トップ :: A 生活必需品 :: A46 ブラシ製品




【発明の名称】 ヘアーブラシ用帯電防止紐及びヘアーブラシ
【発明者】 【氏名】池本 達也

【要約】 【課題】ヘアーブラシ等への装着など取扱いが容易でかつ安価に得られるヘアーブラシ用帯電防止紐及び帯電防止紐を装着したヘアーブラシを提供する。

【解決手段】ブラシ毛の最外周基部等にこれを囲むように装着可能な帯電防止紐1であって、導電性の繊維からなる帯電防止材3を、紐1内に一部を表面に露出するように編み込む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 導電性の繊維からなる帯電防止材が、紐内に一部を表面に露出するように組み込まれていることを特徴とするヘアーブラシ用帯電防止紐。
【請求項2】 導電性の繊維からなる帯電防止材により編組みされ又は綯われていることを特徴とするヘアーブラシ用帯電防止紐。
【請求項3】 前記紐が無端状とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載のヘアーブラシ用帯電防止紐。
【請求項4】 ブラシ毛取付部と把持部とを有するブラシ本体の前記ブラシ毛取付部に、多数のブラシ毛が直接又はブラシ毛取付体を介して起立状に設けられているヘアーブラシにおいて、前記ブラシ毛群の最外周の基部を囲むように、請求項1乃至3のいずれかに記載の帯電防止紐が装着されていることを特徴とするヘアーブラシ。
【請求項5】 前記帯電防止紐が着脱自在に装着されていることを特徴とする請求項4に記載のヘアーブラシ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばブラッシングによる毛髪等の帯電を防止できるようにしたヘアーブラシ用帯電防止紐及びこの紐を装着したヘアーブラシに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヘアーブラシには、ブラッシングによってブラシ毛及び毛髪側に帯電が生じるのを防止し、良好な整髪ができるようにしたものが知られている(例えば、実公平4−40501号公報、特許第2726624号公報参照)。このヘアーブラシは、把持部とブラシ取付部とを有するブラシ本体と、ブラシ取付部に装着されたブラシ毛植設面に多数のブラシ毛を植設してなるブラシ体と、該ブラシ体のブラシ毛植設面の幅方向両側に位置して設けられた帯状の帯電防止材とにより構成されている。
【0003】そして、前記帯電防止材の装着は、ブラシ取付部の幅方向両端部の裏面側に、凹溝を設けると共に、凹溝からブラシ取付部の表面側に通じる貫通孔を設け、帯電防止材の先端部を貫通孔からブラシ取付部の表面側に突出させるように、帯電防止材を凹溝に嵌入し、かつ棒状の固定部材を凹溝内壁と帯電防止材との間に挿入して固定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技術では、ブラシ取付部への帯電防止材の装着部分の構造が非常に複雑であり、ヘアーブラシ全体の製造が面倒でかつ製造コストが高くなるほか、ブラシ体の掃除がし難いなどの問題があった。本発明は、上記問題点に鑑み、ヘアーブラシへの装着など取扱いが容易でかつ至極便利な、しかも安価に得られる帯電防止紐と、この帯電防止紐を装着したブラシ本体側に何らかの加工をも要しないヘアーブラシを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を解決するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発明に係る帯電防止紐は、導電性の繊維からなる帯電防止材が、紐内に一部を表面に露出するように組み込まれている点に特徴がある。この場合、帯電防止材を構成する導電性の繊維(糸条体)は、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性の金属繊維、又は銅などの金属を蒸着してなる金属蒸着繊維、若しくは1価の銅イオンを吸着させた化学繊維内に金属銅を還元析出してなる繊維、或いは炭素複合繊維等からなり、これらの繊維を編組するのに適する糸状としたものが採用されている。
【0006】また、具体的には、例えば、天然又は合成繊維からなる糸及び糸状とされた帯電防止材で編織された紐本体と、天然ゴム又は合成ゴム等の弾性材からなる芯材とを備え、前記紐本体が芯材の周囲を取り囲んで帯電防止材の一部が表面に露出しかつ芯材の弾性により伸縮自在となるように構成される。この帯電防止材の露出した帯電防止紐を、静電気が生じるヘアーブラシに装着し、該ヘアーブラシにより毛髪等をブラッシングする場合、ブラッシングにより毛髪が帯電しても、毛髪側に帯電した静電気は、前記帯電防止材の露出部分に毛髪が接触することにより放電し、又は毛髪が帯電防止材に近接することにより、帯電防止材と毛髪との間にコロナ放電が効果的に発生し、これによって毛髪に生じた帯電をスムーズに緩和できる。
【0007】なお、紐は、編んだもの或いは縄のように綯ったものとすることができ、編み方はゴム編、メリヤス編等のいずれでもよく、円形、だ円形、長円形、角形等とすることができる。本発明に係る帯電防止紐は、導電性の繊維からなる帯電防止材により編組みされ又は綯われたものとすることができる。
【0008】また、本発明に係る帯電防止紐は、弾性を有し伸縮自在にされたものとすることができ、この場合、ゴム線条体を芯材として挿入するか又は組み込むことができ、これにより弾力性を増しかつ引張強度を高めて耐久性を向上させ、しかも、ヘアーブラシへの装着を確実にすることができる。そして、本発明に係る帯電防止紐は、無端状とすることができ、これにより、ヘアーブラシへの装着が容易になる。
【0009】本発明に係るヘアーブラシは、ブラシ毛取付部と把持部とを有するブラシ本体の前記ブラシ毛取付部に、多数のブラシ毛が直接又はブラシ毛取付体を介して起立状に設けられているヘアーブラシにおいて、前記ブラシ毛群の最外周の基部を囲むように、請求項1乃至4のいずれかに記載の帯電防止紐が装着されている点に特徴がある。
【0010】このヘアーブラシによれば、無端状とした帯電防止紐をブラシ毛群に外嵌するか、又は長尺の帯電防止紐をブラシ毛群の基部外周に巻きつけて結束或いは糸等により連結することができる。また、前記帯電防止紐は、ブラシ毛取付部又ブラシ毛群に接着または固着することが可能であるが、着脱自在とするのが好ましい。
【0011】即ち、帯電防止紐をヘアーブラシに着脱自在に装着すると、交換可能で使用者の好みのもの(色・形)を選択使用でき、帯電防止紐がブラシ毛によるブラッシングの妨げになることはなく、ヘアーブラシの掃除の際取り外して掃除を容易にかつきれいにすることができるほか、帯電防止紐が汚れて洗濯の必要が生じたとき或いは新品との交換に便利である。
【0012】しかも、ヘアーブラシ本体に、帯電防止紐を装着するための加工が全く不要である。なお、帯電防止材をブラシ本体又はブラシ体のブラシ毛植設面に埋設した市販のヘアーブラシにも、帯電防止紐を装着可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1、図2は、本発明に係るヘアーブラシ用帯電防止紐1の第一実施形態を示している。この紐1は、天然又は合成繊維からなる糸2及び糸状とされた帯電防止材3とで編織された紐本体1Aと、天然ゴム又は合成ゴム等の弾性材からなる芯材4により構成されており、帯電防止材3の一部が表面に露出している。
【0014】前記帯電防止材3を構成する糸条は、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の導電性の金属繊維、又は銅などの金属を蒸着してなる金属蒸着繊維、若しくは1価の銅イオンを吸着させた化学繊維(例えばアクリル繊維)内に金属銅を還元析出してなる繊維、或いは炭素複合繊維等からなっている。前記紐本体1Aの編み方は、各種編機によることができるが、ゴム編、メリヤス編等の伸縮自在なものの方が好ましい。即ち、芯材4の伸縮を阻害せず、十分にその機能を発揮させるように、紐本体1Aにも伸縮性を付与するのがよい。
【0015】そして、紐本体1Aの断面形状は、円形(図2(a)(c)(d)参照)、長円形(図2(b)参照)、だ円形(図2(e)参照)又は長方形(図2(f)参照)等の任意の形状とすることができる。また、芯材4は、その数を図2に示すように1〜複数本とすることができ、断面形状を図2に示すように円形、正方形、矩形又はテープ状等とすることができる。
【0016】前記帯電防止紐1を、静電気が生じる物例えばヘアーブラシに装着して(図1参照)、該ブラシにより毛髪等をブラッシングする場合、ブラッシングにより毛髪が帯電しても、毛髪側に帯電した静電気は、前記帯電防止材3の露出部分に毛髪が接触することにより放電し、又は毛髪が帯電防止材3に近接することにより、帯電防止材3と毛髪との間にコロナ放電が効果的に発生し、これによって毛髪に生じた帯電をスムーズに緩和できる。
【0017】なお、第一実施形態では、紐本体1Aを天然又は合成繊維糸2と帯電防止材3とで編織しているが、帯電防止材3のみで紐本体1Aを編織したものとすることができ、さらには芯材4を使用しないものとすることもできる。図3、図4は、本発明に係る帯電防止紐1の第二実施形態を示している。この第二実施形態は、前記紐1が無端状(リング状)とされている点で第一実施形態と異なっており、ヘアーブラシ(後述)への着脱が容易であるほかは第一実施形態と同じ作用効果を奏する。
【0018】前記帯電防止紐1の両端を接続して無端状とする場合、図4(a)〜(e)に示す要領で連結することができる。即ち、図4(a)は、芯材4の両端を紐本体1Aの両端よりも短かくし、紐本体1Aの両端にまたがって補助芯体5(ゴム、金属、木材、合成樹脂等からなる短尺棒)を挿入して相互に突き合わせ、これらを接着剤により接着し一体化してリング状の帯電防止紐1とするものである。
【0019】図4(b)は、紐本体1Aの両端を夫々が互いに反対側となるように重ね合わせ、接着剤により接着し無端状の帯電防止紐1とするものである。図4(c)は、合成樹脂、金属等の接続短管6の両端に、紐本体1Aの両端を対向状に挿入して突き合わせ、接着剤により相互に接着一体化し無端状の帯電防止紐1とするものである。
【0020】図4(d)は、紐本体1Aの両端を夫々が互いに反対側となるように重ね合わせ、この重ね合わせた部分を糸等7により巻いて縛り、連結一体化して無端状の帯電防止紐1とするものである。なお、この場合、接着剤を併用することができる。図4(e)は、紐本体1Aの両端を揃えて重ね合わせ、この重ね合わせた部分を糸等7により巻いて縛り、連結一体化して無端状の帯電防止紐1とするものである。なお、この場合も、接着剤を併用することにより、接着強度をさらに増大させることができる。
【0021】図5、図6は、本発明に係るヘアーブラシ10の第一実施形態を示している。このヘアーブラシ10は、ブラシ毛取付部11と把持部12とを有するブラシ本体10Aと、前記ブラシ毛取付部11に直接植設されたブラシ毛10Bと、本発明に係る前記帯電防止紐1とにより構成されている。前記ブラシ本体10Aは、ABS樹脂等の硬質合成樹脂、木その他により構成されている。また、ブラシ毛10Bは、ナイロン、ポリエステルエラストマー、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂材、金属条の導電体又は天然毛により構成され、前記ブラシ毛取付部11に形成した取付孔13を介して複数本ずつ植毛面11Aに起立状に植設されている。
【0022】そして、前記帯電防止紐1はリング状とされ、前記ブラシ毛10B群の最外周の基部を囲みかつ植毛面11A端部に接するように外嵌装着されており、該帯電防止紐1がその芯材4の弾性によりブラシ毛10B群を外周から締めつけている。したがって、帯電防止紐1は、故意にこれを外ずさない限り、ブラシ毛11B群から自然に外ずれることはなく、しかも、毛髪をブラッシングしても外ずれない。
【0023】また、前記帯電防止紐1は、前述のように伸縮自在に構成されているので、これを前記ブラシ毛10Bの基部に装着する場合は、該紐1を伸張させて輪を広げることによって、簡単に外嵌装着でき、交換、洗濯、掃除などで取り外す場合も、帯電防止紐1を伸張させて輪を広げることにより、容易に取り外すことができる。
【0024】上記ヘアーブラシ10の第一実施形態によれば、帯電防止紐1がリング状でかつ伸縮自在であるから、ブラシ毛10Bへの着脱が容易で、しかも毛髪の帯電をスムーズに緩和し、安定したブラッシングができ、しかも帯電防止紐1がブラシ毛10Bによるブラッシングの妨げになることもない。即ち、このヘアーブラシ10を使用する場合、ブラッシングの際に毛髪が帯電しても、前述のように、毛髪側に帯電した静電気は、帯電防止紐1の表面に露出した帯電防止材3に接触することにより放電し、又は毛髪が帯電防止材3に近接することにより、帯電防止材3と毛髪との間にコロナ放電が効率的に発生し、これによって毛髪に生じた帯電を緩和できる。
【0025】また、前記ヘアーブラシ1を掃除するときは、帯電防止紐1をブラシ毛10Bから取り外すことにより、掃除がし易くかつきれいにすることができる。そして、前記紐本体内にゴム等の弾性材からなる芯材を挿入して伸縮自在にすることで、静電気を生じる物体への着脱を容易に、かつ確実・強固にすることができる。
【0026】なお、前記ヘアーブラシ1は、市販の各種ヘアーブラシに帯電防止紐1を上述のようにして装着することにより、本発明に係るヘアーブラシ1を完成させることができる。即ち、ブラシ毛10Bをブラシ本体10Aに直接植設したヘアーブラシは勿論のこと、ブラシ毛をブラシ取付部にブラシ取付体を介して起立状に設けたもの、さらには、帯電防止材をブラシ取付部或いはブラシ取付体に、又はブラシ取付部とブラシ取付体の間に組込んだ公知のヘアーブラシにも、前記帯電防止紐1を装着することができる。この場合、前記帯電防止紐1は、そのリングの大きさを各種ヘアーブラシの大きさに適応する寸法としたもの複数種を揃えておくことで対応できる。
【0027】図7は、本発明に係るヘアーブラシ10の第二実施形態を示し、第一実施形態と異なるところは、帯電防止紐1が有端状でその両端部をクリップリング14により挟着固定することでリング状とされている点であり、一本の帯電防止紐1とクリップリング14で各種サイズのヘアーブラシに対応させうる点以外は、第一実施形態と同等の作用効果を奏する。この場合、長尺の帯電防止紐1を、ヘアーブラシのサイズに対応させて所要寸法に切断して使用できる。
【0028】図8は、本発明に係るヘアーブラシ10の第三実施形態を示し、他の実施形態と異なるところは、有端状の長尺帯電防止紐1をブラシ毛10B群の最外周に巻いて、該紐1の両端をブラシ本体1Aの把持部12のブラシ毛10A起立側でクロスさせた後、反対側に回してから把持部12の端部に設けた孔15に挿入した点であり、クリップリングが不要である点で第二実施形態より勝っている外は、第二実施形態と同等の作用効果を奏する。
【0029】なお、第三実施形態において、帯電防止紐1の両端部を、図8に2点鎖線16で示すように、ブラシ毛10Bの反対側で結束することができ、これにより任意長さの帯電防止紐1を容易にかつしっかりと装着することができる。また、本発明に係るヘアーブラシ10は、帯電防止紐1に手を触れることにより、毛髪及びブラシ毛に生じた静電気を人体を通してアースすることができる。そして、帯電防止紐1は、帯電防止材3のみで編織したものは勿論のこと、芯材4のないもの、或いは縄のように綯ったものでよい。
【0030】なお、前記実施の形態では、ヘアーブラシ用帯電防止紐1を、弾性により伸長した状態で、ブラシ毛取付部11のブラシ毛10B群の最外周の基部をリング状に囲むように装着しているが、これに代え、ブラシ毛取付部11にヘアーブラシ用帯電防止紐1を嵌合保持する嵌合凹部をブラシ毛10B群の最外周を囲むようにリング状に設け、この嵌合凹部に、ヘアーブラシ用帯電防止紐1をブラシ毛群の最外周の基部を囲むように着脱可能に嵌合保持するようにしてもよいし、また、ブラシ毛取付部11のブラシ毛10B群の外側又は内側に、ヘアーブラシ用帯電防止紐1を嵌合保持する嵌合凹部をリング状、直線状又はその他の形状に設け、この嵌合凹部に、ヘアーブラシ用帯電防止紐1を着脱可能に嵌合保持するようにしてもよい。この場合、ヘアーブラシ用帯電防止紐1の周方向の一部がブラシ毛取付部11よりもブラシ毛10B突出側に突出するようにすることが好ましい。
【0031】
【発明の効果】本発明に係る帯電防止紐によれば、導電性の繊維からなる帯電防止材が、紐内に一部を表面に露出するように組み込まれているので、静電気が生じる物体例えばヘアーブラシ等に装着して、帯電をスムーズに緩和させることができ、しかも、着脱が容易であり、安価に得ることが可能である。
【0032】本発明に係るヘアーブラシは、ヘアーブラシのブラシ毛群の最外周の基部を囲むように、前記帯電防止紐が装着されたものであるから、ブラシ本体側或いはブラシ体に帯電防止材装着の加工が全く不要で、かつ着脱が至極容易であり、安価に得ることができ、ブラッシングに際して帯電防止紐がブラシ毛によるブラッシングの妨げにならずスムーズに整髪でき、帯電によりパチパチという不快音が発生したりブラシ通りが悪くなるのを防止できる。
【0033】さらに、前記帯電防止紐を着脱自在とすることにより、ヘアーブラシの掃除に際して帯電防止紐を取り外して行なえ、掃除を容易にかつきれいにすることができ、帯電防止紐の洗濯もでき常に清掃に保持できるほか、新品や自分の個性に合った帯電防止紐との交換が可能であるほか、市販の各種ヘアーブラシへの装着もできる。
【出願人】 【識別番号】390024316
【氏名又は名称】池本刷子工業株式会社
【出願日】 平成10年7月17日(1998.7.17)
【代理人】 【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
【公開番号】 特開2000−33011(P2000−33011A)
【公開日】 平成12年2月2日(2000.2.2)
【出願番号】 特願平10−203556