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【発明の名称】 腕時計用バンド
【発明者】 【氏名】久保田 正明

【要約】 【課題】バンドの外方への突出部のない腕時計用バンドを提供する。

【解決手段】腕時計ケース18の一対の連結ピンに取付けられた第一及び第二のバンド11、12と、第一及び第二のバンドが挿通され第二のバンドの先端に取付けられた長方形環状の中留具13を有する。中留具を通った第一のバンドの先端に取付けられた長方形環状具14が設けられる。この環状具は中留具を通過できない大きさを有する。第三のバンド15が環状具に取付けられ、第一及び第三のバンドに面ファスナー16、17が取付けられ互いに接合されるようになっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 腕時計ケースの一対の連結ピンに取付けられた第一及び第二のバンドと、第一及び第二のバンドが挿通され第二のバンドの先端に取付けられた長方形環状の中留具と、中留具を通った第一のバンドの先端に取付けられ、中留具を通過できない大きさの長方形環状具と、該環状具に取付けられた第三のバンドと、第一及び第三のバンドに取付けられ互いに接合される面ファスナーとよりなる腕時計用バンド。
【請求項2】 腕時計ケースの一方の連結ピンに取付けられ環状の長バンドと、該長バンドが往路帰路の二回挿通される長方形環状中留具と、長バンドが挿通折り返される長方形環状具と、環状具に取付けられた短バンドと、長バンドと短バンドに夫々取着けられ、互いに接合する面ファスナーよりなり、長バンドの先端は腕時計ケースの他方の連結ピンの内側を通って折り返され、中留具を通って折り返され、重合部において互いに固定されたことを特徴とする腕時計用バンド。
【請求項3】 長バンドの環状具折り返し後の部分が中留具の外側を通っていることを特徴とする請求項2による腕時計用バンド。
【請求項4】 腕時計ケースの一対の連結ピンに取付けられた第一及び第二のバンドと、第一及び第二のバンドが挿通され第二のバンドの先端に取付けられた長方形環状の中留具と、第一のバンドが当接する中留の枠の部分に回転可能に取付けられ、その上に第一のバンドが接するようにしたパイプと、中留具を通った第一のバンドの先端に取付けられ、中留具を通過できない大きさの長方形環状具と、該環状具に取付けられた第三のバンドと、第一及び第三のバンドに取付けられ互いに接合される面ファスナーとよりなる腕時計用バンド。
【請求項5】 腕時計ケースの一対の連結ピンに取付けられた第一及び第二のバンドと、第一及び第二のバンドが挿通される長方形環状の第一の中留具と、中留具を通った第一のバンドの先端に取付けられ、第一の中留具を通過できない大きさの長方形環状具と、該環状具に取付けられた第三のバンドと、第一及び第三のバンドに取付けられ互いに接合される面ファスナーと、第二のバンドの先端が往路帰路二回挿通され、三本の枠部を有する第二の中留具と、第二のバンドの先端部を押さえる押さえ具とよりなる腕時計用バンド。
【請求項6】 第一のバンドが当接する中留の枠の部分に回転可能に取付けられ、その上に第一のバンドが接するようにしたパイプを備えることを特徴とする請求項2、あるいは5のいずれかによる腕時計用バンド。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腕時計用バンド、特に布等の軟質バンドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】腕時計用のバンドとして、合成樹脂、ゴム、皮革、布等の軟質バンドに面ファスナーを取付け、その面ファスナーを接合することにより時計を腕に装着するようにしたものがある。面ファスナーとは、多数の鉤形状の枝条体を備える一方の面と、多数の輪形状の枝条体を備える他方の面とより構成される。一方の面と他方面とが接合と分離を繰り返すことができる。かかる面ファスナーは、マジックテープなどの商品名で市場で購入することができる。このような面ファスナーを備えるバンドは、面ファスナーを外したとき、バンドの輪が拡大され、時計が腕から落脱することがある。
【0003】かかる欠陥を防ぐ考案として、特開平8ー70914及び実用新案登録第3029496号公報記載のものがある。図12は、その実用新案公報記載の腕時計を示す側面図で、腕時計ケース1に布製の第一及び第二のバンド2、3が取付けられ、中留具4で折り返されて環状に形成されるようになっている。中留具4は、四本の桟5a,5b,5c及び5dを有し、第二のバンド3の先端は桟5c,5dの間を通り、桟5bで折り返され、桟5c,5dの間を通ってバンド2の内側に沿って合わせられ、適当な長さとされる。
【0004】第一のバンド2には、雄面ファスナー6が先端部外側に、雌面ファスナー7が基部外側に夫々縫着され、先端は二重に折曲されて舌片8が形成され、その基部が対向三角形10で示されるように縫合されている。この先端部が桟5a,5bの間を通って折り返され舌片8の先端8a図示のように拡げられる。この拡げられた部分が第一のバンドの桟5bにおける折り返し部に当接することにより、バンドの逆行が阻止され、バンドの輪が解放され、腕時計が落下するのを防ぐようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】併しながら、このようなバンドでは、腕時計を手首に装着しているとき、下記に列挙される不都合が生じた。
(1)腕の動きに連動して、舌片8の自由端8aが揺動するので、装着感が悪いばかりか腕時計の外観を損ねる。
(2)舌片の自由端が机の角などに引っ掛かりやすいため、不用意にバンドの面ファスナーの接合が外れることがある。
(3)バンドを机の角などに引っかけて、バンドが引っ張られると、バンドが切れたり、中留具4が破損したりする。
(4)中留具に対するバンドの滑りが円滑でなく、手首への装着や長さ調整が容易ではない。
本発明目的は、バンドの先端部に突出部がなく、上記のような欠点を除去することのできる腕時計用バンドを提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1による発明は、腕時計ケースの一対の連結ピンに取付けられた第一及び第二のバンドと、第一及び第二のバンドが挿通され第二のバンドの先端に取付けられた長方形環状の中留具と、中留具を通った第一のバンドの先端に取付けられ、中留具を通過できない大きさの長方形環状具と、該環状具に取付けられた第三のバンドと、第一及び第三のバンドに取付けられ互いに接合される面ファスナーとよりなる。環状具がバンドに接して、腕の動きに連動して、揺動することがない。従って、装着感が良く、腕時計の美観を損ねない。また、机の角などに引っ掛かりにくく、バンド面のファスナーの接合が不用意に外れない。
【0007】請求項2による発明は、腕時計ケースの一方の連結ピンに取付けられ環状の長バンドと、該長バンドが往路帰路の二回挿通される長方形環状中留具と、長バンドが挿通折り返される長方形環状具と、環状具に取付けられた短バンドと、長バンドと短バンドに夫々取着けられ、互いに接合する面ファスナーよりなり、長バンドの先端は腕時計ケースの他方の連結ピンの内側を通って折り返され、中留具を通って折り返され、重合部において互いに固定されたことを特徴とする。バンドが環状になっているので、バンドを机の角などに引っ掛けて、バンドが引っ張られても、バンドが切れるほどの力はバンドに負荷されない。同じように、中留具にも過大な力は負荷されない。これは中留具を通っているバンドの部分に、引張力が分散されるためである。従って、バンドや中留具が破損する危険性が削減される。
【0008】請求項4による発明は、腕時計ケースの一対の連結ピンに取付けられた第一及び第二のバンドと、第一及び第二のバンドが挿通され第二のバンドの先端に取付けられた長方形環状の中留具と、第一のバンドが当接する中留の枠の部分に回転可能に取付けられ、その上に第一のバンドが接するようにしたパイプと、中留具を通った第一のバンドの先端に取付けられ、中留具を通過できない大きさの長方形環状具と、該環状具に取付けられた第三のバンドと、第一及び第三のバンドに取付けられ互いに接合される面ファスナーとよりなる。中留具に対するバンドの滑りが円滑になる。従って手首への装着や長さ調整が容易になる。
【0009】請求項5による発明は、腕時計ケースの一対の連結ピンに取付けられた第一及び第二のバンドと、第一及び第二のバンドが挿通される長方形環状の第一の中留具と、中留具を通った第一のバンドの先端に取付けられ、第一の中留具を通過できない大きさの長方形環状具と、該環状具に取付けられた第三のバンドと、第一及び第三のバンドに取付けられ互いに接合される面ファスナーと、第二のバンドの先端が往路帰路二回挿通され、三本の枠部を有する第二の中留具と、第二のバンドの先端部を押さえる押さえ具とよりなる。この発明によれば、第二の中留具を第二のバンドがジグザグに二回通るのでこの部分でバンドが固定され、バンドの先端部分を接合加工する必要がなく、加工が簡単となる。
【0010】また、請求項5によれば、第一のバンドが当接する中留の枠の部分に回転可能に取付けられ、その上に第一のバンドが接するようにしたパイプは、請求項2、あるいは5のいずれかによる腕時計用バンドに適用される。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第一の実施の形態による腕時計を示す斜視図、図2はその側面図である。なお、図中の相対する三角形は、かかる三角形が描かれた部分において、バンドとバンドとが、何らかの公知の固定手法によって、分離不能に重ね合わされている状態であることを示す。
【0012】第一のバンド11及び第二のバンド12は共に布製で、第一のバンド11はバンドの幅方向に長い長方形環状の中留具13に挿通され、先端は長方形環状具14に挿入され、折り返されて縫合されている。環状具14には更に第三のバンド15が挿入折り返され、縫合されている。第一のバンド11の基部外側に雌面ファスナー16が、第三のバンド15の内側に雄面ファスナー17が夫々縫着されている。
【0013】一方、第二のバンド12の先端は中留具13に挿入折り返され縫合して中留具に取付けられている。第一、第二のバンド11、12の基部は夫々時計ケース18に取付けられている。而して、中留具13の輪の内側のバンド長手方向寸法より第二のバンド12の厚さを引いた寸法及びその長手方向に対する横方向の寸法の少なくとも一方は、環状具14の厚さと第一のバンド11の厚さの二倍を加えた寸法、又は横方向の寸法より小さく設定され、環状具14が中留具13を通過できないように構成されている。上記のように構成された腕時計を腕に装着するには、図2に実線で示すように面ファスナー17を外してバンドの輪を拡げ、手を通した後、鎖線で示すように第三のバンド15を引いて、バンドの輪を腕に合わせ、面ファスナー17を面ファスナー16に接合すればよい。外す時は、上記と逆の操作を行うことになる。
【0014】本実施の形態によれば、中留具13で折り返され、第一のバンド11の外側に位置する第一のバンドの部分、環状具14及び第三のバンド15の何れの部分にも突起部がなく、また、図2に鎖線で示すように第一のバンドの外側に接しているので、異物に引っ掛かるようなことはない。従って第三のバンドが外れて遊動することもなく、外観を損ねることもない。また机の角などに当たってバンドが切れたり中留具が破損することもない。更に、揺動する部分がないので、装着感を悪くすることがない。
【0015】図3は本発明の第二の実施形態を示す斜視図、図4はバンドの輪を拡げた状態を示す側面図、図5は輪を細めてバンドを閉じた状態を示す側面図である。この実施形態では、第一の実施形態における第一、第二のバンドを結合して、一本の長バンド20が備えられている。長バンド20の一方の基部20aは、時計ケース18の一方のバネ棒21に折り返して取付けられ、バンドの先端20bは環状の中留具22及び環状具23を通り、双方の枠22a,23aで折り返され、再び中留具22を通り、時計ケース18の他方のバネ棒24の内側を通って折り返し、中留具22の他方の枠22bで折り返され、図4に示すように内外二重のバンドの内側に入り、二重及び三重部分が縫合される。更に環状具23の他方の枠23bに短バンド25が取付けられる。そして、面ファスナー26、27が夫々長バンド20と短バンド25に縫着される。
【0016】この第二の実施形態では、長バンドが無端の環状になっており、図4に示すように、短バンド25を外す事により輪を拡げ、手を入れることができる。また、図5に示すように輪をせばめ、面ファスナー26、27を接合することにより、腕時計を装着することができる。本実施形態も第一の実施形態と同じ効果を有するが、更に、バンドが無端の輪になっているので、たとえ面ファスナーがはがれても、腕時計が手から落ちることがない。また、バンドが何かによって引張られても、その張力の一部は図5のA部が負担するので力が分散し、中留具22に大きな力が掛かることなく、破損することがない。
【0017】図6は、第三の実施形態による腕時計を示す斜視図である。この実施形態における主構造は第二の実施形態の構造と同じであるが、中留具22の枠22aに割りパイプ30が回転可能に嵌められ、その上にバンド20が挿入されている。従って、バンド20を引くと割りパイプ30が回転し、バンドを軽く操作することができる。また之により、バンドの表面を傷付けることがない。
【0018】図7は、第四の実施形態による腕時計を示す斜視図である。この実施形態では、第二の実施形態におけるバンド先端20bは時計ケース18のバネ棒21、24の内側を通って延ばされ、一方、基部20aはバネ棒24の近くに位置して重ねられ、二重、三重部で縫着されている。この実施形態では、一方のバネ棒21の部分での縫着がなく、加工が簡単となる。
【0019】図8は第五の実施形態による腕時計の斜視図、図9はそれの側面図である。この実施形態は、第二の実施形態の変形で、図3、4と同じ符号を用いて説明する。即ち、長バンド20の一方の基部20aは、時計ケース18の一方のバネ棒21に折り返して取付けられ、バンドの先端20bは環状の中留具22及び環状具23を通り、双方の枠22a,23aで折り返され、中留具22の上を通り、時計ケース18の他方のバネ棒24の外側を通って折り返され、中留具22の他方の枠22bで折り返され、図9に示すように内外二重のバンドに合わされ、二重及び三重部分において縫合される。更に環状具23の他方の枠23bに短バンド25が取付けられる。そして、面ファスナー26、27が夫々長バンド20と短バンド25に縫着される。この第五の実施形態では、長バンドが中留具22の外側に配置され、中留具が見えないので外観が向上する。
【0020】図10は第六の実施形態を示す斜視図である。第一及び第三のバンド11、15は第一の実施の形態のそれと同じであるので図1及び図2と同じ符号で示し、説明を省略する。第二のバンド31に先端31aは、環状の押さえ具32を通り、三本の枠を有する第一中留具33をジグザグに通り、第二中留具34で折り返し、再び第一中留具33をジグザグに通り、押さえ具32を通っている。
【0021】本実施形態によれば、第二のバンド31が第一中留をジグザグに通ることにより、抜け止めされているので、バンドの先端を縫合又は接着する必要がなく、製造が簡単となる。尚、図10では第二のバンド31の先端が浮き上がっているが、押さえ具32を先端の所へ置けば押さえられる。
【0022】また、図12に示した従来のバンド構造は、その中留具4が手首の湾曲に沿わないため、甚だ装着感を悪くする。これに比べ、本発明は、第一中留具33と第二中留具34とに分割されているため、手首の湾曲に沿った心地のよい装着感を得られる利点がある。
【0023】図11は第六の実施形態の変形例を示す斜視図で、その環状具14及び第三のバンド15が省略され、面ファスナー17が直接第一のバンド11に縫着されている。他は第六の実施形態と同じで図10と同一符号を付してある。また、図6に記載された割りパイプ30は、図1、図8、図10、あるいは図11のいずれかのバンド構造にも適用できることは、当業者にとって明白な事項である。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、バンドの先端が環状のバンド本体に密着しているので、腕の動きに連動して、バンドの先端が揺動することなく、装着感を悪くしたり、腕時計の外観を損ねることがない。また、先端が机の角などに引っ掛かってバンドの面ファスナーの接合が外れたり、バンドが切れたり、中留具を破損したりすることがない。
【出願人】 【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
【出願日】 平成10年7月23日(1998.7.23)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−37212(P2000−37212A)
【公開日】 平成12年2月8日(2000.2.8)
【出願番号】 特願平10−207675