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【発明の名称】 ヘアカラー処理方法およびその装置
【発明者】 【氏名】加藤 昇

【要約】 【課題】染料が流れたり薄まることがないうえに、髪を傷めることもないヘアカラー処理方法およびその装置を提供する。

【解決手段】蒸気発生装置2により発生された蒸気を混合室1で外気と混合させて温度設定を行うとともに、温度設定時の蒸気冷却により生じる凝縮水を混合室空間内で分離して、設定温度の蒸気のみを頭部被套体4に送出するヘアカラー処理方法および、蒸気発生装置2と外気導入装置3とに接続されて蒸気と外気とを混合して温度設定を行う混合室1に、蒸気冷却による凝縮水を分離する機能をもたせるとともに、該混合室1に設定温度の蒸気のみを送出する頭部被套体4を接続したヘアカラー処理装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 蒸気発生装置(2) により発生された蒸気を混合室(1) で外気と混合させて温度設定を行うとともに、温度設定時の蒸気冷却により生じる凝縮水を混合室空間内で分離して、設定温度の蒸気のみを頭部被套体(4) に送出することを特徴とするヘアカラー処理方法。
【請求項2】 蒸気発生装置(2) と外気導入装置(3) とに接続されて蒸気と外気とを混合して温度設定を行う混合室(1) に、蒸気冷却による凝縮水を分離する機能をもたせるとともに、該混合室(1) に設定温度の蒸気のみを送出する頭部被套体(4) を接続したことを特徴とするヘアカラー処理装置。
【請求項3】 混合室(1) の天井部に頭部被套体(4) と接続される蒸気送出孔が形成されている請求項2に記載のヘアカラー処理装置。
【請求項4】 混合室(1) が凝縮水の貯留タンクを兼ねるものである請求項2または3に記載のヘアカラー処理装置。
【請求項5】 混合室(1) と凝縮水の貯留タンク(14)が分離されている請求項2または3に記載のヘアカラー処理装置。
【請求項6】 蒸気発生装置(2) に給水装置(8) が接続されている請求項2または3または4または5に記載のヘアカラー処理装置。
【請求項7】 凝縮水が蒸気発生装置(2) に還流される請求項2または3または6に記載のヘアカラー処理装置。
【請求項8】 外気導入装置(3) の吸引ファン(3a)が頭部被套体(4) の送風ファンを兼ねるものである請求項2または3または4または5または6または7に記載のヘアカラー処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヘアマニキュアや酸性カラー等のヘアカラー処理時、髪を加温、加湿して染色を促進させるヘアカラー処理方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ヘアマニキュアや酸性カラー等のヘアカラー処理を行う際、染色を促進させるために行う髪の加温、加湿は、ヘアスチーマーや超音波加湿器、あるいは遠赤外線ランプ等を用いていた。しかし、ヘアスチーマーは80〜90度の蒸気が吹出されるため、その蒸気がヘアスチーマーのヘッドキャップ内の空気と触れることにより蒸気は冷却され、設定温度となるようになっている。しかし、蒸気が冷却されることによって生じる凝縮により凝縮水が発生し、この凝縮水によって髪を染めた染料が淡くなったり、思い通りの色に染められなかったり、髪を染めた染料が凝縮水に洗い流されてお客様の額や顔に流れて、顔や額に染料を付着させるという問題があるうえに、染料を含んだ凝縮水がスチーム発生釜内に還流して水を汚染させ、蒸気中に染料臭が残ったり、蒸気に含まれる染料が送出されてヘアカラー処理の色をくすませるという問題もあった。また、超音波加湿器はミストのためヘアスチーマーより水分は少ないが使用時間が長くなるとミストが成長して水滴となり、この水滴により、前記ヘアスチーマーと同じように、染色が薄くなったり、思い通りの色に染まらなかったり、洗い流された染料がお客様の顔や額に付着するという問題があるうえに、染料を含んだ水滴がミスト発生槽に還流して、染料臭が生じさせたり、ヘアカラー処理の色をくすませるという問題がある。そのうえ、ミストのため温度が低く染料の定着が遅くなるという問題もあった。また、遠赤外線ランプを用いる場合は、ヘアスチーマーや超音波加湿器のように凝縮水や水分により染料が流れたり、染料が薄まって思い通りの色にならないという問題は発生しないが、逆に加湿しないため、髪が乾燥してぱさつきパーマやヘアダイにより髪が傷んでいる人は、より一層髪を傷めるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は染料が流れたり薄まることがないうえに、髪を傷めることもないヘアカラー処理方法およびその装置を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するため本発明は、蒸気発生装置により発生された蒸気を混合室で外気と混合させて温度設定を行うとともに、温度設定時の蒸気冷却により生じる凝縮水を混合室空間内で分離して、設定温度の蒸気のみを頭部被套体に送出するヘアカラー処理方法を請求項1の発明とし、蒸気発生装置と外気導入装置とに接続されて蒸気と外気とを混合して温度設定を行う混合室に、蒸気冷却による凝縮水を分離する機能をもたせるとともに、該混合室に設定温度の蒸気のみを送出する頭部被套体を接続したヘアカラー処理装置を請求項2の発明とし、請求項2の発明において、混合室の天井部に頭部被套体と接続される蒸気送出孔が形成されているヘアカラー処理装置を請求項3の発明とし、請求項2または3の発明において、混合室が凝縮水の貯留タンクを兼ねるヘアカラー処理装置を請求項4の発明とし、請求項2または3の発明において、混合室と凝縮水の貯留タンクが分離されているヘアカラー処理装置を請求項5の発明とし、請求項2または3または4または5の発明において、蒸気発生装置に給水装置が接続されているヘアカラー処理装置を請求項6の発明とし、請求項2または3または6の発明において、凝縮水が蒸気発生装置に還流されるヘアカラー処理装置を請求項7の発明とし、請求項2または3または4または5または6または7の発明において、外気導入装置の吸引ファンが頭部被套体の送風ファンを兼ねるものである発明を請求項8の発明とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の第1の好ましい実施の形態を図1に基づいて詳細に説明する。1は蒸気と外気との混合室であり、該混合室1には蒸気発生装置2と外気導入装置3が接続されて蒸気温度を40〜50℃に降下させるとともに、蒸気冷却により生じる凝縮水を混合室1で分離し、分離された凝縮水を貯留するものである。また、前記混合室1には40〜50℃に温度設定された蒸気が送出される頭部被套体4が接続されている。前記蒸気発生装置2は蒸気釜2aと、蒸気釜2a内の水中に浸漬されるヒータ2bとよりなるもので、混合室1と蒸気発生装置2とは蒸気釜2aの天井面に形成された蒸気吐出孔2cと混合室1の天井面に形成された蒸気導入孔1aとを導管6により接続している。また、前記外気導入装置3は吸引側を外気に連通させるとともに吐出側を混合室1の天井面に形成した外気導入孔1bに接続した吸引ファン3aよりなるもので、混合室1内に吐出された外気により内部の蒸気は攪拌冷却される。さらに、前記頭部被套体4は混合室1の天井面に形成される蒸気吐出管1cとフレキシブルホース5を介して接続されるもので、該頭部被套体4はアルミやゴム等を付着して非通気処理させた布等よりなるヘアキャップとしている。このヘアキャップの下部開口4aはゴム紐等により伸縮自在として頭部に簡単に被套できるようにしている。4bはヘアキャップとしての頭部被套体4に取り付けられるジョイントであり、該ジョイント4bを介して頭部被套体4は前記フレキシブルホース5と接続される。4cは頭部被套体4の上面前部に形成された3個の蒸気抜き孔である。
【0006】8は蒸気発生装置2の蒸気釜2aに給水を行う給水装置であり、該給水装置8は給水槽8aと、該給水槽8aに消費水量分だけ水を補給する補水タンク9とよりなるもので、給水槽8aと蒸気釜2aとは各底部に配管接続される導管8bにより連通されて、給水槽8aと蒸気釜2aとの水位を常時同じレベルに維持できるものとしている。また、前記補水タンク9は給水槽8a上に着脱自在に装着されるもので、補水タンク9の底部から垂設される補水管9aを、給水槽8aの差込孔を通じて給水槽8a内の奥部まで嵌挿させたものである。そして、前記補水管9aの下部側面に形成された排水孔9bを塞いで水圧のバランスがとれる位置まで水は供給されるので、排水孔9bの位置が給水槽8aの水位レベル、すなわち蒸気釜2aの水位レベルとなる。10は混合室1の蒸気吐出管1cに配置されるサーミスタであり、該サーミスタ10は吐出される蒸気温度を検知して、蒸気発生装置2のヒータ2aをオンオフあるいは吸引ファン3aの回転数を制御して頭部被套体4に供給する蒸気温度を設定値に制御している。11は混合室1の天井内面に取り付けられた水位検出用のフロートであり、該フロート11は混合室1内の凝縮水量がフロート11を浮き上がらせる満水状態に達すると図示しないブザー等により警報を発するものである。13は混合室1のドレン管12に取り付けられる開閉弁、14は給水槽8aと蒸気釜2aとを連通させる導管8bに接続される開閉弁付きのドレン管である。
【0007】このように構成されたものは、先ず、給水槽8aに補水タンク9を装着して給水槽8a内に所定水位の水を供給する。この給水により、給水槽8a内の水は導管8bを通じて蒸気釜2a内に給水され、蒸気釜2a内には規定水位の水が供給されることとなる。このようにして蒸気釜2a内に水が供給されたら、蒸気発生装置2を作動させて蒸気釜2a内の水中に浸漬されるヒータ2bに通電し、蒸気釜2a内の水を沸騰させる。このとき混合室1内の蒸気温度は40〜50℃でヒータ2bをオンオフするサーミスタ10により制御される。そして、ヘアカラー処理を行う際には、混合室1の蒸気吐出管1cとフレキシブルホース5を介して接続される頭部被套体4を、伸縮自在な下部開口4aを開いてお客様の頭部に被套する。
【0008】そして、外気導入装置3の吸引ファン3aを作動させて混合室1内に外気を導入する。この外気の導入により混合室1内の蒸気温度は降下することとなるが、混合室1内の蒸気温度はサーミスタ10により検知され、検知された蒸気温度に基づいて蒸気発生装置2のヒータ2bは制御されて、常時40〜50℃に設定維持された蒸気が蒸気吐出管1cより吐出され、頭部被套体4に供給される。この混合室1における蒸気と外気の混合の際、蒸気が冷却されて凝縮が起こり凝縮液滴が混合室1内に浮遊することとなるが、この凝縮液滴は吸引ファン3aによって生じる攪拌気流により相互に衝突して成長し、その重みで沈降してゆき、凝縮水として混合室1の底部に貯留される。このため、頭部被套体4に供給される40〜50℃の蒸気中には凝縮液滴が除去されることとなり、頭部被套体4内は凝縮水により湿潤されることがなく、髪を染めている染料が凝縮水で流されたり、薄まったりすることがないので、色のくすみや、顔や頭皮に染料が付着することもなく、染色が促進されることとなる。また、混合室1内に貯留される凝縮水は一部が蒸発して頭部被套体4に送り出される蒸気中の水分を補うこととなる。しかし、混合室1内に貯留される凝縮水量が満水状態となると、フロート11が作動して警報を発するので、使用者はドレン管12に取り付けられた開閉弁13を開いて貯留されている凝縮水を排水するものである。
【0009】また、図2に示される第2の好ましい実施の形態は、混合室1の底部を蒸気釜2aの水位レベルより高くなるように配置するとともに、混合室1のドレン管12を導管8bに接続して凝縮水が蒸気発生装置2の蒸気釜2a内にフィードバックされるようにして水を無駄なく有効利用するとともに、混合室1にフロート11を不要としてコストダウンを図るものとした点が前記第1の好ましい実施の形態と異なる以外、基本的な作用および効果は同じため同一符号を付して説明を省略する。
【0010】さらに、図3に示される第3の好ましい実施の形態は、混合室1の下方に凝縮水の貯留タンク15を設けるとともに、該貯留タンク15に水位検出用のフロート16を取り付け、貯留タンク15内の凝縮水量がフロート16を浮き上がらせる満水状態に達した際、図示しないブザー等により発せられる警報に基づいて使用者は貯留タンク15のドレン管17の開閉弁17aを開いて排水を行うものとしており、このように、貯留タンク15と混合室1とを分離することにより、頭部被套体4から混合室1内に一部還流された染料が凝縮水に混じって、再び、蒸発して頭部被套体4に送り出されることを防ぐとともに、染料臭や色の異なる染料が蒸気中に混じって染色をくすませることをより確実に防止する点が前記第1、2の好ましい実施の形態と異なる以外、基本的な作用および効果は同じため同一符号を付して説明を省略する。
【0011】また、図4に示される第4の好ましい実施の形態は、第3の好ましい実施の形態と同じように、混合室1の下方に凝縮水の貯留タンク15を設けるとともに、貯留タンク15に水位検出用のフロート16を取り付け、貯留タンク15内の凝縮水量がフロート16を浮き上がらせる満水状態に達した際、図示しないブザー等により発せられる警報に基づいて使用者は貯留タンク15のドレン管17の開閉弁17aを開いて排水を行うものとして、貯留タンク15と混合室1とを分離することにより、頭部被套体4に色の異なる染料が混じったり、染料臭のある蒸気が供給されないようにする。また、混合室1の側壁上方部に蒸気導入孔1aを形成するとともに、その蒸気導入孔1aに蒸気釜2aから蒸気を供給する導管6を、その先端が混合室1の内部に張出されるように接続し、また、混合室1の側壁下方部に外気導入孔1bを形成するとともに、その外気導入孔1bに吸引ファン3aから外気を供給する導管を、その先端が混合室1の内部に張出されるように接続して、混合室1の内壁面に付着する結露水や凝縮水が蒸気釜2aや吸引ファン3aの導管内に還流することを防止し、染料臭や染料が蒸気に含まれて頭部被套体4に供給されることをより確実に防止し、さらに、頭部被套体4を布に非通気性のアルミやゴム等を付着させたヘアキャップとせず、安価な透明軟質ビニール樹脂よりなるものとして、汚れたら廃棄するようにした点が前記第1、2、3の好ましい実施の形態と異なる以外、基本的な作用および効果のため同一符号を付して説明を省略する。
【0012】なお、前記各好ましい実施の形態では、頭部被套体4を非通気性材を被着させた布や透明軟質ビニール樹脂を用いたヘアキャップとしているが、硬質のプラスチックで成形された筒状の頭部被套体4としてよいことは勿論である。また、前記各好ましい実施の形態では、吸引ファン3aを頭部被套体4への送風ファンと兼ねさせているが、吸引ファン3aと送風ファンを別々に設けてもよい。さらに、前記各好ましい実施の形態では、給水装置8を設けているが、蒸気発生装置2の蒸気釜2aに水を供給するようにしてもよいことは勿論である。
【0013】
【発明の効果】本発明は前記説明によって明らかなように、蒸気発生装置により発生された蒸気を混合室で外気と混合させて温度設定を行うとともに、蒸気を冷却するする際発生する凝縮水を混合室内の空間で分離して設定温度の蒸気のみを頭部被套体に送り出すようにしたから、髪を染めている染料が凝縮水により薄まって色が淡くなったり、髪を染めている染料が凝縮水により洗い流されて、額や顔に染料が付着することがない。また、請求項3のように、混合室の天井部に蒸気送出孔を形成することにより、染料を含んだ蒸気が蒸気発生装置に還流しやすくなることを防ぎ、蒸気に染料臭を生じさせたり、色の異なる染料を含んで色をくすませることもない。請求項4のように、混合室を凝縮水の貯留タンクと兼ねさせることにより、装置を小型軽量で安価なものとすることができるうえに、貯留した凝縮水から蒸発する水分により、頭部被套体に送出される蒸気に水分を与えることができる。請求項5のように、混合室と凝縮水の貯留タンクとを分離することにより、頭部被套体から一部混合室に還流してくる染料が凝縮水に含まれて、再び蒸発して頭部被套体に送出されることを一層確実に防止できることとなる。請求項6のように、給水装置を蒸気発生装置に接続することにより、水を補給せずに長時間の連続使用が可能となるうえに、水の補給が極めて簡単となる。請求項7のように、凝縮水が蒸気発生装置に還流されるものとすることにより、水を無駄なく有効に使用することができる。請求項8のように、吸引ファンが頭部被套体の送風ファンを兼ねるものとすることにより、1個のファンで吸引と送風を行うことができ、コウストダウンを図ることができるうえに、装置を軽量小型で安価なものとすることができる等種々の利点を有するものである。従って、本発明は従来の問題点を解決したヘアカラー処理方法およびその装置として業界の発展に寄与するところ大なものである。
【出願人】 【識別番号】391012006
【氏名又は名称】株式会社ピジョン
【出願日】 平成11年1月18日(1999.1.18)
【代理人】 【識別番号】100059096
【弁理士】
【氏名又は名称】名嶋 明郎 (外2名)
【公開番号】 特開2000−201731(P2000−201731A)
【公開日】 平成12年7月25日(2000.7.25)
【出願番号】 特願平11−9197