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【発明の名称】 フットレスト付椅子
【発明者】 【氏名】菅 祐司

【要約】 【課題】収納時にふくらはぎが圧迫されることなく、フットレスト使用時には足をより十分に支持する。

【解決手段】座部2を支える座部フレーム8の左右両側フレーム9の先端部に、フットレスト3を型どるフットレストフレーム12の左右両側フレーム31を回動自在に枢支したものにおいて、フットレスト3を略鉛直方向に位置させた状態において、フットレストフレーム12はその左右両側フレーム31が前記枢支部13より一旦後方へ退避してから鉛直方向に向くようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 座部を支える座部フレームの左右両側フレームの前端側に、フットレストを型どるフットレストフレームの左右両側フレームを回動自在に枢支したものにおいて、フットレストを略鉛直方向に位置させた状態において、フットレストフレームはその左右両側フレームが前記枢支部より一旦後方へ退避してから鉛直方向に向くようにしたことを特徴とするフットレスト付椅子。
【請求項2】 前記フットレストフレームの左右両側フレームは、への字状に屈曲させることによりその枢支部より一旦後方へ退避してから鉛直方向に向くようにしたことを特徴とする請求項1に記載のフットレスト付椅子。
【請求項3】 前記フットレストフレームの左右両側フレームに亘って架設される補強フレームを、前記屈曲部より先端方向に設けたことを特徴とする請求項2に記載のフットレスト付椅子。
【請求項4】 座部フレームの左右両側フレームに亘って架設される連結フレームを、フットレストを略鉛直方向に位置させた状態におけるフットレストフレームよりも後方に設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のフットレスト付椅子。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回動自在なフットレストを有する椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】フットレストと背もたれ部のリクライニング機構を有する椅子の一般的構造を図4乃至図6に基づき説明する。
【0003】図4は椅子の側面図で、背もたれ部1と、座部2と、座部2と連続したフットレスト3と、座部2と背もたれ部1にわたってその左右両側に設けられた肘掛け部(図示せず)と、これらを支持するフレーム機構より椅子本体が構成される。この背もたれ部1、座部2、フットレスト3はクッション4で覆われている。
【0004】前記フレーム機構は、以下の構造になっている。5は前後方向に延びた全荷重を受けるベースフレームで、左右一対設けられ、この一対のベースフレーム5間には2本の連結フレーム6が架設されている。ベースフレーム5と連結フレーム6との溶着部分に隣接したベースフレーム5の上面より、合計4本の支柱フレーム7が立設され、この支柱フレーム7上に座部2の骨組みとなる座部フレーム8が固着されている。この座部フレーム8は左右両側に一対の左右両側フレーム9が形成されており、この左右両側フレーム9間の手前側には、連結フレーム10が架設されて、座部フレーム8を補強している。
【0005】座部2の後方には、背もたれ部1が軸11を支点として回動自在に軸支されている。一方、座部2の前端には、フットレスト3の骨組みとなるフットレストフレーム12が軸13により回動自在に軸支されている。フットレスト3にはその左右両側フレーム31に亘って補強フレーム33が架設されている。
【0006】背もたれ部1の下端と座部フレーム8の前方下面間は、背もたれ部1を起倒させるリクライニング機構14が装備されている。リクライニング機構14は、ケース15とケース15内をモータ16により移動するロッド17で構成され、ケース15の一端が背もたれ部1の下端に軸18にて連結され、ロッド17の一端が座部フレーム8に軸19にて連結され、ロッド17がケース15内へ収納される方向に動くことにより、背もたれ部1が倒れ、ロッド17が逆方向に移動することにより背もたれ部1は起きる。
【0007】座部フレーム8の下面には支持フレーム20が固定され、この支持フレーム20には、操作レバー21が回動自在に支持され、この操作レバー21の軸22にリンクレバー23の一端が固定され、リンクレバー23の他端には、リンクレバー24の一端が軸25により枢支され、このリンクレバー24の他端が軸26によりフットレスト3の補強フレーム33に枢支されている。
【0008】そして、図4のフットレスト3が鉛直方向に位置して収納されている状態から操作レバー21を反時計方向に回動することによりフットレスト3は持ち上げられてゆき、前記両レバー23、24を連結する軸25が、前記操作レバー21の軸22とリンクレバー24の他端軸26とを結ぶ線より上方へくると、フットレスト3は時計方向に回動しようとし、この動きによって、図5の如くリンクレバー24がリンクレバー23の他端部に形成された切欠27に当接して、フットレスト3をこの位置にてセルフロック(自己ロック)する。
【0009】上記のような従来のフットレスト付椅子は、図4の如くフットレスト3を収納した状態で、フットレスト3を枢支する軸13の設置面からの高さH及び背もたれ部を枢支する軸11からフットレスト3を枢支する軸13までの長さL1寸法が座った状態で丁度よい寸法、即ち、足が床につき、且つ、足に圧迫感を与えることなく足に沿う寸法になっていても、フットレスト3を水平に回動させると、膝の回転中心がフットレスト3を枢支する軸13の中心より前方側の上方にあるので、図5に示すようにフットレスト3の先端より足の先端Aがはみ出して支持されず、不快感を与えるものであった。
【0010】この点を解消すべく前記Hを高くすることが考えられるが、そうするとフットレスト3を収納した状態で座った時に足が床から浮いてしまう。そこで、図6に示すように背もたれ部1を枢支する軸11からフットレスト3を枢支する軸13までの距離L2を長く(L2>L1)してフットレスト3を枢支する軸13を座部フレーム8のより前方側に設けることが考えられるが、収納された状態で座ると、フットレスト3、特に、補強フレーム33が架設されている部分によりふくらはぎが圧迫され、使用者に不快感を与えるという問題が生じる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フットレストを水平に回動させた状態で足の先端まで支持できると共に、フットレストを収納した状態で座った時にふくらはぎが圧迫されることがないフットレスト付椅子を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する手段は、座部を支える座部フレームの左右両側フレームの前端側に、フットレストを型どるフットレストフレームの左右両側フレームを回動自在に枢支したものにおいて、フットレストを略鉛直方向に位置させた状態において、フットレストフレームはその左右両側フレームが前記枢支部より一旦後方へ退避してから鉛直方向に向くようにしたものである。これにより、フットレストの枢支部を従来より手前側に位置させても、フットレストフレームを後方に退避させた分フットレストを略鉛直方向に位置させた状態、即ち、収納した状態でフットレストは後方へ容易に変形する。従って、フットレストの収納状態で座った場合にふくらはぎが圧迫されることがなくなる。
【0013】詳述すると、前記フットレストフレームの左右両側フレームはへの字状に屈曲させることにより、その枢支部より一旦後方へ退避してから鉛直方向に向くようにする。
【0014】また、前記フットレストフレームの左右両側フレームに亘って架設される補強フレームを、屈曲部より先端方向に設けることが望ましい。これにより、フットレストフレームを補強フレームで補強しても、フットレストを収納した状態で座った際にふくらはぎが当たる部分、即ち、後方へ後退させたフットレストの枢支部から屈曲部までの間でフットレストを後方へ容易に変形させることができる。
【0015】そして、座部フレームの左右両側フレームに亘って架設される連結フレームをフットレストを略鉛直方向に位置させた状態におけるフットレストフレームよりも後方に設けることが望ましい。これにより、座部とフットレストとの連接部分の変形を阻害することなく座部フレームを補強できる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図1乃至図3に基づき説明するが、従来と同様のものは、同一符号を付して説明は省略する。
【0017】本発明の構成も、図4乃至図6の従来例と同様に、操作レバー21、リンクレバー23、24から構成されるフットレスト3の回動機構と、背もたれ部1を起倒させるリクライニング機構14を有している点で共通する。本発明では、フットレスト3を枢支する座部フレーム8とフットレスト3を型どるフットレストフレーム12の形状が異なる。
【0018】そこで、これらの違いについて、図面に基づき説明する。
【0019】8はベースフレーム5に立設される支柱フレーム7に固着される座部フレームで、左右両側には一対の左右両側フレーム9が設けられている。この左右両側フレーム9は従来より長く形成され、背もたれ部1を枢支する軸11からフットレスト3を枢支する軸13までの距離Lを従来より長く(L>L1)して軸13が従来のものより前方に位置するようにしている。座部フレーム8の左右両側フレーム9の上面にはシート取付板28がそれぞれ溶着され、このシート取付板28間に、一枚の支持シート29が複数のフック30を介して張架され、この支持シート29は、座部2に加わる荷重を支える働きをしている。
【0020】座部フレーム8にはその左右両側フレーム9間に亘って連結フレーム10が架設され、この連結フレーム10により座部フレーム8が補強されている。また、連結フレーム10は、フットレス3を略鉛直方向に位置させた状態、即ち、収納した状態でフットレストフレーム12より後方側で支持シート29の前端付近に設けられており、座部2とフットレスト3とが連接する軸13近傍でクッション材4が容易に変形するようにしている。
【0021】フットレスト3を型どるフットレストフレーム12は略矩形状に形成されており、フットレスト3の左右両側フレーム31は、への字状に屈曲32させることにより、フットレスト3を収納した状態で、フットレスト3を枢支する軸13より一旦後方へ退避してから鉛直方向に向くように形成されている。また、フットレスト3には、補強フレーム33が、フットレスト3の左右両側フレーム31の屈曲部32より先端側に左右両側フレーム31に亘って架設されている。
【0022】次にフットレスト3を収納した状態と水平に回動させた状態について説明する。
【0023】フットレスト3を収納した状態で人が座った場合、フットレスト3を枢支する軸13は従来より前方に位置するが、軸13の近傍はフレーム等で支持されていないので容易に変形することができ、膝の裏にあまり負荷がかからずに椅子に座ることができる。この時、フットレスト3は、その左右両側フレーム31を後方側に退避させた分、後方へ容易に変形する。従って、軸13を前方側に位置させてもふくらはぎが圧迫されることがなく、使用者に不快感を与えることがない。また、フットレスト3の補強フレーム33を屈曲部32より先端側に設けることで、フットレストフレーム12を補強しても、後方側に突出しているふくらはぎが当たる部分、即ち、フットレスト3の軸13から屈曲部32までは後方に容易に変形するので、ふくらはぎに圧迫感を与え難い。
【0024】図2に示すようにフットレスト3を回動機構により座部2とほぼ同一面となる位置(水平)まで回動させた場合には、フットレスト3を枢支する軸13が従来より前方に位置しているので、背もたれ部1からフットレスト3の先端まで長さが長くなり、従来支持できなかった足の先端まで支持できる。
【0025】
【発明の効果】本発明の請求項1及び請求項2の発明によれば、フットレストを略鉛直方向に位置させた状態において、フットレストフレームをその左右両側フレームが前記枢支部より一旦後方へ退避してから鉛直方向に向くようにしたことで、フットレストフレームを後方へ退避させた分フットレストは後方へ容易に変形するようになる。従って、フットレストの枢支部を従来より前方に設けてフットレストを水平に回動させた時に足の先端まで支持することができる上に、フットレストを収納した状態で座った場合にふくらはぎが圧迫されることなく快適に座れる。
【0026】本発明の請求項3の発明によれば、フットレストフレームの左右両側フレームに亘って架設される補強フレームを、屈曲部より先端方向に設けることで、フットレストフレームを補強フレームで補強しても、フットレストを収納した状態で座った際に後方側に突出しているふくらはぎが当たる部分、即ち、後方へ後退させたフットレストフレームの枢支部から屈曲部までの間でフットレストを後方へ容易に変形させることができる。従って、フットレストの収納状態で座った場合にふくらはぎが圧迫されることなく快適に座れる。
【0027】本発明の請求項4の発明によれば、座部フレームの左右両側フレームに亘って架設される連結フレームをフットレストを略鉛直方向に位置させた収納状態におけるフットレストフレームよりも後方に設けることにより、座部とフットレストとの連接部分の変形を阻害することなく座部フレームを補強できる。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成11年2月25日(1999.2.25)
【代理人】 【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
【公開番号】 特開2000−245569(P2000−245569A)
【公開日】 平成12年9月12日(2000.9.12)
【出願番号】 特願平11−48664