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【発明の名称】 車輌用座席の背もたれ部の角度調節装置
【発明者】 【氏名】チョイ ヒョング イル

【要約】 【課題】座席の背もたれ部の角度を調節する際に支障なく的確に角度の調節を行なえ、車輌走行中の外部からの衝撃に起因するゆがみを防止し、偶発的事故の危険を最小限に抑える車輌用座席の背もたれ部の角度調節装置を提供する。

【解決手段】座部に固定した支持ブラケット110 に取付けた回動部材210 と、背もたれ部に固定した支持ブラケット110aに取付けた回動部材210aとを回動自在に連繋し、その内部に収容させた昇降部材310 の下面のギヤ340 と、昇降部材310 を収容するよう回動部材210aに形成した凹部240 の下部のギヤ340aとを、昇降部材310 の昇降で係脱させて、回動部材210 、210aの回動と停止を行なう。昇降部材310 の中央部には上下面に傾斜面331、332を有する矩形孔330 を形成し、矩形孔330 に収容した操作カム410 の回動でカム面が傾斜面331、332に作用し昇降部材310 を昇降させる。昇降部材310 の回動は操作レバー500 の操作による。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 座席の座部と背もたれ部の両端部に固定された支持ブラケット110,110aのそれぞれに連繋された回動部材210,210aを備え、前記回動部材が連結軸130に連繋された操作レバー500によって回動させられる車輌用座席の背もたれ部の角度調節装置において、前記回動部材の背もたれ部に連結する回動部材210aの一表面に連結軸を中心としてアーチ状に形成された凹部と、連結軸の回動で、回動部材の座部に連結する回動部材の一表面と接触することによって前記凹部内で案内されるように円筒形の上端部を有するガイド突起部250と、前記ガイド突起部の中央部に垂直に凹ませて、上端部を内側に傾斜させて曲げられた傾斜アゴ部261を有するガイド溝と、昇降することによって前記回動部材の回動と停止とを制御する前記ガイド溝内に収容されるラッチ部材300と、前記昇降部材の矩形孔内に配され、連結軸130の回動により昇降部材を昇降させる操作部材400と、を備えたことを特徴とする車輌用座席の背もたれ部の角度調節装置。
【請求項2】 前記ラッチ部材300は、前記凹部に収る昇降部材310を含み、昇降部材の両側下端部に凹み表面部320が形成され、前記凹み表面部は前記傾斜アゴ部261に接触するように傾斜して凹まされ、矩形状に形成された矩形孔330が、昇降部材の中央部に配され、前記矩形孔は上下部の表面が同じ方向に傾斜した傾斜面331,332を有し、前記昇降部材の下端面と凹部240の下部の内側面とに形成されて噛合するギヤ340,340aと、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の車輌用座席の背もたれ部の角度調節装置。
【請求項3】 前記操作部材400は、連結軸によって回動し、前記矩形孔の上下端に形成された傾斜面に沿って移動する接触面420,420aと、下端部の前後に突設され、前記回動部材210,210aに形成されたガイド孔270に挿入されるガイドピン430とを有する操作カムとを含むことを特徴とする請求項1に記載の車輌用座席の背もたれ部の角度調節装置。
【請求項4】 回動部材に突設され、両端部を内側方向に指向させた接続リベットと共に、支持部材110,110aと回動部材を確実に接続させるよう、支持部材に挿入される接続突起部230を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車輌用座席の背もたれ部の角度調節装置。
【請求項5】 回動部材210,210aの孔やガイド孔が形成される際に、角部に残された残余部(A)を表面に露呈させないように、内側角部に挿入される段部700を備えていることを特徴とする請求項1に記載の車輌用座席の背もたれ部の角度調節装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車輌用座席の背もたれ部の角度調節装置に関し、さらに詳しく述べれば、運転者その他乗員に快適さを提供するために背もたれ部の角度を調節する際に、支障なく的確に調節することができ、車輌走行時の外部からの衝撃によるゆがみを防ぎ、偶発的事故における危険を最小限度に抑える車輌用座席の背もたれ部の角度調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、車輌用座席は、運転者用座席と助手用座席を備えた前部座席と、乗客が座るための後部座席とを備えて構成されている。前部座席は、運転者や助手が快適に座れるように提供されており、座席の前後の距離や背もたれ部の角度が、運転者等の体形に基づいて自由に調節でき、そのため、運転者は最も快適な姿勢で安全に運転でき、助手は最も快適な姿勢で助手席に座ることができる。
【0003】このため、車輌用座席には、座席の背もたれ部の角度調節装置が装備されている。図5は従来の角度調節装置を示す図である。図5に示すように、回動ブラケット31は、座席10の後部の両側にそれぞれ結合させた固定ブラケット11に支持されている。回動ブラケット31は、背もたれ部30に結合されていると共に、固定ブラケット11に連繋させてあり、該回動ブラケット31はヒンジ20を軸として回動するようにしてある。回動ブラケット31の外側面は、ギヤ33を備えているラチェット32に連繋させてある。上面にギヤ42が形成された操作部材40はラチェット32の下方に配置され、固定ブラケット11とヒンジ41とによって回動するようにしてある。前記ギヤ42は前記ギヤ33と噛合している。操作レバー50は、操作部材40を適宜位置に調節するよう装備されている。前記操作レバー50は、その一端部で前記ヒンジ20に連結している。前記操作レバー50は、該操作レバー50の中央部に形成されたガイド孔51を備え、前記操作部材40の端部に設けられたガイドピン43が該ガイド孔51に遊挿されている。操作レバー50の一端下部と座席10とを固定している固定レール60には、操作レバー50を下方に回動させるよう付勢した戻しバネ70を連繋させてある。
【0004】上述した従来の背もたれ部30の角度調節装置は、次のように作用する。図5に示すように、操作レバー50は、戻しバネ70の伸縮性の作用を受けて下位に位置したままであり、そのため前記ガイド孔51に挿通された前記ガイドピン43は該ガイド孔51の上端部に位置しており、前記操作部材40の端部は前記ヒンジ41に対して回動して上げられている。その結果、操作部材40のギヤ43とラチェット32のギヤ33とが、互に噛合した状態を維持し、これにより背もたれ部30はロックされている。
【0005】上述した状態において、背もたれ部30の角度を調節するには、図6に示すように、前記操作レバー50の端部を上方に引上げると、前記操作レバー50はヒンジ20を軸として回動する。その結果、前記ガイド孔51に挿通されている前記ガイドピン43は、該ガイド孔51の下側端部に位置させられることになり、前記操作部材40はヒンジ41を軸として下げられる。このため、前記ギヤ33、42の噛合は相互に解除される。
【0006】背もたれ部30の角度が使用者にとって快適となるよう調節された後に、それまで引上げられていた前記操作レバー50を解放する。これにより、操作レバー50は前記戻しバネ70の伸縮性の作用を受けて前記ヒンジ30を軸として下方に回動する。前記ガイドピン43が前記ガイド孔51の上端部に位置し、図6に示すように、ガイド孔51の回動角度によっては、操作部材40の端部がヒンジ41を軸として上方に回動する。したがって、前記ギヤ33、42が互に噛合し、背もたれ部30を調節された角度に固定する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来の背もたれ部30の角度調節装置は、背もたれ部30の角度を調節し、調節された角度に背もたれ部30を固定する。操作レバー50が戻しバネ70の伸縮性の作用を受けて操作部材40を固定させ、操作部材40とラチェット32に形成されたギヤ33、42を互に噛合させたり、噛合を解除させたりする。その結果として、走行中の車輌の衝突による衝撃のような外部からの衝撃がある場合には、前記操作レバー50は回動してしまうおそれがある。このため、前記操作レバー50の回動角度によっては、前記操作部材40がヒンジ41を軸として回動する。そのために、前記ギヤ33、42の噛合が解除されてしまう。
【0008】斯かる場合、背もたれ部30の前方への移動によって運転者の上半身が前方へ移動する。それゆえ、上半身がステアリングホイールに打ちつけられて、偶発的事故によって死亡してしまうおそれがある。
【0009】そこで、この発明は、使用者の所望により的確に背もたれ部の角度を調節することができ、調節された背もたれ部に万一衝撃が加えられたとしても、背もたれ部が自然に回動してしまうことがなく、使用者の上半身が背もたれ部の回動で前方に移動せず、上半身がステアリングホイールに打ちつけられず、したがって彼の生命が偶発的事故から保護されることができる車輌用座席の背もたれ部の角度調節装置を提供することを第1の目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、少なくとも、座席の座部と背もたれ部の両端部に固定された支持ブラケット110,110aのそれぞれに連繋された回動部材210,210aを備え、前記回動部材が連結軸130に連繋された操作レバー500によって回動させられる車輌用座席の背もたれ部の角度調節装置において、前記回動部材の背もたれ部に連結する回動部材210aの一表面に連結軸を中心としてアーチ状に形成された凹部と、連結軸の回動で、回動部材の座部に連結する回動部材の一表面と接触することによって前記凹部内で案内されるように円筒形の上端部を有するガイド突起部250と、前記ガイド突起部の中央部に垂直に凹ませて、上端部を内側に傾斜させて曲げられた傾斜アゴ部261を有するガイド溝と、昇降することによって前記回動部材の回動と停止とを制御する前記ガイド溝内に収容されるラッチ部材300と、前記昇降部材の矩形孔内に配され、連結軸130の回動により昇降部材を昇降させる操作部材400とを備えた構成とすることによって達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】図面、特にこの発明に係る角度調節装置の構造を示す分解斜視図である図1を参照して説明する。図1に示すように、座部と背もたれ部の両端部に固定される支持ブラケット110,110aの下端部には、中央部を貫通させた連結軸130によって連繋されているこの座席の角度調節装置が連結される。前記連結軸130に対して回動し、回動部材210,210aを含む回動部材200の両端部に貫通孔220と接続突起部230とが形成され、支持ブラケット110,110aと接続リベット120によって連結されて、この回動部材200が構成されている。回動部材の背もたれ部に連結する回動部材210aの表面には、連結軸130に沿ってアーチ状に凹部240が形成されている。回動部材の座部に連結する回動部材210の表面には、連結軸130の回動により、前記凹部240と面接触するように、円筒形の上端部を有するガイド突起部250が形成されている。ガイド突起部250の中央部に垂直に凹部が形成され、上端の両側面が内側に傾斜されるような傾斜アゴ部261を含むガイド溝260が設けられている。
【0012】さらに、昇降することによって回動部材210,210aの間の回動と停止を制御するためのラッチ部材300が、ガイド溝260に凹ませて収容させてあり、このラッチ部材300は、前記凹部240内に凹ませて収容される形状の昇降部材320を含んでおり、この昇降部材320の下端部の両側には、前記傾斜アゴ部(261)と接触するように内側に凹んだ凹み表面部320が形成され、昇降部材310の中央部には、上下端縁に同方向に傾斜させた傾斜面331,332を備えた矩形孔330が配設されており、昇降部材310の下端面に形成されたギヤ340と、前記凹部240の内側下部に形成されたギヤ340aとが、互いに噛合するようにしてある。
【0013】昇降部材310の前記矩形孔330内には、前記連結軸130の回動によって昇降部材310を昇降させるための操作部材400が配設されて設けられており、この操作部材400は連結軸130によって回動する操作カム410からなり、この操作カム410は前記矩形孔330の上下端縁に形成された傾斜面331,332に沿って移動する接触面420,420aが形成されており、操作カム410の前後には、回動部材210,210aに形成されたガイド孔270に挿入されるガイドピン430が突設されている。
【0014】さらにまた、前記回動部材210の外側で前記連結軸130に連結した一端部を有する操作レバー500が、前記操作カム410を回動させるために備えられており、この操作レバー500の中央の下端部と座席を固定した固定レールとに掛止された戻しばね510によって、固定レールに連繋させて弾性的に支持させてある。さらに、前記連結軸130に掛止された一端部と、背もたれ部の支持ブラケット110に連繋させた他端部とを備えたぜんまいばね600が、操作レバー500の外側面に巻き付けて装着されており、それ自身の弾性の作用によって背もたれ部を前方に回動させる。
【0015】回動部材210,210aの回動のための前記孔とガイド孔を形成する際に、その角部には残余部(A)を残してある。そのため、その表面は未加工の状態となる。前記残余部(A)が除去されなくても、補助的な手動操作を行なってこの残余部(A)による故障の発生を避ける目的で、角部の周囲に形成されて内側に挿入される段部700が設けられている。その結果、前記残余部(A)は段部700の下側縁部に集中しており、そのために、残余部(A)が除去されずとも故障が発生しない。
【0016】上述したこの発明による座席の背もたれ部の角度調節装置の操作を、図2および図3に関連して以下に説明する。
【0017】座部に連繋した回動部材210の外側面で連結軸130に連繋し、一端部が戻しばね510によって弾性的に支持された操作レバー500の一端を下げると、操作カム410が図2に示す位置に位置する。すなわち、操作カム410の下端部が下側の傾斜面332の端部に位置しており、その上端部が上側の傾斜面331の端部に位置している。その結果、昇降部材310は下げられて、昇降部材340に形成された前記ギヤ340と凹部240の下端内側面に形成された前記ギヤ340aとが、互に噛合を維持し、それ故、回動部材210aは回動せず、不動のままである。
【0018】運転者や乗員の快適さのために、上述の状態にある背もたれ部の角度を調節するには、図3に示すように、前記操作レバー500が上方に引き上げられ、そのため、ぜんまいばね600は力によって巻き取られ、操作カム410は連結軸130の回動によって回動する。操作カム410の回動によってその上端は矩形孔330の上端に配設された傾斜面331に沿って回動し、下端は下側の傾斜面332から離隔する。その結果、昇降部材310は、ガイド溝260内で垂直に持上げられ、これによってギヤ340,340aの相互間の噛合が解除されたままとなる。
【0019】ギヤ340,340aが上述のように離隔すると、回動部材210aは連結軸130に対して回動自在となる。この時点で、ぜんまいばね600の弾性の作用によって、背もたれ部を前方に揺動させる力が発生する。背もたれ部は、外部からの力を受けることなく前方に移動する。背もたれ部を後方に移動させることが要求された場合には、背もたれ部は所望の角度に達するまで後方に押されるため、回動部材210aは背もたれ部の角度調節のために連結軸130に対して回動する。
【0020】このとき、回動部材210aの回動は凹部240との面接触を維持しながらガイド突起部250の上端の周囲外側前面に対して安定して行なわれる。さらに、回動部材210,210aの接触域が比較的広がるにつれて、固定されたもとでの効果は、偶発的事故の発生に対して衝撃のためにいかなる被害も防げるように持ちこたえる。
【0021】背もたれ部の角度調節が完了したのちには、持上げられていた操作レバー500が解放されれば、戻しばね510の作用を受けて操作レバー500が下降する。その結果、連結軸130が、操作カム410を回動させるために、以前の方向とは逆の方向に回動され、そのため昇降部材310が下降する。その結果、図2に示すように、昇降部材310の下端部に形成された前記ギヤ340が、回動部材210aの凹部240に下部に形成された前記ギヤ340aと、回動部材210aの回動を阻止するために噛合する。
【0022】このため、図3において操作カム410が回動したならば、該操作カム410の上下端部が、前記矩形孔330の上下面に形成された傾斜面331,332の上方に向って移動する。その結果、昇降部材310が操作カム410によって下方向に離隔し、昇降部材310に形成されたギヤ340が、回動部材210aの回動動作を阻止するために、前記凹部240の下端部に形成されたギヤ340aと噛合する。その結果、背もたれ部は調節角度にロックされた状態のままとなる。
【0023】このとき、昇降部材310の円滑な動作を実行するために、ガイド溝260と昇降部材310との間に微少な間隙が形成される。昇降部材310が下降したならば、昇降部材310の下端に形成された傾斜アゴ部261の頂点と凹部320の頂点とが接触し、そのため前記昇降部材310の間隙のために生じる揺動が発生せず、従ってギヤ340,340aが互いに確実に噛合する。
【0024】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、昇降部材が、噛合と離隔の動作を行なわせるために、操作レバーによって回動させられる操作カムの回動方向に応じて昇降し、そのため、回動部材が動作するかロックされるかして、車輌走行中に車輌が衝突して生じる衝撃のような外部からの衝撃によってもギヤの互いの噛合は解除されない。その結果、背もたれ部は自在に前方に動くことがなく、そのため上半身がステアリングホイールに打ちつけられることなく、偶発的事故を回避し、しかもいかなる衝撃が加えられようとも、回動部材は容易にゆがんだり損傷したりしない。
【出願人】 【識別番号】599016394
【氏名又は名称】コーリョウ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】KORYO CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】646 KORIM−DONG, YONGIN CITY, KYUNGKI−DO, REPUBLIC OF KOREA
【出願日】 平成11年2月4日(1999.2.4)
【代理人】 【識別番号】100091591
【弁理士】
【氏名又は名称】望月 秀人
【公開番号】 特開2000−225031(P2000−225031A)
【公開日】 平成12年8月15日(2000.8.15)
【出願番号】 特願平11−26847