| 【発明の名称】 |
手 袋 |
| 【発明者】 |
【氏名】阪本 哲也
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| 【要約】 |
【課題】縫製者の経験や感に依らずとも指にフィットし、嵌め心地のよい手袋を提供できるようにする。
【解決手段】指部を形成する手袋の前記掌部材10側の縫着部(イ)に波形oを設ける。一方、掌部材10に縫着する甲部材11側の縫着部(イ)’を直線状に形成することで、縫着部(イ)と(イ)’に沿って縫い合わせていくことで、生地の弛みなどを生じず、指にフィットして関節なども曲げやすい手袋を作れるので、経験や感に依らずとも嵌め心地のよい手袋を提供することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 指の甲側を被う甲部部材と指の掌側を被う掌部部材とを縫着して指部を形成する手袋において、上記甲部部材と縫着される掌部部材の側縁に沿って形成した縫着部を波形にしたことを特徴とする手袋。 【請求項2】 上記波形の頂点を指の関節位置になるように形成したことを特徴とする請求項1に記載の手袋。 【請求項3】 掌を被う本体部材に指部材を縫着して形成される手袋において、上記指部材と本体部材の縫着部の一方を山形に、他方を前記山形と対応する谷形に形成したことを特徴とする手袋。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する利用分野】この発明は、皮革、各種布地、合成樹脂シートなどを使って製作される手袋に関するものである。 【0002】 【従来の技術】皮革、各種布地、合成樹脂シートなどを用いた各種手袋は、型紙に合わせて前記生地を裁断し、裁断した構成部材を縫着して製作する。 【0003】例えば、本願発明の手袋である図1のものでは、図2(a)に示す本体部材1、同図(b)の親指甲部部材2、同図(c)の中指掌部材3、それに同図(d)の薬指掌部材4の各部材で構成されており、本体部材1に前記指部材2,3,4を縫着し、折り返し12で折り曲げ、掌部部材10と甲部部材11を重ね合わせたのち、周囲を縫着することで手袋を形成している。 【0004】ところで、このような掌部部材10と甲部部材11とを縫着する手袋では、従来、図8(a)のように、指部を形成する掌部部材10’と甲部部材11’の縫着部5’を「まっすぐ」に形成していた。また、本体部材1に指部材を縫着するための切り込み6’も「まっすぐ」に形成していた。 【0005】そのため、このような手袋においては、指を伸ばした状態ではあまり違和感はないが、図8(b)〜(e)に示すように、指を曲げると弛みが生じて曲げづらい。 【0006】それを解消する一つの方法として掌部部材10’の指の先端(ピリケン)から後端までの長さを甲部部材11’より短く形成し、掌部部材10’を引っ張りながら縫製することで、少しだけ内側に湾曲するように形成している。 【0007】一方、本体部材1と指部材とを「まっすぐ」にカットされた切り込み6’によって縫着すると、図9(a),(b)に示すように、縫着方向に生地が伸縮しなくなる。このため、掌を開いたり握ったりすると、それに伴って本体部材1が引きつるので、手袋全体を大きめに形成するようにしている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の引っ張りながら縫製する方法では、縫製技術が未熟だと、生地を引っ張り過ぎたり、引っ張りが足りなかったりして、縫い合わせが捩じれて仕上がりが悪くなる。このように、製品の出来、不出来は縫製技術者の技量に頼っているため、一双一双の製品にばらつきが出て、量産に不向きな問題がある。 【0009】一方、引きつりを防止するため、手袋全体を大きめに形成する方法では、フィット感が得にくく、手にはめた形も良くないなどの問題もある。 【0010】そこで、この発明の課題は、経験や感に依らずとも手にフィットし、嵌め心地のよい手袋を提供することである。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、請求項1では、指の甲側を被う甲部部材と指の掌側を被う掌部部材とを縫着して指部を形成する手袋において、上記甲部部材と縫着される掌部部材の側縁に沿って形成した縫着部を波形にした構成を採用したのである。 【0012】このような構成を採用することにより、甲部材を掌部材の縫着部に沿って縫着すれば、掌部材の波形にした縫着部によって自然と掌側に湾曲しながら縫着して弛みをとることができる。 【0013】このとき、請求項2では、上記波形の頂点を指の関節位置になるように形成した構成を採用したのである。 【0014】このような構成を採用することにより、指の関節部分の弛みをなくすことができるので、指にフィットさせることができる。 【0015】請求項3では、掌を被う本体部材に指部材を縫着して形成される手袋において、上記指部材と本体部材の縫着部の一方を山形に、他方を前記山形と対応する谷形に形成した構成を採用したのである。 【0016】このような構成を採用することにより、波形の縫着部を引っ張りにより伸ばすことができるので、伸縮性を付与できる。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0018】図1は、この形態の手袋を示す。図2は、その構成部材を示す展開図である。従来例でも述べたように、図2(a)は本体部材1、同図(b)は親指甲部材2、同図(c)は中指掌部材3、同図(d)は薬指掌部材4である。 【0019】本体部材1は、掌部材10、甲部材11からなり、折り返し12で折り曲げて重合わせるようになっており、周縁には縫着部(イ)〜(オ)が形成されている。 【0020】掌部材10は、指孔13の設けられた掌部14、掌部人差し指部15、掌部小指部16で構成されている。 【0021】この掌部人差し指部15及び掌部小指部16の側縁の縫着部(イ),(ロ)は、図3に示すように、内側に向かって形成した波形が2箇所設けてあり、それぞれ、後述する甲部材11の甲部人差し指部21と小指部24の直線状の縫着部(イ)’、(ロ)’と縫着することにより、各波形oの頂点(波形の一番深い点)が、ほぼ、各指の第一及び第二関節位置になるように形成してある。 【0022】また、前記人差し指部15と小指部16の後端には、それぞれ切り込み6が設けられており、後述する中指掌部材3、薬指掌部材4との縫着部(ハ),(ニ)(ホ),(ヘ)が形成されている。 【0023】前記切り込み6は波形で、この形態では、前記人差し指部15と小指部16側の切り込み6を谷に、中指部材3と薬指部材4側の切り込み6を山形に形成してある。 【0024】一方、甲部材11は、甲部20、甲部人差し指部21、中指部22、薬指部23、小指部24とで構成されており、各指部21〜24の周縁に形成された縫着部(イ)’,(ト)’,(チ)’,(ロ)’は直線状に形成されている。 【0025】図2(b)の親指甲部材2は、後縁に指孔13との縫着部(ル)’を形成したもので、折り返し12で折り曲げて縫着部(ル)’を指孔13の縫着部(ル)に縫着し、図4に示すように、前方を立ち上げて縫着部(ヌ)同士を縫着する。 【0026】図2(c)の中指掌部材3は、両側縁に甲部中指部22との縫着部(ト)が形成されている。前記縫着部(ト)は人差し指部15と同様に、内側に向かって形成した波形oが2箇所設けられており、直線状の前記甲部中指部22の縫着部(ト)’と縫着することにより、各波形oの頂点が中指の第1と第2の関節に対応するようになっている。 【0027】この中指掌部材3の後縁には、切り込み6との縫着部(ホ)’と掌部人差し指部15との縫着部(ハ)’及び薬指掌部材4との縫着部(オ)’が形成されており、縫着部(ホ)’は、前述したように前記人差し指部15側の切り込み6と逆の山形で互いに合致する形となっている。 【0028】図2(d)の薬指掌部材4は、両側に甲部薬指部23との縫着部(チ)が形成されている。前記縫着部(チ)には、内側に向けて形成した波形oが2箇所設けられており、この縫着部(チ)を直線状の前記甲部薬指部23の縫着部(チ)’と縫着することにより、他のものと同様に、各波形oの頂点が薬指の第1と第2の関節に対応するように形成されている。 【0029】また、薬指掌部材4の後縁には、中指部材3との縫着部(オ)と、切り込み6に対する縫着部(ヘ)’及び掌部小指部16に対する縫着部(ニ)’が形成されている。前記切り込み6に対する縫着部(ヘ)’は、山形となっており、縫着部(ヘ)の谷形と逆であり、互いに合致する形となっている。 【0030】一方、これら上記の手袋を構成する図2(a),(b),(c),(d)の甲部材11と掌部材10のそれぞれ縫着される各頂点(e〜f)から後端(h〜k)までの長さは、下記の関係に設定されている。 【0031】1.図2(a)の甲部人差し指部21のe’〜i’の長さを、掌部人差し指部15のe〜i”の長さと図2(c)の中指掌部材3のi〜i''' の長さを合計した長さと同じにする。 【0032】2.図2(a)の甲部中指部22のi’〜f’の長さを、図2(c)の中指掌部3のi〜fの長さと同じにする。また、図2(a)の甲部中指部22のf’〜j’の長さを、図2(c)の薬指掌部材4のf〜jの長さと同じにする。 【0033】3.図2(a)の甲部薬指部23のg’〜j’の長さを、図2(c)の中指掌部材4のj〜j''' と図2(d)の薬指掌部材のg〜j”までの合計した長さと同じにする。また、図2(a)の甲部薬指部23のg’〜k’の長さを、図2(d)の薬指掌部材4のg〜kとg〜j”までの合計した長さと同じにする。 【0034】4.図2(a)の甲部小指部24のk’〜h’の長さを、図2(a)の掌部小指部16のk''' 〜hと図2(d)の薬指掌部材4のk〜k”までの合計した長さと同じにする。 【0035】この形態は、上記のように構成され、図4に示すように、本体部材1に親指甲部材2、中指部材3、薬指部材4を縫着し、各部材2,3,4を縫着した本体部材1を折り返し12で折り曲げて重ね合わせ、周囲を縫着する。 【0036】すなわち、イとイ’、ロとロ’・・・のように対応する縫着部同士を縫着し、切り込み6の縫着部(ホ),(ヘ)もそれに対応する中指掌部材3、薬指掌部材4の縫着部(ホ)’,(ヘ)’に縫着する。また、掌部人差し指部15との縫着部(ハ)’及び薬指掌部材4に対する縫着部(オ)’は、縫着関係を示す図5から判るように、前述した掌部人差し指部15の縫着部(ハ)と中指掌部材3の縫着部(ハ)’と縫着することで、人差し指と中指の間の部分を形成し、薬指掌部材4の縫着部(ニ)’を掌部小指部16の縫着部(ニ)と縫着することで、中指と小指の間の部分を形成する。 【0037】このとき、例えば、甲部人差し指部21の縫着部(イ)’と、掌部人差し指部15の縫着部(イ)の波形oを延ばした長さとを同じにしたことで、縫着部(イ),(イ)’に余りを生じないようになっており、その際、縫着した際の波形oの頂点を、それぞれ、人差し指の第1関節と第2関節に合わせて形成したので、図6に示すように、関節部分に生じる弛みを取り除き、自然に内側に湾曲するようになっている。そのため、手にはめた際に、指にフィットしてはめ心地がよく、また、無駄な弛みがないので、曲げやい。 【0038】同様に、他の指においても波形oを形成したことにより、指にフィットさせることができる。 【0039】このように、甲部材11の直線状に形成された縫着部と掌部材10の波形oに形成された縫着部の長さを同じ長さにすることにより、掌部材10を引っ張りながら縫着することなく、各指に対する弛みを取り除いて内側に湾曲させることができる。このため、はめ心地が良く、生地が弛まないので、関節も曲げやすい。 【0040】一方、掌部14の切り込み6の縫着部(ホ),(ヘ)を谷に、それに対応する中指掌部材3、薬指掌部材4の縫着部(ホ)’,(ヘ)’を山形に形成したことにより、図7(a)に示すように、縫着部(ホ),(ヘ),(ホ)’,(ヘ)’に沿って縫着した縫い目は、図7(b)のように伸縮の必要な方向に引っ張れば、縫着部(ホ),(ヘ),(ホ)’,(ヘ)’が伸びる。 【0041】このため、伸縮性を付与できるので、掌を広げたり、広げた掌を握ったりし易く、その際、本体部材1も引きつらない。 【0042】したがって、本体部材1を大きく形成しなくてもよくなり、スマートな形に成形でき、しかも、はめ心地が良くて指も動かし易く、フィット感を得られる手袋を提供できる。 【0043】このように、縫着部(イ),(イ)’(ホ),(ホ)’,(ヘ),(ヘ)’に沿って縫い合わせていけば、経験や感に依らずとも生地の弛みなどを生じず、指にフィットして関節なども曲げやすく、形のよい手袋を作れるので、はめ心地のよい量産にも適した手袋を提供することができる。 【0044】 【発明の効果】この発明は、以上のように構成したことにより、経験や感に依らずとも指にフィットし、嵌め心地のよい手袋を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】599037609 【氏名又は名称】株式会社柏田製作所
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| 【出願日】 |
平成11年3月18日(1999.3.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074206 【弁理士】 【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−265306(P2000−265306A) |
| 【公開日】 |
平成12年9月26日(2000.9.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−74128 |
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