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【発明の名称】 棚受け具
【発明者】 【氏名】山口 恵二

【要約】 【課題】棚板を前後及び上下のいずれの方向に対しても確実に保持することができ、しかも棚板の着脱作業を作業性よく容易に行うことができる棚受け具を提供する。

【解決手段】棚板の下面に当接して該棚板を支持する棚受け本体1と、該棚受け本体1の一側面に突設され、上記側板の挿入孔に挿入して棚受け本体を側板に取り付ける挿入ピン17と、一端部が上記棚受け本体に回動可能に連結されていると共に、他端部に鉤状に折曲した掛爪部22が形成されたL字板状のホルダー2とを具備してなることを特徴とする棚受け具を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 棚の側板内面に設けられた挿入孔に取り付けて、一対の側板間に棚板を支持するための棚受け具であって、棚板の下面に当接して該棚板を支持する棚受け本体と、該棚受け本体の一側面に突設され、上記側板の挿入孔に挿入して棚受け本体を側板に取り付ける挿入ピンと、一端部が上記棚受け本体に回動可能に連結されていると共に、他端部に鉤状に折曲した掛爪部が形成されたL字板状のホルダーとを具備してなることを特徴とする棚受け具。
【請求項2】 上記棚受け本体の一側部に、上記棚板の側面に当接する横ずれ防止板が設けられた請求項1記載の棚受け具。
【請求項3】 上記ホルダーの一端部が略C字状に湾曲した連結部となっており、該連結部が上記棚受け本体に上記挿入ピンと同心して形成された軸部の外周に回動可能に連結された請求項1又は2記載の棚受け具。
【請求項4】 上記棚受け本体に設けられた軸部の外周面と、上記ホルダーの一端部に設けられた連結部の内周面とに互いに嵌合する凸部と凹部とが形成されており、該凸部と凹部とが嵌合して、上記ホルダーが所定の回動角度で仮ロックされると共に、ホルダーの回動時に、上記凸部が上記連結部の弾性により該連結部内周面又は上記軸部外周面に圧接して、その摩擦抵抗によりホルダーが任意の回動角度で保持されるように構成された請求項3記載の棚受け具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、書棚、食器棚、飾り棚などの家具類や家屋内に設けられた各種収納庫などの側板に取り付けて、棚板を支持するための棚受け具に関し、更に詳述すると棚板を前後及び上下のいずれの方向に対しても確実に保持することができ、しかも棚板の着脱作業を作業性よく容易に行うことができる棚受け具に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、書棚、食器棚、飾り棚などの家具類や家屋内に設けられた各種収納庫など(以下、これらを総称して「棚」という)の側板に取り付けて、棚板を支持するための棚受け具としては、図9(A)に示した円柱状の棚受け本体aに挿入ピンbを突設したものが汎用されており、この棚受け具は、挿入ピンbを棚の側板に設けられた挿入孔に挿入して一対の側板にそれぞれ取り付け、その上に棚板を載置して棚板を支持すると共に、該棚板の下面両端部に形成した凹部内に上記棚受け本体aを挿入して棚板が前方へと抜け落ちることのないように支持するものである。
【0003】また、図9(B)に示したように、L字板状の棚受け本体cの一側面側に挿入ピンbを突設した棚受け具も知られており、この棚受け具も挿入ピンbを棚の側板に設けられた挿入孔に挿入して一対の側板にそれぞれ取り付け、棚受け本体cの上面に棚板を載せて支持すると共に、折曲した先端側を棚板の前端面に当接させて棚板の前方への抜け落ちを防止するようになっている。
【0004】しかしながら、図9(A)及び(B)に示したこれらの棚受け具は、棚板が上方へとずれると容易に棚板が外れてしまい、例えば書棚等の家具類の棚受けとして用いた場合、これら家具類を移動させる場合や引越しなどで搬送する場合に棚板が外れてしまい非常に取り扱い性に劣るものである。また、上記図9(A)の棚受け具は、棚板の下面側に棚受け本体aが嵌合する凹部を加工する必要があるが、棚板がガラスや金属などの場合には、このような凹部を加工することが困難であり、棚板の材質によっては採用しにくいという欠点もある。
【0005】そこで、従来図9(C)に示したように、L字板状の棚受け本体cの先端部を鉤状に折曲させて掛爪部dを形成した棚受け具も提案されている。この棚受け具は、上記図9(B)の棚受け具と同様にL字板状の棚受け本体c状に棚板を載置し、L字状に折曲した先端側を棚板の前端面に当接させて棚板の前方への抜け落ちを防止するものであるが、更に上記掛爪部dを棚板の上面前端縁部に引っ掛けて、棚板が上方へと外れてしまうことを防止することができるものである。
【0006】しかしながら、この図9(C)の棚受け具は、棚板を移動させる場合や取り外す場合などに、その取り外し作業の作業性が非常に悪いという欠点がある。即ち、この棚受け具により取り付けられた棚板は、上方へと持ち上げても取り外すことができず、棚受け本体cを回動させて上記掛爪部dと棚板の上面前端縁部との係合状態を解除してから棚板を取り外さなければならないが、この場合、図9(D)に示したように、掛爪部dを棚板eの上面前端縁部から外して棚受け本体cを挿入ピンbを中心に回動させるために、棚板eの前端部を上方へと持ち上げながら、これと同時進行で棚受け本体cを回動させなければならず、しかも通常棚板の左右両端部でこの棚受け具が用いられているため、棚板の左右両端部で同時にこの作業を行わなければならず、その作業は非常に作業性の悪いものである。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、棚板を前後及び上下のいずれの方向に対しても確実に保持することができ、しかも棚板の着脱作業を作業性よく容易に行うことができる棚受け具を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するため、棚の側板内面に設けられた挿入孔に取り付けて、一対の側板間に棚板を支持するための棚受け具であって、棚板の下面に当接して該棚板を支持する棚受け本体と、該棚受け本体の一側面に突設され、上記側板の挿入孔に挿入して棚受け本体を側板に取り付ける挿入ピンと、一端部が上記棚受け本体に回動可能に連結されていると共に、他端部に鉤状に折曲した掛爪部が形成されたL字板状のホルダーとを具備してなることを特徴とする棚受け具を提供するものである。
【0009】本発明の棚受け具は、上記図9(C)に示した従来の棚受け具と同様に、上記挿入ピンを棚の側板に設けられた挿入孔に挿入して一対の側板にそれぞれ取り付け、上記棚受け本体の上面に棚板を載せて支持すると共に、この棚受け本体に取り付けられたL字状に折曲したホルダーの先端側を棚板の前端面に当接させて棚板の前方への抜け落ちを防止し、かつ該ホルダーの先端部に設けられた鉤状の掛爪部を棚板の上面前端縁部に係合させて、棚板が上方へと外れてしまうことを防止するものであるが、本発明の棚受け具は、棚板が前方及び上方へとずれることを防止する上記ホルダーが、棚板を支持する棚受け本体と別体に形成され、かつこのホルダーが棚受け本体に回動可能に取り付けられているため、棚板の着脱作業を容易かつ作業性よく行うことができるものである。
【0010】即ち、本発明の棚受け具は、棚の側板に取り付けられて棚板を支持する棚受け本体と棚板の前端面及び上面前端縁部に係合するホルダーとが回動可能に連結されているため、棚の側板に取り付けられた棚受け本体で棚板を支持した状態のまま、上記ホルダーのみを回動させて該ホルダーと棚板の前端面及び上面前端縁部との係合状態を解除することができ、よって棚板の左右両端部を支持する一対の棚受け具のホルダーを片方ずつ回動させてホルダーと棚板との係合状態を解除し、棚板が単に棚受け本体上に載置された状態とすることができ、この状態で容易に棚板を取り外すことができるものである。
【0011】従って、棚板の前端部を上方へと持ち上げながら棚受け本体を回動させなければならず、しかも棚板の両端部で同時にこの作業を行わなければならない従来の棚受け具に比べて、本発明の棚受け具は遥かに作業性よく容易に棚板の取り外し作業を行うことができるものである。また、棚板の取り付け時にも、棚受け本体上に棚板を載置した後、左右の棚受け具のホルダーを片方ずつ回動させてホルダーを棚板の前端部に係合させることができ、取り付け時の作業性にも優れるものである。
【0012】このように、本発明の棚受け具によれば、棚板を前後及び上下のいずれの方向に対しても確実に保持することができ、しかも棚板の着脱作業を作業性よく容易に行うことができるものである。
【0013】
【発明の実施の形態及び実施例】以下、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。図1は、本発明の一実施例にかかる棚受け具を示すものであり、この棚受け具は、合成樹脂により成形された、棚板を支持する棚受け本体1と、棚板の前端部に係合して棚板の前後及び上方へのずれを防止するホルダー2とを具備している。
【0014】上記棚受け本体1は、図5,6に示したように、略逆三角形状の棚受け板11と円板状の横ずれ防止板12との間に軸部13を一体に形成すると共に、上記横ずれ防止板12の外面中央部には、上記軸部13と同心して挿入ピン17が一体に突設されている。
【0015】上記軸部13は、図6(A)に示されているように、断面略逆Y字状の軸芯14の軸方向中央部に円板状のリブ15が一体に形成されたものであり、上記軸芯14の二股に分かれた下端部の間が、後述するホルダー2の連結部21に設けられた凸部24が嵌入する凹部16となっている。
【0016】次に、上記ホルダー2は、図7,8に示したように、略L字状に折曲した板状のものであり、その一端部が略C字状に湾曲した連結部21となっていると共に、他端部には内側へと鉤状に折曲した掛爪部22が形成されている。
【0017】ここで、このホルダー2の外面側には、その幅方向中央部に長さ方向に沿ってリブ23が形成されており、このリブ23により良好な剛性が得られるようになっているが、略C字状に湾曲した連結部21部分にはこのリブ23は形成されておらず、この連結部21部分は弾性変形可能になっている。また、この連結部21の内面先端側やや後方には、幅方向に沿って仮ロック用の凸部24が突設されている。
【0018】このホルダー2は、図1に示されているように、一端部の上記連結部21を上記棚受け本体1の軸部13外周に回動可能に連結したものであり、図1(A)に示されているように、ホルダー2の基端側上面が棚受け本体1の棚受け板11の上端縁と一致した状態となる回動角度で、ホルダー2の連結部21内面に設けられた凸部24が棚受け本体1の軸部13外周面に設けられた凹部16内に嵌入して、ホルダー2がこの回動角度で仮ロックされるようになっている。
【0019】そして、この状態からホルダー2を強制的に回動させると、ホルダー2の上記連結部21が弾性変形して拡径し、その内周面に突設された凸部24が棚受け本体1の軸部13に形成された凹部16から抜け出て、上記仮ロック状態が解除され、図1(B)に示したように、棚受け本体1に対して任意角度に回動させることができるようになっている。このとき、ホルダー2の連結部21の上記凸部24が該連結部21の弾性により棚受け本体1の軸部13に設けられた上記リブ15の外周面に圧接して、その摩擦抵抗によりホルダー2が任意の回動角度で保持されるようになっている。
【0020】この棚受け具は、図2,3に示したように、上記棚受け本体1に突設された挿入ピン17を棚の側板gに設けられた挿入孔hに挿入して(図3参照)一対の側板g,gの内面にそれぞれ取り付け、上記棚受け本体1の上面に棚板eを載せて支持すると共に、この棚受け本体1に取り付けられた上記ホルダー2の先端側を棚板eの前端面(後側の棚受け具では後端面)に当接させて棚板eの前方への抜け落ちを防止し、かつ該ホルダー2の先端部に設けられた鉤状の掛爪部22を棚板eの上面前端縁部(後側の棚受け具では上面後端縁部)に係合させて、棚板eが上方へと外れてしまうことを防止するものである。このとき、上記棚受け本体1の棚受け板11の上端縁上に棚板eの下端面が当接し、棚受け本体1が回動してしまうことが防止され、また棚受け本体11の横ずれ防止板12が棚板eの側面に当接して棚受け具が横ずれして脱落してしまうことが防止される。なお、図2中fは棚の背板である。
【0021】この場合、本実施例の棚受け具は、棚板eが前方及び上方へとずれることを防止する上記ホルダー2が、棚板eを支持する棚受け本体1と別体に形成され、かつこのホルダー2が棚受け本体1に回動可能に取り付けられているため、棚板eの着脱作業を容易かつ作業性よく行うことができるものである。
【0022】即ち、本実施例の棚受け具は、棚の側板gに取り付けられて棚板eを支持する棚受け本体1と棚板eの前端面及び上面前端縁部に係合するホルダー2とが回動可能に連結されているため、図4に示したように、棚の側板gに取り付けられた棚受け本体1で棚板eを支持した状態のまま、上記ホルダー2のみを回動させて該ホルダー2と棚板eの前端面及び上面前端縁部との係合状態を解除することができ、またこの場合、ホルダー2の上記凸部24が棚受け本体1の軸部13のリブ15外周面に圧接することによる摩擦抵抗により、ホルダー2を任意角度回動させた状態で保持することができるものである。よって、棚板eの左右両端部を支持する一対の棚受け具のホルダー2を片方ずつ回動させてホルダー2と棚板eとの係合状態を解除し、棚板eが単に棚受け本体1上に載置された状態とすることができ、この状態で棚板eを前方へと引き出すことにより(図4中の矢印参照)、容易に棚板eを取り外すことができるものである。
【0023】従って、棚板の前端部を上方へと持ち上げながら棚受け本体を回動させなければならず、しかも棚板の両端部で同時にこの作業を行わなければならない従来の棚受け具に比べて、本実施例の棚受け具は遥かに作業性よく容易に棚板の取り外し作業を行うことができるものである。
【0024】また、棚板eを取り付ける際には、ホルダー2を所定角度回動させた図1(B)の状態で、本実施例棚受け具を側板g,gに取り付け、この状態で棚受け本体1の棚受け板11の上端縁上に棚板eを載置し、ホルダー2を上方へと回動させて、棚板eの前端部に係合させると共に、ホルダー2の連結部21に設けられた凸部24を棚受け本体1の軸部13に設けられた凹部16に嵌入させ、ホルダー2をこの状態で仮ロックさせる。このとき、棚受け本体1の棚受け板11の上端縁が棚板eの下面に当接しているので、ホルダー2の回動動作と共に棚受け本体1が共回りしてしまうようなことがなく、ホルダー2をスムーズに回動させることができ、かつ上記凸部24と凹部16との係合動作により作業終了時に良好なクリック感が得られるので、極めて作業性よくホルダー2の回動動作を行うことができる。そして、この作業を棚板eの左右両端部において片方ずつ行うことにより、棚板eをホルダー2に保持させ、棚板eを取り付けるものである。
【0025】このように、本実施例の棚受け具は、棚板eの取り付け時にも、棚受け本体1上に棚板eを載置した後、左右の棚受け具のホルダー2を片方ずつ回動させてホルダー2を棚板の前端部に係合させることができ、取り付け時の作業性にも優れるものである。
【0026】従って、本実施例の棚受け具によれば、棚板eを前後及び上下のいずれの方向に対しても確実に保持することができ、しかも棚板の着脱作業を作業性よく容易に行うことができるものである。
【0027】なお、本発明の棚受け具は、上記実施例に制限されるものではなく、棚受け本体1及びホルダー2の形状や構成は、棚板や側板の形状等に応じて適宜変更することができ、例えば、上記実施例では挿入ピン17を合成樹脂により棚受け本体1と一体に成形したが、この挿入ピン17は、金属製のものであってもよく、この場合インサート成形により金属製の挿入ピンを棚受け本体1に設けてもよく、棚受け本体成形後に金属製の挿入ピンを打ち込みなどにより取り付けてもよい。また、棚受け本体1とホルダー2との連結構造や仮ロック機構など、その他の構成についても本発明の要旨を逸脱しない限り種々変更して差し支えない。また、上記実施例では棚板eの前後を本発明の棚受け具を用いて棚板eを保持するようにしたが、本発明の棚受け具を用いて棚板を取り付ける場合、棚板の後端側は他の棚受け具を用いて支持するようにしてもよく、特に図2,4のように背板fを有する棚に棚板を取り付ける場合には、棚板が後方へとずれて外れてしまうことがないので、棚板の後端側を支持する棚受け具は、棚板を単に下から支持するだけのものであってもよい。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の棚受け具によれば、棚板を前後及び上下のいずれの方向に対しても確実に保持することができ、しかも棚板の着脱作業を作業性よく容易に行うことができるものである。
【出願人】 【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
【出願日】 平成11年6月8日(1999.6.8)
【代理人】 【識別番号】100079304
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 隆司 (外1名)
【公開番号】 特開2000−342355(P2000−342355A)
【公開日】 平成12年12月12日(2000.12.12)
【出願番号】 特願平11−160746