| 【発明の名称】 |
ヘルメットライナーの成形方法及び成形装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】長谷川 健一
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| 【要約】 |
【課題】本発明の目的は、独立成形されたライナーの複層化で得られていた異倍率・異原料の組合せを、連続成形された複層一体成形ライナーでも行うヘルメットライナーの成形方法及び成形装置を提供する。
【解決手段】第1凸型10と、第2凸型と、凹型30とを備えた成形装置によって成形されるヘルメットライナーの成形方法であって、凹型30と第1凸型10とで形成されるキャビティ空間K1に第1の樹脂を注入して発泡成形する第1工程と、第1工程の後で凹型30と前記第1凸型10を型開きする第1型開き工程と、凹型30に第1工程で成形した成形物を保持したまま第2凸型と型締めする工程と、第2凸型側に成形物を位置させて、凹型30と第2凸型とで形成されるキャビティ空間の成形物を除く空間に第2の樹脂を注入して発泡成形する第2工程と、第2工程の後で型開きすると共に成形物を取り出す工程とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1凸型と、第2凸型と、凹型と、を備えた成形装置によって成形されるヘルメットライナーの成形方法であって、前記凹型と前記第1凸型とで形成されるキャビティ空間に第1の樹脂を注入して発泡成形する第1工程と、該第1工程の後で前記凹型と前記第1凸型を型開きする第1型開き工程と、前記凹型に前記第1工程で成形した成形物を保持したまま前記第2凸型と型締めする工程と、前記第2凸型側に成形物を位置させて、前記凹型と前記第2凸型とで形成されるキャビティ空間の成形物を除く空間に第2の樹脂を注入して発泡成形する第2工程と、該第2工程の後で型開きすると共に成形物を取り出す工程と、を備えてなることを特徴とするヘルメットライナーの成形方法。 【請求項2】 第1凸型と、第2凸型と、凹型と、によって成形されるヘルメットライナーの成形装置であって、前記凹型には樹脂注入手段が少なくとも2カ所形成されており、前記凹型と前記第1凸型とで形成されるキャビティ空間は、前記凹型と前記第2凸型とで形成されるキャビティ空間より小さく形成され、前記凹型と前記第1凸型とで形成されるキャビティ内に前記樹脂注入手段により第1の樹脂を注入し、その後、前記凹型と前記第2凸型とで形成されるキャビティ内に前記樹脂注入手段により第2の樹脂を注入して、前記第1の樹脂と第2の樹脂とを一体に成形してヘルメットライナーを成形してなることを特徴とするヘルメットライナーの成形装置。
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【発明の詳細な説明】【発明の属する技術分野】本発明はヘルメットライナーに係り、特に自動二輪車等の屋外で使用される車両等に好適に用いられるヘルメットライナーの成形方法及び成形装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般にヘルメットは外側に位置するシェルと、衝撃吸収ライナーとから構成されている。衝撃吸収ライナーは図11に示すようにシェルの内側に設けられ、外部から衝撃を受けた際に、乗員または作業員の頭部を安全に保護するものである。この衝撃吸収ライナーとしては、従来からポリスチレン(PS)発泡体(フォーム)、ポリプロピレン(PP)発泡体(フォーム)等が用いられている。 【0003】上記のような構造のヘルメットでは、衝撃力を受けたとき、その衝撃力をシェルの高剛性により広範囲に分散して、ライナに加わる圧力を極力低下させ、その圧力をライナの圧縮変形により吸収して、衝撃減衰性能を発揮するものであり、従来、その衝撃減衰性能を高める場合には、シェル材として高強度のFRPを用いるか、ライナの肉厚を増加させていた。 【0004】上記従来例のように衝撃減衰性能を高める場合に、シェル材として高強度のFRPを用いるか、ライナーの厚みを増加して対応すると、ヘルメット形状が大きくなったり、製品が重くなったり、製造コストが高くなったり、デザイン上で需要者の要望を満足させることができない等の不都合があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】そこで図12に示すように、発泡倍率の異なるアウタライナ102とインナライナ103とからなる2層構造の衝撃吸収ライナ101を用いて、ヘルメットが受けた衝撃力をシェルからアウタライナ102へ、アウタライナ102からインナライナ103へと二段階に亘って伝達させて衝撃を減衰させる技術が知られている。このように2層構造の衝撃吸収ライナを用いることにより、ライナの肉厚を特別増加させずとも、衝撃減衰性能を発揮させることが可能となる。 【0006】上記2層構造の衝撃吸収ライナを得るために、従来では、単層のライナを分割したり、或いは、異なる密度や異なる素材からなる2種類のライナを製造し、これら2種類のライナを接着剤等で接合させることにより2層構造の衝撃吸収ライナとする方法が採用されていた。 【0007】また異なる2種類のライナを接合させる方法では、2種類のライナを製造するそれぞれの工程が必要とされ、効率的にライナの製造を行うことができず、生産性やコストの面で問題があった。またアウタライナとインナライナとを接着剤等で接合させているため、接着剤を取り扱う必要があり、接着剤取り扱いに伴う不都合があった。またアウタライナとインナライナとの接合の際における位置ずれ等の不都合もあった。 【0008】本発明の目的は、独立成形されたライナーの複層化で得られていた異倍率・異原料の組合せを、連続成形された複層一体成形ライナーでも行うヘルメットライナーの成形方法及び成形装置を提供することにある。本発明の他の目的は、部品点数や組付工数を増加させずに衝撃減衰特性の向上を図ることができるヘルメットライナーの成形方法及び成形装置を提供することにある。 【0009】本発明のさらに他の目的は、良好な衝撃減衰特性を有するヘルメットライナーを簡単に成形することが可能なヘルメットライナーの成形方法及び成形装置を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記課題は、請求項1のヘルメットライナーの成形方法によれば、第1凸型と、第2凸型と、凹型と、を備えた成形装置によって成形されるヘルメットライナーの成形方法であって、前記凹型と前記第1凸型とで形成されるキャビティ空間に第1の樹脂を注入して発泡成形する第1工程と、該第1工程の後で前記凹型と前記第1凸型を型開きする第1型開き工程と、前記凹型に前記第1工程で成形した成形物を保持したまま前記第2凸型と型締めする工程と、前記第2凸型側に成形物を位置させて、前記凹型と前記第2凸型とで形成されるキャビティ空間の成形物を除く空間に第2の樹脂を注入して発泡成形する第2工程と、該第2工程の後で型開きすると共に成形物を取り出す工程と、を備えることにより解決される。 【0011】また本発明請求項2のヘルメットライナーの成形装置によれば、第1凸型と、第2凸型と、凹型と、によって成形されるヘルメットライナーの成形装置であって、前記凹型には樹脂注入手段が少なくとも2カ所形成されており、前記凹型と前記第1凸型とで形成されるキャビティ空間は、前記凹型と前記第2凸型とで形成されるキャビティ空間より小さく形成され、前記凹型と前記第1凸型とで形成されるキャビティ内に前記樹脂注入手段により第1の樹脂を注入し、その後、前記凹型と前記第2凸型とで形成されるキャビティ内に前記樹脂注入手段により第2の樹脂を注入して、前記第1の樹脂と第2の樹脂とを一体に成形してヘルメットライナーを成形した構成とすることにより、解決される。 【0012】このように、本発明では、第1凸型と凹型との間で第1の樹脂を成形し、その後第2凸型に、第1の樹脂からなる成形品を配置させ、第2凸型と凹型との間で第2の樹脂を成形して、第1の樹脂と第2の樹脂とを一体に成形してヘルメットライナーを成形するので、発泡倍率や原料の異なる外側層と内側層を有するヘルメットライナーを、一体成形品として簡単に製造することが可能となる。 【0013】また、発泡倍率や原料の異なる外側層と内側層を有するヘルメットライナーは、ヘルメットが受けた衝撃力をシェルから外側層へ、外側層から内側層へと二段階に亘って伝達させて衝撃を減衰させるので、良好な衝撃減衰性能を得ることができる。 【0014】 【発明の実施の形態】本発明のヘルメットライナー1は、第1凸型10と、第2凸型20と、凹型30と、を備えた成形装置Sによって成形される。ヘルメットライナー1の成形方法としては、先ず第1工程として、凹型30と第1凸型10とで形成されるキャビティ空間K1に第1の樹脂を注入して発泡成形し、成形物P1を得る。次に第1型開き工程として、凹型30と第1凸型10を型開きする。 【0015】次に凹型30に第1工程で成形した成形物P1を保持したまま第2凸型20と型締めする。さらに第2工程として、第2凸型20側に成形物P1を位置させて、凹型30と第2凸型20とで形成されるキャビティ空間K2の成形物P1を除く空間に第2の樹脂を注入して発泡成形する。第2工程の後で、凹型30と第2凸型20とを型開きして、成形物P2としてのヘルメットライナー1を取り出す。 【0016】また本発明におけるヘルメットライナー1の成形装置Sは、第1凸型10と、第2凸型20と、凹型30を有し、凹型30には樹脂注入手段が少なくとも2カ所形成されている。また凹型30と第1凸型10とで形成されるキャビティ空間K1は、凹型30と前記第2凸型20とで形成されるキャビティ空間K2より小さく形成されている。 【0017】また凹型30と第1凸型10とで形成されるキャビティK1内に樹脂注入手段31により第1の樹J1を注入し、その後、凹型30と第2凸型20とで形成されるキャビティK2内に樹脂注入手段32により第2の樹脂を注入して、第1の樹脂と第2の樹脂とを一体に成形してヘルメットライナー1を成形する。 【0018】 【実施例】以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。 【0019】図1乃至図10は本発明の一実施例を示すものであり、図1は本発明のヘルメットライナーを示す斜視図、図2は本発明のヘルメットライナーの断面説明図、図3乃至図10は本発明のヘルメットライナーの製造工程を示す説明図である。 【0020】本発明に係るヘルメットライナー1は、図示しないシェルの内側に配設されるものであり、外側層2と、内側層3の2層から構成され、略半球状に形成されている。 【0021】外側層2は、例えば5倍の発泡倍率で成形されたビーズ発泡用ポリスチレン(以下、EPSと略する)からなり、内側層3は、例えば20倍の発泡倍率で成形されたEPSからなる。外側層2と内側層3とで同一素材を用いる場合には、発泡倍率を変えて外側層2と内側層3との比重が異なるように構成されている。 【0022】上記ポリスチレンの他にも、ポリプロピレン(PP)、AS樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート(PC)等のビーズ発泡が可能な材料を用いることができる。これらの材料を用いたときにも、外側層2と内側層2の発泡倍率は異なるものとする。或いはこれらの素材を組み合わせて、外側層2と内側層3とを異なる材料から形成した構成としても良い。 【0023】次に本発明のヘルメットライナー1の成形装置S及び成形方法について説明する。本例におけるヘルメットライナー1の成形装置Sは、第1凸型10,第2凸型20,凹型30を主たる構成要素とする。本例では第1凸型10及び第2凸型20を固定側とし、凹型30を移動側としている。また凹型30は射出成形装置と連結されており、凹型30には射出装置から射出される樹脂を凹型30内に供給するための注入手段31,32が形成されている。 【0024】そして溶融樹脂の図示しない供給装置から、凹型30の注入手段31を介して第1凸型10と凹型30との間のキャビティK1へ溶融樹脂である第1の樹脂を射出し、注入手段32を介して第2凸型と凹型30との間のキャビティK2へ、第1の樹脂とは発泡倍率或いは原料の異なる第2の樹脂を射出するように構成されている。 【0025】また本例では、第1凸型10或いは第2凸型20と、凹型30により加圧型締めした後で、冷却等ができるように構成されている。これらの溶融樹脂の注入及び型締め等は公知の技術により行うことができるものである。 【0026】本例の第1凸型10は、図3及び図4に示すように、段部が形成された基台11と、この基台11上に位置し、着用者の頭部を入れる空間を形成する半球状凸部12と、この半球状凸部12から所定距離離間して、半球状凸部11の回りに突出して形成された周壁状凸部13とからなり、半球状凸部11と周壁状凸部12との間に溝部14が形成された構成とされている。 【0027】なお第1凸型10の基台11は、ヘルメットライナー1の前方側が高く、後方側が低くされた段違いに形成されているので、前記半球状凸部12と周壁状凸部13との間に形成される溝部14は、ヘルメットライナー1の前方側が浅く、ヘルメットライナー1の後方側が深くなるように形成される。 【0028】本例の第2凸型20は、図6に示すように、段部が形成された基台21と、この基台21上に位置し、着用者の頭部を入れる空間を形成する半球状凸部22とから構成されている。半球状凸部22は、第1凸型10の半球状凸部11と同じ大きさに形成されている。また、第2凸型20の基台21の高さは、第1凸部10の基台11の高さよりも低くなるように形成され、第1凸型10と凹型30との間に形成されるキャビティK1よりも、第2凸型20と凹型30との間に形成されるキャビティK2が大きくなるように構成されている。 【0029】本例の凹型30は、第1凸型或いは第2凸型との間に、半球状のキャビティK1,K2を形成するものであり、図3に示すように、キャビティK1に第1の樹脂を注入するための注入手段31と、キャビティK2に第2の樹脂を注入するための注入手段32とを有している。 【0030】さらに凹型30にはエジェクトピン33が設けられている。エジェクトピン33は凹型30の頂部において、凹型30を貫通可能に配設されている。エジェクトピン33は、凹型30に保持された成形品を凹型30の頂部外側から突き、成形品を凹型30から離脱させるためのものである。 【0031】また本発明に基材として用いられる樹脂、即ち注入される溶融樹脂としては、例えば、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、AS樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート(PC)等、ビーズ発泡が可能な材料を用いることができる。 【0032】上記基材としてヘルメットライナー1の外側層2と、内側層3とで同一の素材を使用する場合には、発泡倍率の異なるものを用いる。或いはヘルメットライナー1の外側層2と内側層3とで異なる基材を使用する。 【0033】次に上記構成からなるヘルメットライナー成形装置を用いて成形品を製造する方法について説明する。先ず図3で示すように、第1凸型10と凹型30とを型締めする。これにより、第1のキャビティK1が形成される。 【0034】そして公知の型内成形法により、第1の注入手段31から第1の樹脂をキャビティK1に注入し、第1凸型10と凹型30との間に、図4に示すように、第1の成形品P1としてヘルメットライナー1の内側層3を成形する。なお本例では第1の樹脂として20倍の発泡倍率に設定されたEPSを使用する。 【0035】次に図5に示すように第1凸型10と凹型30を外して型開き状態とする。このとき第1の成形品P1として得られた内側層3は凹型30側に保持されている。 【0036】次に図6に示すように、凹型30に第1の成形品P1を保持したまま、凹型30の下方で、第1の凸型10から第2凸型20へと凸型の交換を行う。このように凸型の交換を行った後、図7に示すように、第1の成形品P1の頂部をエジェクトピン33で突いて、第1の成形品P1を第2凸型20側に位置させる。 【0037】次に図8で示すように、第2の凸型20と凹型30との型締めを行う。このようにして、凹型30と第2凸型20との間にキャビティK2が形成される。次に図9に示すように、公知の型内成形法により、第2の注入手段32から第2の樹脂をキャビティK2に注入し、第2凸型20と凹型30との間に、第2の成形品P2として、内側層3に外側層2を一体に成形したヘルメットライナー1を成形する。なお本例では第2の樹脂として5倍の発泡倍率に設定されたEPSを使用する。 【0038】そして最後に図10に示すように第2凸型20と凹型30を外して型開き状態とする。そして凹型30側に保持されている第2の成形品P2としてのへルメットライナー1を、エジェクトピン33で凹型30から取り外す。 【0039】以上のように本発明によれば、発泡倍率や原料の異なる2層の発泡成形体を有するヘルメットライナー1を、一体成形品として簡単に製造することが可能となる。 【0040】また本発明のヘルメットライナー1の製造装置Sは、第1凸型10の基台11或いは第2凸型20の基台21を所望の高さに変えることにより、成形されるヘルメットライナーの肉厚を任意に設定することができる。特に外側層の肉厚を3mm〜5mmに設定し、原料を超低倍率(約5倍以下)にすることにより、ヘルメットライナー1の表面硬度が著しく向上し、ヘルメットライナー1にあたかもシェルが一体成形されたような構造とすることができる。 【0041】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、発泡倍率や原料の異なる2層の発泡成形体からなるヘルメットライナーを一体成形品として製造することにより、部品点数や組付工数を増加させることなく、簡単に製造することが可能となる。このように外側と内側とで発泡倍率や原料の異なるヘルメットライナーは、ヘルメットが受けた衝撃力をシェルから外側層へ、外側層から内側層へと二段階に亘って伝達させて衝撃を減衰させるので、良好な衝撃減衰性能を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000220066 【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年11月30日(1998.11.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088580 【弁理士】 【氏名又は名称】秋山 敦
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| 【公開番号】 |
特開2000−160425(P2000−160425A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月13日(2000.6.13) |
| 【出願番号】 |
特願平10−355400 |
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