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【発明の名称】 シートベルト用バックル
【発明者】 【氏名】マルティン スペヒト

【氏名】ヴァルター クラウス

【氏名】ステファン シュヴァルト

【氏名】トーマス シュロット

【要約】 【課題】バックルに再度張力をかけるときに、固定部材を固定位置に完全に固定保持する。

【解決手段】バックルフレーム1,2には、シートベルトに連結された舌部4を挿入可能な案内溝3が形成される。案内溝3内にあるイジェクター5は、イジェクターばね6により舌部4の排出方向に付勢されている。バックルフレーム1,2には、舌部4をロックするために非ロック位置からロック位置へ移動可能なロック部材7が取り付けられている。固定部材8は、ロック部材7をロック位置に保持するための固定位置と、ロック部材7を解放するための解放位置との間で移動可能である。固定部材8に設けられたブロック装置9は、ロック部材7がロック位置にある時にブロック位置に移動可能である。固定部材8は、解放位置への移動に抗して固定位置に保持され、それにより、ブロック装置9がイジェクター5によりブロック位置に保持される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バックルフレーム(1,2)に形成され、シートベルトに連結された舌部を挿入可能な案内溝(3)と、前記案内溝(3)内で案内され、挿入方向と反対の排出方向にイジェクターばね(6)が作用するイジェクター(5)と、前記バックルフレーム(1,2)に取り付けられ、前記案内溝(3)内に挿入された舌部(4)をロックするために非ロック位置からロック位置に移動可能なロック部材(7)と、前記ロック部材(7)を前記ロック位置に保持するために固定位置に移動可能であり、前記ロック部材を解放するために解放位置に移動可能な固定部材(8)と、前記固定部材(8)に設けられ、前記ロック部材(7)が前記ロック位置にある時に、前記固定部材(8)を前記開放位置への移動に抗して前記固定位置に堅固に保持するブロック位置に移動可能で、それにより前記イジェクター(5)によって前記ブロック位置に保持されるブロック装置(9)とを有するシートベルト用バックル。
【請求項2】 前記ブロック位置において、前記ブロック装置(9)が、前記イジェクター(5)により、バックル部品上の接触部位置に保たれ、前記固定部材(8)の前記解放位置への移動を不可能とする、請求項1に記載のシートベルト用バックル。
【請求項3】 前記ブロック装置(9)が、前記ブロック位置で前記ロック部材(7)と接触している、請求項1または2に記載のシートベルト用バックル。
【請求項4】 前記イジェクター(5)に、前記挿入方向への加速動作の際にも、この加速動作の後に続く減速の際と同様に前記ブロック装置(9)と係合し、前記ブロック装置を前記ブロック位置に保持するブロック装置外郭部(12)が設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシートベルト用バックル。
【請求項5】 前記ブロック装置(9)が、第1及び第2のレバーアーム(10,11)を有し前記固定部材(8)の軸線を中心にピボット回転可能な湾曲レバーとして構成されており、それにより、前記ブロック位置で、前記第1のレバーアーム(10)が前記バックル部品、特に前記ロック部材と接触し、前記第2のレバーアーム(11)が前記イジェクター(5)、特に前記ブロック装置外郭部(12)と接触する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシートベルト用バックル。
【請求項6】 前記バックルの前記挿入方向への前記加速動作の減速の際に変形する変形可能部(13)が前記イジェクター(5)に設けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシートベルト用バックル。
【請求項7】前記固定部材(8)に係合する付勢ばね(14)を有し、それによって前記ロック部材(7)が前記非ロック位置に保持される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のシートベルト用バックル。
【請求項8】 前記固定位置において、前記固定部材(8)が、前記付勢ばね(14)によって、前記バックルフレーム(1,2)の接触部(15)に対して押圧される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシートベルト用バックル。
【請求項9】 前記付勢ばね(14)のための直線案内手段(21)が設けられている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のシートベルト用バックル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シートベルト用のバックルに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のバックルが、ドイツ特許19545899号(欧州特許公開第0777984号)により知られている。この公知のバックルは、シートベルトに連結された舌部を挿入可能な、バックルフレーム内の案内溝を有している。イジェクターは案内溝内で案内され、挿入方向と反対方向にイジェクターばねに作用している。さらに、ロック部材がバックルフレームに移動可能に取り付けられており、このロック部材は、案内溝内に挿入された舌部をロックするためのロック位置、及び舌部を解放するための解放位置に移動可能である。固定部材がバックルフレームに移動可能に固定されており、この固定部材は、ロック部材をロック位置に保持するための固定位置、及びロック部材を解放するための解放位置に移動可能である。さらに、過度の加速および/または減速の際に固定部材を固定位置に保持する支持部材が設けられている。このことにより、例えば、バックルに作用するベルト引き締め器によりバックルに再度張力をかける時など、バックルの高加速および/または減速中であっても、固定部材が固定位置内に維持されることが保証される。これによりロック部材はロック位置に固定され、バックルに保持されているベルトが望み通りに引き締められる。
【0003】その慣性と支持部材の慣性により、固定部材は、再度張力をかける手順の加速段階において、固定位置に保持される。減速の際には、バックルフレームの案内溝内に直線的に案内される平衡質量が、レバーアーム及び支持部材を介して固定部材に作用し、固定部材を固定位置に保持する。イジェクターは、イジェクターばねにより平衡質量上に支持されている。湾曲レバーとして形成されている作動レバーが、固定部材にピボット回転可能に取り付けられており、それにより、舌部の挿入動作が、ロック位置への移動を保証するために、作動レバーを介してロック部材に伝達される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】欧州特許第0212507号により知られているシートベルト用バックルでは、再度張力をかける手順の加速段階において、レバーアームに取り付けられた平衡質量が、支持部材(プランジャー)を介して固定部材に作用する。しかしながら、減速段階においては、平衡質量が取り付けられているレバーの効果は、再度張力をかける手順の加速段階において移動を継続させようとする平衡質量の慣性により相殺され、それにより、固定部材の、平衡質量による固定位置での完全な固定保持は、もはや保証されなくなる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、加速段階および減速段階の特にバックルに再度張力をかける時に、固定部材を固定位置に完全に固定保持することを保証する、安価な、前述した型式のバックルを提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】シートベルト用バックルの図示している実施形態では、バックルフレームは、概ね上部プレート1と下部プレート2とから形成されている。2つのプレートは、連結ボルト26により互いに連結されている。上部プレート1と下部プレート2との間には案内溝3が形成されている。案内溝3内には、イジェクター5が長手方向に移動可能に案内されている。イジェクター5は、バックルフレーム上に設けられている接触部22に支持されているイジェクターばね6により、舌部4の排出方向に付勢されている。舌部4は、公知の方法でシートベルト(図示せず)に連結されている。
【0007】シートベルトとバックルとを連動させるために、舌部4は案内溝3内に挿入され、そこで、イジェクター5が、イジェクターばね6の力に抗して図5に示す位置に押される。このロック位置では、係合部30を有するロック部材7が、舌部4のロック凹部27に係合する。このロック位置が図2〜6に示される。
【0008】ロック位置で、ロック部材7は、杭状に構成された固定部材8により固定される。固定部材8は、フレーム部材16の長手方向のスロット17内で、長手方向に案内される。この長手方向の案内は、案内溝3と実質的に平行である。バックルフレームに固定されたばね支持体23により支持されている付勢ばね14は、固定部材8に係合している。ばね支持体23は、下部プレート2に形成することもできる。圧縮ばね(圧縮コイルばね)として構成されている付勢ばね14は、ロッド状の直線案内手段21を有している。圧縮コイルばね(付勢ばね14)は、上記の案内手段に巻回されている。直線案内手段21は、その前端部に、固定部材8と係合する係合部25を有している。直線案内手段21は、その後端部において、ばね支持体23の案内穴24内で案内されている。このことにより、固定部材8のそれぞれの位置で、付勢ばねは効果のある一定の方向に直線形状を保つことが保証されている。さらに、本実施形態の直線案内手段21がロッド状構造であることで、全ての作動位置において付勢ばねが抜けたりねじれたりすることが防止され、それにより、固定部材8の所望の固定機能及び保持機能が常に保証される。
【0009】ロック位置において、固定部材8は、ロック部材7の上面で固定面28(図1参照)と接触する。固定部材8は、付勢ばね14により案内スロット17内の導入位置に保持され、その位置で固定部材8は案内スロット17の端部に当接する。これら案内スロットの端部は、バックルフレーム上の接触部15を形成している。案内スロット17の幅は、固定部材8の直径より僅かに大きな寸法であり、そりにより、固定部材8はバックルフレーム上のスロット内で移動可能に案内される。ここに示すロック位置では、固定部材8は案内スロット17の前端部において接触部15に接触している。このことにより、ロック部材7が、上方へ移動不能であるが舌部4のロック用凹部27との係合状態に保たれることが保証されている。
【0010】杭状の固定部材8上にはブロック装置9がピボット回転可能に取り付けられている。ブロック装置9は、連結リンク31を介して連結される第1のレバーアーム10と、第2のレバーアーム11と、を有する湾曲アームとして構成されている。レバーアーム10,11のなす角度は約90度である。舌部4の案内溝3への挿入によって、図4〜6のイジェクター5は、右から左、すなわち案内溝3の後端へ移動する。その結果、ブイジェクター5に形成されたロック装置外郭部12がレバーアーム11に係合する。従ってブロック装置9は時計方向にピボット回転し、それにより、連結リンク31の下面において作動縁部がロック部材7の上面上端部を押圧し、ロック部材7が非ロック位置からロック位置へと押し下げられる。ここで、第1のレバーアーム10は、連結リンク26を介してロック部材7に作用する。この動作によって、非ロック位置で付勢ばね14によりロック部材7の保持面19(図1,6参照)に押圧される固定部材8は、縁部近傍が固定面28の領域へ移動する。それにより、案内スロット17内の固定部材8は、前部位置へ運ばれ、そこで、接触部15と接触し付勢ばね14により押される。このブロック位置で、ブロック装置9は、図5に示すように、第2のレバーアーム12がイジェクター5のブロック装置外郭部12上に静止している。さらに、ブロック装置9は、その第1のレバーアーム10が、2つの固定面28の間および係合部30の上方を横断するように延びている縁部29と重なっており、縁部29の領域においてロック部材7と接触する。これによって、バックルフレーム上のブロック装置9は動作しなくなる。固定部材8がブロック装置9に連結されているので、固定部材もバックルフレームに固定される。ブロック装置9及び固定部材8の、案内スロット17内での図示した右位置から左位置への移動すなわち非ロック方向への移動は、不可能になっている。
【0011】ブロック位置において、ブロック装置9は、その2つの第1のレバーアーム10が、ロック位置にあるロック部材7と接触している。しかしながら、ブロック装置9とそれに連結されている固定部材8とを、イジェクター5のブロック装置外郭部12によりバックルフレームに固定するために、バックルフレームにもう一つの固定された接触部を設けることもできる。
【0012】イジェクター5のブロック装置外郭部12は、バックルの加速段階においても加速後の減速段階と同様にブロック装置9と固定部材8とを固定部ロック位置すなわち固定位置に保たれるような寸法になっている。バックルは、バックルに再度張力をかけることによって、図4〜6において右から左へ移動する。慣性により、イジェクター5及び押しボタン20は、図4,5に示す位置にとどまる。ブロック装置9の第2のレバーアーム11は、ブロック装置外郭部12の後部に置かれており、それによってブロック装置9は、図5に示す上記のブロック位置に保たれる。
【0013】再度張力をかける動作の完了によって減速が生じ、それにより、イジェクター5は、フレームに固定された接触部22にぶつかるまで、図5における右方の正常な位置から、左方のバックルロック位置へ移動される。ブロック装置外郭部12の長さは、ブロック装置外郭部がブロック装置9の第2のレバーアーム11と係合したままとなり、それにより図6に示すようにブロック装置9のブロック位置及び固定部材8の固定位置を維持するような寸法になっている。このことにより、ロック部材7は、その係合部30が舌部4のロック用凹部27内にしっかりと保持されることが保証される。
【0014】加速された左方への移動が減速される時、例えば再度張力をかける動作の完了時に、押しボタン20も慣性によって左方へ移動し、しかしながらそれによって、上述したようにブロック装置9および固定部材がそれぞれブロック位置すなわち固定位置に保たれるので、ロック部材7の立ち上がりが抑止される。その理由は、ブロック装置9はその第2のレバーアーム11が、図6に示すように、イジェクター5のブロック装置外郭部12に係合した状態に保たれるからである。
【0015】変形可能部13がイジェクター5に設けられていてもよい。フレームに固定された接触部22にイジェクター5がぶつかる時に、この部分13は変形し、これによりエネルギーが分散される。イジェクター5が接触部22にぶつかる時に、衝撃が吸収される。この結果、イジェクター5が接触部22に強くぶつかる結果として生じるバックルのその他の機能部品の跳ね返り運動が防止される。
【0016】バックルは、押しボタン20によって非ロック位置へ運び戻されることができる。押しボタンは、接触部または噛み合い嵌合によって、固定部材8を図4〜6における左方へ移動させ、それにより、ブロック装置9はその第2のレバーアーム11がブロック装置外郭部12から分離し、固定部材8は最終開放位置に移動する。
【0017】ロック部材7の引っ張り支持部18内で構成要素を外側へ回転させることによりロック部材7を持ち上げることで、係合部30は、舌部4のロック用凹部27の外側へ移動し、イジェクターばね6およびイジェクター5の作用により、舌部4は案内溝3から排出される。固定部材8は、保持面19に到達し、付勢ばね14により保持面19に押圧される。ロック部材7は、これによりロック位置に保たれる。
【0018】図示した実施形態において、ロック部材7は、引っ張り支持部18内で、欧州特許公開第0777984号により知られているのと同様な方法で設計可能であるバックルフレームにピボット回転可能に取り付けられている。このことにより、ロック部材7の、非ロック位置とロック位置との間の移動が可能になっている。
【出願人】 【識別番号】591041118
【氏名又は名称】ブリード・オートモティブ・テクノロジィ・インク
【出願日】 平成12年2月1日(2000.2.1)
【代理人】 【識別番号】100088328
【弁理士】
【氏名又は名称】金田 暢之 (外2名)
【公開番号】 特開2000−232903(P2000−232903A)
【公開日】 平成12年8月29日(2000.8.29)
【出願番号】 特願2000−24153(P2000−24153)