| 【発明の名称】 |
乗物用座席カバー及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】舘 義也
【氏名】舘 秀樹
【氏名】山田 敏司
【氏名】荒井 雅孝
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| 【要約】 |
【課題】実質的に編成のみにより連続生産可能な乗物用座席カバー及びその製造方法を提供する。
【解決手段】2列針床でそれぞれ形成される表編地11と裏編地12の端縁を、前記表編地11と裏編地12の編目を連結させた連結辺13に形成することで袋状の座席カバー10を形成する。特に表編地11と裏編地12の編目を連結させた連結辺13の途中に、編目の連結を欠いた不連続部14を形成し、ヘッドレスト、アームレスト等の座席の付属物の取付口にする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自動車等の乗物の座席におおい被せる袋状に編成された座席カバーであって、2列針床でそれぞれ形成される表編地と裏編地の端縁を、前記表編地と裏編地の編目を連結させた連結辺に形成することで袋状に形成してなることを特徴とする乗物用座席カバー。 【請求項2】 請求項1において、表編地と裏編地の編目を連結させた連結辺の途中に、編目の連結を欠いた不連続部が形成されていることを特徴とする乗物用座席カバー。 【請求項3】 請求項2において、連結辺の途中の編目の連結を欠いた不連続部が、ヘッドレスレスト、アームレスト等の座席の付属物の取付口に対応していることを特徴とする乗物用座席カバー。 【請求項4】 請求項2において、連結辺の途中の編目の連結を欠いた不連続部が、エアバック等の座席の内部からの膨出具の出口に対応していることを特徴とする乗物用座席カバー。 【請求項5】 自動車等の乗物の座席におおい被せる袋状に編成された座席カバーの製造方法であって、2列針床でそれぞれ形成される表編地と裏編地の所定位置を、前記表編地と裏編地の編目を連結させた連結辺部に形成し、該連続生産された原反を、編成方向に間隔をおいて形成された連結辺部上の裁断位置で切り出して袋状に形成することを特徴とする乗物用座席カバーの製造方法。 【請求項6】 請求項5において、表編地と裏編地の編目を連結させた連結辺部の途中に、編目の連結を欠いた不連続部を形成することを特徴とする乗物用座席カバーの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、自動車等の乗物用座席カバー及びその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より自動車等の乗物の座席の、背部、ヘッドレスト部等に袋状の座席カバーをおおい被せることが行われている。 【0003】この種の座席カバーの目的とするところは、1つには洗濯のし難い座席の特に汚れやすい部位を洗濯、交換可能の座席カバーでおおって汚れを防止することにある。また座席カバーによって新たな意匠性を付与して、高級感を演出する意味もある。 【0004】従来の座席カバーとして最も一般的な構成として、たとえば図8に示すようなラッセルレース生地を縫製してなる座席カバー50がある。この例では生地に伸縮性が少ないため、生地をあらかじめ定めた形状の複数のピース51に裁断し、各ピース51の端縁を相互にミシン縫製して縫製辺52につないでいくことで最終的に対象とする座席に合った袋形の座席カバーに仕上げるものである。なお、縫製辺52の途中にヘッドレストの通孔53を形成する。このタイプの座席カバーでは、対象とする座席との形状の一致度は高いものの次のような問題点がある。 ■ 1枚の座席カバーを仕上げるのに、多数の縫製縁(工程)が必要となり、工数が増加する。 ■ 縫い目の存在によって意匠的自由度を低下させたり、触感を悪化させる場合がある。 ■ 伸縮性の少ない素材を使用することから、座席の形状によっては座席との間に隙間を生じ、特に袋形状のあき口を、対象とする座席の最も大きい断面より狭く絞ることができない。 【0005】上記の問題点にかんがみ、編成による伸縮性にすぐれた座席カバーが提案されている。たとえば特開平2−128784号公報(特願平1−249382号)には、三次元的支持体の少なくとも一部を被覆する編機で編成されたカバー用布帛ピースが開示されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】この種の座席カバーを被せる座席、特に乗物用の座席では、ヘッドレスト、アームレスト等の付属物をそなえているものがある。また最近の自動車座席ではエアバック等の座席の内部からの膨出具をそなえるものもある。このような座席では、前記付属物の取付口、前記膨出具の出口が必要とされる。しかしながら、上記の特開平2−128784号公報に開示されている座席カバーでは、この点、対応できる編成になっておらず、もっぱら、この種の付属物、膨出具がない座席のみを対象にしている。 【0007】本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、ヘッドレスト、アームレスト等の付属物や、エアバック等の膨出具をそなえる座席に適合した、実質的に編成のみにより連続生産可能な乗物用座席カバー及びその製造方法を提供することを課題とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の乗物用座席カバーは、2列針床でそれぞれ形成される表編地と裏編地の端縁を、前記表編地と裏編地の編目を連結させた連結辺に形成することで袋状に形成してなり、この種の従来の座席カバーにおいて必要とされる縫製工程を排する。 【0009】前記連結辺の途中に、編目の連結を欠いた不連続部を形成し、ヘッドレスト、アームレスト等の座席の付属物の取付口に対応させ、またエアバック等の座席の内部からの膨出具の出口に対応させる。 【0010】本発明の乗物用座席カバーの製造方法は、2列針床でそれぞれ形成される表編地と裏編地の所定位置を、前記表編地と裏編地の編目を連結させた連結辺部に形成し、該連続生産された原反を、編成方向に間隔をおいて形成された連結辺部上の裁断位置で切り出して袋状に形成し、実質的に編成のみにより乗物用座席カバーを製造する。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。図1は、本発明の座席カバー(ヘッドレストカバーを含む)および該カバーが適用される乗物用座席を示す斜視図である。 【0012】本発明の座席カバーが対象とする座席Sは、座席付属物としてのヘッドレストS1を含み、背部S2、座部S3をもって構成されている。ヘッドレストS1は2本のステーS11をもってなり、ステーS11を座席背部の頂点近くにもうけられた挿入口S21に差し込み着脱可能に装着されるものである。 【0013】同図において座席カバーKは、座席背部の上半分を被う袋状の、いわゆるハーフカバーであり、完成された座席に対して利用者の希望によって選択的に装着されるものである。座席カバー(ハーフカバー)Kを座席背部に装着するには、ヘッドレストS1をいったん取り外し、座席カバーKに形成されたヘッドレストステー用の通孔K1にステーS11を通して、ヘッドレストS1と座席背部の間に座席カバーKを挟むようにする。、ヘッドレストS1には、ヘッドレストカバーK´を装着する。 【0014】図2は本発明の座席カバーを示す斜視図であり、座席カバー10と、この座席カバー10が切り出される連続生産された原反100を示している。本発明の座席カバー10は、表編地11と裏編地12を端縁において編目を連結させた連結辺13に形成して(ただし、少なくとも一端縁は開口して)、袋状に形成してなる。また、連結辺13の途中に編目の連結を欠いた不連続部14があって、ヘッドレスト等の座席の付属物の取付口またはエアバック等の座席の内部からの膨出具の出口に対応している。 【0015】本発明の座席カバーは、連続生産された原反100を、編成方向に間隔をおいて形成された連結辺部101上の裁断位置102で切り出して得られる。上記裁断位置102上で切り出すことで、裁断後に編成糸のほどけ、ほつれがない。裁断されたピースは裁断位置102が袋形状の内側になるように折り返すことで、特別の仕上げ工程なく所要形状の座席カバー10に仕上がる。 (原料糸)編成に用いる原料糸は、エラスチックヤーン(弾性糸)が好ましい。編目を組織する地糸と、優れた伸縮性のある糸に地糸をカバーリングした糸の組み合わせが好ましい。 【0016】前者の糸としては、たとえばポリエステル糸(75デニール/36フィラメント)をウーリー加工したものが好ましい。 【0017】後者の糸としては、たとえばポリウレタン糸(20デニール)にウーリー加工したポリエステル糸(75デニール/36フィラメント)をカバーリングした糸が好ましい。 (編機)2列の互いに平行に向き合う針床(ニードルバー)をもつ経編機が本発明にとって好ましく、特にダブルラッシェル編機が最適である。編機の構成は主に、経糸送出機構、編目形成機構(柄出し機構)、編成布巻取り機構をもって構成される。本発明にとって好ましい経糸送出機構は、積極的(強制)送出装置ないし消極的送出装置であるが、特に図6に示すような高弾性編部125を編む場合は、強制送出装置が必要である。 【0018】本発明にとって好ましい編目形成機構(柄出し機構)は、ジャカード装置が、種々の柄および型を自由に選択し編成できて好ましい。 【0019】本発明にとって好ましい編成布巻取り機構は、積極的巻取り装置ないし消極的巻取り装置であり、経糸送出機構との関連づけで選択される。特に編成方向にゲージ密度を変化させた座席カバー(原反)を編成するには積極的巻取り機構を用いる。 (編成の態様)本発明の座席カバーの場合、座席カバーの幅方向に連続的に編成するのが適する。 【0020】図3〜図5をもとに編成態様の詳細を示す。 【0021】図3は、本発明に適した編機(ダブルジャカード)のガイド部とニードル部を示す。同図において、1〜6は経糸のガイドである。1および6は挿入糸用ガイドであり、図6に示す高弾性編部125を編む場合に用いるガイドであり、2、5は基本柄となるくさり編用の糸を供給するガイドである。3、4はカバーリングヤーンを供給するフランチンガイドであり、不図示のドロツパに連結されてあり、基本柄に対して任意の柄を付加するガイドである。 【0022】F、Bはそれぞれフロントニードル、バックニードルを示す。不図示の経糸送出機構から送り出された各経糸はガイド2〜5(1〜6)に制御されて、各フロントニードルF、バックニードルBに係合して編み込まれる。 【0023】図4は、図2に示す表編地11と裏編地12の連結辺13の編成サイクルの一例で、(a)は表編地側、(b)は裏編地側を示している。図4において編成は下から上に向かって行われる。この部分の編成ではガイド2〜5による経糸がフロントニードルFおよびバックニードルBに係合して編み込まれる。同図において点線で示されるガイド2および5による経糸は、それぞれフロントニードルFおよびバックニードルBのみ係合される。これに対してガイド3および4による経糸はフロントニードルFおよびバックニードルBの双方に係合するため表編地11と裏編地12の編目が連結した連結辺13に編成される。なお、座席カバーおよびヘッドレストカバーの型に合わせて、自由自在に連結することができる。各ガイド1〜6は、経糸をフロントニードル−バックニードル間に案内する動作と共に、隣合う1針間隔ないし2針間隔のフロント−バックニードル間に案内する動作もおこなう。この場合、図5に示すように、経糸を2針間隔に案内した部位は厚地編になり、1針間隔に案内した部位は薄地編になる。厚地編と薄地編の組合せによって柄編がなされる。また、このニードル間隔を0針にした場合、経糸どうしの編目の連結が欠かれ、図2の符号14で示されるような不連続部が形成される。なお、図5は、表編地部分を示し、実線は厚地、薄地、穴地部の各フランチンガイド3による経糸の軌道をあらわす。なお、ガイド2による経糸の軌道は省略している。 (仕上げ)原反から各座席カバーピースを切り出す前に、仕上げ加工をおこなっておくことが好ましい。ただし、この仕上げ加工は編成に関するものではなく、ソーピングによる柔軟化、漂白によるさらしなどである。温度120℃以下におこなうのが好ましい。 【0024】図6は、本発明の他の実施形態の座席カバーを示す斜視図である。 【0025】同図に示すように、原反120の流れ方向に平行の一端縁に身ごろ部よりも弾性の高い高弾性編部125をもうけており、原反120から連結辺部121上の裁断位置122によって座席カバー20を切り出している。座席カバー20の連結辺23の途中には、編目の連結を欠いた不連続部24が形成されている。この構成では袋形状の口部25が弾性が強く効いて装着性がより高められる。 【0026】このような高弾性編部125は、上記したダブルラッシェル等の編機に積極的(強制)給糸装置等を付加して、身ごろ部に付加して編成することができる。高弾性編部125は、原料を高弾性糸にしている。たとえば150デニール(48フィラメント)のウーリー加工ポリエステル糸と、210デニールのスパンデックスに30デニールのウーリー加工ポリエステルをダブルカバリングした糸の組合わせが好ましい。 【0027】図7は、図6に示す高弾性編部125の編成サイクルの一例(表編地部分)を示している。この部位では、ガイド1とガイド3による経糸を編成に用いている。特にガイド3からは高弾性糸を供給し、フロントニードルに係合させて編成している。 【0028】上述した実施例では、座席カバーについて述べたが、座席カバーに含まれるヘッドレストカバーも同様にして製造することができる。 【0029】 【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成されているので次のような効果を得ることができる。 (a)実質的に縫製レスに乗物用座席カバーを得ることができるので、工程が低減されてコストを引き下げることが可能である。また縫製不良を生じる可能性がないし、材料のトリミングロスなどの無駄が生じない。 (b)素材が柔軟であるため、形状の複雑な座席へのフィット性もよい。また形状が少し異なる座席にも共通の座席カバーを被せることが可能である。 (c)表編地と裏編地の模様を変えて、意匠性を要する部位を選択的に、がら出しすることが可能である。 (d)表編地と裏編地の編成糸を変えて、表裏の弾性を制御し、座席へのフィット性を向上させることができる。 (e)座席カバーに穴地編にて開口を編成することができるので、エアバッグの膨張を阻害しない座席カバーを容易に得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591204953 【氏名又は名称】ニッケン株式会社 【識別番号】000251060 【氏名又は名称】林テレンプ株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年7月24日(1998.7.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100070219 【弁理士】 【氏名又は名称】若林 忠 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−37268(P2000−37268A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月8日(2000.2.8) |
| 【出願番号】 |
特願平10−209786 |
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