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【発明の名称】 おしゃれ増毛装具
【発明者】 【氏名】山腰 稔幸

【要約】 【課題】自毛の引き出しが容易であり、使い回しが利き、汎用的なおしゃれ増毛装具を提供する。

【解決手段】おしゃれ増毛装具10は細かい網目を有する植毛部材をやや腰のあるテープ部材に巻き付けてなる保持部材11と、保持部材11の裏面に配設された反転性の櫛状クリップの止め具12と、硬質樹脂又は鋼材からなり適宜の弾性と剛性を有し一般的な人の頭部の曲面に合うような曲率の大きな円弧をなして形成された内部の弾性体と細かい網目の筒体からなり弾性体に外嵌して一体に係合する植毛部材とからなり保持部材11に一端を保持され保持部材11に所定の間隔で並設された複数の弾性線状部材13と、少なくとも弾性線状部材13に植設された人工毛14とを有して成る。この弾性線状部材13の延在方向を自毛の毛流れ方向に沿わせておしゃれ増毛装具10を止め具12により頭部に装着する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 おしゃれ用として自毛に変わり色の人工毛を混在させて用いるため又は増毛用として薄くなった自毛に自毛と同色の人工毛を混在させて用いるためのおしゃれ増毛装具であって、複数の止め具と、該止め具を備えた保持部材と、該保持部材に一端を保持され該保持部材に所定の間隔で並設された複数の弾性線状部材と、少なくとも前記弾性線状部材に植設された人工毛と、を有することを特徴とするおしゃれ増毛装具。
【請求項2】 おしゃれ用として自毛に変わり色の人工毛を混在させて用いるため又は増毛用として薄くなった自毛に自毛と同色の人工毛を混在させて用いるためのおしゃれ増毛装具であって、複数の止め具と、該止め具を備えた複数の保持部材と、該複数の保持部材に両端部を保持され該複数の保持部材に所定の間隔で並設された複数の弾性線状部材と、少なくとも前記弾性線状部材に植設された人工毛と、を有することを特徴とするおしゃれ増毛装具。
【請求項3】 前記複数の弾性線状部材は、一端を1つの保持部材に支持され他端を複数の保持部材により分割されて保持されることを特徴とする請求項2記載のおしゃれ増毛装具。
【請求項4】 前記複数の弾性線状部材は、前記保持部材に保持される端部の先端が前記保持部材よりも外側に突出して配置されることを特徴とする請求項1、2又は3記載のおしゃれ増毛装具。
【請求項5】 前記複数の弾性線状部材は、人の頭部の曲面に対応する曲形を有し且つ頭部の曲面に沿って横にうねる形状を有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のおしゃれ増毛装具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、頭部への取り付け位置に制約が殆ど無く且つ自毛と人工毛との混在整髪が容易なおしゃれ増毛装具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、人工毛(人造または自然の毛髪を加工したもの)を人の頭部に装着して、薄くなった自毛(本人の頭部に成育している自然の頭髪)と渾然一体化させ、見た目に自毛が増えたかの如くに形成する増毛装具がある。
【0003】また、人の頭部を華やかに飾るものに、リボン、バレッタ、ビーズ等があるが、近年、自然には無い色に自毛を染めたり、あるいはそのような色の人工毛を自毛に混在させて頭部のおしゃれを演出するための、部分かつら、付け毛等のおしゃれ装具がある。
【0004】図6は、増毛を主たる目的として用いられている増毛装具(増毛用かつら)の裏面図である。同図に示す増毛用かつら1は、極めて大きな、例えば3cm四方もあるような大きな網目の柔軟な植毛部材2に、人工毛3を植設したものである。この植毛部材2の部分を着用者の自毛に適宜の方法で固着させ、上から人工毛3を掻き分け、この増毛用かつら1の着用によって押え込まれて下に寝ている自毛を、櫛またはブラシで網目から外へ掻き出して、周囲の人工毛3と一体にして整髪する。
【0005】通常、かつらの植毛用部材の網目は例えば1mm四方というように極めて細かいが、上記のように網目が大きいのは、植設される人工毛3が少なくても支障のない比較的自毛の多い人向けに作られたものだからであり、且つ多量の自毛を外に容易に掻き出すことができるように形成されているからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、実際に着用して自毛を外に引き出そうとすると、網目を相当に大きく形成してあるにも拘らず櫛の歯やブラシの毛先が網目に引っ掛かり、思うように自毛を引き出すことができない。また、折角うまく櫛の歯又はブラシの毛先に自毛を引っ掛けて引き出しかけても、今度は自毛が網目に引っ掛かってループ状に盛り上がるだけで外になかなか出て来ないという問題が発生した。
【0007】したがって、このような増毛装具の着用に際しては、熟練した専門の技師に頼んで自毛の引き出しを行うことになり、増毛装具の使用者としては手数がかかって不満が残るものであった。
【0008】図7は、上記の問題を解決するものとして提案されている薄毛頭用かつら(増毛用かつら)の裏面図である。同図に示す増毛用かつら5は、環状のベース6に形状記憶合金からなる複数本の線状体7を平行に取り付け、これらの線状体7に人工毛8を植設したものである。
【0009】これであると、この増毛用かつら5を頭部に装着して自毛を外に引き出すとき、櫛の歯またはブラシの毛先を線状体7に沿って動かすだけで自毛を外へ容易に引き出すことができるとしている。
【0010】しかしながら、実際に上記の増毛用かつら5を試作して試験着用してみると、環状ベース6の中央部では自毛の引き出しが容易であるが、環状ベース6の両側では線状体7が短く、結局、図6に示した増毛用かつら1と同様の不具合が発生した。
【0011】また、ベースが環状に限定されているため、すなわち装着時に頭部との係合部となるベースのアール(R:曲形)が固定されているため、頭部への使用部が限定されて使い回しが利かない。また、線状体に形状記憶合金を用いるのは、かつら使用者の頭の形状に1対1に対応させて、かつらを作る必要がある。したがって、汎用品として製品在庫を置くことが出来ない。つまり、特注品として手数がかかり高価な製品しか供給することができない。
【0012】本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、自毛の引き出しが容易であり、使い回しが利き、汎用的なおしゃれ増毛装具を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】以下に、本発明のおしゃれ増毛装具の構成を述べる。
【0014】先ず、請求項1記載のおしゃれ増毛装具は、おしゃれ用として自毛に変わり色の人工毛を混在させて用いるため又は増毛用として薄くなった自毛に自毛と同色の人工毛を混在させて用いるためのおしゃれ増毛装具であって、複数の止め具と、該止め具を備えた保持部材と、該保持部材に一端を保持され該保持部材に所定の間隔で並設された複数の弾性線状部材と、少なくとも上記弾性線状部材に植設された人工毛と、を有して構成される。
【0015】次に、請求項2記載のおしゃれ増毛装具は、おしゃれ用として自毛に変わり色の人工毛を混在させて用いるため又は増毛用として薄くなった自毛に自毛と同色の人工毛を混在させて用いるためのおしゃれ増毛装具であって、複数の止め具と、該止め具を備えた複数の保持部材と、該複数の保持部材に両端部を保持され該複数の保持部材に所定の間隔で並設された複数の弾性線状部材と、少なくとも上記弾性線状部材に植設された人工毛と、を有して構成される。そして、上記複数の弾性線状部材は、例えば請求項3記載のように、一端を1つの保持部材に支持され他端を複数の保持部材により分割されて保持されて構成される。
【0016】また、上記複数の弾性線状部材は、例えば請求項4記載のように、上記保持部材に保持される端部の先端が上記保持部材よりも外側に突出して配置されるように構成され、また、例えば請求項5記載のように、人の頭部の曲面に対応する曲形を有し且つ頭部の曲面に沿って横にうねる形状を有して構成される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0018】図1は、一実施の形態におけるおしゃれ増毛装具の裏面図である。同図に示すように、おしゃれ増毛装具10は、保持部材11と、この保持部材11の裏面に取り付けられた止め具12と、保持部材11に一端を保持された複数の弾性線状部材13と、少なくとも上記弾性線状部材13に植設された人工毛14とを有して成る。尚、上記の人工毛14は、保持部材11にも植設するようにしても良い。
【0019】図2(a) 〜(e) は、おしゃれ増毛装具10の各構成部材をそれぞれ単独に分離して示す図である。同図(a) は、保持部材11の平面図と、そのA−A′断面図である。同図(a) に示すように、保持部材11は細かい網目を有する植毛部材15が、やや腰のあるテープ部材16に巻き付けられ、細長い略直方形の板状に形成されて成る。勿論、テープ部材16を取り除き、植毛部材15のみを二重三重に折り畳んで細長い長方形の板状に形成してもよい。
【0020】同図(b) は、上記の保持部材11の長手方向の両端に取り付けられる止め具12を示しており、分かり易いように拡大して示している。同図(b) に示す止め具12は、反転性の櫛状クリップである。勿論、止め具はこれに限るものではなく、保持部材11を自毛に固定できるものであれば他の形状のものであってもよい。また、取り付け位置を両端と限ることなく、また取り付け個数を二個と限るものではない。
【0021】そして、同図(c),(d) は、弾性線状部材13の分解図であり、同図(c) は弾性線状部材13内部の弾性体17及びそのB−B′断面図を示し、同図(d) は弾性線状部材13外側の植毛部材18を示している。同図(c) に示す弾性体17は硬質樹脂又は鋼材からなり、適宜の弾性と剛性を有し、予め一般的な人の頭部の曲面に合うような曲率の大きな円弧を有して形成されている(同図(c) は手前から向こう側に曲がっているので、図では直線のように見える)。
【0022】同図(d) に示す植毛部材18は、細かい網目の筒体からなり、弾性体17に外嵌して弾性体17と一体に係合し、その状態で、図1に示すように、保持部材11に、一端を保持され、保持部材11に、所定の間隔で並設される。
【0023】同図(e) は、人工毛14を示している。人工毛14は、例えば適宜の繊度のナイロンフィラメント等からなり、色は原着又は染色で、所望の色に着色可能である。この人工毛14を、保持部材11の植毛部材15及び弾性線状部材13の植毛部材18に植設する。
【0024】このように構成される図1に示すおしゃれ増毛装具10を頭部に装着するときは、止め具12により毛流れの上流側で自毛に止め、毛流れの下流側に弾性線状部材13の延在方向を一致させる。そして、上から櫛又はブラシで毛流れに沿って、つまり弾性線状部材13の延在方向に沿って、一旦逆方向に梳き上げると自毛が容易に引き出される。それから、毛流れに沿って順方向に解かすと、引き出された自毛と人工毛14が自然に混在する。
【0025】このおしゃれ増毛装具10の弾性線状部材13は、内部の弾性体17が適宜の弾性と剛性を持っているので、整髪時も使用中も型崩れがなく、快適に着用できる。また、保持部材11と弾性線状部材13とからなるベース部は、取り付け位置を制約するような環状の取り付け部を有していないので、頭部のいずれの部分においても良く適合する。したがって、使い回しのよいおしゃれ増毛装具が得られる。
【0026】尚、上記の例では、保持部材11を毛流れの上流側に1個設けて、これに一端が固着する弾性部材13の他端は自由端となっているが、この自由端を他の保持部材で固定するようにしてもよい。これを他の実施の形態として以下に説明する。
【0027】図3は、他の実施の形態におけるおしゃれ増毛装具の裏面図である。同図に示すように、このおしゃれ増毛装具20は、図1に示したおしゃれ増毛装具10の場合と同様に保持部材11と、この保持部材11の裏面に取り付けられた止め具12と、保持部材11に一端を保持された複数の弾性線状部材13を備え、この場合は上記の他に、図1に示したおしゃれ増毛装具10の場合には自由端となっていた弾性線状部材13の他端が、他の保持部材21に固着されている。この保持部材21にも適宜数の止め具12が取り付けられている。
【0028】このように形成したおしゃれ増毛装具20は、弾性線状部材13の相互の位置が固定されるので一層取り扱いが容易になる。また、このように毛流れの下流側に保持部材21が設けられていても、弾性線状部材13の長さが充分長いので、自毛を引き出すための梳きや解かしに対して、毛流れ方向に充分長い相互間の隙間を形成でき、したがって、下流側にある保持部材21が、櫛やブラシの梳きや解かしの操作を妨げることがない。
【0029】図4(a),(b) は、上記のおしゃれ増毛装具20の変形例であり、保持部材と弾性線状部材のベース部のみを模式的に示す図である。同図(a) に示すベース部は、複数(6本)の弾性線状部材13が、一端を1つの保持部材22に支持され、他端を複数(2個)の保持部材23−1と23−2により、3本と3本に分割されて保持されている。おしゃれ増毛装具20のベース部をこのように形成すると、型崩れの少ない自由度のより大きなおしゃれ増毛装具が得られる。
【0030】また、同図(c) に示すベース部は、同図(a) に示す複数の弾性線状部材13が保持部材24に保持される端部の先端13−1が保持部材24よりも外側に突出して配置される。このようにベース部を形成すると、例えば、弾性線状部材13の先端13−1が突出している部分を前頭部などの生え際近傍に配置しておしゃれ増毛装具を取り付け、全体の前半分を、自毛と人工毛ともに前方へ梳き流すと、自毛の薄い人でも保持部材24が目立たなくなる。
【0031】尚、弾性線状部材13を保持部材24からのみ、外部へ突出させると限るものではなく、例えば図4(a) の保持部材23−1、23−2よりも外部に突出させるようにしてもよく、また、図1及び図2の保持部材11又は図3の保持部材21の場合においても、それらより外側へ弾性線状部材13の先端13−1を突出させるようにしてもよい。
【0032】図5は、弾性線状部材の他の例を示す図であり、同図(a) は平面図、同図(b)はその側面図である。この弾性線状部材13′は、一端を保持部材11に保持され、同図(b) に示すように、図1〜図4の弾性線状部材13の場合と同様に人の頭部の曲面に対応する曲形を有すると共に、図5(a) に示すように、人の頭部の曲面に沿って横にうねる形状を有している。この場合も、弾性線状部材13′がうねりながら延在する方向を、頭部の毛流れに合わせて装着して、櫛またはブラシで梳くと、毛流れを遮るものがないので、自毛を容易に引き出すことができる。
【0033】また、このように横にうねった弾性線状部材13′に人工毛が植設されるので人工毛が不自然に分かれることがなく自毛と良く混在する。尚、この場合も、弾性線状部材13′の両端を図3のように保持部材で保持してもよく、また、図4(a) のように他端を複数の保持部材に分割して保持するようにしてもよく、また、一端または両端を、図4(b) に示すように保持部材から外側に突出させて配置してもよい。
【0034】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によれば、長方形の止め具とこれに直交する方向に並設した複数の弾性部材とに人工毛を植設しておしゃれ用又は増毛用の装具を形成するので、従来のように取り付け位置を制約する環状体の止め部がなくなり、したがって、頭部の略如何なる箇所にも無理なく取り付けることができ、これにより、汎用品として在庫して顧客の要望に直ちに対応することが可能となる。
【0035】また、止め具以外には毛流れに沿った方向に毛流れを遮る部材が無いので、毛流れに沿って櫛又はブラシを操作するだけで容易に自毛を引き出せると共に容易に人工毛と混在させて整髪することができ、したがって、取り扱いに手数がかからず便利である。
【出願人】 【識別番号】000126218
【氏名又は名称】株式会社アートネイチャー
【出願日】 平成10年7月17日(1998.7.17)
【代理人】 【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
【公開番号】 特開2000−34612(P2000−34612A)
【公開日】 平成12年2月2日(2000.2.2)
【出願番号】 特願平10−203038