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【発明の名称】 椅子及び椅子用回転台
【発明者】 【氏名】山下 善伸

【要約】 【課題】回転が阻止された座体に着座することができて、しかも、操作レバーを操作するだけの簡単な動作により座体を回転が可能にできるようにする。

【解決手段】脚体1に回転が可能に支持されている座体2の回転手段が、脚体側部材31及び座体側部材32と、これらの間に介在されている滑動部材33とを有する回転台3を備えており、前記脚体側部材31に複数個の回転止め部40が座体側部材32の回転方向に所定の間隔を隔てて設けてあり、座体側部材32に前記回転止め部40との係合/離脱が可能な係合部41を有する操作レバー42が揺動可能に設けてある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脚体に座体が回転可能に支持されている椅子において、前記座体の回転手段は、脚体側部材及び座体側部材と、これらの間に介在されている滑動部材とを有する回転台を備えており、前記脚体側部材に複数個の回転止め部が座体側部材の回転方向に所定の間隔を隔てて設けてあり、座体側部材に前記回転止め部と係合/離脱が可能な操作レバーが移動可能に設けてあることを特徴とする椅子。
【請求項2】 前記操作レバーは、一端部に前記回転止め部との係合/離脱が可能な係合部が設けてあり、中間部が座体側部材の回転域に沿って延びるレバー軸を介して枢支してある請求項1記載の椅子。
【請求項3】 前記脚体側部材は金属板を用いてなり、その周縁の近傍に前記座体側部材と反対側へ突出しており、その突出部に脚体への取付孔を有する複数個の取付座が成形してあり、これら取付座間の周縁に前記回転止め部が切欠きにより設けてあり、前記係合部が突起である請求項2記載の椅子。
【請求項4】 前記操作レバーは、一端部に前記回転止め部との係合/離脱が可能な係合部が設けてあり、他端部に前記座体の両側に配置される把持部が設けてある請求項1記載の椅子。
【請求項5】 前記操作レバーは、長手方向の中間から分岐する一対の他端部を有している請求項4記載の椅子。
【請求項6】 前記操作レバーは、前記係合部を有し、付勢手段によって前記回転止め部と係合する方向へ付勢された一端側部材と、前記座体の両側に配置される把持部を有する他端側部材とが別体であり、該他端側部材は、前記把持部を操作することによって前記一端側部材を押圧し、該一端側部材を前記係合部が離脱する方向へ移動させる押圧体が設けられている請求項4記載の椅子。
【請求項7】 脚体側部材及び座体側部材と、これらの間に介在されている滑動部材とを備えており、前記脚体側部材に複数個の回転止め部が座体側部材の回転方向に所定の間隔を隔てて設けてあり、座体側部材に、前記回転止め部と係合/離脱が可能な操作レバーが移動可能に設けてあることを特徴とする椅子用回転台。
【請求項8】 前記操作レバーは、一端部に前記回転止め部との係合/離脱が可能な係合部が設けてあり、中間部が座体側部材の回転域に沿って延びるレバー軸を介して枢支してある請求項7記載の椅子用回転台。
【請求項9】 前記脚体側部材は金属板を用いてなり、その周縁の近傍に前記座体側部材と反対側へ突出しており、その突出部に脚体への取付孔を有する複数個の取付座が成形してあり、これら取付座間の周縁に前記回転止め部が切欠きにより設けてあり、前記係合部が突起である請求項8記載の椅子用回転台。
【請求項10】 前記操作レバーは、一端部に前記回転止め部との係合/離脱が可能な係合部が設けてあり、他端部に前記座体側部材の両側に配置される把持部が設けてある請求項7記載の椅子用回転台。
【請求項11】 前記操作レバーは、長手方向の中間から分岐する一対の他端部を有している請求項10記載の椅子用回転台。
【請求項12】 前記操作レバーは、前記係合部を有し、付勢手段によって前記回転止め部と係合する方向へ付勢された一端側部材と、前記座体側部材の両側に配置される把持部を有する他端側部材とが別体であり、該他端側部材は、前記把持部を操作することによって前記一端側部材を押圧し、該一端側部材を前記係合部が離脱する方向へ移動させる押圧体が設けられている請求項10記載の椅子用回転台。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脚体に対して座体が回転可能な椅子及びこれに用いる回転台に関する。
【0002】
【従来の技術】椅子は、転動輪付きの脚体に座体が回転可能に設けられており、主として事務用として使用されている移動タイプと、転動輪を有しない脚体に座体が一体的に設けられており、主として食台用として使用されている静止タイプと、転動輪を有しない脚体に座体が回転可能に設けられており、主として学習用として使用されている回転タイプとが一般に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】移動タイプは椅子の全体を移動させ易く、また、回転タイプは座体を回転させ易いため、身体を動かす機会が多いオフィス用の椅子、学習用の椅子としては便利がよいものの、食卓用の椅子としては身体が安定しなくて、落ち着いた気分で食事等が行なえないという不具合がある。従って、食卓用の椅子としては一般に静止タイプが使用されている。この静止タイプの椅子に着座して食事を行う場合、膝が食卓の下側域に入ることになるため、着座するときは食卓に対し後方へ下げた位置で着座したあと、椅子を食卓に近付けるための動作が必要であり、また、食事を終えて退座するときは食卓に対し後方へ下げるための動作が必要である。このため、特に身体障害者が静止タイプの椅子を使用する場合、着座及び退座の動作が行い難いのである。
【0004】本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、座体を回転させるための回転台を備え、この回転台における脚体側部材及び座体側部材の一方に回転止め部を設け、他方に回転止め部との係合/離脱が可能な操作レバーを設けることにより、回転が阻止された座体に着座することができて、しかも、操作レバーを操作するだけの簡単な動作により座体の回転が可能にできる椅子及び椅子用回転台を提供することを目的とする。また、前記操作レバーの他端部に座体の両側に配置される一対の把持部を設けることにより、左手及び右手の一方が不自由である場合においても、着座した自然な姿勢で座体を回転させることができる椅子及び椅子用回転台を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る椅子は、脚体に座体が回転可能に支持されている椅子において、前記座体の回転手段は、脚体側部材及び座体側部材と、これらの間に介在されている滑動部材とを有する回転台を備えており、前記脚体側部材に複数個の回転止め部が座体側部材の回転方向に所定の間隔を隔てて設けてあり、座体側部材に前記回転止め部との係合/離脱が可能な操作レバーが移動可能に設けてあることを特徴とする。
【0006】第7発明に係る椅子用回転台は、脚体側部材及び座体側部材と、これらの間に介在されている滑動部材とを備えており、前記脚体側部材に複数個の回転止め部が座体側部材の回転方向に所定の間隔を隔てて設けてあり、座体側部材に前記回転止め部との係合/離脱が可能な操作レバーが移動可能に設けてあることを特徴とする。
【0007】第1発明及び第7発明にあっては、操作レバーが回転止め部と係合することにより座体側部材の回転を阻止することができ、また、操作レバーを操作することにより該操作レバーの前記回転止め部との係合を離脱して座体を回転が可能な状態にできるから、身体障害者が使用する場合においても、片手を動かせて操作レバーを操作するだけの簡易な動作で座体を所要の角度に回転させて着座及び退座することができて、使用者の負担を小さくできるのであり、しかも、着座したときには座体の回転を確実に阻止することができ、落ち着いた気分で食事等を行うことができる。
【0008】第2発明に係る椅子及び第8発明に係る椅子用回転台は、前記操作レバーは、一端部に前記回転止め部との係合/離脱が可能な係合部が設けてあり、中間部が座体側部材の回転域に沿って延びるレバー軸を介して枢支してあることを特徴とする。
【0009】第2発明及び第8発明にあっては、操作レバーを下方側へ押し操作、又は上方側へ引き操作するだけの簡易な操作により座体側部材、座体を回転及び回転止めすることができ、しかも、操作レバーに付与する力を小さくすることができるから、使用者の負担をより一層小さくできる。
【0010】第3発明に係る椅子及び第9発明に係る椅子用回転台は、前記脚体側部材は金属板を用いてなり、その周縁の近傍に前記座体側部材と反対側へ突出しており、その突出部に脚体への取付孔を有する複数個の取付座が成形してあり、これら取付座間の周縁に前記回転止め部が切欠きにより設けてあり、前記係合部が突起であることを特徴する。
【0011】第3発明及び第9発明にあっては、脚体側部材の取付座、取付孔及び回転止め部を成形で簡易に形成することができて安価に提供でき、さらに、取付座を設けることにより係合部と回転止め部との係合域を長くすることができるから、操作レバーが所要の操作量だけ操作されない場合に座体が不用意に回転するのを良好に防止することができ、また、座体側部材と反対側へ突出する取付座が設けてあるから、脚体側部材を座体側部材に邪魔されることなく脚体に取付けることができる。
【0012】第4発明に係る椅子は、前記操作レバーは、一端部に前記回転止め部との係合/離脱が可能な係合部が設けてあり、他端部に前記座体の両側に配置される把持部が設けてあることを特徴とする。
【0013】第10発明に係る椅子用回転台は、前記操作レバーは、一端部に前記回転止め部との係合/離脱が可能な係合部が設けてあり、他端部に前記座体側部材の両側に配置される把持部が設けてあることを特徴とする。
【0014】第4発明及び第10発明にあっては、着座した座体の両側で操作レバーを操作することができるため、左手及び右手の一方が不自由である場合においても、着座した自然な姿勢で座体を簡易に回転させることができる。
【0015】第5発明に係る椅子及び第11発明に係る椅子用回転台は、前記操作レバーは、長手方向の中間から分岐する一対の他端部を有していることを特徴とする。
【0016】第5発明及び第11発明にあっては、操作レバーは長手方向の中間から分岐する一対の他端部を有しているため、操作レバーの構造が2本用いる場合に比較して簡単にでき、コストを低減できる。
【0017】第6発明に係る椅子は、前記操作レバーは、前記係合部を有し、付勢手段によって前記回転止め部と係合する方向へ付勢された一端側部材と、前記座体の両側に配置される把持部を有する他端側部材とが別体であり、該他端側部材は、前記把持部を操作することによって前記一端側部材を押圧し、該一端側部材を前記係合部が離脱する方向へ移動させる押圧体が設けられていることを特徴とする。
【0018】第12発明に係る椅子用回転台は、前記操作レバーは、前記係合部を有し、付勢手段によって前記回転止め部と係合する方向へ付勢された一端側部材と、前記座体側部材の両側に配置される把持部を有する他端側部材とが別体であり、該他端側部材は、前記把持部を操作することによって前記一端側部材を押圧し、該一端側部材を前記係合部が離脱する方向へ移動させる押圧体が設けられていることを特徴とする。
【0019】第6発明及び第12発明にあっては、椅子の種類が異なったり、同じ種類で大きさが異なったりする場合においても、操作レバーの全体を交換することなく、他端側部材を交換することによって椅子に適応した位置に操作レバーの把持部を配置することができ、操作レバーのコスト、ひいては全体のコストを低減できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
実施の形態1図1は本発明に係る椅子の要部の拡大縦断正面図、図2は回転台のみの底面図、図3は回転台のみの平面図、図4は回転台のみの正面図、図5は図3のX−X線の拡大断面図、図6は椅子の斜視図である。
【0021】この椅子は、平面視で四つ角に配置される4本の脚部11・・・及びこれらの上端を連結する平面視で四角形の連結部12を備えた脚体1と、前記連結部12と対向する平面視で四角形の座部21及びこれの一辺から上方へ向けて延びる背凭れ部22を有する座体2と、これら脚体1及び座体2の間に介在されて、座体2を脚体1に回転が可能に支持するための回転台3とを備えている。
【0022】この回転台3は、金属板を用いてなる平面視略四角形の脚体側部材31及び座体側部材32、これらの間に介在されている複数個の滑動部材33とを備える。脚体側部材31及び座体側部材32は、その中央部に貫通孔31a,32aが、また、周縁部及び中間部に環状凹部31b,32bがそれぞれ設けてあり、これら環状凹部31b,32b間にボール等の転動体を用いてなる前記滑動部材33を介在させて座体側部材32の回転性を高めている。
【0023】前記貫通孔31a,32aには、一端に鍔部を有する軸体34を座体側部材32の側から挿通してその他端部に座板35及び転動体押え36を挿通支持し、これら座板35及び転動体押え36の間に複数個の転動体37を介装して前記軸体34の他端をかしめることにより脚体側部材31及び座体側部材32を結合するとともに、軸体34による座体側部材32の回転性の低下を防止し、座体側部材32の回転性をより一層高めることができるようにしてある。
【0024】また、脚体側部材31及び座体側部材32の周縁部は、その対向間隔を中心側の対向間隔よりも広くして、脚体側部材31及び座体側部材32の四つ角部に取付孔31c,32cを設け、これら取付孔31c,32cに挿通される取付ねじ38,39により脚体側部材31は前記連結部12に、また、座体側部材32は前記座部21に着脱が可能に取付けられるようにしてある。また、脚体側部材31の角部には前記座体側部材と反対側へ突出する取付座31eを成形しており、この取付座31eの突出部に前記取付孔31cが形成されている。
【0025】脚体側部材31の周縁の四辺には凹状の回転止め部40が切欠きにより約90°の位相差で設けてある。
【0026】座体側部材32の一辺には、断面略U字形のレバー支持片32dが突設してあり、該レバー支持片32dの対向する側壁間に、一端部に前記回転止め部40との係合/離脱が可能な突起状の係合部41を有する操作レバー42の中間部が座体側部材の回転域に沿って延びるレバー軸43を介して座体側部材32の厚み方向へ揺動可能に取付けてあり、さらに、該操作レバー42を前記係合部41が回転止め部40と常時係合する方向へ付勢する線ばねを用いてなる付勢部材44が設けてある。また、前記レバー支持片32dの基端部にはレバー案内片32eが切り起しにより形成されており、下方側への押し操作により揺動する操作レバー42を案内して前記係合部41の回転止め部40との係合/離脱が良好に行えるようにしてある。
【0027】操作レバー42は、前記レバー支持片32dと対応するように断面略U字形に形成されており、一端部に前記係合部41を有するレバー本体42aと、該レバー本体42aの他端部に連結されている操作部42bとを備え、レバー本体42aの他端部の近くが前記レバー軸43に取付けられており、前記係合部41側部分を脚体側部材31及び座体側部材32の外周部における対向間隔内で動作させることができるようにしてある。
【0028】尚、図1において45は脚体側部材31及び座体側部材32の間の隙間を閉塞する合成樹脂製の閉塞リングである。
【0029】以上の如く構成された椅子は、脚体側部材31の取付孔31cに挿通される取付ねじ38と、座体側部材32の取付孔32cに挿通される取付ねじ39とにより回転台3が脚体1及び座体2に取付けられる。この場合、前記取付孔31cは、座体側部材32と反対側へ突出する取付座31eに設けてあるから、前記取付ねじ38の頭部を取付座31eの内側凹部に配置することにより、脚体側部材31を座体側部材32に邪魔されることなく脚体1に取付けることができる。また、操作レバー42は、付勢部材44により座体側部材32の方向へ付勢されて係合部41が回転止め部40と常時係合しているため、座体2の回転は確実に阻止されている。
【0030】食卓の椅子として例えば身体障害者が使用する場合、例えば背凭れ部22が食卓と対向する正常な状態に対して背凭れ部22が食卓と交差するように配置することにより、座体2に着座し操作レバー42の操作部42bを把持して下方側へ押し操作することにより、該操作レバー42が揺動し、係合部41の回転止め部40との係合が離脱して、座体2が回転可能となる。従って、着座した状態で操作レバー42を操作して身体を90°動かせるだけで操作レバー42が設けられている座体2が回転し、膝を食卓の下側域に入れて食事の姿勢にすることができる。この状態で操作レバー42を外すことにより、該操作レバー42が付勢部材44の力により揺動して係合部41が、位相が90°異なる回転止め部40と係合することになり、座体2の回転が阻止される。従って、座体2が固定された状態で落ち着いた気分で食事をすることができる。
【0031】食事が終わって退座する場合、操作レバー42の操作部42bを把持して下方側へ押し操作することにより、該操作レバー42が揺動し、係合部41の回転止め部40との係合が離脱して、座体2が回転可能となる。従って、着座した状態で操作レバー42を操作して身体を90°動かせるだけで座体2が回転し、膝を食卓の下側域から外部に出して退座の姿勢にすることができる。この状態で操作レバー42を外すことにより、該操作レバー42が付勢部材44の力により揺動して係合部41が、位相が90°異なる回転止め部40と係合することになり、座体2の回転が阻止される。従って、座体2が固定された状態で安心して退座することができる。また、回転止め部40が設けられている脚体側部材31には、座体側部材32と反対側へ突出する取付座31eが設けてあるから、係合部41と回転止め部40との係合域を長くすることができ、操作レバー42が所要の操作量だけ操作されない場合に座体2が不用意に回転するのを良好に防止することができる。また、脚体側部材31は、環状凹部31b、取付孔31c、取付座31e及び回転止め部40を成形で簡易に形成することができるから、安価に提供できる。
【0032】実施の形態2図7は本発明に係る椅子の要部の拡大縦断正面図、図8は椅子用回転台の底面図である。この椅子は、操作レバー42をレバー軸43により枢支して揺動が可能な構成とする代わりに、操作レバー42をスライドが可能な構成とし、操作レバー42のスライド方向への移動操作により係合部41を回転止め部40に対し係合/離脱させることができるようにしたものであり、その他の構成及び作用は図1〜図6に示した実施の形態1と同じであるため、共通部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用を省略する。
【0033】この実施の形態2における操作レバー42は、前記レバー軸43が挿通される軸孔42cを長孔とし、この軸孔に沿ってスライドが可能とするのであり、また、操作レバー42をスライド方向一方側へ付勢するコイルばねを用いてなる付勢部材44を設けるのである。
【0034】実施の形態3図9は椅子の斜視図、図10は椅子用回転台の平面図、図11は椅子の要部の拡大縦断正面図、図12は椅子用回転台の正面図である。この椅子は、操作レバー42の他端部に設ける把持部(操作部)42bを座体2の一側及び他側の一方に配置する代わりに、前記操作レバー42の長手方向中間を分岐して一対の他端部を設け、これら他端部に座体2の両側に配置される把持部42bを設け、着座した座体2の両側で操作レバー42を操作することができるように構成したものであり、その他の構成及び作用は実施の形態1と同じであるため、共通部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用を省略する。
【0035】この実施の形態3における操作レバー42は、前記レバー本体42aを有する一端側部材4aと、前記把持部42bを有する他端側部材4bとに分離しており、前記レバー本体42aは実施の形態1と同じである。
【0036】他端側部材4bは、レバー本体42aの長手方向と交差する方向へ延びる第1杆部46aと、該第1杆部46aの両端から同一方向へ直角状に屈曲する一対の第2杆部46b,46bと、前記第1杆部46aの長手方向中央部から前記レバー本体42aに沿って延びる押圧体46cとを備えており、前記第2杆部46b,46bを把持部42bとしている。
【0037】この他端側部材4bは、第1杆部46aの押圧体近傍部を、断面略U字形に形成されている前記レバー支持片32dの対向壁に回動可能に支持し、一対の把持部42b,42bを座体2の両側へ配置するとともに、押圧体46cをレバー本体42aの下側に配置し、該押圧体46cの先端をレバー本体42aの下面に当接させることによって他端側部材4bの自由な回動を防止する。尚、他端側部材4bは長手方向中央で分割し、この分割側端部を前記レバー支持片32dに設けられた貫通孔に挿入した後、分割側端部同士及び前記押圧体46cを溶接等の結合手段によって一体とする。
【0038】実施の形態3にあっては、座体2の両側に把持部42bが配置されているため、座体2に着座し操作レバー42の左側把持部42b又は右側把持部42bを把持して上方側へ引き操作することにより、他端側部材4bが揺動するとともに、押圧体46cがレバー本体42aを上方側へ押圧し、該レバー本体42aが揺動し、係合部41の回転止め部40との係合が離脱して座体2が回転可能となる。このように、着座した座体2の両側で操作レバー42を操作することができるため、左手及び右手の一方が不自由である場合においても、着座した自然な姿勢で座体2を簡易に回転させることができる。
【0039】尚、実施の形態3は他端側部材4bを座体2に回動可能に支持する代わりに、実施の形態2の如くスライド可能な構成とし、座体2の両側に配置した把持部42b,42bの押し操作、引き操作によって前記押圧体46cの一端側部材4aとの当接位置を変え、レバー本体42aを揺動させ、係合部41を回転止め部40との係合/離脱させるように構成してもよい。
【0040】実施の形態4図13は椅子用回転台の底面図である。この椅子は、操作レバー42の把持部42bを座体2の両側に配置する構成において、操作レバー42を一端側部材4aと他端側部材4bとに分離させる代わりに、一端側部材4aに他端側部材4bを溶接などの結合手段によって結合したものであり、その他の構成及び作用は実施の形態1,2,3と同じであるため、共通部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用を省略する。
【0041】尚、実施の形態4は操作レバー42を実施の形態2の如くスライド可能な構成とし、座体2の両側に配置した把持部42b,42bの押し操作、引き操作によって係合部41を回転止め部40と係合/離脱させるように構成してもよい。
【0042】以上説明した実施の形態1〜4においては、回転止め部40を凹状とし、操作レバー42に突起状の係合部41を設けたが、その反対に、回転止め部40を突起状とし、操作レバー42に凹状の係合部41を設けた構成としてもよい。また、回転止め部40は約90°の位相差で設ける他、座体側部材32の回転中心と同心の円弧上に複数個を連続的に、または、所定の間隔を隔てて凹状、突状に設けてもよいのであり、その個数及び形状は特に制限されない。
【0043】また、本発明の椅子は、特に身体障害者用として使用されるのが好適であるが、その使途は特に制限されない。
【0044】
【発明の効果】第1発明に係る椅子及び第7発明に係る椅子用回転台によれば、操作レバーが回転止め部と係合することにより座体側部材の回転を阻止することができ、また、操作レバーを操作することにより該操作レバーの前記回転止め部との係合を離脱して座体を回転が可能な状態にできるから、身体障害者が使用する場合においても、片手を動かせて操作レバーを操作するだけの簡易な動作で座体を所要の角度に回転させて容易に着座及び退座することができて、使用者の負担を小さくできるのであり、しかも、着座したときには座体の回転を確実に阻止することができ、落ち着いた気分で食事等を行うことができる。
【0045】第2発明に係る椅子及び第8発明に係る椅子用回転台によれば、操作レバーを下方側へ押し操作、又は上方側へ引き操作するだけの簡易な操作により座体側部材、座体を回転及び回転止めすることができ、しかも、操作レバーに付与する力を小さくすることができるから、使用者の負担をより一層小さくできる。
【0046】第3発明に係る椅子及び第9発明に係る椅子用回転台によれば、脚体側部材の取付座、取付孔及び回転止め部を成形で簡易に形成することができて安価に提供でき、さらに、取付座を設けることにより係合部と回転止め部との係合域を長くすることができるから、操作レバーが所要の操作量だけ操作されない場合に座体が不用意に回転するのを良好に防止することができ、また、座体側部材と反対側へ突出する取付座が設けてあるから、脚体側部材を座体側部材に邪魔されることなく脚体に取付けることができる。
【0047】第4発明に係る椅子及び第10発明に係る椅子用回転台によれば、着座した座体の両側で操作レバーを操作することができるため、左手及び右手の一方が不自由である場合においても、着座した自然な姿勢で座体を簡易に回転させることができる。
【0048】第5発明に係る椅子及び第11発明に係る椅子用回転台によれば、操作レバーは長手方向の中間から分岐する一対の他端部を有しているため、操作レバーの構造が2本用いる場合に比較して簡単にでき、コストを低減できる。
【0049】第6発明に係る椅子及び第12発明に係る椅子用回転台によれば、椅子の種類が異なったり、同じ種類で大きさが異なったりする場合においても、操作レバーの全体を交換することなく、把持部を有する他端側部材を交換することによって椅子に適応した位置に操作レバーの把持部を配置することができ、操作レバーのコスト、ひいては全体のコストを低減できる。
【出願人】 【識別番号】591030282
【氏名又は名称】山下 善伸
【出願日】 平成11年5月25日(1999.5.25)
【代理人】 【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
【公開番号】 特開2000−50996(P2000−50996A)
【公開日】 平成12年2月22日(2000.2.22)
【出願番号】 特願平11−145564