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【発明の名称】 簡易保温用加熱器
【発明者】 【氏名】徳永 宜則

【氏名】大同 吉之

【氏名】森田 千里雄

【要約】 【課題】備える触媒体を必要な温度状態にまで昇温させるための燃料に対する着火、照射及び消火操作を極めて簡単に、しかも特に触媒体に対する火気の照射操作を安定状態で実行できる加熱器の改良構成の提供。

【解決手段】簡易保温用加熱器は、保温皿等を外部への通気部分を有して上載支持することができる器状のコンロ1' と、このコンロ1' の器状内に備えられた上面部が開放されアルコールを主成分とする燃料を収容する燃料受器及び前記燃料の上方位置に触媒体がその有する細孔を上下方向にあるように配されかつこの触媒体の各細孔を介して燃料受器内に通ずる開孔部を有する触媒受皿12' とを備える。本発明は、この器具において、揺動自在でかつこの揺動過程における一定角度の傾斜状態で係止片35により係脱自在に係止し得る揺動部である連継部材43を有し、この連継部材43端にて触媒受皿12' を支持する係止具33がその有する突片37、37及び延設部39を介してコンロ1' の周側壁部に穿設した係止孔31、32の縁部に係止される状態でコンロ1' 内に設けられてなることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】保温皿等を外部への通気部分を有して上載支持することができる器状のコンロと、このコンロの器状内に備えられた上面部が開放されアルコールを主成分とする燃料を収容する燃料受器及び前記燃料の上方位置に触媒体がその有する多数の細孔を上下方向にあるように配されかつこの触媒体の各細孔を介して前記燃料受器内に通ずる開孔部を有する触媒受皿とからなる器具において、揺動自在でかつこの揺動過程における一定角度の傾斜状態で係脱自在に係止し得る揺動部を有し、この揺動部端部にて前記触媒受皿を支持する係止具が前記コンロ内に設けられてなることを特徴とする簡易保温用加熱器。請求項1の簡易保温用加熱器。
【請求項2】係止具が、コンロの周側壁面部に穿設した係止孔の縁部に挿入係止される至端部を備える突片と延設部とを対向する端部にそれぞれ有し前記突片の近傍位置にこの突片面に対して垂設され至端部に係止突部を備える係止片と及びこの係止片と前記延設部との間にあって前記係止片と同方向の面上に設けられた軸受部とが一体的に形成された弾性基板と、この弾性基板の前記軸受部に一端部がその端縁部にて前記係止片の片面部乃至係止突部に押接する状態で揺動自在に軸支され他端部にて触媒受皿を支持した揺動部とからなることを特徴とする請求項1の簡易保温用加熱器。
【請求項3】係止具が、コンロの周側壁面部に穿設した係止孔の縁部に挿入係止される至端部を備える突片と前記コンロ内に配設された燃料受器に固定された延設部とを対向する端部にそれぞれ有し前記突片の近傍位置にこの突片面に対して垂設され至端部に係止突部を備える係止片と及びこの係止片と前記延設部との間にあって前記係止片と同方向の面上に設けられた軸受部とが一体的に形成された弾性基板と、この弾性基板の前記軸受部に一端部がその一端縁部に対し前記係止片の片面部乃至係止突部に押接する状態で揺動自在に軸支され他端部にて前記コンロ内に備える触媒受皿を支持した揺動部とからなることを特徴とする請求項1の簡易保温用加熱器。
【請求項4】係止具が、垂設され至端部に係止突部を備える係止片とコンロ内に配設された燃料受器に固定された延設部とを対向する端部にそれぞれ有し前記係止片の近傍位置であって前記延設部との間にこの係止片と同方向の面上に設けられた軸受部とが一体的に形成された弾性基板と、この弾性基板の前記軸受部に一端部がその一端縁部に対し前記係止片の片面部乃至係止突部に押接する状態で揺動自在に軸支され他端部にて前記コンロ内に備える触媒受皿を支持した揺動部とからなることを特徴とする請求項1の簡易保温用加熱器【請求項5】係止具がコンロの内壁側面部に一端部が揺動自在に軸支されたコイル部を中間位置に有するく字状のコイルバネによってなり、このコイルバネの揺動端部がこのコイルバネの前記軸支点と離間した位置であってこのコイルバネの揺動範囲内であるコンロ上の位置に揺動自在に一端部が軸支された連継部材に接続された触媒受皿と連係されてなることを特徴とする請求項1の簡易保温用加熱器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンロ内に備える固形燃料からのアルコール蒸気が触媒体によって酸化されるときに発生する熱を利用する簡易保温用加熱器の改良構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、天ぷらなどの食品類を適温状態で一定時間簡易的に保温する加熱器の一つとして、保温皿等を外部への通気部分を有して支持することができる器状のコンロと、このコンロの器状内に配設される上面部が開放され中にアルコールを主成分とする燃料を収容する燃料受器及び前記燃料の上方位置に触媒体がその有する細孔を上下方向にあるように配設されかつこの触媒体の各細孔を介して前記燃料受器内に通ずる開孔部を有する触媒受皿が備えられた簡易保温用加熱器が公知例として存在する(特開平3−73113号公報)。その他の簡易保温器の公知例としては、生石灰やリン酸水素2ナトリウムの水和物などの化学的反応熱を水を媒介として利用したものが存在する。
【0003】上記後者の場合には、一時的な反応熱により保温効果を継続するのに対して、上記前者の簡易保温用加熱器では、連続的な加熱作用によって保温効果が発揮されることから、一定時間に亘って安定温度状態で保温効果を得ることができ、また触媒体を一定温度状態にまで昇温させるだけで保温が開始されるため比較的に取扱が簡単で、また消火状態で利用できることから安全に利用でき、しかも、水等の媒体を特に必要としないことからその構成も簡単である等の利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記前者の簡易保温用加熱器においては、前記したように、その保温開始には触媒体の温度を一定温度以上に昇温させなければ接触するアルコール蒸気の触媒酸化作用が生じない。具体的には、触媒体を構成する触媒材の種類によっても異なるが、通常の場合、20℃以上に昇温させかつ吸着水を離脱させることが条件とされる。従って、周囲温度が20℃未満であるときには何らかの昇温装置が必要となるが、前記従来の加熱器については、その使用の都度前記燃料受器内の燃料に着火し、その火気を触媒体面上に数秒〜数分間あぶる状態で照射し、その後消火する操作過程によっていた。
【0005】この操作過程を実行するために、前記従来の簡易保温用加熱器において、固定する触媒受皿を介して触媒体を燃料受器上から取り除くことにより、燃料受皿内に収容する燃料面を開放し、この状態で前記した着火、照射及び消火の操作が行なわれてきた。
【0006】しかし、このような従来の操作は非常にめんどうであり、また利用者によっては触媒体に対する照射状態や時間が一定しないため、その触媒体が前記した必要な温度に達しないこともあった。
【0007】そこで、本発明では、上記した触媒体を必要な温度状態にまで昇温させるための前記燃料に対する着火、照射及び消火操作を極めて簡単に、しかも特に触媒体に対する火気の照射操作を安定状態で実行できる加熱器の改良構成の提供を目的とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するため、本発明では簡易保温用加熱器につき次のように構成した。即ち、保温皿等を外部への通気部分を有して上載支持することができる器状のコンロと、このコンロの器状内に備えられた上面部が開放されアルコールを主成分とする燃料を収容する燃料受器及び前記燃料の上方位置に触媒体がその有する多数の細孔を上下方向にあるように配されかつこの触媒体の各細孔を介して前記燃料受器内に通ずる開孔部を有する触媒受皿とからなる器具において、揺動自在でかつこの揺動過程における一定角度の傾斜状態で係脱自在に係止し得る揺動部を有し、この揺動部端部にて前記触媒受皿を支持する係止具が前記コンロ内に設けられてなることを特徴とする。
【0009】この本発明に係る簡易保温用加熱器おいて基本構成は、次の通りである。先ず、コンロを備える。このコンロの形成材としては陶磁器のほか、金属や耐熱性プラスチック材等の耐熱材により構成されたものを用いることができる。また、このコンロにはその器状内に前記した燃料受器部分を嵌合状態で支持できる底部を備えるもののほか、燃料受器部分を挿入係止できる突設状の支持棚部を備えたものであってもよい。また、このコンロ上にはその上縁部からその周囲に延設されその面上に被保温皿等を支持できる複数の支持突状や支持突起を放射状に有する延周部を備えるものであってもよい。なお、上記した被加熱皿等としては、通常の保温皿のほか、カップ状の受器、鍋類、焼き物用受網、やかん等を対象とすることができる。また、前記した外部への通気部分は、例えば、コンロの上縁部分に切り欠きを設けあるいは前記した支持突起等によって形成される。
【0010】また、前記の燃料受器は、前記したように、コンロ底部上に嵌合状態で支持されることによりあるいは支持棚部上に係止状態で支持されることによりコンロ内に安定状態で配設される。
【0011】また、この燃料受器内に収容されるアルコールを主成分とする燃料としては、石ケン基剤中にメタノール、エタノールなど触媒燃焼を起生する各種のアルコール類を含有するものを用いることができる。
【0012】また、触媒体は、例えば、アルミナセメント等のアルミナを主成分とした担体にパラジウムや白金黒等の触媒材を担持させたものを多数の貫通状の細孔を有するハニカム状に形成したもののほか、触媒体自体をクロス状に形成したもの、ペレット状の触媒材を一体化したものも含まれる。本発明において、この触媒体はその細孔が上下方向にある状態で専用の触媒受皿上に固定的に載設され、しかもこのとき、触媒体の各細孔面は触媒受皿上の開孔面に通じているように構成される。なお、この触媒体は、例えば、この触媒体の上縁部分を押圧固定する押接環を上面部に有する筒状壁を前記触媒受皿面上に設けることによって固定的に配される。
【0013】前記したこの触媒受皿を一定角度で傾斜する状態で係脱自在に係止できる揺動部を有する係止具は前記コンロ内に設けられるが、この係止具はコンロ上に支軸等を介して直接設けられる場合のほか、コンロ上にこの係止具の一部が連係される場合、さらにコンロとは無関係に触媒受皿と燃料受器との間に渡り設けられる構成をも含む。
【0014】本発明において、前者の直接連係される係止具としては、次のような構成を含む。即ち、前記した簡易保温用加熱器において、係止具が、コンロの周側壁面部に穿設した係止孔の縁部に挿入係止される至端部を備える突片と延設部とを対向する端部にそれぞれ有し前記突片の近傍位置にこの突片面に対して垂設され至端部に係止突部を備える係止片と及びこの係止片と前記延設部との間にあって前記係止片と同方向の面上に設けられた軸受部とが一体的に形成された弾性基板と、この弾性基板の前記軸受部に一端部がその端縁部にて前記係止片の片面部乃至係止突部に押接する状態で揺動自在に軸支され他端部にて触媒受皿を支持した揺動部とからなることを特徴とするものである。
【0015】この係止具としては、例えば、矩形状の弾性を有する金属板や合成樹脂材等の一端縁部分に切り込みを形成して三分割し、その中央部の切片部をその切り込み端部間でこの板面に対して垂直に曲折して係止片とし他の二つの切片部をそれぞれ突片とし、またこの金属板の他端部分を係止延部としたものである。また上記係止片の端部にはその曲折方向への係止突部を、また上記各切片部及び係止延部のそれぞれの至端部には上記の曲折方向に面する係止凹部をそれぞれ形成する。またさらに、この金属板等上にはその両側部に対向して有する耳片を予め設け、これらを上記係止片と同方向に折曲して軸受とし、この軸受上に一端部が揺動可能に軸支された揺動部としての連継部材を介して前記触媒受皿を支持させた構成とすることができる。このとき、この連継部材の上記した軸支された側の端縁に対しては前記係止片上の片面部乃至係止突部にて押接する状態とされる。
【0016】この係止具は、その各突片上の係止凹部にてコンロの上部係止孔の縁部上に挿入係止され、またその係止延部上の係止凹部にてコンロの下部係止孔の縁部上に挿入係止されることにより直接コンロ上に配設される。この場合、コンロ上の上部係止孔と下部係止孔とはこの係止具の長さに合致した距離の位置に形成され、上部係止孔はその係止具の各突片を同時に挿入できる大きさでコンロの側壁部上に形成され、また下部係止孔は前記した支持棚部やコンロの内面上に特別に形成した突設部あるいは支持棚部上に形成することができる。このように配設された係止具はその有する弾性に基づいてコンロ上に安定的に維持される。従って、この係止具については、その係止具自体をコンロ上から比較的に容易に脱離させることもできる利点もある。
【0017】また、上記した係止具の配設構成において、この係止具の前記した軸受上の連継部材はその軸支された側の端縁部分に前記係止片面部分乃至その係止突部が弾性作用を呈して押接状態にあるが、その弾性に抗してこの連継部材が一定の傾斜位置に達したときにその係止片上の係止突起がその傾斜状態を維持するように作用し、この連継部材を介して触媒受皿もその傾斜状態に維持される。この結果、前記燃料受器の上面が開放状態となることから、その収容する燃料に着火することが可能となる。また、燃料の火気の照射はその傾斜状態にある触媒受皿上の触媒体に安定的になされ、また消火も上記操作を逆に行うことにより、即ち、触媒受皿を前記係止片の押接弾性に抗して燃料受器上にあるように戻すだけで済む。なお、この着火や触媒体に対する火気の照射を効率的に行うのに適した触媒受皿の傾斜角の範囲は、特に制限されるものではないが、この触媒受皿が前記燃料受器面上にあるときを基準として20度以上70度以下であることが好ましい。この角度が20度未満であると、燃料に着火する操作が困難となと共に不完全燃焼によりホルマリンガス等の刺激性ガスが発生するおそれがあること、また70度を超えると、触媒体に対する火気の照射が効率的に行うのに適当でない。
【0018】上記した係止具について、その係止延部がコンロ上の下部係止孔に係止する構成に代えて、その係止延部の至端部を燃料受器の外面上に固定した構成とすることもできる。なお、この係止具について、その他の構成部は上記した係止具と同様に機能する。このような係止具の構成は、係止具がコンロ上に間接的に連係される場合の例である。このような係止具についてもコンロ上に燃料受器が安定状態で配設される構成と相まって、触媒受器に対しては上記同様の作用が発揮される。
【0019】また、さらに、本発明では、係止具が、垂設され至端部に係止突部を備える係止片とコンロ内に配設された燃料受器に固定された延設部とを対向する端部にそれぞれ有し前記係止片の近傍位置であって前記延設部との間にこの係止片と同方向の面上に設けられた軸受部とが一体的に形成された弾性基板と、この弾性基板の前記軸受部に一端部がその一端縁部に対し前記係止片の片面部乃至係止突部に押接する状態で揺動自在に軸支され他端部にて前記コンロ内に備える触媒受皿を支持した揺動部とからなることを特徴とするものも含まれる。
【0020】この係止具の構成によれば、係止具がコンロの器状内に備える触媒受器と燃料受器との間に渡り設けられることから、上記同様の作用が発揮されるのに加えて、係止具をコンロとは無関係に設けることができる。
【0021】次に、本発明に係る簡易保温用加熱器には、係止具がコンロの内壁側面部に一端部が揺動自在に軸支されたコイル部を中間位置に有するく字状のコイルバネによってなり、このコイルバネの揺動端部がこのコイルバネの前記軸支点と離間した位置であってこのコイルバネの揺動範囲内であるコンロ上の位置に揺動自在に一端部が軸支された連継部材に接続された触媒受皿と連係されてなることを特徴とする構成を含む。
【0022】このような係止具としてのコイルバネによってなる場合には、このコイルバネが揺動部として機能し、触媒体を伴う触媒受皿はコンロ上においてこのコイルバネの弾性力の変化によってその傾斜状態が維持される。つまり、触媒受皿は連係部材を介してコンロ上で揺動自在に軸支されているが、この揺動の軸支点に対しコイルバネの軸支点はその揺動角の範囲内にあることから、この触媒受皿の揺動範囲のある一定の傾斜位置で上記コイルバネの弾性力が最小となる。従って、この触媒受皿は一定の傾斜位置で維持される。なお、この触媒受皿がその他の位置にあるときには上記コイルバネによる弾性力をより多く受けるが、この場合の弾性力に抗して操作でき、特に、触媒受皿が燃料受器面上にある場合にはその重量によりその上載状態は維持される。
【0023】また、係止延部の軸支点とコイルバネの軸支点との間隔はコイルバネの長さ等に応じて上記した機能が効果的に発揮される大きさで設定され、一概には決まらないが、例えば、通常の場合0.5〜1.5cmの範囲で設定される。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に説明する。
【0025】先ず、第一の実施の形態としての簡易保温用加熱器を図1及び図2に示した。この加熱器では、コンロ1の器状内に設けられた凹壁部8位置にて支軸19上に軸受18及び連継部材17を介して触媒受皿12が揺動自在に軸支され、この触媒受皿12の突片部15上に一端部が係合されたコイルバネ20によってコンロ上に連係されている。なお、16はこのコイルバネ20の一端部が挿入状態で係合される穿孔である。
【0026】コンロ1はその上縁部から外方に及ぶ延周部2を備えその面上にはその至端に支持突起4を伴う支持突条3…を放射状の位置に有し、また、その器状内にはその中間の位置に支持棚部5が挿設穴7を形成するように突設され、その面上には挿設穴7の縁部近傍位置に支持突起6…が均等間隔で設けられている。なお、凹壁部8はこのコンロ1の内側面部であって支持棚部5上の位置に離間して配置された軸受台9、9を伴って形成されている。この軸受台9、9間に渡された支軸19上に軸受18を介して一端部が軸支された連継部材17の他端部に触媒受皿12がその側縁部にて固定されている。また、燃料受器10は有底でその開口縁から外方に延設壁11を備え、その本体部分を挿設穴7内に挿入する状態で延設壁11部を支持突起6…上に安定な状態で支持されている。
【0027】また、触媒受皿12はその外面形状が延設壁11の内面形状に合致しており、使用時においてはこの延設壁11面上に載設状態にある。この触媒受皿12の載設状態において、コイルバネ20の軸支端は凹壁部8の後方側面部にて支軸22上にあってその弾性力が作用する状態にあるがその重量によりその載設状態が維持されている。なお、この触媒受皿12の中央面には開孔13を有し、この開孔13縁に沿って形成された係止突状部14の凹面内にハニカム形状の触媒体23がその有する細孔24…の面を対向させる状態で載設され、またこの触媒体23はその上縁部が押圧される状態で筒状壁25の上面部に有する押接環26により固定されている。またこの筒状壁25は触媒受皿12面上に固定されている。
【0028】このように構成される加熱器に対する保温を開始するための操作は次のとおりである。前記の通常の使用状態において触媒受皿12に対してコイルバネ20にはその弾性力が作用する状態にあり、図3ではこれを12A示した。次いで、この触媒受皿に対してその支軸19回りに揺動させるように操作すると、この触媒受皿はその揺動により12Bの傾斜位置に達する。このとき、コイルバネ20の一端の係合部16は支軸19については軌道aに従い、コイルバネ20の支軸22ついては軌道bに従う。
【0029】つまり、支軸19に対して支軸22は離間した位置にあってしかも触媒受皿12の揺動角の範囲内あることから、コイルバネ20の端部間の長さは触媒受皿が12A位置にあるときより12Bの位置にあるときの方がより短くなる。このため、コイルバネ20における弾性力は12B位置の触媒受皿についてはより小さくなるかあるいはほとんど零となる。また、触媒受皿をさらに12Cの位置にまで揺動させる場合には今度は軌道aと軌道bとは近づく傾向となることから、コイルバネ20の弾性力は12Bの位置にある場合より大きくなる。従って、触媒受皿12はその揺動操作においてコイルバネ20の弾性力の作用がより小さい12Bに傾斜位置に維持されることになる。なお、この触媒受皿12の傾斜角度は前記した通常の使用状態の位置に対して約45度に好ましく設定される。なお、触媒受皿が12dの位置にまで揺動されるときには、その過程でコイルバネ20の弾性力が一旦最大となるから、今度はコイルバネ20はその傾斜位置で逆く字状となって安定化する。
【0030】このように触媒受皿12が傾斜状態で維持されるとき、図4に示すように、燃料受器10の上面が開放され固形燃料29が露出状態となる。従って、この固形燃料29の上面に対し着火操作することができる。この着火により生じた火炎30が触媒受皿12の開孔13を介して触媒体23面を照射することによりその温度を所定温度(20℃以上)にまで上昇させることができる。この触媒体23が所定温度に至るまでの時間は触媒受皿12の傾斜角度により異なるが、この角度が30度乃至60度である場合には冬季においても2〜6秒間程度で足りるが、吸着水を離脱させるためには30秒程度必要である。また、その後は、触媒受皿12を元の位置に戻すことにより消火され保温開始の状態となる。
【0031】次に、本発明に係る簡易保温用加熱器の他の実施の形態を図5に示した。図示した加熱器においては、コンロ1’と触媒受皿12’とを係止具33により連係させる構成である。
【0032】この加熱器の構成において、コンロ1’はその側壁部に形成した上部係止孔31と支持棚部5上に形成した下部係止孔32とを備える。また、係止具33は金属製の矩形状基板材に対しその一端部に二本の切り込み穿ち、その中央部分を切り込み端間で曲折してその基板34面上に垂設させて係止片35とし他の切片部分を突片37、37とし、またその他端部分を延設部39としたものである。なお、係止片35の至端にはその上面方向への係止突部37、また各突片の至端には同方向への係止凹部38、また延設部39の至端には同方向への係止凹部40がそれぞれ形成されている。
【0033】また、係止片35と延設部39との間にあって基板34の両側縁部上に対向して有する耳片を上面方向に曲折して軸受41、41とし、これらの軸受41間に支軸42が渡設されている。この支軸42上には軸受44、44を介して連継部材43の一端部が揺動自在に支持されており、この連継部材43の他端部は触媒受皿12’の周縁部に固定されている。
【0034】この係止具33はその突片37、37の至端部分が上部係止孔31内に挿入させて各係止凹部38をその縁部上に係止させると共に、その延接部39の至端部分が下部係止孔32内に挿入させ係止凹部40をその縁部上に係止させることによってコンロ1’上に設置される。この場合、この係止具33の全体はその有する弾性により安定的にコンロ1’内に保持され、またこの係止具1’をコンロ1’上から離脱させることも比較的に容易である。
【0035】このとき、この連継部材43の支持された側の端縁部上には係止片35がその面部分でその弾性に基づいて当接状態にあるように構成されている。なお、この当接状態は、図6に示すように、触媒受皿12’が前記した通常の使用状態の位置にある場合には連継部材43の端縁部が係止突部36上にあるが、図7に示すように、触媒受皿12’が前記したように一定の傾斜位置になるとその端縁部が係止突部36より下方の位置に変位して係止片35の弾性作用によりその傾斜状態が維持される。この状態で前記同様に保温開始操作を実行することができる。
【0036】また、上例の係止具33に対しては、図8に示すように、延設部39に代えて、単に延設部51とした係止具45の構成とすることができる。この係止具45では、その延設部51の至端部部分が燃料受器10の延設壁11の下面上に固定される。従って、この係止具45はコンロ1''上の係止孔31の縁部上にその突片49、49の各係止凹部50が係止状態となっていてコンロ1''に対しては間接的に連係されている。なお、その係止片47及び係止突部48の連継部材43に対する作用は係止具33による場合と同じである。なお、46は基板、52は軸受、53は支軸である。
【0037】この係止具45による加熱器の構成によれば、係止具45が直接的には燃料受器10及び触媒受皿12’とに連係されることから、コンロ1''上への配設前にこの係止具45を所定位置にセットしておくことができる利点がある。
【0038】次に、図9、図10及び図11に示した本発明の実施の形態は、係止具54が、垂設され至端部に係止突部57を備える係止片56とコンロ1''' 内に配設された燃料受器の延設壁11に固定された延設部58とを対向する端部にそれぞれ有する弾性基板55を備える。またこの弾性基板55には係止片56の近傍位置であって前記延設部58との間にこの係止片と同方向の面上に設けられた軸受部59、59とが一体的に形成されている。なお、60は軸受部59、59に渡り設けられた支軸である。この弾性基板55の軸受部59、59に一端部がその一端縁部に対し前記係止片56の片面部乃至係止突部57に押接する状態で揺動自在に軸支され他端部にて触媒受皿12' を支持した揺動部としての連継部材43からなる。
【0039】この係止具54は触媒受皿12' と延設壁11を介して燃料受器とに渡り設けられることから、図11に示すように、コンロとは無関係にこれらの構成部に予め備えておくことができる。従って、係止具の配設構成をより簡易的なものにすることが可能となる。またこれにより当該保温器の製造の容易化を図ることが可能となる。また、図10に示すように、係止片56における作用は前記した実施の形態と同様に得られる。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明は構成されることから、次のような効果が発揮される。本発明によれば、触媒体を支持する触媒受皿を一定角度で傾斜する状態で係脱自在に係止させることができる係止具を加熱器のコンロ上に連係して設けてなることから、保温開始に際する触媒体に対する加温操作を、使用する個人によって差が生じることなく、迅速かつ常に安定した状態で、しかも刺激性のガスなどの弊害を発生させることなく実行することができる。
【0041】また、係止具が一定条件下、触媒受皿と連係されたコイルバネによってなる場合には、極めて簡単な構成とすることができ、また触媒受皿に対する揺動操作も比較的に容易に実行することができる。
【0042】また、係止具がコンロの係止孔部内に挿入係止される突片と延設部とからなりさらに至端部に係止突部を有する係止片等を備える弾性基板により一体的に形成される場合には、この基板上に有する支軸を介して揺動自在の連継部材に伴って触媒体を含む触媒受皿が一定の角度で傾斜する状態を確実かつ安定的に得ることができる。
【0043】また、上記した係止具について特に基板上の延設部の端部が燃料受器上に固定されるように構成される場合には、前記したようにコンロ上への配設前に予め係止具を定位置にセットしておくことができるから、その取扱いが特に容易になる利点がある。
【0044】さらに、係止具が触媒受皿と燃料受器とに渡り設けられる構成によれば、係止具の配設をコンロとは無関係に構成でき、これによってより簡易的な構成とすることができ、また、係止具に対する特別な装着作業を必要とせず簡易加熱器として構成できる利点がある。
【出願人】 【識別番号】000190736
【氏名又は名称】新高化学工業株式会社
【出願日】 平成10年7月23日(1998.7.23)
【代理人】 【識別番号】100075502
【弁理士】
【氏名又は名称】倉内 義朗
【公開番号】 特開2000−37302(P2000−37302A)
【公開日】 平成12年2月8日(2000.2.8)
【出願番号】 特願平10−208100