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【発明の名称】 化粧料容器
【発明者】 【氏名】鈴木 一男

【氏名】政木 一洋

【要約】 【課題】化粧料に含まれる水分、揮発性成分が蒸発して結露し、水滴となって化粧料の上に落下することを完全になくすこと。

【解決手段】容器本体と、該容器本体をパッキンを介して密封するようにした蓋体とからなる化粧料容器であって、蓋体の頂壁内面には、頂壁との間に空間部を形成するよう仕切板が取着されており、仕切板は、通気孔を穿設した中央平板部と、その周辺に段差を設けて形成された液保持部とからなっており、通気孔は、液体を通過させないような細孔部を有していることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 容器本体と、該容器本体をパッキンを介して密封するようにした蓋体とからなる化粧料容器であって、蓋体の頂壁内面には、頂壁との間に空間部を形成するよう仕切板が取着されており、仕切板は、通気孔を穿設した中央平板部と、その周辺に段差を設けて形成された液保持部とからなっており、通気孔は、液体を通過させないような細孔部を有していることを特徴とする化粧料容器。
【請求項2】 容器本体と、該容器本体をパッキンを介して密封するようにした蓋体とからなる化粧料容器であって、蓋体の頂壁内面には、頂壁との間に空間部を形成するよう仕切板が取着されており、仕切板は、中央を隆起させた球面状のドーム型であって、通気孔を穿設した中央部とその周辺に成形された液保持部が同一の球面上に連続するよう形成されていることを特徴とする化粧料容器。
【請求項3】 仕切板の上面の少なくとも一部に凹凸面を形成したことを特徴とする請求項1または2記載の化粧料容器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンパクト、とくに水分、揮発性成分などを含んだ化粧料を気密に密封した化粧料容器に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の化粧料には、水分、揮発性成分が多く含まれており、揮発した水分、揮発性成分等の蒸発気体がコンパクト容器の蓋体に結露し、水滴となって化粧料の上に落下し、シミを形成することがあった。これを防止するために、特開平10−290714号公報に記載されているようなコンパクト容器の蓋体を、外装板と内装板とから構成し、外装板と内装板の間に結露空間を設けるとともに、内装板に結露空間と容器本体内の空間とを連通する通気孔を設けるようにした、結露垂れ防止コンパクト容器が提案されている。
【0003】上記コンパクト容器は、蒸発気体の結露を、外装板の内面、内装板の上下面で行わしめ、内装板下面に結露する蒸発気体の量を低くおさえること、および内装板上面、結露空間における結露から生じる水滴の落下を防ぐことによって結露垂れを防止するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の容器は、内装板が平板であるため、通気孔の開口を小さくし、水滴が落下しがたい構造としても、内装板の上に結露液が多く溜まると通気孔から落下するおそれがあった。また、通気孔の周囲に土手を設けても、通気孔の孔が大きいと外装板下面の結露から落下する水滴が通気孔上に落下し、通気孔から化粧料の上に落ちるおそれがあった。さらに、内装板の周辺に通気通路を形成するようにした実施例も記載されているが、その場合には、内装板の周辺から水滴が落下するという問題が生じた。
【0005】本発明は、上記の問題点を解決することを課題として、化粧料に含まれる水分、揮発性成分が蒸発して結露し、水滴となって化粧料の上に落下することを完全になくすことができる化粧料容器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を解決するため、化粧料容器として、容器本体と、該容器本体をパッキンを介して密封するようにした蓋体とからなる化粧料容器であって、蓋体の頂壁内面には、頂壁との間に空間部を形成するよう仕切板が取着されており、仕切板は、通気孔を穿設した中央平板部と、その周辺に段差を設けて形成された液保持部とからなっており、通気孔は、液体を通過させないような細孔部を有していることを特徴とする構成を採用する。
【0007】また、蓋体を変更した別実施態様として、容器本体と、該容器本体をパッキンを介して密封するようにした蓋体とからなる化粧料容器であって、蓋体の頂壁内面には、頂壁との間に空間部を形成するよう仕切板が取着されており、仕切板は、中央を隆起させた球面状のドーム型であって、通気孔を穿設した中央部とその周辺に成形された液保持部が同一の球面上に連続するよう形成されていることを特徴とする構成を採用する。
【0008】さらにまた、落下した液体を仕切板上に保持させるため、仕切板の上面の少なくとも一部に凹凸面を形成したことを特徴とする構成を採用する。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1に示すように、化粧料容器Aは、容器本体A1と、該容器本体A1に開閉自在に取着された蓋体A2とからなっており、硬質の合成樹脂によって成形されている。
【0010】図1,2,3に示すように、容器本体A1は、底壁1と側周壁2とを具えており、側周壁2の上部には、側周壁2の外側に拡径された係合筒3がフランジ4を介して連設されている。側周壁2の上端縁2a外周と係合筒3内周との間には、軟質の合成樹脂で形成された外周に段部5を形成したパッキン受けリング6が嵌挿されており、係合筒3の上端縁外周には膨出環7が形成されている。係合筒3の所定の個所には、一対の蝶番の支持片8a,bが突設されており、支持片8a,bの間には、蝶番ピン9が架設されている。
【0011】蓋体A2は、内面側に仕切板10を装着した頂壁11と側周壁12とを備えており、頂壁11下面には、係合リング13が垂設されている。側周壁12の下部内周は、容器本体A1の係合筒3の膨出環7に嵌合するように拡径され、下端縁内周には、膨出環7の下面に係合する嵌合突条14が突設されている。側周壁12の外周には、係合筒3の蝶番の支持片8a,bに対応する位置に、取付片15が突設されており、取付片15の先端部には、蝶番ピン9に廻動自在に嵌合される軸受部16を有する二又17が形成されている。
【0012】図4に示すように、仕切板10は、通気孔20を穿設した中央部の平板部21と、その周辺に平板部21との間に段差が設けられた液保持部22とからなっており、液保持部22の周縁には、取付リング23が立設されている。前記平板部21の上面には、通気孔20の周辺部24を除いて刻設された微細な凹凸によって凹凸面25が形成されている。
【0013】図においては、凹凸面25が平板部21を中心に形成されているが、凹凸面25を液保持部22に形成してもよく、通気孔20の周辺部24にも凹凸を刻設してもよいし、径方向の範囲を狭くするようにしてもよい。また、周方向の範囲も全方向にわたって設けられているが、一定角度毎に部分的に設けてもよい。
【0014】仕切板10に続いて、取付リング23の外側には、フランジ状に広がるパッキン押え26が連設されている。取付リング23外周は、頂壁11の係合リング13の内周に圧接し、取付リング23の上端は、超音波リブを介して頂壁11下面に取着され、頂壁11と仕切板10とによって空間部Sが形成されている。
【0015】図4に示すように、通気孔20は、平板部21に一定の間隔をおいて配置されており、その縦断面は、円筒状の細孔、または図5(a)に示すように、下端を細孔27として狭まった漏斗型の通気孔20a、または図(b)に示すように、下端部を細孔27とし上端部を拡径部28としたしぼり弁型の通気孔20bを採用し、いずれも気体は自由に通過できるが、液体はその表面張力により通過できないような細孔としている。
【0016】細孔27の径は、水分、揮発性成分の含有量等から計算、実験を通じて設定する。液体として、化粧料に含まれる揮発性成分の一つであるアルコールを用い、細孔の径を3mm,2mm,1mmと順次細くして簡単な落下テストを行った。その結果3mmでは落下、2mmでは場合によって落下することもあるが、落下しない方が多かった。1mmでは完全に落下しなかった。アルコールは、化粧料に使用される各種揮発性成分の液体中で、表面張力、比凝集力は比較的に小さく、アルコールが落下しない細孔の径を求めると殆どの揮発性成分の結露液は落下しないことになる。
【0017】さらに水分が多くなると、細孔の径が大きくなっても結露液を通さなくなる。すなわち、水は、アルコールに比して、表面張力、比凝集力が大きく、20度Cで表面が空気に接しているときの表面張力は約3.3倍であり、比凝集力は約2.6倍であるので、水分が多くなればそれに応じて細孔27の径を大きくすることができる。したがって、細孔27の径を2mm以下とすれば、化粧料に含まれる水分、揮発性成分の含有量がどのように変化しても結露液を通さない。
【0018】図2,3に示すように係合リング13の外側の周辺部と側周壁12の内周上端から内周に沿うようパッキン29が装着されており、該パッキン29は、水平部30と垂直部31とからなる断面逆L字状に形成されており、エラストマーによって成形されている。パッキン29の水平部30は、仕切板10のパッキン押え26によって頂壁11に圧接されており、垂直部31の下端部31aは内方に傾斜され、パッキン受けリング6の上端外周と段部5に係合圧接するようになっている。
【0019】次に、本発明容器の使用態様と作用効果について説明する。容器本体A1に、水分、揮発性成分等を含んだ化粧料を収納して蓋体A2を閉じる。その際、蓋体A2の側周壁12の嵌合突条14が、容器本体A1の係合筒3の膨出環7の下側に係合して、蓋体A2を容器本体A1に嵌着させるとともに、蓋体A2のパッキン29の下端部31aが、パッキン受けリング6上部外周面と段部5に圧接して容器内を密封する。
【0020】時間の経過、外気温度の上昇に伴う容器内の温度上昇に応じて、化粧料中の水分、揮発性成分が蒸発し、密封された容器本体内に充満することになるが、温度が下降すると蒸発気体は過飽和状態となり、外気に触れて温度降下の激しい蓋体に接して結露する。
【0021】その際、結露した水分、揮発性成分は、液体となって仕切板10上に落ちるが、通気孔20は、液体を通過させないので、結露して落下した液は、まず始めに凹凸面25に保持され、その量が多くなると、周辺部の液から順次液保持部22に移動し、その後に中央の液が移動する。かくして、仕切板10上に落ちた液体は、液保持部22に移動し液保持部22に滞留保持されるので、通気孔20から化粧料の上に落下することはない。
【0022】また、再び温度が上昇した場合には、容器内は乾き状態となり、水分、揮発性成分の蒸発が行われるが、密封状態となっているので、先に結露した液体も蒸発して飽和状態が維持され、化粧料内からの水分、揮発分の余分な蒸発を押さえることができる。
【0023】次に、本発明の第2実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態は、前実施形態における仕切板をドーム型にしたものである。第1実施形態との相違点を中心に以下説明する。図6に示すように、化粧料容器Aaは、前記実施形態と同一の容器本体A1、蓋体A2とからなっている。蓋体A2に取着された仕切板40は、前実施形態と同様に、取付リング41とパッキン押え42を具えている。
【0024】仕切板40は、中央を隆起させた球面状のドーム型に形成されており、通気孔43を穿設した中央部44とその周辺に形成された液保持部45は、同一の球面上に連続するように形成されている。図7に示すように、仕切板40の中央部44には、通気孔43の周辺部46を除いて刻設された微細な凹凸によって凹凸面47が形成されている。凹凸面47の形成範囲は、前第1実施形態と同様に図示されたものに限定されない。通気孔43の形状は、前記第1実施形態の形状と同一にすることが好ましいが、細孔部分は、少し大きくなってもよい。
【0025】次に、本実施形態の作用効果について説明すると、結露して仕切板40上に落下した液は、まず始めには仕切板40の凹凸面47に保持される。その量が多くなると、仕切板40がドーム型で凹凸面47が刻設されているため、落下した液体は中央部44から周辺に流れ、液保持部45に滞留保持されることになり、前記第1実施形態と同一の作用効果がもたらされる。さらに、仕切板40の中央部44に液が滞留することがないから、通気孔43の大きさ、形状に対する制約をさらに弛めることができる。
【0026】前記各実施形態では、蓋体を蝶番によって容器本体に取着するようにしたが、容器本体の口部に嵌着する被せ蓋またはネジ式のキャップであってもよい。また蓋体の頂壁をドーム型にしてもよく、その場合は頂壁内面に結露した液は毛管作用により移動して液保持部に溜まる。
【0027】本発明化粧料容器は、単体の化粧料容器として使用することができるが、またコンパクトケースに入れる交換用の化粧料容器として使用することもできる。
【0028】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成されているから、次の効果を奏する。蓋体の頂壁内面に、通気孔を穿設した仕切板を取着し、通気孔より液体が落下しないようにしているから、蓋体の頂壁裏面に結露した水分、揮発性成分等の液が、化粧料の上面に落下することを完全に防止できるようになった。
【出願人】 【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
【出願日】 平成10年12月28日(1998.12.28)
【代理人】 【識別番号】100105326
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 眞治
【公開番号】 特開2000−189238(P2000−189238A)
【公開日】 平成12年7月11日(2000.7.11)
【出願番号】 特願平10−373974