49を設けるとともに、仕切り部材49と放熱板34との間に作用する第1シール部材50と、仕切り部材49と下向きリブ53との間に作用する第2シール部材54とを介して仕切り部材49をカバー蓋32に固定してある。
【0041】つまり、2種のシール部材50,54を介して仕切り部材49を圧入的に放熱板34と下向きリブ53との間に装着させてあり、換言すれば、1個の仕切り部材49で2個のシール部材50,54を装着できるようになっている。又、下向きリブ53は、放熱板34の上面外郭に沿って当接する状態に外面52から垂下形成され、外面52の下縁部分と下向きリブ53との間の部分に、上方に向かって凹入した肉抜き部48を形成してあり、これによってもカバー蓋32の軽量化を図ってある。
【0042】図3〜図10に示すように、カバー蓋32の根元側(蓋体5としての本体器1への枢支部側)には、板面部10に続く軸部9を一体形成してあるとともに、アーム体31嵌合用の装填部14の先端側壁面20に、ロック爪係合用の係合凹部26を形成してある。そして、アーム体31の根元側(蓋体5としての本体器1への枢支部側)には、軸部9を下方から受けるフック状の支持アーム28を左右に延びる一体品として形成してあるとともに、アーム体31の先端部には、カバー蓋32のアーム体31への装着動作によって自動的にロック作動するロック機構2を装備してある。
【0043】ロック機構2は、ロック爪29をバネ62等の弾性機構によって突出付勢させた一般的な構造のものであり、アーム体31の上面に設けた操作片30の矢印イ方向へのスライド操作によってロック爪29を退入移動できるようにしてある。尚、操作片30はロック爪29の突出付勢力により、通常は、スライド用凹部33における手前側(操作パネル19側)に寄った位置に存在しており、アーム体31とカバー蓋32との合体時には、ロック爪29がカバー蓋32に形成されたロック爪29と略同形状で凹入したロック受け部63に係入した状態となる。
【0044】図3、図7に示すように、アーム体31にカバー蓋32が合体された蓋体5においては、これら両者31,32が互いに遊び無く嵌まり合い、蓋ヒータ37は放熱板34のほぼ中央に位置し、かつ、シールパッキン13の弾性によって放熱板34の上面に押圧接触するようにアーム体31に配置されている。又、カバー蓋32の外面52とアーム体31の上カバー41上面とで上方に凸となる一連一体の湾曲した円滑な蓋表面が形成されるように構成してあり、カバー蓋32をアーム体31から取り外せる構造としながら外観を向上させてある。尚、操作片30の上面も蓋表面と一体の面を形成するよう、埋設状態としてある。
【0045】又、内鍋3内の蒸気を外部に逃がす調圧部38を、アーム体31の本体器1への枢支部と蓋ヒータ37との間に位置させてカバー蓋32に一体的に配設してある。調圧部38は、放熱板34の後方寄り部分に形成された複数の通気孔39と、蒸気逃がし通路40や調圧ボール42等を調圧ケース38kに備えた一般的な構造である。このため、アーム体31における蓋ヒータ37の直後位置には、調圧部38を挿通するための装備孔44が形成されている。調圧ボール42を押し上げて上昇してきた蒸気は、蒸気逃がし通路40から調圧ケース38kの上面に形成された蒸気孔65を通って器外に出て行く。又、調圧ケース38kとアーム体31との間にはパッキン64が介装されている。
【0046】カバー蓋32には、放熱板34の下方に配置された内鍋3に対する内蓋56を備えてあり、この内蓋56は、調圧部38に形成された第1装着部57と、放熱板34における調圧部38と反対側の部分に設けた第2装着部58との2個所で取付け支持してある。第1装着部57及び第2装着部58は、共に弾性材製で断面が横向きH状の止着部を備えたパッキン部材で構成され、それら止着部で内蓋56を挟み込んで支持するようになっている。
【0047】図3〜図6を参照して、カバー蓋32のアーム体31への着脱操作について説明すると、カバー蓋32をアーム体31から外すには、先ず、操作片30を開放側(矢印イ側)に手指でスライドさせてロック爪29を退入移動させて、カバー蓋32の係合凹部26との係合を解除する。次いで、カバー蓋32を軸部9周りの回動によってアーム体31から相対的に下げ揺動し、それによってカバー蓋32の根元側部分を若干上方移動させることができる状態がもたらされるので、それから軸部9を支持アーム28から外すことにより、カバー蓋32をアーム体31から取り去ることができる。
【0048】又、カバー蓋32をアーム体31に装着するには、取外すときの反対の手順に操作すれば良く、先ず、カバー蓋32をアーム体31に対して直交する位の相対角度状態で軸部9を支持アーム28に載せ付け、それからその軸部9周りでカバー蓋32をアーム体31に対して持ち上げ揺動すれば、ロック爪29の下側が傾斜面に形成されていることから、カバー蓋32の縁角32bとの接当によってロック爪29が自動的に退入移動する。そして、尚も上昇揺動すれば、正規の装着位置に到達した時点で突出付勢されているロック爪29が係合凹部26に自動的に飛び出して係合し、装着操作が完了する。
【0049】つまり、装着するときには、軸部9を支持アーム28に載せ付けた後は、カバー蓋32を単に持ち上げ揺動するだけで自動的に装着状態がもたらされるようになっている。尚、アーム体31の支持アーム28と、カバー蓋32の軸部9との嵌合構造によって引掛け機構6が構成されている。
【0050】図1、図3に示すように、第2シール部材54には、断面が「く」字状に形成されたリング状の襞部54Aを備えており、蓋体5の閉じ状態では、内鍋3開口部3aの口縁に襞部54Aが屈曲変形して弾性的に接当することにより、放熱板34が内鍋3の開口部3aを隙間無く閉じるように構成してある。このとき、カバー蓋32は本体器1の開口部1aに被さって、これの肩部材8bと極めて微小な所定間隔を隔てた状態で覆う閉じ状態となるように設定されている。
【0051】〔別実施形態〕調圧部38を小型化して、蓋ヒータ37が環状の放熱板34の丁度中央に位置させても良く、これは請求項1に言う「ほぼ中央」に含まれるものである。又、さらに小型化した複数の調圧部38を蓋ヒータ37とヒンジ軸4との間に配置して、蓋ヒータ37をより大きくしながら放熱板34のほぼ中央に配置し、熱容量を増大させた構造も可能である。
【出願人】 【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
【出願日】 平成11年4月15日(1999.4.15)
【代理人】 【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
【公開番号】 特開2000−296056(P2000−296056A)
【公開日】 平成12年10月24日(2000.10.24)
【出願番号】 特願平11−107752