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【発明の名称】 ゴルフ靴及びゴルフ靴用鋲
【発明者】 【氏名】鈴木 晃成

【氏名】長濱 雅彦

【氏名】西村 俊則

【要約】 【課題】樹脂製の非金属鋲の利点を生かしながら、欠点とされるスパイク効果を向上したゴルフ靴及びそれに適用可能なゴルフ靴用鋲を提供する。

【解決手段】座板7の表面に複数本の金属スパイク8を突設した金属鋲3と、座板4の表面に樹脂またはゴムのスパイク5、5aを突設した非金属鋲2とをソール部1に混在させて取付けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 座板の表面に複数本の金属スパイクを突設した金属鋲と、座板の表面に樹脂またはゴムのスパイクを突設した非金属鋲とをソール部に混在させて取付けたゴルフ靴。
【請求項2】 前記金属鋲と非金属鋲とを着脱自在にするとともに、前記ソール部に対する取付ねじの径を共通にし、前記金属鋲と非金属鋲とを互いに交換可能にした請求項1に記載のゴルフ靴。
【請求項3】 前記金属鋲のスパイクの高さと前記非金属鋲のスパイクの高さとを実質的に同一にした請求項1または2に記載のゴルフ靴。
【請求項4】 前記金属鋲の少なくとも座板の表面側を樹脂またはゴムの軟質材により前記スパイクの頂部を露出させるように被覆した請求項1、2または3に記載のゴルフ靴。
【請求項5】 金属製の座板の表面側に複数本の金属スパイクを突設すると共に、裏面側にゴルフ靴のソール部へのねじ込み用雄ねじを設け、前記座板の少なくとも表面側を樹脂またはゴムの軟質材により前記スパイクの頂部を露出させるように被覆したゴルフ靴用鋲。
【請求項6】 前記金属スパイクの数が2〜5本である請求項5に記載のゴルフ靴用鋲。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフ靴及びゴルフ靴用鋲に関し、さらに詳しくは、樹脂製の非金属鋲の利点を生かしながら、欠点とされるスパイク効果を向上したゴルフ靴及びそれに適用可能なゴルフ靴用鋲に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴルフ靴のソール部には、滑り止め用に多数の鋲が設けられている。この鋲としては、全体を金属で製作した金属鋲が一般的であった。しかし、金属鋲はゴルフ靴を重量化し、しかも、コンクリート路など硬い路面を歩行するときの突き上げ感が強いとともに、タイル面でスリップしやすいこと、さらに、クラブハウスの絨毯を傷めやすい等の問題があった。
【0003】そのため、近年、樹脂製のスパイクからなる非金属鋲の使用が進んでいる。しかしながら、非金属鋲は、金属鋲に比べてグリップ力が小さいため、急斜面や濡れた歩行面で滑りやすく、また、耐摩耗性をカバーするための構造上の理由から、スパイクの間隙に泥が詰まりやすく、その泥詰まりによりグリップ力が低下し、さらに耐摩耗性に劣る等の欠点があった。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】本発明の目的は、非金属性の鋲の利点を保持するようにしながら、グリップ力を向上可能にしたゴルフ靴を提供することにある。
【0005】本発明の他の目的は、ゴルフ場のコースの特徴や天候に応じて任意に性能を変えられるゴルフ靴を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、ゴルファーの好みに対応して性能を変えられるゴルフ靴を提供することにある。本発明のさらに他の目的は上述したゴルフ靴に好適に適用可能なゴルフ靴用鋲を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発明のゴルフ靴は、座板の表面に複数本の金属スパイクを突設した金属鋲と、座板の表面に樹脂またはゴムのスパイクを突設した非金属鋲とをソール部に混在させて取付けたことを特徴とするものである。
【0007】このゴルフ靴によれば、非金属鋲とともに金属鋲を混在させ、しかも、その金属鋲を1個当たり複数本のスパイクを設けた構成にしたので、非金属鋲のグリップ力不足をカバーし、十分なグリップ力を得ることができる。また、金属鋲のスパイクを1個当たり複数本にしたので、歩行面からの反力を分散させて歩行時の感触を非金属鋲並みにし、グリップ性能を確保しつつ非金属鋲が本来有する効果をバランスよく得ることができる。それとともに、金属鋲の混在によって、非金属鋲の耐摩耗性も改善することができる。
【0008】また、本発明のゴルフ靴用鋲は、金属製の座板の表面側に複数本の金属スパイクを突設すると共に、裏面側にゴルフ靴のソール部へのねじ込み用雄ねじを設け、前記座板の少なくとも表面側を樹脂またはゴムの軟質材により前記スパイクの頂部を露出させるように被覆したことを特徴とするものである。
【0009】このゴルフ靴用鋲によれば、複数本の金属スパイクを突設しているので、従来の金属鋲に比べて鋲1個当たりのグリップ力を向上できるとともに歩行時の感触を非金属鋲に近づけることができ、上述した本発明のゴルフ靴に取付ける金属鋲として好適に使用することができる。さらに、座板の少なくとも表面側を樹脂またはゴムの軟質材によりスパイクの頂部を露出させるように被覆したので、軟質材とのハイブリット構造で軽量化を図れる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1及び図2は、それぞれ本発明の一実施形態のゴルフ靴のソール面を示している。図1において、ソール部1には白丸で示す非金属鋲2と、黒丸で示す金属鋲3とが、片足当たり前者が4個、後者が3個づつ取付けられている。この実施形態では、左右の靴において、非金属鋲2と金属鋲3との取付位置が異なり、互いに非対象の配置となっている。他方、図2に示す実施形態では、非金属鋲2と金属鋲3との配置が左右対象になっている場合である。
【0011】図1の実施形態では、右利きの使用者を対象に、歩行時の快適性とスイング時のグリップ力をバランスよく向上させたもので、金属鋲3が爪先側に左右非対称に配置され、残りに非金属鋲2が配置されている。図2の実施形態では、特にスイング時のグリップ力を向上したもので、金属鋲3が爪先外側に左右対称に配置され、残りに非金属鋲2が配置されている。
【0012】上述した本発明のゴルフ靴に使用される非金属鋲2は、図3(A)〜(C)に示すように、金属製の座板4の表面側に、樹脂またはゴムから成形された円弧状のスパイク5と棒状のスパイク5aとが一体に形成されている。また、座板4の裏面側には、ゴルフ靴のソール部にねじ込み可能な金属の雄ねじ6が一体に設けられている。
【0013】他方、金属鋲3は、図4(A)、(B)に示すように、金属の座板7の表面側に3本のスパイク8が中心の周囲に等間隔に突出して設けられている。座板7の裏面側にはゴルフ靴のソール部1にねじ込み可能な雄ネジ9が設けられて、座板7、スパイク8及び雄ねじ9が金属によって一体に形成されている。
【0014】座板7の表面側は樹脂またはゴムからなる軟質材10により、スパイク8の頂部を露出するように被覆されている。この軟質材10は座板7の表面側だけでなく裏面側に被覆するように設けてもよい。
【0015】上述した非金属鋲2と金属鋲3とは、それぞれ底面からスパイク5、5aと8のスパイク長h1 及びh2 が互いに実質的に同じになっている。また、ソール部1の雌ねじにねじ込むための非金属鋲2の雄ねじ6と金属鋲3の雄ねじ9とも互いに同じねじ径になっており、使用者の好みや目的、コースの状況に合わせて非金属鋲2と金属鋲3とを取替えて、配置を変えられるようになっている。
【0016】上述した非金属鋲2と金属鋲3とを混在させて取付けたゴルフ靴は、金属鋲3が鋲1個当りにスパイク8を3本有しているため、1本設けられていた従来の金属鋲よりもグリップ力を向上することができる。しかも、座板7の中心に対して等間隔に配置されているため、安定したグリップ性能を得ることができる。そのため、金属鋲3のスパイク8の高さh2 を非金属鋲2のスパイク5、5aの高さh1 と同じにしても、十分なグリップ性能を得ることができる。また、歩行面からの反力を3本のスパイク8に分散させるため、歩行時の突き上げ感を緩和し、非金属鋲に近い感触にすることができる。
【0017】従って、この金属鋲3を非金属鋲2とともにソール部1に混合して配置すると、非金属鋲2の本来の利点を減殺することなく、グリップ力や耐摩耗性の不足をバランスよく補うことができる。
【0018】即ち、非金属鋲2による利点であるゴルフ靴を軽量化でき、硬い歩行面からの反力を吸収して突き上げ感を少なくでき、またタイル面でのスリップを防止でき、絨毯を傷めにくいなどを生かすことができ、かつ、急斜面や濡れた歩行面等で滑りにくくし、さらに非金属鋲2に泥が詰まってもグリップ性能を確保することができ、また、耐摩耗性を改善することができる。
【0019】さらに、実施形態で説明した非金属鋲2と金属鋲3とは雄ねじ6、9のねじ寸法が同じで、ソール部1に設けられた雌ねじに対し交換可能となっているため、非金属鋲2及び金属鋲3の配置や混在割合を任意に変更することができ、コースがフラットであるか、急斜面が多いかなどの状況、ゴルファーのスイングのくせや目的などに応じて随時取替えて調整することが可能である。
【0020】なお、上述した実施形態の金属鋲3ではスパイクが3本の場合について説明したが、本発明においては複数本である限り、特に限定されない。しかし、好ましくは、2〜5本、特に3本が好ましい。これら複数本のスパイクは座板の中心に対し、周方向に均等な間隔で配置することが望ましく、このような等間隔配置によって各スパイクのグリップ力を均等にして安定させることができる。
【0021】なお、本発明の金属鋲に使用される金属としては、例えば、鉄、チタン、セラミックス等を例示できる。これらの金属は非金属鋲の座板などの一部に金属が使用される場合の金属としても使用可能である。
【0022】また、本発明の非金属鋲に使用される樹脂またはゴムとしては、例えばナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタンなどの樹脂、天然ゴム、合成ゴムなどのゴムを挙げることができる。実施形態において金属鋲の被覆材として使用した軟質材としても、同様の樹脂、ゴムを適用することができる。
【0023】
【発明の効果】以上詳述の通り、本発明のゴルフ靴によれば、非金属鋲とともに金属鋲を混在させ、しかも、その金属鋲を1個当たり複数本のスパイクを設けたので、非金属鋲のグリップ力不足をカバーして十分なグリップ力を得ることができ、歩行面からの反力を分散させて歩行時の感触を非金属鋲並みにし、グリップ性能を確保しつつ非金属鋲が本来有する効果をバランスよく得ることができ、金属鋲の混在によって、非金属鋲の耐摩耗性も改善することができる。
【0024】また、本発明のゴルフ靴用鋲によれば、複数本の金属スパイクを突設しているので、従来の金属鋲に比べて鋲1個当たりのグリップ力を向上できるとともに歩行時の感触を非金属鋲に近づけることができ、上述した本発明のゴルフ靴に取付ける金属鋲として好適に使用することができる。
【出願人】 【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
【出願日】 平成11年2月5日(1999.2.5)
【代理人】 【識別番号】100066865
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一 (外2名)
【公開番号】 特開2000−83701(P2000−83701A)
【公開日】 平成12年3月28日(2000.3.28)
【出願番号】 特願平11−28036