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【発明の名称】 カバンの肩掛け兼用把手の構造
【発明者】 【氏名】金 子 徹志雄

【要約】 【課題】この発明は、カバン、特にその把手の構造に関するものであり、肩掛け用ベルトを使用しないときに、同肩掛け用ベルトをカバン本体に収納あるいは添設状に始末可能としてなる新規な構造のカバンの肩掛け兼用把手の新規な構造を提供する。

【解決手段】筐体形状に形成されたカバン本体1を有し、同カバン本体1の上面中央付近に、所定間隔を隔てて一対の縦断面略T字型の把手用連結金具3,3を固着、立設し、該把手用連結金具3,3間に、把手部2を掛け渡し状となるよう脱着可能に嵌着すると共に、一対の肩掛け用ベルト4,4の一端をカバン本体の左右下側隅部の夫々に設けた巻取機構5,5に連結した上、同肩掛け用ベルト4,4夫々の他端を、該把手部2の両端に夫々連結してなるカバンの肩掛け兼用把手の構造である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 カバン本体の上面中央付近に、所定間隔を隔てて一対の把手用連結金具を形成した上、該把手用連結金具間に掛け渡し状であって、その両端側をそれら把手用連結金具に脱着自在となるようにして把手部を取着すると共に、同把手部両端の夫々には、適宜巻取機構によって伸縮、展開可能であって、夫々の一端側はカバン本体の適所に連結された肩掛け用ベルトの他端を連結してなることを特徴とするカバンの肩掛け兼用把手の構造。
【請求項2】 カバン本体の上面中央付近に、所定間隔を隔てて縦断面略T字型の一対の把手用連結金具を形成した上、該把手用連結金具間に掛け渡し状であって、その両端側に平面形略U字型の嵌着溝部を設けた把手部を、同嵌着溝部の開口端からそれら把手用連結金具に脱着自在となるようにして取着すると共に、同把手部両端の夫々には、適宜巻取機構によって伸縮、展開可能であって、夫々の一端側はカバン本体の適所に連結された肩掛け用ベルトの他端を連結してなることを特徴とするカバンの肩掛け兼用把手の構造。
【請求項3】 カバン本体の上面中央付近に、所定間隔を隔てて一対の把手用連結金具を形成した上、該把手用連結金具間に掛け渡し状であって、その両端側をそれら把手用連結金具に脱着自在となるようにして把手部を取着すると共に、同把手部両端の夫々には、カバン本体あるいは把手部の何れかまたは双方適所内に組み込まれ、巻き取りおよび巻き出し可能、且つ適宜巻き取り状態のままで仮固定可能とする巻取機構によって伸縮、展開可能であって、夫々の一端側はカバン本体の適所に連結された肩掛け用ベルトの他端を連結してなることを特徴とするカバンの肩掛け兼用把手の構造。
【請求項4】 カバン本体の上面中央付近に、所定間隔を隔てて縦断面略T字型の一対の把手用連結金具を形成した上、該把手用連結金具間に掛け渡し状であって、その両端側に平面形略U字型の嵌着溝部を設けた把手部を、同嵌着溝部の開口端からそれら把手用連結金具に脱着自在となるようにして取着すると共に、同把手部両端の夫々には、カバン本体あるいは把手部の何れかまたは双方適所内に組み込まれ、巻き取りおよび巻き出し可能、且つ適宜巻き取り状態のままで仮固定可能とする巻取機構によって伸縮、展開可能であって、夫々の一端側はカバン本体の適所に連結された肩掛け用ベルトの他端を連結してなることを特徴とするカバンの肩掛け兼用把手の構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の目的】この発明は、手に把持して持ち運び可能であると共に、肩に吊り下げての利用も可能とするカバンの把手の構造に関するものであって、特に、肩紐部分を使用しないときにの収納状態、およびカバン本体外側への添設状態に特徴のあるカバンの肩掛け兼用把手の新規な構造を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】通勤、通学用のカバンやアタッシュケース、旅行カバン、およびカメラ、ビデオ、携帯型コンピュータやその他の電子機器を収納するキャリングケース等、携行物を外力から保護したり、各種物品をまとめて運搬し易くする等の目的から、各種形状、構造からなるカバン類が一般に広く利用される。このカバン類としては、手提げカバンや肩掛け用のものの外、手提げ用の把手および肩掛け紐の双方を備え、軽量物品を収納したときや、短時間の移動等に際しては手提げカバンとして利用し、両手を使いたいときや長時間の持ち運び、および重量物を収納したとき等には、ショルダーバックとして利用できるように構成し、利用者のその時々の都合に応じてその負担を軽減できるようにしたものも見受けられる。
【0003】このように収納する荷物の重量や形状、あるいは、持ち運ぶ者の都合に応じて、手提げカバン、ショルダーバックまたは背負いカバン等の複数の運搬形態への変更を可能とするようにしたカバンには、特開平6−339406号公報に示される発明のように、長い一本のベルト両端をカバン本体の底面に回動自在に支持させると共に、ベルトの長さ方向の中央をカバン本体の背板上端中央に設けた係止部材に係脱自在に係止することにより、左右一対の背負いベルトとして利用可能であり、また、係止部材による係止を外してベルトの長さ方向中央部分をカバン本体から取り外し、カバン底面のベルト回動支持部を回動させることにより、同ベルト両端側の夫々をカバン本体左右のまち部分に添わせた上、同まち部分に補助ベルトで仮止めすることによってショルダーバックに変更でき、さらに、該ベルトに設けられた寸法調節用の金具を調節し、ベルト長を短縮することによって手提げカバンとして利用することも可能な構造となっているものがある。
【0004】また、実開平4−34915号公報に開示されたカバンは、ベルトを無端、輪状とし、その中間部を二つ折りにしてカバン本体の底部側から同表裏両側面を挟むように配設すると共に、カバン本体の上部近傍に長さ方向に移動自在に取り付け、ベルトの表裏上側に引き出された部分を均等な長さに調節して手提げ用のハンドルとすることができるよう構成した上、表裏何れか一方側のハンドル部分を、さらに引き出してショルダーバックとする外、該ベルトの表裏側面のうち何れか一方の左右に肩幅程度の間隔を確保されている部分を引き出し、両腕を通して背負いバックとして利用できるよう構成したものとなっている。
【0005】これら既に提案済みとなっているものに代表されるような手提げカバンからショルダーバックに変形できるよう構成されたカバンは、そのベルトおよび同ベルトに付属する金具部品等の一切をカバンの外部に露出したものとなっているため、ベルトの長さ調節に伴い、余剰となったベルト端部が邪魔になったり、携行中に周囲の人や物に引っ掛かけてしまう虞れがある上、外部に露出したベルトは傷みが早く、カバンの外周壁面をも傷付けてしまう原因にもなる等といった不都合を有していたが、これまでのところ、このような不具合を悉く解決するに有効な構造をもつ把手やカバンは提供されていなかった。
【0006】この発明は、以上のような従前からのカバンで、手提げカバンおよびショルダーバックに変形可能とするようにしたカバンの難点に対処し、手提げカバンとショルダーバックとに変形する操作をさらに簡単なものにすると共に、不要時の肩掛け用ベルトの外部への露出を防止する上で、把手部、肩掛け用ベルトおよびカバン本体の構造を改善できないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に手提げカバンとして利用する際に肩掛け用ベルトをカバン本体内もしくは把手部内に適宜収納可能であり、該肩掛け用ベルトの収納作業も容易で速やかに行うことができる新規な構造のカバン用肩掛け兼用把手、およびそれを有するカバンを実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
【0007】
【発明の構成】図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明に包含されるカバンの肩掛け兼用把手の構造は、基本的に、カバン本体の上面中央付近に、所定間隔を隔てて一対の把手用連結金具を形成した上、該把手用連結金具間に掛け渡し状であって、その両端側をそれら把手用連結金具に脱着自在となるようにして把手部を取着すると共に、同把手部両端の夫々には、適宜巻取機構によって伸縮、展開可能であって、夫々の一端側はカバン本体の適所に連結された肩掛け用ベルトの他端を連結した構成を要旨としている。
【0008】上記したとおりの基本的な構成に包含されているこの発明のカバンの肩掛け兼用把手の構造を、より具体的な構成のものとして示せば次のとおりのものとなる。即ち、カバン本体の上面中央付近に、所定間隔を隔てて縦断面略T字型の一対の把手用連結金具を形成した上、該把手用連結金具間に掛け渡し状であって、その両端側に平面形略U字型の嵌着溝部を設けた把手部を、同嵌着溝部の開口端からそれら把手用連結金具に脱着自在となるようにして取着すると共に、同把手部両端の夫々には、適宜巻取機構によって伸縮、展開可能であって、夫々の一端側はカバン本体の適所に連結された肩掛け用ベルトの他端を連結してなる構成を要旨とするカバンの肩掛け兼用把手である。
【0009】同様に、カバン本体の上面中央付近に、所定間隔を隔てて一対の把手用連結金具を形成した上、該把手用連結金具間に掛け渡し状であって、その両端側をそれら把手用連結金具に脱着自在となるようにして把手部を取着すると共に、同把手部両端の夫々には、カバン本体あるいは把手部の何れかまたは双方適所内に組み込まれ、巻き取りおよび巻き出し可能、且つ適宜巻き取り状態のままで仮固定可能とする巻取機構によって伸縮、展開可能であって、夫々の一端側はカバン本体の適所に連結された肩掛け用ベルトの他端を連結してなる構成を要旨とするカバンの肩掛け兼用把手の構造も包含している。
【0010】そして、より一層具体的な構成のものとしては、カバン本体の上面中央付近に、所定間隔を隔てて縦断面略T字型の一対の把手用連結金具を形成した上、該把手用連結金具間に掛け渡し状であって、その両端側に平面形略U字型の嵌着溝部を設けた把手部を、同嵌着溝部の開口端からそれら把手用連結金具に脱着自在となるようにして取着すると共に、同把手部両端の夫々には、カバン本体あるいは把手部の何れかまたは双方適所内に組み込まれ、巻き取りおよび巻き出し可能、且つ適宜巻き取り状態のままで仮固定可能とする巻取機構によって伸縮、展開可能であって、夫々の一端側はカバン本体の適所に連結された肩掛け用ベルトの他端を連結したカバンの肩掛け兼用把手の構造が包含される。
【0011】把手用連結金具は、カバン本体上面に把手部を着脱可能に連結する機能を果たす金具であり、把手部を取り付けたときには、荷物が詰め込まれたカバン本体を、後述の把手部で吊り下げ、保持する際に、その全体荷重を把手部に伝達できるだけの充分な連結強度を確保できる構造のものでなければならず、しかも把手部を容易且つ速やかに着脱可能となるような構成のものとすべきである。
【0012】したがって、例えば、ネジを利用した螺着構造によるものとする外、後述する実施例に代表されるように、把手部を水平方向に移動して嵌着する縦断面T字型または縦断面転倒J字型等に形成し、金具上端に、後述の把手部端部側を当接または掛止状とすることによってカバン本体からの荷重が受け止められるよう構成したり、あるいは鍵孔状の掛止孔が形成された金具とし、その掛止孔に対し、把手部端部側底部に突設した縦断面転倒T字型または縦断面J字型等に形成した掛止金具を、把手部の弾性変形で嵌合、離脱可能となるようにする等、通常の把手部としての使用では本来の把手部としての機能を安全に全うし、ネジを緩めたり、把手部を通常の使用と違う、例えば実施例のように適宜角度水平回動したり、あるいは把手部の弾性変形によって掛止金具間隔を変えるようにする等、各種操作で把手部を脱着可能とするような構造のものを採用することができる。
【0013】なお、この把手用連結金具には、後記する把手部を掛止状とした後、不用意に離脱させてしまわないようにする仮固定機構、例えば磁石の吸着力を利用して把手部を仮固定させてその連結状態を保持するようにしたり、あるいは後述する実施例に採用しているような突起の出入りによるもの、その他、ベルトのバックル状に形成され、把手部端に突設された舌片部を繋着するようにしたもの等、適宜公知の仮固定構造を併設したものとする極めて好都合のものとすることができる。
【0014】把手部は、カバンを吊り下げるために手で把持する部分であって、前記把手用連結金具を通して掛かるカバン全体の荷重を手に伝える機能を果たすことになり、その両端部は、所定間隔を隔てて設けられた上記一対の把手用連結金具に着脱自在に連結し得るよう構成されていなければならず、またカバン本体からの荷重を手で比較的楽に受けることのできる形状、寸法,および素材のものに設定すべきであり、比較的軟質なベルト状のものとしたり、あるいは比較的硬質のハンドル状のものに形成することも可能であり、両端夫々に肩掛け用ベルトが連結されたもの(したがって、ベルト他端側に後述の巻取機構が組み込まれる。)として形成されるか、あるいは、両端夫々に肩掛け用ベルトを巻き取り可能な機構を介して連結したものとすることができる外、カバン本体に巻き取り可能に連結された一本の肩掛け用ベルトの中途部に、該肩掛け用ベルトに沿って摺動自在に連結し、同肩掛け用ベルトを引き延ばしたときには、摺動させて中央からずらしてしまい、該肩掛け用ベルトの中央部分を直に肩に掛けてしまうよう構成したものとすることも可能である。
【0015】巻取機構は、使用していない肩掛け用ベルトを一時的に巻き取り、収納する機能を果たすものであり、肩掛け用ベルトに損傷を与えないように収納できる機構を採用したものとし、しかも簡単な操作によって速やかに肩掛け用ベルトを収納できるよう構成すべきであって、巻き取り構造、例えば、カバン本体の肩掛け用ベルトの連結された部分に内蔵され、折り畳み収納可能なハンドルを展開して回動操作し、肩掛け用ベルトを巻き取り可能に構成したり、カバン本体側あるいは把手部側の肩掛け用ベルトの連結部分に内蔵された巻取軸に、同巻取軸を巻き取り方向に付勢する渦巻バネを設け、該渦巻バネの復元力を受けて肩掛け用ベルトを自動的に巻き取るように構成したもの等とする外、場合によっては、ベルトを自動的に折り畳み、収容してしまうようにした機構のもの等で代替することも可能である。
【0016】また、この巻取機構には、同巻取機構内、カバン本体、把手部あるいは肩掛け用ベルトの何れかに同巻取機構を強制的に停止するか、もしくは、肩掛け用ベルトの巻き取りおよび巻き戻し移動を強制的に停止する仮固定機能、例えば、肩掛け用ベルトを直接厚み方向から挟み込み、仮固定するようにしたもの、あるいは巻取軸の外周側から摩擦片で挟み込み、肩掛け用ベルトを仮固定可能とするようにしたもの等の外、肩掛け用ベルトの巻き取り移動方向に沿って複数の係合孔を穿孔し、カバン本体あるいは把手部に設けた係合鉤に該係合孔の何れか1つを選択的に係合させ、長さ調節をして仮固定できるよう構成したもの等のような、適宜公知の手段を選択、採用することもできる。
【0017】肩掛け用ベルトは、カバン本体を吊り下げ、肩に掛けることができるようにする機能を果たすものであり、把手部と同程度の耐荷重強度を有すると共に、巻き取り収納あるいは折り畳み収納可能な程度の柔軟性を備えたものでなければならず、比較的薄く引張り強度に秀れた材質を選択すべきであり、肩掛け側の側面または仮固定のための摩擦片等が接する側の側面の全長あるいはそれらが接触する可能性のある所定長範囲に渡り、軟質ゴム又は軟質合成樹脂等の摩擦を高める素材を一体に設けたり、摩擦を高める凹凸形状を成形したものとすることも可能である外、全長に渡り蛇腹状に伸縮するバネ素材を添設し、吊り下げ時には延伸状となり、折り畳み収納の際や非使用時の荷重の掛からない時には、自ずから収縮してしまうものとした上、カバン本体または把手部の連結部分に収納部を形成することによって自動的に収納状態となるよう構成したもの等とすることもできる。
【0018】なお、カバン本体は、従前からのカバンを構成するカバン本体と基本的には変わらず、荷物を収容、運搬するための筐体または袋体としての機能を果たすものであって、通常の荷物による荷重で容易に破損してしまうことのない程度の強度に形成されていなければならず、把手連結金具の取り付け部分、および肩掛け用ベルトの連結部分等の荷重の集中する部分には補強布や補強板等を設け、充分な強度を確保できるようにしたものとするのが望ましく、例えば、上部が開口した袋体状に形成され、同上部開口部を閉鎖、仮固定可能な蓋部を開閉自在に設けると共に、該蓋部の上面中央の所定間隔を隔てた箇所に一対の把手用連結金具を設け、適所に肩掛け用ベルトの連結部分を形成したものとする外、中央から二分割状に開閉される筐体に形成され、一対の把手用連結金具を双方の筐体上部間に跨るよう配置し、これら一対の把手用連結金具間に把手部を掛け渡し装着可能に構成したもの等とすることもできる。
【0019】開閉蓋部は、カバン本体の荷物収納用開口部を開閉し、収容物の露出、落下を規制する機能を果たすものであって、カバンの使用目的に合う強度と材質のものを選択、採用するようにし、それがカバン本体の上面に設けられる場合には、蓋部上面中央に所定間隔を隔てた把手用連結金具を設け、把手部を着脱可能に構成し、該開閉蓋部を閉鎖、仮固定した状態で把手を連結し、持ち運ぶことができるようにしたもの等としたり、あるいはカバン本体の表裏側面の双方に開口部を形成するようにしたものでは、夫々に開閉蓋部を設けたものにすると共に、止め金具、締め付け紐、ファスナー、ボタンまたは仮止め用バンド等、適宜仮固定機能を付加したものとするようにする等、カバン本体の荷物収納用開口部の位置や形状、構造に応じた最適な形状、構造のものとする。以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
【0020】
【実施例1】図1の肩掛け兼用把手を引き出したカバンの斜視図、図2の肩掛け兼用把手をカバン本体に仮固定したカバンの斜視図、図3の把手部仮固定構造の斜視図、および図4の肩掛け用ベルト巻取機構の斜視図に示される事例は、矩形状に形成されたカバン本体1の表裏側面の夫々に開閉蓋部12,13を設け、該表裏側面に挟まれた左右側面に沿って肩掛け用ベルト4を巻き取るよう形成したもので、この発明の基本的構成を具備したものの最も代表的なカバンの肩掛け兼用把手の実施例と、それを有するカバンの代表的な一実施例を示すものである。
【0021】カバン本体1は、所定剛性を確保することによってカバンの筐体状外郭形状をなす短筒状枠部11、および同短筒状枠部11の表裏開口部を、比較的軟質な素材からなり、下側縁部だけが一体に連続し、他の3辺をファスナーによって開閉可能に形成した開閉蓋部12,13を設けたものであり、該短筒状枠部11の上面中央には、把手部2の両端を装着するに適する所定間隔を隔てた位置の夫々に、把手用連結金具3,3を設けてあり、把手用連結金具3は、短筒状枠部11の上側面に貫通状に立設した縦断面T字型の金具であり、基部を短筒状枠部11内側面に固着された補強板31に一体に結合したものとなっている。また、把手用連結金具3,3夫々の一側には、上端部に把手部2仮固定片部21縁部を仮固定可能な係合用段差部33を有する突没ボタン32が、短筒状枠部11内に設けたコイルバネ34により、突出方向に付勢するよう設けられている。
【0022】把手部2の両端に設けた仮固定片部21,21の何れか一方には、カバン本体1の表側に開口する平面U字型の嵌着溝部22を形成し、同何れか他方には、カバン本体1裏側に開口する平面U字型の嵌着溝部22を形成したものとなっており、夫々の嵌着溝部22,22を、縦断面T字型の把手用連結金具3,3に側方から嵌着可能に構成し、カバン本体1短筒状枠部11の上面における左右壁面付近には、肩掛け用ベルト4,4の中途部を挿通するスリット状の開口部14,14が形成され、該肩掛け用ベルト4,4夫々の一端を、カバン本体1内に設けられた巻取機構5,5に連結する一方、他端を前記把手部2仮固定片部21,21の夫々に連結したものとなっている。
【0023】巻取機構5は、帯形状の肩掛け用ベルト4の一端を、短筒状枠部11内下側隅に回転自在に軸着した水平状の巻取軸部51に連結すると共に巻き付け、同巻取軸部51に対して同心状に巻き付き、巻き取り側に付勢する渦巻バネ52を設けた上、巻取軸部5との間に巻き付けられた肩掛け用ベルト4を挟み込むように接合可能に構成された仮固定具部53を設け、同仮固定具部53を巻き付けられた肩掛け用ベルト4側に向けて付勢するコイルバネ54、および短筒状枠部11外側に突出して該コイルバネ54を圧縮する方向に押圧操作可能とする仮固定解除ボタン55を有するものとなっている。
【0024】
【実施例2】図5の把手内に巻取機構を設けたカバンの肩掛け兼用把手の斜視図、および図6の巻取機構を内蔵するカバンの肩掛け兼用把手の縦断面図に示される事例は、この発明のカバンの肩掛け兼用把手、およびそれを有するカバンに包含される他の実施例を示すものであり、把手部2に設けられた巻取機構5を操作し、肩掛け用ベルト4,4を巻き取り可能とするよう構成したものである。
【0025】把手部2内部は、両端に設けた仮固定片部21,21の間の部分を中空状に形成し、同仮固定片部21,21の夫々の中央側には、巻取機構5,5を収容する筐体形状部23,23が形成され、該筐体形状部23,23内に水平状に軸着した巻取軸部51,51の夫々に、筐体形状部23,23に開口されたスリット部24,24を通して挿入した肩掛け用ベルト4,4の他端側を連結、巻き付けしたものとなっており、巻取軸部51,51の一端は、該筐体形状部23,23の側方に突出した巻取操作摘み部25,25となっている。
【0026】さらに、把手部2内部に、板バネ機能を有する仮固定用弾性板体26を内蔵し、その両端部を巻取軸部51,51に巻き付いた肩掛け用ベルト4,4に押圧するよう構成すると共に、該仮固定用弾性板体26の両端側上部に位置して、把手部2の両端側上面に突出する仮固定解除操作片部27,27を設けたものとなっており、該仮固定解除操作片部27,27を把手部2の中央側に向けてスライド移動すると、仮固定用弾性板体26の端部を肩掛け用ベルト4,4から引き離し可能とするよう構成している。
【0027】また、把手部2の仮固定片部21,21、および把手用連結金具3,3の構造は、前記実施例に示したものと略同様に形成し、把手部2の両端側に連結、巻き取りした肩掛け用ベルト4,4の一端側は、カバン本体1の適所に連結したものとなっている。
【0028】
【作 用】以上のとおりの構成からなるこの発明のカバンの肩掛け兼用把手、およびそれを有するカバンは、把手部2を側方にスライド移動させると,該把手部2は把手用連結金具3,3から外れ、肩掛け用ベルト4,4を巻取機構5,5から解き放ち、延伸状に引き出すと肩掛け可能なものとなり、また、肩掛け可能な状態に引き出してある把手部2は、カバンの吊り下げ状態が解放され,仮固定機構の組み込まれているものではそれを解除すると、自然に巻き取り機構5,5によって肩掛け用ベルト4,4が巻き取り、収容されて把手用連結金具3,3近傍に納まり、その後、取り外しの際とは逆向きにスライド移動すると把手用連結金具3,3に連結され、カバン本体1に合体した元の状態に復し、手提げ型のカバンとしての使用が可能になる。
【0029】図1に示されるカバンは、把手部2を図中矢印方向に順次操作すると、把手部2両端に形成された仮固定片部21,21の平面U字型に形成した嵌着溝部22,22が、夫々縦断面T字型の把手用連結金具3,3に側方から嵌着し、図2中に示すように把手部2が、カバン本体1と一体化するものとなり、また、矢印とは逆向きに順次操作すれば、嵌着溝部22,22が、図1のように把手用連結金具3,3から離脱し、カバン本体1から離れて肩掛け可能な状態となる。
【0030】把手部2を仮固定するとき合には、図3に示すように仮固定片部21で突没ボタン32を押し下げ、そのまま嵌着溝部22を把手用連結金具3に嵌着させるようスライド移動させ、仮固定片部21が移動して突没ボタン32がコイルバネ34によって上昇し、係合用段差部33が該仮固定片部21の縁部に係合すると、把手部2がカバン本体1に仮固定される。また、把手部2を取り外すときには、該突没ボタン32を手指で押し下げて仮固定片部21への係合用段差部33の係合を解き、同仮固定片部21を嵌着時とは逆向きにスライド移動して把手用連結金具3から離脱させ、取り外しする。
【0031】また、図1の斜視図に示すカバンは、カバン本体1の側部下方に突出された仮固定解除ボタン55,55を押し込み操作すると、肩掛け用ベルト4,4が、巻き取り機構5,5側に自動的に巻き込まれ、図2のように、肩掛け用ベルト4,4の一部をカバン本体1内に収容すると共に、他の露出された一部をカバン本体1上面に添って仮固定状に配置するものとなり、また、仮固定解除ボタン55,55を押し込み操作すると共に、肩掛け用ベルト4,4を引き出し操作すれば、図1のように肩掛け用ベルト4,4が引き出され、そのまま仮固定解除ボタン55,55の押し込み操作を止めると、肩掛け用ベルト4,4は引き出された任意状態のままに仮固定されることとなる。
【0032】巻取機構5に肩掛け用ベルト4を巻き取るには、図4の肩掛け用ベルト巻取機構の斜視図に示されるように、仮固定解除ボタン55を押し込み操作し、仮固定具部53をコイルバネ54の押圧力に抗して後退させ、巻取軸部51の仮固定状態を解除し、渦巻バネ52の復元力を開放すると、巻取軸部51が自動的に巻き取り方向に回動し、肩掛け用ベルト4を巻き取り収納する。仮固定解除ボタン55の押圧操作を止めると、仮固定具部53がコイルバネ54の押圧力を受けて前進し、巻取軸部51に巻き付いている肩掛け用ベルト4を、該巻取軸部51との間に挟み込み、仮固定状態となる。
【0033】そして、肩掛け用ベルト4を引き出す場合には、仮固定解除ボタン55を押圧操作し、仮固定具部53を巻取軸部51に巻き付いている肩掛け用ベルト4から離脱させたままに維持すると共に、肩掛け用ベルト4を渦巻バネ52の復元力に抗して引き出し、所望する長さを引き出した後、仮固定解除ボタン55の押圧操作を止めると、仮固定具部53がコイルバネ54の押圧力を受けて前進し、巻取軸部51との間に肩掛け用ベルト4の巻き取り部分を挟み込み、仮固定状態となる。
【0034】また、図5の斜視図に示されているような、把手部2内に肩掛け用ベルト4,4の巻取機構5,5を備えたカバンは、把手部2の両端に設けられた仮固定片部21,21が前記実施例と同様の構造となっており、把手部2を回動するようにスライド移動させると、カバン本体1の把手用連結金具3,3に着脱し、把手部2の両端部に設けられた巻取操作摘み部25,25を巻き取り方向に回動操作すると、肩掛け用ベルト4,4が筐体形状部23,23の夫々に巻き取られる。
【0035】この実施例における巻取機構5は、肩掛け用ベルト4を巻き取る際に、仮固定解除操作片部27を、図6の縦断面図中の矢印方向にスライド操作して仮固定用弾性板体26の端部を、巻取軸部51に巻き付いた肩掛け用ベルト4から引き離し、この引き離し操作の間に、巻取操作摘み部25を巻き取り方向に回動操作すると、肩掛け用ベルト4が筐体形状部23内に巻き取られ、収納される。
【0036】巻き取りを終了した後、仮固定解除操作片部27の引き離し操作を止め、仮固定用弾性板体26の先端を、巻取軸部51に巻き付いた肩掛け用ベルト4に当接させ、仮固定する。そして、肩掛け用ベルト4を送り出す場合には、仮固定解除操作片部27を、前述同様に仮固定用弾性板体26の先端が巻取軸部51に巻き付いた肩掛け用ベルト4から離れる方向にスライド操作し、巻取軸部51が自由に回動可能な状態とし、この引き離し状態を維持したまま、巻き取られている肩掛け用ベルト4を筐体形状部23内から引き出し、必要な長さを引き出した後に仮固定解除操作片部27の操作を止め、肩掛け用ベルト4の巻取軸部51に巻き付いている部分に仮固定弾性板体26の先端を当接させ、肩掛け用ベルト4の引き出し状態を仮固定する。
【0037】
【効 果】以上のとおり、この発明のカバンの肩掛け兼用把手の構造によれば、肩掛け用ベルトを使用しない場合に、巻取機構に収納し、ベルトや金具等の邪魔な部品が外部に露出しない構造とすることができると共に、ショルダーバックとして利用する際には、収納状態にある肩掛け用ベルトを速やかに引き出して利用できるものとなり、手提げカバンとして利用する際にも、肩掛け用ベルトを速やかに収納できるので、吊り下げ状となる肩掛け用ベルトの邪魔な部分が発生せず、ベルトやこれに付随する金具の引っ掛かり等によって起こり得る不用意な事故を未然に防ぐことができる上、露出を避けて収納される肩掛け用ベルトは、汚損も少なく、カバン本体に擦れることもなくすることができることから、従前までのもののような、肩掛け用ベルトの全長がカバンの外部に吊り下がり状に露出し、使用していないときには邪魔になって周囲の人や物品に引っ掛かって迷惑をかけたり、肩掛け用ベルトおよびカバン本体自体を汚損してしまう等といった不都合を一挙に解決し、利便性に富む上、長期の使用にも耐え得るという秀れた特徴が得られるものである。
【0038】特に、実施例に説明したカバンの肩掛け兼用把手の構造は、把手部2の着脱操作も垂直軸心周りに回動状に操作するという容易なものであり、迅速且つ確実な着脱操作を可能とするという利点を有し、仮固定解除ボタン55,55を操作することによって巻取機構5,5が作動し、自動的に肩掛け用ベルト4,4が巻き取られるので、速やかな巻き取りが可能なものとなっている上、仮固定具部53により、巻き取り後も確実に仮固定されるので、肩掛け用ベルト4,4が不用意に巻き戻され、カバン本体1外へ引き出されてしまうことを防止できるという効果を発揮するものである。
【0039】さらに、巻取操作摘み部25,25および仮固定解除操作片部27,27を有する肩掛け用ベルト4,4の巻取機構5,5が、把手部2の両端部に夫々設けられたものとしてあることから、把手部2周辺の手元操作のみによって肩掛け用ベルト4,4の巻き取り、および巻き戻し操作を簡単に行うことができると共に、肩掛け用ベルト4,4の巻取機構5,5を備えているにも拘らず、カバン本体1内のスペ−スの全てを収納に利用することができるという大きな特徴を奏するものとなっている。
【0040】叙述の如く、この発明のカバンの肩掛け兼用把手の構造は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの手提げカバンとショルダーバックとの双方に変更可能なカバンの製造単価に比較しても何等遜色のないものとなって経済的なものとすることができる上、肩掛け用ベルトの巻き取り操作性も良く、利用者が十分な満足を得ることのできるものとなっており、しかも肩掛け用ベルトを収納する構造によってカバンの外的デザインに殆ど影響を与えることなく装備可能なるという有利な特徴もあって、形状や構造、あるいは素材等に係わらず、あらゆるカバンへの採用が可能になるため、市場を刺激する新たな商品が求められるカバン業界からも高い評価が得られることとなって、広範に渡って利用、普及していくものと予想される。
【出願人】 【識別番号】599051786
【氏名又は名称】金子 徹志雄
【出願日】 平成10年10月20日(1998.10.20)
【代理人】 【識別番号】100083437
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 實
【公開番号】 特開2000−116428(P2000−116428A)
【公開日】 平成12年4月25日(2000.4.25)
【出願番号】 特願平10−318399