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【発明の名称】 手動開閉傘の下ろくろ
【発明者】 【氏名】呉 増榮

【要約】 【課題】手動開閉式の傘の開閉を安全かつ容易に行えるようにする。

【解決手段】傘の開閉に際してロックを解除するために押圧される押圧部101を具備する略円筒状の主体部10と、主体部10から外方に円盤状に張り出すろくろ部11とからなる下ろくろ1において、押圧部101のろくろ部11側近傍に外方に突出する指ストッパー112を設け、傘の開閉時に指が突き当たるようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】傘軸に沿って移動自在に設けられる略円筒状の主体部(10、20、30、40、50、60)と、主体部(10、20、30、40、50、60)から外方に円盤状に張り出し、その外周縁に設けられ、それぞれワイヤ挿通孔を有する支骨(14)の一端が挿入される複数の支骨保持溝(110、310、403、510、603)と、支骨保持溝(110、310、403、510、603)に挿入された支骨(14)の一端のワイヤ挿通孔を順次経由して外周面を一周し、両端が撚り合わせられて、支骨を傾動自在に支持するワイヤのための環状溝(111、311、404、511、604)とを有するろくろ部(11、21,31、402、51、602)とからなる手動開閉傘の下ろくろ(1、2、3、4、5、6)において、傘の開閉に際して下ろくろのロックを解除するために押圧される押圧部(101、201、301、410、501、610)と、少なくとも、押圧部101、201、301、410、501、610)のろくろ部(11、21,31、402、51、602)側近傍に外方に突出する指ストッパー(112、212、312、411)と、を有する上記の手動開閉傘の下ろくろ(1、2、3、4、5、6)。
【請求項2】支骨の回動を阻止することなく、ろくろ部(402、602)の外周面を囲むリング状の安全カバー(41、61)を具備し、押圧部(410、610)及び指ストッパー(411)が、この安全カバー(41、61)に設けられる請求項1に記載の手動開閉傘の下ろくろ(4、6)。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、開閉の際に利用者の指を保護し得る手動開閉傘の下ろくろに関する。
【0002】
【従来の技術】手動開閉式の傘の下ろくろには、傘軸に設けられているハジキを出没させるためのスリットを有するものがある。この下ろくろを具備する手動開閉式の傘を開閉させるときには、このスリットから突出しているハジキの頭部を押圧して下ろくろのロックを解除し、下ろくろをスライドさせる。しかし、このハジキは薄板状であるため、直接指で押圧すると、ハジキが指に食い込み、押圧し難いと共に、指が痛くなるという問題があった。このため、図18ないし図22に示したように、スリット上に張り出し、スリットから突出するハジキの頭部を押圧し得るよう押圧部を設けた下ろくろがある。
【0003】また、ハジキを用いないで下ろくろをロックできるようにしたものもある。この下ろくろは、図23に示したように、スリットに、その下端が傘軸に設けられた凹みに食い込み得るようにその中程を中心として傾動可能に支持され、かつ、その下端がばねによって傘軸方向に傾動するよう付勢された押圧部を有するものであり、この押圧部の上端側を押圧して、下ろくろのロックを解除して開閉操作する。なお、本明細書において、上側とは傘の石突側を指し、下側とは柄側を示すものである。
【0004】しかし、上記のような押圧部を有する下ろくろを具備した傘でも、それを開く際には、指が滑らないように下ろくろをしっかりつかんでいなければならず、傘を開きにくいという問題があった。また、この傘は、従来のハジキを直接押圧する形式の傘よりも安全に傘を開閉できるが、開閉操作中に指が支骨に挟まるなどして思わぬけがしてしまうという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、手動開閉式の傘の開閉を安全かつ容易に行えるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、傘の開閉に際してロックを解除するために押圧される押圧部を具備する略円筒状の主体部と、主体部から外方に円盤状に張り出すろくろ部とからなる下ろくろにおいて、押圧部のろくろ部側近傍に外方に突出する指ストッパーを設けることにより達成される。また、支骨の回動を阻止することなく、ろくろ部の外周面を囲むリング状の安全カバーを設け、この安全カバーに押圧部及び指ストッパーを設けておくことにより達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の詳細を説明する。図1は本発明に係る手動開閉傘の下ろくろの第一実施例を示す側面図、図2は図1に示した下ろくろを具備した折畳傘の構成を示す正面説明図、図3は図2に示した傘の側面説明図、図4は図3に示した傘を開くときの状態を示す側面図、図5は図4の部分拡大断面図、図6は図3に示した傘を閉じるときの状態を示す側面図、図7は図6の部分拡大断面図、図8は本発明に係る手動開閉傘の下ろくろの第二実施例を示す側面図、図9は本発明に係る手動開閉傘の下ろくろの第三実施例を示す側面図、図10は図9に示した下ろくろを具備する傘の開閉状態を示す説明図である。
【0008】また、図11は本発明に係る手動開閉傘の下ろくろの第四実施例を示す側断面図、図12は図11に示した本体の側断面図、図13は図11に示した安全カバーの斜視図、図14は図11に示した下ろくろを具備した傘を開く状態を示す部分拡大断面図、図15は図14の傘の閉める状態を示す部分拡大断面図、図16は本発明に係る手動開閉傘の下ろくろの第五実施例を示す斜視図、図17は本発明に係る手動開閉傘の下ろくろの第六実施例を示す部分断面側面図、図18ないし図20及び図23はそれぞれ従来の下ろくろを示す側面図、図21は図18に示した従来の下ろくろを具備する折畳傘を示す側面図、図22は図21に示した傘の開閉状態を示す説明図である。
【0009】まず、図1について説明する。図1中、1は本発明に係る手動開閉傘の下ろくろ、10は主体部、100はスリット、101は押圧部、11はろくろ部、110は支骨保持溝、111は環状溝、112は指ストッパーである。下ろくろ1は、主体部10とろくろ部11とからなる。主体部10は略円筒状の部材であり、その下端側に縦方向のスリット100を有する。
【0010】このスリット100は、上端縁に、下方に向かって延びる押圧部101を有する。ろくろ部11は主体部10の中程から円盤状に張り出すよう設けられるものである。このろくろ部11の外周面には、一端にワイヤ挿通孔を有する図示しない支骨の、ワイヤ挿通孔を有する一端が挿入される複数の支骨保持溝110が設けられる。
【0011】また、このろくろ部11の外周面には、各支骨保持溝110に挿入された図示しない支骨のワイヤ挿通孔を順次経由してろくろ部11を一周して、支骨を傾動自在に軸支するワイヤを案内するための環状溝111が設けられる。指ストッパー112は、押圧部101の上方の、ろくろ部11の下側縁に沿って外側に突出して設けられる。この下ろくろは、図2及び図3に示したように、傘軸12に沿って移動自在に設けられるものである。
【0012】この折畳傘を開くときには、押圧部101を押圧して下ろくろ1のロックを解除した後、図4及び図5に示したように、指ストッパー112に親指を突き当てて、ハジキ13の頭部が下ろくろ1のスリット100から突出し、ロックされるまで下ろくろ1を押し上げる。そして、閉じるときには図6及び図7に示したように押圧部101を押圧してロックを解除し、下ろくろ1を下方に引き下げるものである。上記の実施例では、傘を開くときには、親指が指ストッパー112に突き当たっているので、下ろくろ1を強く握らなくても押し上げることができると共に、開閉操作中に親指が滑って支骨14に引っかかったり、挟まれることがない。
【0013】次に、図8について説明する。図8中、2は下ろくろ、20は主体部、200はスリット、201は押圧部、21はろくろ部、212は指ストッパーである。この下ろくろ2は、押圧部201の構成を除いては第一実施例のものと同様であるので、重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。この押圧部201は、スリット200の下端縁から上方に向かって延びるものであると共に、ろくろ部21は第一実施例に示した下ろくろ21は主体部20の上端に設けられ、第一実施例と同様の作用効果を奏するものである。
【0014】次に、図9について説明する。図9中、3は下ろくろ、30は主体部、301は押圧部、31はろくろ部、310は支骨保持溝、311は環状溝、312は指ストッパーである。なお、この下ろくろ3の基本的な構成は、押圧部301を除いて第二実施例のものと同様であるので、以下、相違点を中心に説明する。この押圧部301は、図10にも示したように、その下端が傘軸32側に傾動し得るよう主体部30に支持され、ばねによってその下端が傘軸32方向に傾動するよう付勢されている。
【0015】この下ろくろ3が設けられる傘軸32には、図10に示したように、所定の位置に下ろくろ3をロックするため、押圧部301の下端が嵌まり得る凹みが設けられている。この下ろくろ3を備えた傘を開閉するときには、押圧部301の上端側を押圧して下ろくろ3のロックを解除し、また、傘を開くときには、親指を指ストッパー312に突き当てて下ろくろ3を押し上げればよく、第一及び第二実施例と同様の作用効果を奏するものである。
【0016】次に、図11ないし13について説明する。図11ないし13中、4は下ろくろ、40は本体、400は主体部、401はスリット、402はろくろ部、403は支骨保持溝、404は環状溝、41は安全カバー、410は押圧部、411は指ストッパー、412は隔壁である。本体40の構成は、図12に示したように、第一実施例に示した下ろくろから押圧部及び指ストッパーを除いたものと同様である。
【0017】安全カバー41は、図13に示したように、リング状の部材であって、押圧部410はその部材の下縁の一部から下方に延びるよう設けられ、指ストッパー411は押圧部410の付け根付近に設けられる。また、その部材の上縁に沿って、組み立てたときに支骨の回動の妨げにならないように切り込みが入っている隔壁412が設けられる。この安全カバー41は、図11に示したように、本体40に嵌められるものであり、その隔壁412がろくろ部402の外周面を覆うようになる。
【0018】この下ろくろ4を具備する傘を開くときには、下ろくろ4のロックを解除した後、親指が指ストッパー411に突き当たるようにして下ろくろ4をつまみ、下ろくろ4を上方に押し上げ、反対に、閉じるときには、図15に示したように、押圧部410を押圧して下ろくろ4のロックを解除し、下ろくろ4を引き下げるものである。この実施例では、前述した実施例と同様の作用効果に加え、隔壁412が環状溝404を覆うので、支骨を支持するワイヤの端部で、指をけがする恐れがなくなると共に、見栄えもよくなるものである。
【0019】次に、図16について説明する。図16中、5は下ろくろ、50は主体部、500はスリット、501は押圧部、51はろくろ部、510は支骨保持溝、511は環状溝である。この下ろくろ5の主要構成は、第一実施例のものと同様であるので、相違点を中心に説明する。この下ろくろ5のろくろ部51は、両端が略半円状にカットされた長尺盤であり、この略半円状の端部が指ストッパーの働きをするものである。この実施例では、主体部50を挟んで、両側に指ストッパーができるので、傘の開閉操作中に指が支骨側に挟まることがなく、きわめて簡単かつ安全に開閉できる。
【0020】次に図17について説明する。図17中、6は下ろくろ、60は本体、600は主体部、601はスリット、602はろくろ部、603は支骨保持溝、604は環状溝、61は安全カバー、610は押圧部、612は隔壁である。この下ろくろ6の主要構成は、第四実施例に示したものと同様であるので、相違点を中心に説明する。この下ろくろ6のろくろ部602の形状は、第五実施例に示したものと同様であり、安全カバー61もこのろくろ部602の形状に合わせて成形されているものである。この下ろくろ6は第五実施例と同様にきわめて簡単かつ安全に傘を開閉できる。
【0021】なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、例えば、主体部、ろくろ部、安全カバーの形状や、支骨保持溝の数や配置等は本発明の目的の範囲内で自由に設計変更できるものであり、本発明は上記の説明から当業者が容易に想到し得る総ての変更実施例を包摂するものである。
【0022】
【発明の効果】本発明に係る手動開閉傘の下ろくろは上記のように構成されるので、本発明によるときは、手動開閉式の傘の開閉を安全かつ容易に行えるようになる。
【出願人】 【識別番号】595079504
【氏名又は名称】呉増栄
【出願日】 平成10年8月14日(1998.8.14)
【代理人】 【識別番号】100075247
【弁理士】
【氏名又は名称】最上 正太郎
【公開番号】 特開2000−50928(P2000−50928A)
【公開日】 平成12年2月22日(2000.2.22)
【出願番号】 特願平10−229707