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【発明の名称】 加温具
【発明者】 【氏名】土屋 勝

【氏名】伊藤 隆司

【要約】 【課題】髪の柔軟化、くせ矯正、弾性付与、染色等の頭髪処理や養毛・育毛処理等の頭皮処理が手軽に効率よく行え、加温ムラの生じにくい加温具を提供すること。

【解決手段】加温部20を有する加温用キャップ2からなる頭髪・頭皮加温用の加温具であり、加温部20は、複数個の加温体24で形成され、該加温体24は、全体で略楕円形状を形成するように配されている加温具1。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 加温部を有するキャップからなる頭髪・頭皮加温用の加温具であって、前記加温部は、複数個の加温体で形成され、該加温体は、全体で略楕円形状を形成するように配されている加温具。
【請求項2】 加温部を有するキャップからなる頭髪・頭皮加温用の加温具であって、前記加温部は、複数個の加温体で形成され、該加温体は、全体で略半円形状を形成するように配されている加温具。
【請求項3】 前記キャップは、耐水性の内層シートと、該内層シートの片表面に配された複数の加温体とからなる、2枚の略同形の加温用シートを、互いの周縁部をキャップの開口部が形成されるように且つそれぞれ内層シートがキャップ内面を形成するように接合固定してなる、請求項1又は2記載の加温具。
【請求項4】 開口部周縁に沿って配された係合部材と、該係合部材に着脱自在に係合される止着部を有する止着部材とにより構成された、開口部を着用者の頭部に密着させる開口部密着手段が設けられている請求項1又は2記載の加温具。
【請求項5】 複数個の前記加温体間には、高熱伝導シートが配されている請求項1又は2記載の加温具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、簡便に、ムラなく頭髪又は頭皮を加熱できる加温具に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来より、各種頭髪・頭皮の処理を行う際に、頭部に装着して用いる加温具は提案されている。しかし、従来提案されている加温具は、加温部の形状が頭部へのフィット性に劣る形状であり、加温ムラによる頭髪処理剤の効きムラ、例えば、染色ムラが生じた。また、従来提案されているカイロは、キャップ本体にポケットを設け、そこに市販の矩形カイロを挿入して使用するものであった。この場合、カイロが矩形である為に頭髪被覆性が悪く、加温ムラを生じた。また、頭曲面を適当に分割し、それら分割形のカイロをキャップに組込むものも提案されているが、分割の仕方が不適当な為に、キャップを折りたたむ事ができない等の問題があった。
【0003】従って、本発明の目的は、髪の柔軟化、くせ矯正、弾性付与、染色等の頭髪処理や養毛・育毛処理等の頭皮処理が被るだけで手軽に行え、加温ムラが生じにくく、コンパクトにたたむことのできる加温具を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、加温部を有するキャップからなる頭髪・頭皮加温用の加温具であって、前記加温部は、複数個の加温体で形成され、該加温体は、全体で略楕円形状を形成するように配されている加温具(以下、「第1発明」という場合にはこの発明を指す)を提供することにより前記目的を達成したものである。また、本発明は、加温部を有するキャップからなる頭髪・頭皮加温用の加温具であって、前記加温部は、複数個の加温体で形成され、該加温体は、全体で略半円形状を形成するように配されている加温具(以下、「第2発明」という場合にはこの発明を指す)を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の加温具の好ましい1実施形態について説明する。第1発明の1実施形態としての本実施形態の加温具1は、図1に示すように、加温部20を有するキャップ(以下「加温用キャップ」という)2からなる頭髪・頭皮加温用の加温具である。
【0006】本実施形態における加温具1は、加温部20を有する加温用シート21を2枚接合してなる加温用キャップ2からなる。従って、加温部20は、加温具1の前後両側に2つ設けられている。加温用シート21は、耐水性の内層シート23と、内層シート23の片表面全面を覆って配された通気性シート25と、内層シート23及び通気性シート25とにより狭持固定された複数の加温体24とからなる。そして、加温用キャップ2は、2枚の略同形の加温用シート21における互いの周縁部(湾曲周縁部22a)を、キャップの開口部4が形成されるように且つそれぞれ内層シート23がキャップ内面を形成するように接合固定されている。湾曲周縁部22aは、通気性シート25同士を当接させてヒートシールして接合固定されており、シールされた部分は、加温用キャップ2(加温具1)の内面側に位置している。また、各加温体24は、それぞれ、内層シート23と通気性シート25とを接合させることにより、それぞれ分離されている。
【0007】そして、加温部20は、複数個の加温体24で形成されて、該加温体24は、全体で略楕円形状を形成するように配されている。更に詳述すると、加温部20は、楕円の長手方向両端部を切り欠いた形状となされており、加温体24の存在しない部分が形成される。本実施形態の加温具1において、加温体24は、下記■〜■の形態のように配することができる。
■楕円形状の加温部20を、その長手方向に分割するように配した形態。
■楕円形状の加温部20を、その幅方向に分割するように配した形態。
■楕円形状の加温部20を、その長手方向及び幅方向に分割するように配した形態。
■楕円形状の加温部20を、その斜め方向に分割するように配した形態。
■楕円形状の加温部20を、その長手方向、幅方向及び斜め方向に分割するように配した形態。
これらの分割配置により、キャップを簡単に折りたたむ事ができる。また、全体として略楕円形である事で、高い頭髪被覆性を実現できる。
【0008】各形態について具体的に説明すると、前記■の形態としては、加温部20が長手方向中央部で2つに分割されるように2つの加温体24を配した形態、加温部20が長手方向に3つに分割されるように3つの加温体24を配した形態、加温部20が長手方向に4つに分割されるように4つの加温体24を配した形態、等が挙げられる。■の形態としては、加温部20が幅方向中央部で2つに分割されるように2つの加温体24を配した形態、等が挙げられる。■の形態としては、加温部20が長手方向中央部で2つに分割され且つ幅方向中央部で2つに分割されるように、4つの加温体24を配した形態、加温部20が長手方向に3つに分割され且つ幅方向中央部で2つに分割されるように、6つの加温体24を配した形態、加温部20が長手方向に4つに分割され且つ幅方向中央部で2つに分割されるように、8つの加温体24を配した形態、等が挙げられる。■の形態としては、加温部20が、長手方向中央部で2つに分割され、更にそれぞれが斜め方向に2つに分割されるように、4つの加温体24を配した形態、加温部20が斜め方向に3つに分割されるように3つの加温体24を配した形態、加温部20が×状に4つに分割されるように、4つの加温体24を配した形態、等が挙げられる。尚、これらの際には、加温具1における配置方向を、3角形状の各加温体24の頂部24aを加温具の頂部側及び開口部4側の何れに向けて配しても良い。■の形態としては、加温部20が、長手方向中央部で2つに分割され、更に×状に4つに分割されるように、6つの加温体24を配した形態、等が挙げられる。
【0009】また、加温部は、6つに分割された形態としてもよい。前記の■〜■の形態の中では、加温具を折り畳む際の簡便さ、大きさの点から、■の形態が好ましい。
【0010】加温用キャップ2は、その開口部4の半周縁の長さLが、32〜42cm、好ましくは35〜39cmであり、その深さTが15〜23cm、好ましくは17〜21cmである。前記長さLを、32cm以上とすることにより、多くの人にとって加温具を被る事が容易となり、42cm以下とすることにより、加温具と頭部との間に隙間を生じさせずに、加温効率を向上させることができる。前記深さTが、15cm以上とすることにより、多くの人にとって加温具を被る事が容易となり、23cm以下とすることにより、加温具と頭部との間に隙間を生じさせずに、加温効率を向上させることができる。ここで、前記「深さ」は、加温用キャップ2の内面の高さであり、キャップを畳んで(本実施形態においてはキャップの前方と後方とが当接するように畳んで半円形とする)開口部周縁を直線状とし、直線状になされた開口部周縁の中心点とキャップ頂点とを結ぶ線の長さを意味する。
【0011】また、本実施形態においては、開口部4縁部41を着用者の頭部に密着させる開口縁部密着手段5を有する。具体的には、開口縁部密着手段5は、開口部4縁部41のほぼ全域に亘って設けられ、2つの端部51aを有するチューブ状の縁取り部51と、縁取り部51の両端部51a,51aから端部が延出されるように該縁取り部51の内部を挿通して配されたひも部材52とからなる。開口縁部密着手段5が設けられていることにより、本発明の頭髪・頭皮加温用具1を、装着した際に、開口部4の縁部41を頭部に密着させて固定することができる。
【0012】更に、本実施形態においては、開口部4側に位置する開口部側領域42を着用者の頭部に密着させる開口部側領域密着手段6を有する。具体的には、開口部側領域密着手段6は、開口部4周縁に沿って配された係合部材61としての機械的ファスナーのメス材と、係合部材61に着脱自在に係合される止着部63としての機械的ファスナーのオス材を有する止着テープからなる止着部材62とにより構成されている。止着部材62は、幅広の固定部64と固定部64に比して幅細で先端側に止着部63が配された自由部65とからなる。そして、自由部64が下方に向くように、固定部64を斜め下向きに、図1における裏面側の加温用シート20に接着剤を介して固着されている。また、係合部材61は、長方形状であり、図1における表面側の加温シート20に、開口部4側即ちキャップ下方に位置するように配されている。尚、端部51a,51aも、係合部材61の下方に位置されており、係合部材61及び端部51a,51aを共に着用者の正面に向けて着用するのが、最も装着性に優れるような形態になされている。
【0013】複数個の加温体24間には、高熱伝導シートが配されている(図示せず)。この高熱伝導シートは、各加温体24を連結するように、各加温体間の隙間を埋めて配される。これにより、加熱ムラをより減少させることができる。
【0014】内層シート23としては、耐水性と柔軟性とを備える素材、例えばポリエチレンのシート、ポリプロピレンのシート、塩化ビニルのシート等が用いられる。通気性シート25としては、通常の使い捨てカイロ等に用いられているものの他、通気性のあるシートであれば、特に制限なく用いることができる。
【0015】本実施形態において、加温体24は、通常の使い捨てカイロと同様に、鉄粉を主成分とし、空気に触れることにより発熱する発熱体であるが、この他、加温体としては、電気抵抗体を用いた通電により発熱する発熱体、水と接して発熱するものを有する発熱体等が挙げられる。また、熱を保持する性能の高い蓄熱剤、例えば、ポリエチレングリコール等を用いて形成してもよい。ただし、加温体として鉄粉を主成分としないものを用いるには、通気性シート25は必須ではなく、適当な方法を用いて、内層シート表面に固定されていればよい。
【0016】本実施形態の加温用キャップ2の発熱温度及び発熱時間は、通気性シートの通気性と発熱体組成物の組成により適宜調節することができるが、25℃の室内において水等で濡れた頭髪に被せた場合に、0〜10分間で35〜40℃にまで上昇し、40〜60℃で10〜120分間維持されるような温度特性を有するように調節するのが頭髪頭皮の加温用として好ましい。
【0017】本実施形態の加温具1は、略楕円形状の加温部20が着用者の正面を向くようにする以外は、通常のヘアキャップと同様にして、頭部に装着して、頭髪・頭皮の加温処理を行うことができる。本実施形態の加温具1は、このように簡便な使用操作で、安全に頭髪・頭皮の加温及び処理を行うことができ、しかも上述のように、加温部20が形成されているので、加熱ムラが生じない。また、コンパクトに折り畳むことができ、落ち運びに便利で運搬コストも少なくできる。また、上述のように装着すると、開口部4の周縁に形成された加温体非存在部が、耳に位置するため、耳をあまり加熱したくない場合に、加熱したくない部分を加熱せずにおくことができる。換言すると、本実施形態の加温具1は、着用時に着用者の耳に当接する左右一対の加温体非存在部7(図1参照)が形成されるように、略楕円形状の加温部20が設けられたものである。
【0018】本実施形態の加温具1は、内層シートと通気性シートとを貼り合わせつつ、両シート間の所定位置に発熱体を封入して所定形状の加温部が形成された加温用シートを作成する発熱体含有シート作成工程、得られた発熱体含有シートを、通気性シート側を内側にして2つ折りに折り畳むか、又は得られた発熱体含有シートを通気性シートを内側にして2枚重ね合わせる重ね合わせ工程、及び重ね合わせられた縁部を封止して、発熱体を外気から絶縁する封止工程を行う等して得られる。
【0019】次に、第2発明の加温具の1実施形態について説明する。尚、以下の説明においては、上述の第1発明の加温具と異なる点について特に詳述する。特に詳述しない点は、上述した第1発明における説明が適宜適用される。本実施形態の加温具1は、図2に示すように、加温部20を有するキャップ形状の頭髪・頭皮加温用の加温具である。そして、加温部20は、複数個の加温体24を略半円形状に配して形成されている。加温体24の配置形態は、上述した■〜■の形態が挙げられる。この他の形態は、上述した第1の実施形態と同じである。また、使用に際しては、各加温用シート21が接合されている湾曲周縁部22aが着用者の正面を向くように、即ち、図中の矢印方向が頭の前後方向を向くように、頭部に装着して、頭髪・頭皮の加温処理を行う。そして、本実施形態の加温具1によれば、キャップの開口部周縁は耳の上に位置するので、耳が加温されることがない。
【0020】尚、本発明の加温具は、前記の加温用キャップにおける通気性シートの外側に、通気性且つ非透水性の外層シートからなる外層キャップを配し、両者をそれらの開口部側で固定した、外層キャップを有するものとしてもよい。この際用いられる外層シートは、通気・非通水シートであり、耐水性と保温性とを与えているもので、例えば、使い捨ておむつ等に使用される通気/非通水シート等が用いられる。非透水性の外層キャップを具備することにより、お風呂の中等の加温具に水がかかる恐れがある場所でも使用できる。
【0021】また、加温用キャップは、2枚の加温用シートにより形成する必要はなく、1枚若しくは3枚以上の多数枚の加温用シートで形成したり、加温用シートと加温体を含まない通常の樹脂製シート等とを組み合わせて形成しても良い。
【0022】
【発明の効果】本発明の加温具は、髪の柔軟化、くせ矯正、弾性付与、染色等の頭髪処理や養毛・育毛処理等の頭皮処理が手軽に効率よく行え、加温ムラの生じにくいものである。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【出願日】 平成11年1月13日(1999.1.13)
【代理人】 【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修 (外1名)
【公開番号】 特開2000−201721(P2000−201721A)
【公開日】 平成12年7月25日(2000.7.25)
【出願番号】 特願平11−6818