トップ :: A 生活必需品 :: A45 手持品または旅行用品




【発明の名称】 棒状物品の繰り出し容器
【発明者】 【氏名】藤田 英夫

【氏名】濱瀬 洋

【要約】 【課題】口紅等の棒状物品の繰り出し容器における繰り出しのための力を安定させる。

【解決手段】棒状物品の繰り出し容器1が、一様な厚みの周壁部13を有する内筒3と、内筒3に外側から嵌合する外筒4と、内筒3の下方フランジ部12と外筒4の下端縁部17とにばね付勢下に圧接し、内筒3の外側に嵌合する環状の中間部材6と、内筒3の内側に収容される中子2とで構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 繰り出すべき棒状物品を取り付け可能であり、径方向外方へ延びる腕部を備えた断面円形の中子と、第1上端部と第1下端部とこれら両端部間に延びる第1周壁部とを有し、前記第1周壁部に該第1周壁部を厚み方向において貫通して上下方向へ延びる案内部が形成され、前記中子と前記中子に取り付けられた前記棒状物品とを上下方向へ移動可能に収容する断面円形の内筒と、第2上端部と第2下端部とこれら両端部間に延びる第2周壁部とを有し、前記内筒の外側に周り方向へ摺動可能に嵌合し、前記内筒に収容された前記中子の腕部が前記案内孔から延出する部分と係合可能な螺溝を備えた断面円形の外筒とからなり、前記内筒と外筒との相対的な回動によって前記棒状物品を前記内筒から繰り出し可能な容器であって、前記内筒は、前記第1上端部と第1下端部とに径方向外方への張り出し部を有する一方、前記第1周壁部の外径がほぼ一様に形成されており、前記外筒は、前記内筒の上方から抜脱することがないように前記第2上端部が前記内筒の第1上端部の張り出し部に係合するとともに、前記第2下端部が前記内筒の第1下端部の張り出し部よりも上方に位置し、前記内筒の第1下端部と前記外筒の第2下端部との間には、前記内筒の外側に嵌合し、前記内筒の下端部から抜脱することがないように前記第1下端部の張り出し部に係合するとともに、前記内筒の軸方向へのばね付勢下に前記第1下端部の張り出し部と前記第2下端部とに前記軸方向において圧接する環状の中間部材が介在し、前記第1下端部の張り出し部と前記第2下端部とのうちの少なくとも一方に対して前記中間部材が周方向へ摺動可能な状態にあることを特徴とする前記容器。
【請求項2】 前記内筒の第1上端部と第1下端部との前記張り出し部が、該内筒の径方向外方へ張り出して、周方向へ延びる上方フランジ部と下方フランジ部とである請求項1記載の容器。
【請求項3】 前記内筒と前記中間部材とが周り方向において互いに係合し、前記中間部材が前記内筒とともに前記外筒に対して回動可能である請求項1または2記載の容器。
【請求項4】 前記内筒の周壁部下端部分の外面には、周り方向へ間欠的に並ぶ突起および溝のいずれかが形成され、前記中間部材の内面には、該内面の周り方向へ間欠的に並び、前記突起および溝のいずれかに嵌合する溝および突起のいずれかが形成されている請求項3に記載の容器。
【請求項5】 前記中間部材が第3上端部と第3下端部とを有し、前記第3上端部が前記中間部材の周方向へ延び、前記外筒の第2下端部に下方から圧接する弾性変形可能なはりを有している請求項1〜4のいずれかに記載の容器。
【請求項6】 前記内筒がプラスチックの成形品であって、該内筒の上下方向の寸法に対して前記上方フランジ部と下方フランジ部それぞれの厚みが1〜10%を占めている請求項2に記載の容器。
【請求項7】 前記内筒の第1上端部には、前記案内部の延長上に、前記案内部と前記中子の腕部とを上下方向へ整列させて前記中子の前記内筒への挿入を容易にすることが可能な前記腕部を一時的に載置するための凹部が形成されている請求項1〜6のいずれかに記載の容器。
【請求項8】 前記内筒の案内部は、該内筒の径方向において向かい合う長孔と、該内筒の第1上端部から第1下端部へ向かって延びるほぼU字形の切り欠き部位とである請求項1〜7のいずれかに記載の容器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、棒状口紅等の棒状物品を繰り出し可能に収容するための容器に関する。
【0002】
【従来の技術】実用新案登録第2142241号公報に開示された棒状化粧料容器は、口紅等の棒状化粧料を繰り出し可能に収容するためのものであって、例えば棒状口紅の下端部に取り付けられる断面円形の中皿と、縦に長い断面円形の溝管と、溝管の外側に周り方向へ摺動可能に嵌合する断面円形の螺旋管とで構成されている。
【0003】図5は、これら中皿と、溝管と、螺旋管の分解斜視図であって、溝管100は管の軸方向へ延びる縦溝103を有し、溝管100の内側に位置させる中皿110からその径方向外方へ延びた一対の突起113が縦溝103を貫通して螺旋管107の螺旋溝109に納まる。溝管100は、プラスチック製のもので、上部端縁121近傍と下端部分122とを除く中間部分123がほぼ一様な厚みを有し、軸方向へ長く延びている。下端部分122は、中間部分123よりも厚みが厚く、その分だけ外径が大きい。かかる容器は、螺旋管107を一方の手で固定し、もう一方の手で溝管100の下端部分122を摘まむことによって溝管100を回動させると、中皿110が溝管100の内側で上下動し、口紅(図示せず)を溝管100および螺旋管107の上端部開口から繰り出したり、後退させたりすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術の容器の溝管は、プラスチックを射出成形することによって得ることができる。しかし、この溝管の全長が40〜70mm程度であり、その全長に対して下端部分が比較的大きな割合、例えば10〜30%を占め、残余の殆どが中間部分であるような場合に、下端部分の厚みが2〜3mmであるのに中間部分の厚みが0.5mm程度と薄く、両部分間で厚みの差が大きいと、溝管を成形するときにその差が原因となってこれら両部分の金型内における冷却速度に大きな違いが生じ、その結果として、溝管の内径が上下両端部間で一様ではないとか、溝管の内径が製品毎に大きくばらついているとかいうような、寸法精度の悪い溝管になりがちである。溝管の内径が一様でないために管の内側を上下動する中子が管の内壁に接触したり、接触しなかったりすると、口紅を一定の力で繰り出したり、戻したりするすことができず、容器を操作するときの感触が悪くなる。また、中皿や溝管が螺旋管に強く接触した場合でも中皿がスムーズに上下動できるように中皿や溝管、螺旋管に潤滑剤を塗布すると、それらが接触しないときには、相互の動きが軽くなりすぎて繰り出したはずの口紅が自重によって元に戻ることがある。口紅容器におけるこの戻りの現象は、「ずぐみ」と呼ばれることがある。
【0005】このような従来技術に鑑み、この発明が課題とするところは、口紅等の棒状物品を繰り出すことができる容器の寸法精度を向上させて、一定した力による物品の繰り出しと戻しとを容易にすることや、「ずぐみ」の発生を防止すること等にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題解決のために、この発明が前提とする容器は、次のとおりである。
【0007】繰り出すべき棒状物品を取り付け可能であり、径方向外方へ延びる腕部を備えた断面円形の中子と、第1上端部と第1下端部とこれら両端部間に延びる第1周壁部とを有し、前記第1周壁部に該第1周壁部を厚み方向において貫通して上下方向へ延びる案内部が形成され、前記中子と前記中子に取り付けられた前記棒状物品とを上下方向へ移動可能に収容する断面円形の内筒と、第2上端部と第2下端部とこれら両端部間に延びる第2周壁部とを有し、前記内筒の外側に周り方向へ摺動可能に嵌合し、前記内筒に収容された前記中子の腕部が前記案内孔から延出する部分と係合可能な螺溝を備えた断面円形の外筒とからなり、前記内筒と外筒との相対的な回動によって前記棒状物品を前記内筒から繰り出し可能な容器である。
【0008】前記前提において、この発明が特徴とするところは、次のとおりである。前記内筒は、前記第1上端部と第1下端部とに径方向外方への張り出し部を有する一方、前記第1周壁部の外径がほぼ一様に形成されており、前記外筒は、前記内筒の上方から抜脱することがないように前記第2上端部が前記内筒の第1上端部の張り出し部に係合するとともに、前記第2下端部が前記内筒の第1下端部の張り出し部よりも上方に位置し、前記内筒の第1下端部と前記外筒の第2下端部との間には、前記内筒の外側に嵌合し、前記内筒の下方から抜脱することがないように前記第1下端部の張り出し部に係合するとともに、前記内筒の軸方向へのばね付勢下に前記第1下端部の張り出し部と前記第2下端部とに前記軸方向において圧接する環状の中間部材が介在し、前記第1下端部の張り出し部と前記第2下端部とのうちの少なくとも一方に対して前記中間部材が周方向へ摺動可能な状態にある。
【0009】この発明の好ましい実施態様の一つにおいて、前記内筒の第1上端部と第1下端部との張り出し部が、該内筒の径方向外方へ張り出して、周方向へ延びる上方フランジ部と下方フランジ部とである。
【0010】実施態様の他の一つにおいて、前記内筒と前記中間部材とが周り方向において互いに係合し、前記中間部材が前記内筒とともに前記外筒に対して回動可能である。
【0011】実施態様の他の一つにおいて、前記内筒の周壁部下端部分の外面には、周り方向へ間欠的に並ぶ突起および溝のいずれかが形成され、前記中間部材の内面には、該内面の周り方向へ間欠的に並び、前記突起および溝のいずれかに嵌合する溝および突起のいずれかが形成されている。
【0012】実施態様の他の一つにおいて、前記中間部材が第3上端部と第3下端部とを有し、前記第3上端部が前記中間部材の周方向へ延び、前記外筒の第2下端部に下方から圧接する弾性変形可能なはりを有している。
【0013】実施態様の他の一つにおいて、前記内筒がプラスチックの成形品であって、該内筒の上下方向の寸法に対して前記上方フランジ部と下方フランジ部それぞれの厚みが1〜10%を占めている。
【0014】実施態様の他の一つにおいて、前記内筒の第1上端部には、前記案内部の延長上に、前記案内部と前記中子の腕部とを上下方向へ整列させて前記中子の前記内筒への挿入を容易にすることが可能な前記腕部を一時的に載置するための凹部が形成されている。
【0015】実施態様のさらに他の一つにおいて、前記内筒の案内部は、該内筒の径方向において向かい合う長孔と、該内筒の第1上端部から第1下端部へ向かって延びるほぼU字形の切り欠き部位とである。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明に係る棒状物品の繰り出し容器として棒状口紅の容器を例にとり、添付の図面を参照して発明の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0017】図1に部分破断側面図で示された口紅の容器1は、仮想線で示された口紅Lの下端部に取り付けられた断面円形の中子2と、上下に長い円筒状の内筒3と、内筒3の外側にあって、内筒3よりも短い外筒4と、内筒3の外側にあって、外筒4の直下に位置する寸法調整用の中間部材6とを有する。中子2は、内筒3の内側に口紅Lとともに収容され、内筒3が外筒4に対して相対的に回動すると、その回動に伴って上下動する。内筒3は、上下両端部14,15それぞれに径方向外方へ張り出した上方フランジ部11と、下方フランジ部12とを有し、これら両フランジ部11,12間に中間周壁部13を有する。外筒4は、上端縁部16と、下端縁部17と、これら両端縁部16,17間に延びる周壁部18とを有する。中間部材6は、内筒3の下方向へ抜脱することがないように、かつ、好ましくは内筒3の周方向へ回動することがないように、内筒3に取り付けられているもので、上端部21と、下端部22と、これら両端部21,22間に延びる周壁部23とを有し、上端部21の少なくとも一部分が外筒4の下端縁部17に下方から当接し、下端部22が内筒3の下方フランジ部12に上方から当接している。外筒4は、その上端縁部16が内筒3の径方向外方へ張り出した上方フランジ部11に対して周り方向へ摺動可能に下方から当接し、下端縁部17が中間部材6の上端部21に対して周り方向へ摺動可能に上方から当接している。かかる外筒4は、内筒3の上方から抜脱することがない。図示例の内筒3と中間部材6とは、一体となって、外筒4に対して回動する。
【0018】図2は、容器1の分解斜視図であって、部材の一部分が破断して示されている。内筒3の周壁部13には、周壁部13を貫通して径方向において互いに向かい合い、内筒3の軸方向(図の上下方向)へ延びる第1案内部31と第2案内部32とが形成されている(図1を併せて参照)。図示のように、第1案内部31は長孔であり、第2案内部32は内筒3の上方フランジ部11から下方へ延びるU字形の切り欠き部位である。第1案内部31の上方への延長上には、上方フランジ部11との交差部位に凹部33が形成されている。第2案内部32は上方フランジ部11に開口34を有している。第1、2案内部31,32の上下両部には、内筒3の周方向へ互いに逆向きに延びる部位が形成されており、それらの部位のうち、第1案内部31については部位31A,31Bが図示され、第2案内部32については部位32Aのみが図示されている。内筒3の下方フランジ部12近傍の周壁部13には、軸方向へ延びる突起36が周り方向へ間欠的に形成されている。
【0019】かかる内筒3は、熱可塑性プラスチックの射出成形によって得られるもので、例えば上下方向の全長が30mm以上のものであれば、上下のフランジ部11,12それぞれの厚みが1〜10%を占め、残余の寸法を周壁部13が占めるようにし、その周壁部13の厚みは比較的薄く、かつ、一様にすること、例えば0.3〜1mm程度の範囲内で一様にすることが好ましい。周壁部13の内径は一様であり、外径は突起36が形成されている部分を除いて一様である。
【0020】中子2は、円筒状のものであって、周壁部41の外面から径方向外方へ向かって互いに逆方向へ延びる一対の腕部42を有する。周壁部41の内面には、口紅の抜け止め用突起等が形成されているが、それらの図示は省略されている。中子2は内筒3の内側へ上方から挿入され、腕部41の一方が内筒3の第1案内部31から径方向外方へ突出し、腕部41のもう一方が内筒3の第2案内部32から突出する。中子2を内筒3へ挿入するときには、一方の腕部41が内筒3の第1案内部31直上に位置する凹部33に載せられ、もう一方の腕部41が第2案内部32の開口34に向けられる。この状態で中子2を上から押せば、内筒3が弾性変形し、各腕部41が速やかに第1、2案内部31,32へと進入するので、中子2の挿入は容易である。
【0021】中間部材6は、中子2を挿入する前の内筒3に上方から嵌められて、下端部22が内筒3の下方フランジ部12に当接している(図1を併せて参照)。中間部材6は、このように内筒3の径方向外方へ張り出した部位に係合して、内筒3の下方から抜脱することがない部材である。。中間部材6の内径は、内筒3の周壁部13の外径より僅かに大きい程度であり、これが上方フランジ部11を通過するときには、第2案内部32の幅を狭めて内筒3の径が小さくなるように、内筒3を弾性変形させる。部材6の上端部21には、径方向で互いに向かい合う位置に、内筒3の軸方向へ弾性変形可能な一対のばね部46が形成されている。ばね部46は、部材6の周方向へ延びるはり47と、はり47の上面に形成された突起部48とを有し、はり47の下方には透孔49が形成されている。部材6の下端部22の内面には、内筒3の軸方向へ延びる多数の突起51が周方向へ間欠的に並び、これら突起51と51との間に内筒3の突起36が嵌合可能な溝部52が形成されている。部材6が内筒3に嵌められると、互いの溝部52と突起36とが嵌合し、部材6は内筒3の周方向へ回動することがない。部材6の下端部22の形状に特別の制約はないが、図では下端部22の外形が、上端部21および周壁部23よりも大きく、内筒3の下方フランジ部12の外形とほぼ同じであるか、またはそれよりも僅かに大きい円形を呈している。かかる部材6も熱可塑性プラスチックの射出成形によって得ることができる。
【0022】外筒4は、その内周面に180°の間隔をあけて2条の螺溝56が形成されている。外筒4は、中間部材6が嵌合するとともに中子2が収容されている内筒3に対して、内筒3の径を狭めつつ上方から嵌められる。外筒4は、その上端縁部16から内筒3の上方フランジ部11がのぞくところまで嵌められると、上端縁部16が上方フランジ部11に下方から当接し、下端縁部17が中間部材6のばね部46の突起48に上方から圧接する。かようにして、外筒4は、内筒3の上方フランジ部11と中間部材6のばね部46とによって上下方向から挟持され、そのときの挟持力が、ばね部46によって一定に保たれる。外筒4に対して内筒3が矢印Yで示す方向へ相対的に回動すると、内筒3の第1、2案内部31,32から突出している中子2の腕部42のそれぞれが、外筒4の螺溝56のそれぞれに進入し、さらに内筒3が回動すれば、腕部42が螺溝56をたどり、中子2が内筒3の内側を上昇する。外筒4もまた、熱可塑性プラスチックの射出成形によって得ることができる。
【0023】このように構成された容器1には、次のような利点がある。
【0024】(1)内筒3は、周壁部13の厚みがほぼ一様であって、従来技術のように大きく変化しないから、内筒3が成形されるときには、その上下方向における径の変化が小さく、繰り出し操作の際に内筒3と中子2とが接触するという恐れがなくなる。
【0025】(2)口紅を繰り出すときの力の調整は、従来であれば、内筒3と中間部材6とが一体となった比較的大きく、それゆえに寸法が不安定になり易い部材を対象にしなければならず、その調整作業が難しかった。しかし、この発明の容器1では、形の大きな内筒3の寸法を安定させることが容易であるうえに、力の調整は、小さくて比較的寸法管理が容易な中間部材6を対象にすればよいから、その調整作業が簡単になる。
【0026】(3)内筒3の上方フランジ部11には、中子2の位置決めとなる凹部33があるから、容器1の組立が簡単になる。
【0027】図3は、この発明の実施態様の一例を示す容器1の下端部分の図面である。この容器1の中間部材6の下端部22の形状は、図1、2のそれと異なりほぼ長円形であって、図の左右両端部61がとがっており、内筒3の比較的小さめに形成された円形の下方フランジ部12から突出している。容器1は、その外観を魅力あるものにするために、様々な形状、色彩の装飾部材が取り付けられる。例えば、容器1の下端部分には、一般に袴と称せられるキャップ状の装飾部材がかぶせられることがあり、その下端部分は袴の形状に合わせなければならない。しかるに、この発明によれば、図示のように長円形の袴63が使用されるという場合に、内筒3や外筒4の形状はそのままにしておいて、図1,2に示された断面円形の中間部材6の形状だけを袴63に合わせるようにすればよい。従来であれば、袴の形状が変わるたびに、内筒と中間部材とが一体となった比較的大きく、構造が複雑な成形品と、同じように大きくて複雑な金型とを用意しなければならず、それゆえに多大の時間と費用とを必要としたが、この発明ではそれらの時間と費用とを大幅に削減することができる。
【0028】図4は、この発明の実施態様の一例を示す図2と同様の図面である。この容器1では、内筒3の上端部外周面に径方向外方への張り出し部71が形成され、外筒4の内周面に凹部72が形成されている。張り出し部71と凹部72とは、それぞれの筒3,4の周方向へ延び、かつ、周方向へ摺動可能に嵌合している。かかる容器1では、内筒3に上方フランジ部11がなくても、外筒4は内筒3の上方から抜脱することがなく、また、外筒4は内筒3の張り出し部71と中間部材6の上端部21とによってばね付勢下に挟持されている。それゆえ、かかる容器1でも内筒3と外筒4とを相対的に回動させ、一定の力で中子2を繰り出すことができる。これら張り出し部71と凹部72とは、螺孔56と交差することがないような位置に形成されていることが好ましい。張り出し部71は、内筒3の上端部の厚みを部分的に厚くすることで形成されていてもよい。
【0029】この発明において、上下方向で互いに圧接する内筒3と外筒4と中間部材6とは、中間部材6のばね部46に代えて、内筒3の下方フランジ部12や外筒4の下端縁17に形成したばねとか、これら内筒3、外筒4、中間部材6のいずれか二者の間に介在させた別体のばねとかによって圧接していてもよい。中間部材6は、内筒3と一体となって外筒4に対して回動することが好ましく、そのために、図示例のように内筒3の外面と中間部材6の内面とを係合させる他に、内筒3と中間部材6との断面形状を長円形や多角形にして嵌合させてもよい。ただし、中間部材6が内筒3に対して回動し得るような態様でこの発明を実施することも可能である。また、内筒3と中間部材6とは、部材6を上から嵌めたときに、互いの突起36と溝部51とをきつく嵌合させることによって、中間部材6が内筒3の下方から抜脱しないようにすることもできる。その場合の内筒3では、下方フランジ部12を省き、突起36を下方フランジ部12に代わる内筒3の下端部における張り出し部とすることができる。内筒3の第1案内部31は、第2案内部32と同様に内筒3の上端部に開口を有するU字形の切り欠き部位に代えることができる。
【0030】この発明に係る容器は、口紅等の化粧料ばかりでなく、棒状の糊等の様々な物品の繰り出し容器として広く利用することができる。
【0031】
【発明の効果】この発明では、棒状物品の繰り出し容器において、プラスチック製内筒の周壁の厚みを一様にして寸法精度を向上させたから、内筒とその内側で上下動する中子とが接触するという問題が解消し、一定の力で棒状物品を繰り出したり、戻したりするということが容易になる。それと同時に、いわゆる「ずぐみ」を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000153926
【氏名又は名称】株式会社ヒダン
【出願日】 平成10年12月28日(1998.12.28)
【代理人】 【識別番号】100066267
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 吉治 (外1名)
【公開番号】 特開2000−189245(P2000−189245A)
【公開日】 平成12年7月11日(2000.7.11)
【出願番号】 特願平10−374443