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【発明の名称】 理容モデルの取付け装置
【発明者】 【氏名】吉川 壽隆

【要約】 【課題】理容モデルを理容椅子に簡単に取付けができ、ガタツキによる振動を防止できる理容モデルの取付け装置を提供する。

【解決手段】理容椅子のまくら部の調整軸に固定具を取付け、この固定具に支持具を介して理容モデルを取付け、調整軸と軸孔とで形成される隙間に固定具で楔部を押し付けて食い込ませる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 理容椅子の背もたれの中央上部に形成した軸孔に嵌合されるまくら部の下部の調整軸に取付けられ、前側に延出された水平延出部とこの水平延出部に直交し前記調整軸に当接される当接部とを有するL字形に形成した固定板及びこの固定板の当接部に調整軸を挟んで対峙する後側の締付け板をボルトで締付ける固定具と、この固定具の水平延出部の端部に締付けて取付ける締付結合機構を有するとともに一端部側の連結部が上方に突出され他端部側のボール部が回動可能に固定される支持軸を有する支持具と、人口皮膚により人の頭部から首部までを模し表面に毛を植設するとともに内部に発砲樹脂を充填し該首部の下部に設けた基台に形成した差し込み孔に前記支持具の連結部が差し込まれる理容モデルと、前記固定具の締付け板に上端部が当接され下端部が先に行く程薄く楔状に形成されて前記調整軸と軸孔の隙間に係入される楔部とを備えることを特徴とする理容モデルの取付け装置。
【請求項2】 前記締付け板の中央下部には、切欠部が形成され、この切欠部に前記楔部が配置されることを特徴とする請求項1記載の理容モデルの取付け装置。
【請求項3】 前記教習用理容モデルの基台には、左右に張り出した布掛け針金を有する理容布掛け部が取付けられる請求項1または2記載の理容モデルの取付け装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、理容における整髪あるいは顔のひげ剃りの練習、教習または試験等を行うために使用する理容モデルを理容椅子に取付けるための理容モデルの取付け装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、理容において、整髪や顔のひげ剃りは、それぞれの部分に応じて鋏やかみそりの運行について十分な経験と訓練が必要になり、そのため人口皮膚により人の頭部から首部までを模し、頭部やあご等の表面に毛を植設し、内部に発砲樹脂を充填した理容モデルが使用されている。このような理容モデルを理容椅子等に取付けて整髪や顔のひげ剃りの練習や教習が行われていた。また、将来における理容試験においても、実際の人間をモデルにした試験ではなく、理容モデルが利用されるように計画されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の理容モデルは、理容椅子の背もたれの中央上部の凹部に上下位置調整可能に取付けられたまくら部において、その下部に設けられた帶板状の調整軸に取付け金具を固定し、この取付け金具に支持具を介して取付けられていた。しかしながら、理容椅子にも種々の大きさと形状のものがあり、特に、まくら部下部の帶板状の調整軸が挿通される凹部に形成されたスリット状の軸孔は、調整軸が緩く挿通されるよう形成されいてガタツキが生じ、取付けた理容モデルのガタツキによる振動で理容の練習や教習に支障が生じることがあった。そこで、ガタツキによる振動を防止するため、調整軸の周囲にタオルや紙等を巻付けていたが、余分な作業と時間がかかっていた。
【0004】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、理容モデルを理容椅子に簡単に取付けができ、ガタツキによる振動を防止できる理容モデルの取付け装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の理容モデルの取付け装置は、理容椅子の背もたれの中央上部に形成した軸孔に嵌合されるまくら部の下部の調整軸に取付けられ、前側に延出された水平延出部とこの水平延出部に直交し前記調整軸に当接される当接部とを有するL字形に形成した固定板及びこの固定板の当接部に調整軸を挟んで対峙する後側の締付け板をボルトで締付ける固定具と、この固定具の水平延出部の端部に締付けて取付ける締付結合機構を有するとともに一端部側の連結部が上方に突出され他端部側のボール部が回動可能に固定される支持軸を有する支持具と、人口皮膚により人の頭部から首部までを模し表面に毛を植設するとともに内部に発砲樹脂を充填し該首部の下部に設けた基台に形成した差し込み孔に前記支持具の連結部が差し込まれる理容モデルと、前記固定具の締付け板に上端部が当接され下端部が先に行く程薄く楔状に形成されて前記調整軸と軸孔の隙間に係入される楔部とを備えるものである。理容椅子のまくら部の調整軸に固定具を取付け、この固定具に支持具を介して理容モデルを取付け、調整軸と軸孔とで形成される隙間に固定具で楔部を押し付けて食い込ませることで、理容モデルを理容椅子に簡単に取付けができ、ガタツキによる振動を防止できる。
【0006】また、前記締付け板の中央下部には、切欠部が形成され、この切欠部に前記楔部が配置されることが、楔部を安定して取付けできる点で好ましい。
【0007】さらに、前記教習用理容モデルの基台には、左右に張り出した布掛け針金を有する理容布掛け部が取付けられることが、理容布を簡単に掛けることができる点で好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施形態により具体的に説明する。図1は本発明実施形態の理容モデルの取付け装置の分解斜視図、図2は本発明実施形態の理容モデルの取付け装置の一部破断した側面図、図3は本発明実施形態の理容モデルの取付け装置の楔部の拡大斜視図である。
【0009】これらの図において、本実施形態の取付け装置10は、理容椅子11のまくら部12の下部の調整軸13に固定される固定具14と、この固定具14に締付結合される支持具15と、この支持具15に支持される理容モデル16と、この理容モデル16に取付けられる理容布掛け部17と、ガタツキを防止するための楔部18等とから構成されている。
【0010】上記理容椅子11は、一般的に使用されるものであり、その背もたれ部分の中央部の上部には、まくら部12を配置する大きさの凹部19が形成され、かつこの凹部19の底の中央部には調整軸13が緩く挿通されるスリット状の軸孔20が形成されている。まくら部12は、その下部に帯板状に形成された調整軸13が下方に十分な長さ突出するように設けられており、この調整軸13が軸孔20に挿通され、かつ図示しない調整機構によりその高さ位置が調整できるようになっている。
【0011】上記固定具14は、固定板21と、締付け板22と、ボルト23と、蝶ナット24とから構成されている。固定板21は、前側の水平方向に延出された板状の水平延出部21aとこの水平延出部21aの後部側の端部に直交するように設けられ板状の当接部21bとを有し、側面から見たときほぼL字形に形成されている。水平延出部21aは、先端からやや手前まで前側に行くほど幅が狭く、かつ先端部は一定の幅に形成されている。また、当接部21bは調整軸13の幅よりも左右に十分長い幅を有し、かつ左右の端部側にボルト23が挿通され、そのねじ部が後部側に突出されている。締付け板22は、当接部21bと同程度の大きさを有する板状体であり、ボルト23に対応する位置にボルト孔22aと、中央の下部に後に詳細に説明する楔部18が配置される切欠部22bとが形成されている。そして、固定具14は、固定板21の当接部21bと締付け板22との間に調整軸13を挟み、ボルト23をボルト孔22a挿通して蝶ナット24で締付けて固定する。
【0012】上記支持具15は、支持具本体25と、この支持具本体25の下部に設けられたねじ軸26と、支持具本体25の上部に設けられた支持軸27と、支持具本体25の正面前側に設けられた固定ねじ28及びこの固定ねじ28に設けられたハンドル29とから構成されている。支持具本体25は、上部側が支持軸27を取付けるほぼ筒状体に形成され、下部側はほぼC字形に形成された梁部分が一体的に設けられ、この梁の下部にねじ軸26が上下方向に移動可能にねじ込まれている。ねじ軸26は、その上端部が支持具本体25の筒状体の底面との間で固定板21の水平延出部21aの先端部を締付けて取付けるための円板状の押圧部26aに形成され、その下端部が手で回すことができる円筒状の操作部26bに形成されている。すなわち、支持具15の下部側は、支持具本体25とねじ軸26とで締付結合機構を構成している。支持軸27は、上端部が先端に行く程外形が小さくなる円錐体状に形成され、その表面に軸方向に沿って数条の溝を形成した連結部27aと、この連結部27aに連接される細い棒状の柱部27bと、この柱部27bの下端部に設けられたボール部27cとから構成されている。そして、この支持軸27は、ボール部27cにおいて支持具本体25の上部に回動可能に取付けられており、そのため支持軸27を垂直方向から任意の方向に傾斜させることができるようになっている。固定ねじ28は、ハンドル29が挿通された頭部を有するねじ部が正面側から支持具本体25の筒状体の側面にねじ込まれ、そのねじの先端部がボール部27cの表面に当接され、そのボール部27cを固定できるようになっている。すなわち、固定ねじ28を回して、支持軸27を固定したり固定を解除することで、支持軸27の傾斜位置を調整できるようにしている。
【0013】理容モデル16は、人口皮膚により人の頭部から首部までを模し内部に発砲樹脂が充填され、かつ頭部には頭髪、あごや頬等にはひげ等の毛が植設され、首部の下部には、樹脂等から成型された基台30が設けられている。この基台30は、首部の周囲に相当する部分に理容布掛け部17を取付けるための段部30aが形成され、かつ下端部の中央部に連結部27aが差し込まれる差し込み孔30bが形成されている。この差し込み孔30bは、連結部27aの円錐体状の形状に嵌合する形状に形成されて首部の下部から発砲樹脂が充填された内部まで突出されている。
【0014】上記理容布掛け部17は、基台30の段部30aの首位に取付けられる枠状に形成された取付け部31と、この取付け部31の左右側面側に水平方向に突出するよう設けられたU字形に形成された一対の針金32とから構成されている。取付け部31は、柔軟性を有するゴム材等から成型され、前側に縦方向の切れ込み部31aと、後部側の上部に短い半円筒状の突出部31bが形成されている。取付け部31は、切れ込み部31aで左右に開いて基台30の段部30aに取付けてから元の閉じた状態に戻し、切れ込み部31aの前側に設けられた図示しないマジックテープ等により切れ込み部31aを止めるようになっている。また、突出部31bは、タオル等を首部との間に差し込み巻き付けできるようにするための部分である。針金32は左右水平方向に張り出されて肩に理容布を掛けると同様になる形状に形成されている。
【0015】上記楔部18は、締付け板22の切欠部22bに配置される大きさの矩形状の頭部18aと、この頭部18aの下部側に板状に突出された差し込み部18bとがゴム等の伸縮性を有する材料から一体的に成型されている。差し込み部18bは、下部側に行く程幅が狭くなるとともに厚さが薄くなる形状に形成され、その先端部の厚さは少なくとも軸孔20と調整軸13とで形成される隙間33に入る寸法に形成されている。
【0016】上記構成の理容モデルの取付け装置10によれば、まず、理容椅子11のまくら部12の調整軸13を凹部19の軸孔20から抜き出し、固定板21の当接部21bと締付け板22との間に調整軸13を挟んでボルト23に蝶ナット24をねじ込み軽く締付けて固定具14を取付ける。次に、調整軸13を軸孔20に差し込み固定具14の当接部21bと締付け板22とをまくら部12の下部と凹部19の底部の間に挟んだ状態で、蝶ナット24を締め込んで固定具14を調整軸13にしっかりと固定する。次に、固定具14を取付けた調整軸13をまくら部12とともにやや上方に持ち上げ、締付け板22の切欠部22bに楔部18の頭部18aを配置し、差し込み部18bの表面を調整軸13の表面に当接させた状態で、その差し込み部18bの下端部を調整軸13と軸孔20との間に形成される隙間33に差し込み、まくら部12を下部に押し付け差し込み部18bを隙間33にさらに食い込ませる。調整軸13と軸孔20との間の隙間33に伸縮性を有する差し込み部18bが係入されるため、隙間33による調整軸13のガタツキがなくなる。次に、支持具15の支持具本体25の底部と押圧部26aとの間に固定板21の水平延出部21aの先端を挟み操作部26bを手で回してねじ軸26を締付け固定する。そして、支持具15の上部に設けられた支持軸27の連結部27aを理容モデル16の基台30に形成された差し込み孔30bに挿通して理容モデル16を支持具15の支持軸27にしっかり取付ける。このとき、理容モデル16の傾きは、ハンドル29を操作して固定ねじ28を回し支持軸27の下部に形成されたボール部27cの回動位置を決めて固定することで調整することができる。次に、理容布掛け部17は、その取付け部31の切れ込み部31aで左右に開いて基台30の段部30aに取付けてから元の閉じた状態に戻し、切れ込み部31aの前側に設けられたマジックテープ等により切れ込み部31aを止める。これにより理容布掛け部17は、針金32が左右に張り出した状態で理容モデル16の基台30に取付けられる。次に、タオル等を基台30と突出部31bとの間に差し込み理容モデル16の首部に巻き付け、さらに理容布を首部から左右に張り出した針金32に掛ける。以上の状態で理容モデル16の頭の整髪や顔のひげ剃りの練習や教習を行うことができる。この場合に必要に応じて理容椅子11の背もたれを傾斜させたり、あるいはハンドル29で固定ねじ28を回して支持軸27を傾斜させることで理容モデル16を任意の方向に向けて理容作業を行う。固定具14は調整軸13にしっかりと固定され、調整軸13と軸孔20の隙間33に伸縮性を有する楔部18が食い込んでいるため、隙間33による調整軸13のガタツキがなくなり、理容モデル16が固定具14に支持具15を介してしっかりと取付けられてガタツキによる振動が防止できる。また、理容モデル16の取付けも簡単にでき従来のように隙間33にタオルや紙等を入れてガタツキをなくす余分な手間がなくなる。
【0017】なお、上記実施形態において、楔部18を頭部18aと差し込み部18bとからなる形状に形成した例を説明したが、少なくとも調整軸13と軸孔20の隙間33に入る楔型の部材に形成されていればよく、実施形態の形状に限定されない、また締付け板22に切欠部22bを形成し、その切欠部22bに楔部18を配置することで楔部18を安定して取付けできるが、切欠部22bを設けずに締付け板22の下端部に当接させるようにしてもよい。さらに、固定板21や締付け板22が調整軸13に当接する表面にはゴム等の敷板を設けるようにすれば、振動を防止したり調整軸13の損傷をなくすことができる。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明の理容モデルの取付け装置では、理容椅子のまくら部の調整軸に固定具を取付け、この固定具に支持具を介して理容モデルを取付け、調整軸と軸孔とで形成される隙間に固定具で楔部を押し付けて食い込ませているため、理容モデルを理容椅子に簡単に取付けができ、ガタツキによる振動を防止できる。
【出願人】 【識別番号】597074871
【氏名又は名称】株式会社三矢
【出願日】 平成10年9月16日(1998.9.16)
【代理人】 【識別番号】100090055
【弁理士】
【氏名又は名称】桜井 隆夫
【公開番号】 特開2000−83732(P2000−83732A)
【公開日】 平成12年3月28日(2000.3.28)
【出願番号】 特願平10−261132