トップ :: A 生活必需品 :: A41 衣類




【発明の名称】 救命胴衣、救命胴衣用浮力材集合体及び救命胴衣用浮力材並びに防寒衣料、防寒衣料用保温材集合体及び防寒衣料用保温材
【発明者】 【氏名】三宅 祥介

【要約】 【課題】充分な浮力や保温力を有し、着衣に適用することが容易で、かつ特に身体に対するなじみ性が良好で、着心地がよく、着装した状態で身体が良好に運動することができる救命胴衣や防寒衣料を提供すること【解決手段】救命胴衣1や防寒衣料は浮力材や保温材の少なくとも一部分としてポリスチロール予備発泡粒を備えている。

【解決手段】救命胴衣1や防寒衣料は浮力材や保温材の少なくとも一部分としてポリスチロール予備発泡粒を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】浮力材の少なくとも一部分としてポリスチロール予備発泡粒を備えていることを特徴とする救命胴衣。
【請求項2】ポリスチロール予備発泡粒を袋に充填してなることを特徴とする救命胴衣用浮力材集合体。
【請求項3】ポリスチロール予備発泡粒からなることを特徴とする救命胴衣用浮力材。
【請求項4】保温材の少なくとも一部分としてポリスチロール予備発泡粒を備えていることを特徴とする防寒衣料。
【請求項5】ポリスチロール予備発泡粒を袋に充填してなることを特徴とする防寒衣料用保温材集合体。
【請求項6】ポリスチロール予備発泡粒からなることを特徴とする防寒衣料用保温材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】この発明は人体や動物の身体に着装して、水に対して浮力を発揮して、人体や動物を水面上に保つ着装物(救命胴衣と称する。この明細書において同じ)、その救命胴衣を構成する部品である浮力材集合体、及びその浮力材並びに防寒衣料、防寒衣料用保温材集合体及び防寒衣料用保温材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】救命胴衣はベスト型やスーツ型或いはウエストベルト型をなしていて人体や動物の上半身に装着する。救命胴衣の機能として重要なことは、大気中において人体に装着した場合にかさばらず、身体の動きの障害とならないことであり、また水中においては大きな浮力を発揮して装着者の身体を水上に浮かせて保持することである。
【0003】従来の救命胴衣は耐水性の合成繊維や天然布からなる表布をベストやスーツ或いはウエストベルト型の着衣に成形し、これに浮力材を接着若しくは縫込によって固定する。或いは着衣自体を浮力材で構成する。ここで使用する浮力材は通常は空気又は発泡プラスチックである。
【0004】浮力材として空気を使用するものにおいては、救命胴衣の着衣内に気密室を形成して、予め気密室内に空気を閉じ込めて着衣を形成する。或いは人の身体が水中に転落した場合に空気をポンプや人口で供給して浮力を与える。最近は自動車で使用されているエアーバッグのように、化学反応によってガスを発生させて、それを浮力材とするものも開発されている。浮力材として発泡プラスチックを使用する場合はフィルム状、帯状または直方体状に成形したみかけの比重の小さい材料、例えば発泡スチロールのような発泡プラスチックを着衣中に接着または縫着して取り付けて救命胴衣を構成し、または発泡プラスチック自体で救命胴衣を形成する。
【0005】次に、ブルゾンやジャンパーなどの一般防寒衣料及びスキーウエアーなどのスポーツ用防寒衣料は保温材として羽毛等を使用したものである。
【0006】
【課題】このような従来の救命胴衣のうち、空気を浮力材として使用するものは、気密室の気密性を長期間にわたって維持しなければならないので、救命胴衣の構造が複雑になり、気密シール部の存在が、着衣の柔軟性を阻害して、身体の動きの自由を奪うことになる。また気密室が常時膨満していて、身体に対するなじみ性が低く、また、表布や袋材が少しでも傷がつくと空気が漏れてしまう。また、緊急時にのみ空気を気密室に供給する形式のものは、着衣中に、配管、ポンプ、弁機構が必要になり、構造が複雑になり、部品点数も多くなる。また、浮力材としてフィルム状、帯状または直方形のブロック状の発泡性プラスチックを使用する場合は着衣の製造及び構造は比較的簡単であるが、フィルム状、帯状または直方形のブロックの発泡プラスチックは細かい変形をすることができないので、身体に対するなじみ性の良好な救命胴衣を得ることができない。
【0007】次に羽毛等を保温材としている防寒衣料は、その羽毛が高価な材料であるし、また外被内に羽毛等を確実に閉じ込めて、抜け出し等を防止する必要があるために、特別の構造を採る必要が生じ、かつ縫製も煩雑になる。
【0008】この発明は上記の如き事情に鑑みてなされたものであって、充分な浮力を有し、着衣に適用することが容易で、かつ特に身体に対するなじみ性が良好で、着心地がよく、着装した状態で身体が良好に運動することができる救命胴衣及びその構成部品である浮力材集合体及びその浮力材を提供することを目的とするものである。
【0009】次に、保温性にすぐれ、保温材の保持を容易かつ確実にすることができる防寒衣料、防寒衣料用保温材集合体及び防寒衣料用保温材を提供することを目的とするものである。
【0010】
【構成】この目的に対応してこの発明の救命胴衣は浮力材の少なくとも一部分としてポリスチロール予備発泡粒を備えていることを特徴としている。
【0011】またこの発明の浮力材集合体はポリスチロール予備発泡粒を袋に充填してなることを特徴としている。
【0012】またこの発明の浮力材はポリスチロール予備発泡粒からなることを特徴としている。
【0013】次にこの発明の防寒衣料は保温材の少なくとも一部としてポリスチロール予備発泡粒を備えていることを特徴としている。
【0014】またこの発明の防寒衣料用保温材集合体はポリスチロール予備発泡粒を袋に充填してなることを特徴としている。
【0015】またこの発明の防寒衣料用保温材はポリスチロール予備発泡粒からなることを特徴としている。
【0016】
【実施例】以下、この発明の詳細を一実施例を示す図面について説明する。
【0017】図1から図3において、1は救命胴衣である。救命胴衣1は右前部2、左前部3及び背部4とをそれぞれの側縁部で接着若しくは縫合させて備え、全体としてベスト状の着衣の形状をなしている。
【0018】図4に示すように右前部2、左前部3及び背部4はそれぞれ表地5と裏地6からなり、その間に1個若しくは複数個の浮力材集合体7が装着されている。
【0019】表地または裏地への浮力材集合体7の取付けは接着または縫着である。浮力集合体7は表地5または裏地6の間に挿入し、表地5または裏地6に取り付けて右前部2、左前部3及び背部4または救命胴衣1の全体を構成する。
【0020】浮力材集合体7は図5及び図6に示すように、袋体8に浮力材11を充填して構成されたものである。袋体8の周辺を閉じ一辺だけを出入口として開口して形成しておき、図7に示すように浮力材11を充填し、出入口を閉じて浮力材集合体7を構成する。浮力材集合体7の厚みを、好ましくは2.5cm以下の、なるべく一定に保つために、タッグピン12を数ヶ所に打ちつける。または、袋体8としては長尺のものを使用し、長尺の袋体8に浮力材11を充填して、出入口を閉じて長尺の浮力材集合体を構成する。表地5または裏地6を使用せずに、複数個の浮力材集合体を使用し、若しくは1個の浮力材集合体を使用し、隣り合う浮力材集合体の側部を連結して右前部2、左前部3及び背部4または救命胴衣1の全体を構成してもよい。
【0021】袋体8としては布またはプラスチックフィルム製またはその他の耐水性のある材料で構成することが望ましく、織目や網目のある材料を使用する場合は、その織目や網目は後述する浮力材7がこぼれ出ない大きさのものであることが必要である。
【0022】図8に示すように浮力材11は発泡ポリスチロール(EPS)の予備発泡粒13である。
【0023】予備発泡粒13はポリスチレンと発泡剤から得られた発泡性ポリスチレンビーズを所定の発泡倍率に予備発泡させ、かつ熟成させたものである。
【0024】予備発泡とは、発泡性ポリスチレンビースを攪拌しながら蒸気(90〜105℃)により加熱発泡させる工程であり、蒸気加熱時間を制御することにより、発泡倍率を20〜90倍の範囲で適宜調節することができる。予備発泡粒は直径1〜10mmの真球状をなし多数の独立気泡が結合した発泡粒子となっている。それぞれの独立気泡は約0.01〜0.05mmである。みかけ比重は約10〜30lb/ft3であり、予備発泡のための加熱時間は約1〜30分である。熟成は、予備発泡粒を自然放置して、空気を気泡内に浸透させる工程である。この適正熟成時間は予備発泡倍率、貯蔵条件などで差異があるが、10〜30時間程度である。空気を浸透させた予備発泡粒は良好な断熱性、保温性を有する。
【0025】発泡性ポリスチレンビーズは、ポリスチレンに発泡剤として、例えばプロパン、ブタン、ペンタンなどを配合したものでビーズ状の成形材料として市販されている。
【0026】このように構成された救命胴衣はポリスチロール予備発泡粒を浮力材として使用しており、ポリスチロール予備発泡粒は充分な浮力を発揮するので、救命胴衣として充分な浮力を有するものを得ることができる。また、ポリスチロール予備発泡粒は水に対して不溶性であるので、水との接触に対しても長寿命を保持することができる。特にポリスチロール予備発泡粒は直径1〜10mmの粒状であるので、これらの多数を救命胴衣用浮力材集合体に構成して救命胴衣に組込み、または予備発泡粒を直接に救命胴衣に封入して組込んだ場合にも、多数の予備発泡粒の全体は定形をもたず、着用した人体の形状に沿って位置をずらすので、救命胴衣や浮力材集合体としては塑性的な変形能力をもつので人体に対するなじみ性が極めて良好で、着用したままで、人体は運動することができる。また、ポリスチロール予備発泡粒は、前述の通り、直径が1〜10mmであるので、それほど微細でもなく、これを充填体や救命胴衣に充填した場合に、浮力材集合体や救命胴衣の外被の縫目や織目から漏出することがなく、保持が確実であり、長期にわたり、救命胴衣としての機能を安全に発揮することができる。
【0027】次に以上説明した救命胴衣用浮力材集合体及び救命胴衣用浮力材は、そのまま防寒衣料用保温材集合体及び防寒衣料用保温材として利用することができ、ブルゾンやジャンパー等の防寒衣料を構成する場合の構成材として利用して防寒衣料を救命胴衣と同様に得ることができる。
【0028】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、この発明によれば、充分な浮力を有し、着衣に適用することが容易で、かつ特に身体に対するなじみ性が良好で、着心地がよく、着用した状態で身体が良好に運動することができる救命胴衣及びその構成部品である浮力材集合体及びその浮力材を得ることができる。
【0029】次にこの発明によれば保温性にすぐれ、保温材の保持を容易かつ確実にすることができる防寒衣料、防寒衣料用保温材集合体及び防寒衣料用保温材を得ることができる。
【0030】
【出願人】 【識別番号】399006168
【氏名又は名称】アタックベース株式会社
【識別番号】399006157
【氏名又は名称】株式会社三宅臣
【出願日】 平成11年1月22日(1999.1.22)
【代理人】 【識別番号】100075133
【弁理士】
【氏名又は名称】川井 治男
【公開番号】 特開2000−220012(P2000−220012A)
【公開日】 平成12年8月8日(2000.8.8)
【出願番号】 特願平11−13794