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【発明の名称】 クッション
【発明者】 【氏名】牛島 俊子

【要約】 【課題】使用者が横向きに寝た際に、背骨などが不自然に湾曲することを防止し、長時間同じ姿勢を保っても、背骨や腰、その他の部位に疲れや痛みが生じることを緩和し、楽な姿勢を保つことができるクッションを提供する。

【解決手段】上面11及び底面12は、略平行に配置された長辺17及び短辺18と、長辺17及び短辺18の両端を各々結ぶ第1の側辺19及び第2の側辺20と、を備えた略台形状を有している。上面11及び底面12の少なくとも一方が、長辺17側から短辺18側に向けて下降するよう傾斜している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の面と、当該第1の面に対向して配置された第2の面と、を備えた略六面体からなるクッションであって、前記第1の面及び第2の面は、略平行に配置された長辺及び短辺と、当該長辺及び短辺の両端を各々結ぶ第1の側辺及び第2の側辺と、を備えた略台形状を有し、前記第1の面及び第2の面の少なくとも一方が、前記長辺側から短辺側に向けて下降するよう傾斜してなるクッション。
【請求項2】 前記第1の面の、傾前記長辺側から短辺側に向けた傾斜角度は、前記第2の面の、前記長辺側から短辺側に向けた傾斜角度に等しい請求項1記載のクッション。
【請求項3】 前記長辺側から短辺側に向けた傾斜角度が、78度以上、89度以下である請求項2記載のクッション。
【請求項4】 前記第1の面及び第2の面の少なくとも一方は、前記短辺と前記第1の側辺とのなす角が、前記短辺と前記第2の側辺とのなす角より大きい請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項5】 前記第1の面及び第2の面の少なくとも一方は、前記第1の側辺側から第2の側辺側に向けて下降するよう傾斜してなる請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のクッション。
【請求項6】 前記第1の面の、前記第1の側辺側から第2の側辺側に向けた傾斜角度は、前記第2の面の、前記第1の側辺側から第2の側辺側に向けた傾斜角度に等しい請求項5記載のクッション。
【請求項7】 前記第1の側辺側から第2の側辺側に向けた傾斜角度が、80度以上、90度以下である請求項6記載のクッション。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、横になったり、座ったりする際に、体の所望部分に当てて、姿勢を楽に保つためのクッションに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば、人が床や畳などの上に横になったり、あるいは椅子などに着席する際に、床、畳、椅子などに身体が圧迫されることを緩和する目的や、姿勢を楽に保つ目的、あるいは、身体の一部(例えば、足や頭など)を他の部位より高い位置に保つ目的など、様々なケースで、座布団や、枕などのクッションを身体の所望部分に当てることが行われている。
【0003】このようなクッションとしては、通常の形状(四角や丸型など)を備えた物は勿論のこと、例えば、乳児の頭の変形を防止する目的で市販されている円形リング状(ドーナツ状)の乳児用枕や、椅子の座り心地を良くすると共に、椅子に座った姿勢を楽に保つ目的で市販されている円形リング状(ドーナツ状)のクッションや、椅子に座った際に背もたれと背中との間に入れることで楽な姿勢を保つ略H字形状のクッションなど、様々なものがある。
【0004】これらのクッションは、その使用目的によって、形状や大きさ、硬さなどが種々選択されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】人が床や畳、あるいは、硬めのベッドやマットレスなどの上に、横向きで寝ると、その人の背骨は、伸長方向の略中央付近が下方に下がった状態で湾曲することが知られている。このように、背骨が不自然に湾曲した状態で、ある程度の時間横になっていると、背骨や腰などに痛みが生じたり、背中や腰の筋肉が痛くなるなどの不都合が生じる虞がある。これは、特に腰痛に悩まされている人にとっては、深刻な問題である。
【0006】しかしながら、従来のクッション類には、このような状態で横になった際に生じる背骨の歪みを効果的に防止する工夫がなされたものはなかった。したがって、従来は、例えば、横になった人の横腹付近に、タオルや薄い座布団などを丸めたり、畳んだものを入れて、一時的に前記痛みを和らげたり、姿勢を直したりしていたが、これは根本的に背骨の歪みを正すものではなく、ある程度の時間がたつと、同様の痛みや不都合が生じるという問題があった。
【0007】そこで、本発明は、このような従来の問題点を解決することを課題とするものであり、使用者が横向きに寝た際に、背骨などが不自然に湾曲することを防止し、長時間同じ姿勢を保っても、背骨や腰、その他の部位に疲れや痛みが生じることを緩和し、楽な姿勢を保つことができるクッションを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、本発明は、第1の面と、当該第1の面に対向して配置された第2の面と、を備えた略六面体からなるクッションであって、前記第1の面及び第2の面は、略平行に配置された長辺及び短辺と、当該長辺及び短辺の両端を各々結ぶ第1の側辺及び第2の側辺と、を備えた略台形状を有し、前記第1の面及び第2の面の少なくとも一方が、前記長辺側から短辺側に向けて下降するよう傾斜してなるクッションを提供するものである。
【0009】この構成を備えたクッションは、例えば、前記第1の面または第2の面のいずれかの面が底面となるようにし、かつ前記短辺側が、横向きに寝ている使用者の背中側を向くようにして、この使用者のウエスト付近の下に置かれると、クッションがない場合に、下方に下がった状態となっていた使用者の背骨の略中央付近が、このクッションによって自然な形で支持される。このため、横向きに寝ている使用者の背骨が不自然に湾曲することなく、正しく楽な姿勢をとることができる。
【0010】また、本発明に係るクッションは、前記使用方法の他、頭の下、首の下、腕の下、足の下など、任意の部位に、任意の向きで使用することができ、また、仰臥、伏臥、あるいは着座など、使用する人の姿勢も自由に選ぶことができる。
【0011】前記第1の面の、傾前記長辺側から短辺側に向けた傾斜角度は、前記第2の面の、前記長辺側から短辺側に向けた傾斜角度に等しくすることができる。
【0012】このような構成にすることで、第1の面及び第2の面のどちらも同様に使用することができる。
【0013】また、前記長辺側から短辺側に向けた傾斜角度は、78度以上、89度以下にすることができる。
【0014】前記第1の面及び第2の面の少なくとも一方は、前記短辺と前記第1の側辺とのなす角が、前記短辺と前記第2の側辺とのなす角より大きくなるよう構成することができる。
【0015】このような構成のクッションは、前記のように横向きに寝ている人のウエスト付近の下に置く際に、前記第1の側辺側が足側になるようにすると、前記作用に加え、腰骨に対するフィット感をさらに向上させることができる。
【0016】また、前記第1の面及び第2の面の少なくとも一方は、前記第1の側辺側から第2の側辺側に向けて下降するよう傾斜させることができる。
【0017】そしてまた、前記第1の面の、前記第1の側辺側から第2の側辺側に向けた傾斜角度は、前記第2の面の、前記第1の側辺側から第2の側辺側に向けた傾斜角度に等しくすることができる。
【0018】また、前記第1の側辺側から第2の側辺側に向けた傾斜角度は、80度以上、90度以下にすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態に係るクッションについて図面を参照して説明する。
【0020】図1は、本実施の形態に係るクッションの斜視図、図2は、図1に示すクッションの平面図、図3は、図2に示すクッションの矢印A方向から見た側面図、図4は、図2に示すクッションの矢印B方向から見た側面図、図5は、図2に示すクッションの矢印C方向から見た側面図、図6は、図2に示すクッションの矢印D方向から見た側面図である。
【0021】本実施の形態に係るクッション1は、図1〜図6に示すように、略六面体からなり、上面11と、上面11に対向して配置された底面12と、上面11と底面12との間に配置された4つの側面13、14、15及び16から構成されている。
【0022】上面11は、特に図1及び図2に示すように、互いに対向し、かつ互いに略平行となるよう配置された長辺17及び短辺18と、この長辺17及び短辺18の両端を各々結ぶ第1の側辺19及び第2の側辺20と、によって画定された略台形状を有している。
【0023】この上面11の各々の角部(四隅)は、R形状を備えている。また、上面11は、短辺18と第1の側辺19とのなす角度aが、短辺18と、第2の側辺20とのなす角度bより大きく(a>b)なるよう構成されている。このため、第1の側辺19は、第2の側辺20より長くなっている。
【0024】また、上面11は、長辺17側から短辺18側に向けて下降するよう傾斜していると共に、第1の側辺19側から第2の側辺20側に向けて下降するよう傾斜している。
【0025】なお、本実施の形態では、角度aを約107度、角度bを約90度に設定した。また、長辺17と第1の側辺19とのなす角度cを約73度、長辺17と第2の側辺20とのなす角度dを約90度に設定した。長辺17の長さを約250mm、短辺18の長さを約160mm、第1の側辺の長さを約313mm、第2の側辺の長さを約300mmに設定した。そしてまた、各々の角部(四隅)の曲率半径R=10mmに設定した。
【0026】底面12は、上面11と同様の形状を備えているため、各構成要素に上面11と同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0027】側面13は、特に図1及び図3に示すように、上面11の短辺18と、底面12の短辺18と、これらの短辺18の第1の側辺19側の端部を結ぶ側辺21と、短辺18の第2の側辺20側の端部を結ぶ側辺22と、によって画定された略台形状を有している。
【0028】この側面13は、側辺21と側辺22が、互いに平行になっており、側辺21は側辺22より長く構成されている。すなわち、上面11及び底面12は、第1の側辺19側から第2の側辺20側に向けて下降するように傾斜していることがわかる。また、側面13の各々の角部(四隅)は、R形状を備えている。
【0029】なお、本実施の形態では、側辺21の長さを約70mm、側辺22の長さを約50mmに設定した、また、短辺18と側辺21とのなす角度eを約86度、短辺18と側辺22とのなす角度fを約94度に設定した。また、側面13の各々の角部(四隅)の曲率半径R=10mmに設定した。
【0030】側面14は、特に図1及び図4に示すように、上面11の長辺17と、底面12の長辺17と、これらの長辺17の第1の側辺19側の端部を結ぶ側辺23と、長辺17の第2の側辺20側の端部を結ぶ側辺24と、によって画定された略台形状を有している。
【0031】この側面14は、側辺23と側辺24が、互いに平行になっており、側辺23は側辺24より長く構成されている。すなわち、上面11及び底面12は、第1の側辺19側から第2の側辺20側に向けて下降するように傾斜していることがわかる。また、側面14の各々の角部(四隅)は、R形状を備えている。
【0032】なお、本実施の形態では、側辺23の長さを約140mm、側辺24の長さを約120mmに設定した、また、長辺17と側辺23とのなす角度gを約88度、長辺17と側辺24とのなす角度hを約92度に設定した。また、側面14の各々の角部(四隅)の曲率半径R=10mmに設定した。
【0033】側面15は、特に図1及び図5に示すように、上面11の第1の側辺19及び底面12の第1の側辺19と、側辺21と、側辺23と、によって画定された略台形状を有している。
【0034】前述したように、側辺21は、側辺23より短く構成されていることから、上面11及び底面12は、長辺17側から短辺18側に向けて下降するよう傾斜していることがわかる。また、側面15の各々の角部(四隅)は、R形状を備えている。
【0035】なお、本実施の形態では、第1の側辺19と側辺21とのなす角度iを約96度、第1の辺と側辺23とのなす角度jを約84度に設定した。また、側面15の各々の角部(四隅)の曲率半径R=10mmに設定した。
【0036】側面16は、特に図1及び図6に示すように、上面11の第2の側辺20及び底面12の第2の側辺20と、側辺22と、側辺24と、によって画定された略台形状を有している。
【0037】前述したように、側辺22は、側辺24より短く構成されていることから、上面11及び底面12は、長辺17側から短辺18側に向けて下降するよう傾斜していることがわかる。また、側面16の各々の角部(四隅)は、R形状を備えている。
【0038】なお、本実施の形態では、第2の側辺20と側辺22とのなす角度kを約97度、第2の辺と側辺24とのなす角度mを約83度に設定した。また、側面16の各々の角部(四隅)の曲率半径R=10mmに設定した。
【0039】このように、クッション1は、上面11と底面12の傾斜角度が等しくなるよう構成されているから、上面11と底面12とを区別することなく、いずれの面を上にしても快適に使用することができる。
【0040】次に、この構成を備えたクッション1の使用例として、横向きに寝ている患者のウエスト付近の下に置く場合について、図面を参照して説明する。
【0041】図7は、身体が沈み込まない程度の硬さを備えたベッドの上に患者を横向きに寝かせた状態を患者の背中側から見た概念図、図8は、本実施の形態に係るクッション1を、図7に示す患者のウエスト付近の下に配置した状態を示す概念図である。
【0042】図7に示すように、身体が沈み込まない程度の硬さを備えたベッド40の上に横向きに寝ている患者41は、背骨42の中央部付近が、下方に向けて湾曲した状態となっている。この状態は、患者41の背骨42に負担をかけ、特に腰痛を患う患者41にとっては、その痛みを増加させる。
【0043】次に、この図7に示す状態の患者にクッション1を適用する場合は、先ず、クッション1の底面12を下にし、かつ短辺18側が、使用者の背中側を向くようにして、横向きに寝ている患者41のウエスト付近と、ベッド40との間にクッション1を置く。このとき、クッション1は、上面11と底面12とを区別することなく、いずれの面を上にしても快適に使用できる。
【0044】このようにすることで、図8に示すように、患者41のウエスト付近(背骨42の略中央付近)が、このクッション1によって自然な形で支持される。このため、横向きに寝ている患者41の背骨42が不自然に湾曲することなく、正しく楽な姿勢をとることができる。
【0045】ここで、クッション1を横向きに寝ている患者41のウエスト付近の下に置く際に、第1の側辺19側が患者41の足側になるようにすると、前記作用に加え、第1の側辺19部が腰骨に好適にフィットし、さらなる安定感が得られる。
【0046】なお、このクッション1は、前記使用方法の他、頭の下、首の下、腕の下、足の下など、任意の部位に、任意の向きで使用することができ、また、仰臥、伏臥、あるいは着座など、使用する人の姿勢も自由に選ぶことができる。
【0047】このクッション1は、例えば、ポリウレタン、ナイロン、スチロール、ゴム、ポリエステルなどのような材料を発砲させてクッション性を持たせたもの(スポンジ状にしたもの)、クッション材1の外形と同様の形状を備えた袋の中に、例えば、水などの液体、空気などの気体など、所望のクッション材を挿入したものなどから形成することができる。また、クッション1の表面は、本実施の形態のように平滑であってもよく、また、クッション性を損なわない程度の凹凸を設けてもよい。
【0048】また、クッション1には、例えば、図9に示すようなカバー50を設けることもできる。このカバー50は、その内側に、例えば、匂い袋、香水などを染み込ませた布、紙、綿など、を収容可能なポケット51が形成されている。このポケット51は、側面15、側面16の側面14側に対応する位置や、側面14、側面13に対応する位置など、収容物が患者の邪魔にならないような位置に配置される。
【0049】カバー50の側面14に対応する部分には、クッション1を出し入れ可能な開口部53が形成されている。この開口部53は開閉可能に構成されており、クッション1を収容した後は、ボタン52、マジックテープ、ファスナなど、所望の固定部材によって閉じられるようになっている。
【0050】このようなカバー50を設けることで、クッション1をより清潔に保つことができると共に、アロマセラピー効果を得ることができる。
【0051】なお、本実施の形態で説明したクッションの寸法や、上面11及び底面12の傾斜角度は一例であり、これに限定されるものではなく、これらは、使用者の体型や使用位置、使用目的などに応じて任意に設定することができる。
【0052】例えば、角度aは、98度〜120度の範囲とすることが望ましく、100度〜110度の範囲にすることがより望ましい。
【0053】角度bは、75度〜99度の範囲とすることが望ましく、87度〜97度の範囲にすることがより望ましい。
【0054】角度cは、60度〜82度の範囲とすることが望ましく、70度〜80度の範囲にすることがより望ましい。
【0055】角度dは、81度〜105度の範囲とすることが望ましく、83度〜93度の範囲にすることがより望ましい。
【0056】角度eは、80度〜90度の範囲とすることが望ましく、84度〜88度の範囲にすることがより望ましい。
【0057】角度fは、90度〜100度の範囲とすることが望ましく、92度〜96度の範囲にすることがより望ましい。
【0058】角度gは、82度〜90度の範囲とすることが望ましく、86度〜90度の範囲にすることがより望ましい。
【0059】角度hは、90度〜98度の範囲とすることが望ましく、90度〜94度の範囲にすることがより望ましい。
【0060】角度iは、91度〜101度の範囲とすることが望ましく、94度〜98度の範囲にすることがより望ましい。
【0061】角度jは、79度〜89度の範囲とすることが望ましく、82度〜86度の範囲にすることがより望ましい。
【0062】角度kは、92度〜102度の範囲とすることが望ましく、95度〜99度の範囲にすることがより望ましい。
【0063】角度mは、78度〜88度の範囲とすることが望ましく、81度〜85度の範囲にすることがより望ましい。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るクッションは、例えば、第1の面または第2の面のいずれかの面が底面となるようにし、かつ前記短辺側が横向きに寝ている使用者の背中側を向くようにして、この使用者のウエスト付近の下に置かれると、クッションがない場合に、下方に下がった状態となっていた使用者の背骨の略中央付近が、このクッションによって自然な形で支持される。このため、横向きに寝ている使用者の背骨が不自然に湾曲することを防止できる。この結果、使用者は、正しく楽な姿勢をとることができるという効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】599013625
【氏名又は名称】牛島 俊子
【出願日】 平成11年1月29日(1999.1.29)
【代理人】 【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸 (外2名)
【公開番号】 特開2000−217668(P2000−217668A)
【公開日】 平成12年8月8日(2000.8.8)
【出願番号】 特願平11−21267