| 【発明の名称】 |
パンティストッキング |
| 【発明者】 |
【氏名】吉田 哲朗
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| 【要約】 |
【課題】特にパンティ部における通気性を向上させ腰から股にかけての不快感を低減してはき心地がよく、廉価で且つ外観にも優れたパンティストッキングを提供する。
【解決手段】パンティストッキングはウエストバンド部、パンティ部及びレッグ部から構成される左右1対の筒状素材(10)をウエストバンド部及びパンティ部において裁断し、その裁断線(C) に沿って縫着して製造される。前記筒状素材(10)は20〜45デニールの糸条をストッキング編機により70〜80ゲージでプレーン編みした身生地からなる。この縫着の際に、前記裁断線(C) の股下部分(5) において、縫針目数を他の部位よりも30〜50%増やす。それにより引張り力を多数の縫い目に分散させることができるため、股下部分(5) でのストッキングの破れ等がなくなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ウエストバンド部、パンティ部、及びレッグ部を備えてなる左右1対の筒状素材を、前記ウエストバンド部及びパンティ部で裁断し、その裁断線に沿って縫着して得られるパンティストッキングにおいて、前記筒状素材は20〜45デニールの糸条をストッキング編機により70〜80ゲージで編成した身生地からなり、前記裁断線を縫着する縫針目数が、同裁断線の股下部分において他部よりも30〜50%多いことを特徴とするパンティストッキング。 【請求項2】 前記身生地の全てが同一組織で編成されてなる請求項1記載のパンティストッキング。 【請求項3】 前記身生地の全てがプレーン組織で編成されてなる請求項2記載のパンティストッキング。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、特に左右の筒状素材の縫着部分における耐久性に富み、はき心地が良く外観にも優れたパンティストッキングに関する。 【0002】 【従来の技術】通常、タイツやパンティストッキングは、編上り部分の生地をエアーサクションの吸引により引っ張りながら、ウエストバンド部、パンティ部、及びレッグ部の順に連続して筒状素材を編成し、その左右一対の筒状素材をウエストバンド部及びパンティ部で裁断し、互いを突き合わせ状態として、前記裁断線に沿って縫着して製造される。 【0003】この筒状素材の編成にあたって、一般的には前記ウエストバンド部、パンティ部、及びレッグ部の各部位において漸次度目を変更し、通気性や締めつけ程度(フィット感)を異ならせて、着用性能の向上を計っている。また、パンティ部とレッグ部との間に編組織の異なる切換え部分を設けて強度を向上させると共に太股での締めつけを強化したり、爪先部分の編組織を変更して強度を向上させるなどの、着用性能の向上を計っている。 【0004】ところで、前記筒状素材を縫着して製造されたパンティストッキングは、ウエストバンド部及びパンティ部を裁断して縫着した縫着線が形成されている。このウエストバンド部及びパンティ部は、パンティストッキングを脱ぎ着する際や、着用時に歩行などの生活動作を行う際など、縦横両方向に頻繁に伸長される部位である。かかるウエストバンド部及びパンティ部の伸長により、前記縫着線には引張り力が作用することとなり、特に股下部分において同縫着線に大きな引張り力が作用する。 【0005】その場合にも、ストッキング編機により75ゲージより小さいゲージで編成された50デニール以上の厚手の身生地からなるパンティストッキング、又はタイツの場合には、身生地自体が前記引張り力に耐え得る強度を備えている。そのため、図1に示すように、ウエストバンド部1、パンティ部2、及びレッグ部3にかけて、何ら編組織を変更せず同一組織により編成しても、縫着線から身生地が破れるおそれはない。また、この場合、編組織を同一としてパンティ部2とレッグ部3との間に編組織の切り換えが行われることがないため、切り換え線がなくすっきりと美しい外観となる。 【0006】しかしながら、ストッキング編機により70〜80ゲージで編成された50デニールより小さい繊度の身生地で製造されたパンティストッキングでは、前記縫着線の周囲において、特に大きな引張り力が作用し、また裁断線の下端部の所謂R部分である股下部分では、縫い目から身生地が破れ易い。そのため、従来から同股下部分における縫着線部をタック編などの破れ難い編組織に切り換え、又はボス糸を同時に編み込むなどして、同編成部分を編み組織により、或いは身生地を厚手にして補強していた。 【0007】例えば、図6に示すパンティストッキングは、パンティ部2において後に裁断されて縫着される部分、即ち、裁断線Cに沿った部分の編組織をタック編とし、又はボス糸を混繊して補強領域2aを形成し、股下部分5を補強している。また、図7に示すパンティストッキングは、特に破れ易い股下部分5の編組織をタック編とし、又はボス糸を編み込み、補強領域2bを形成している。更に、図8に示すパンティストッキングは、パンティ部2における補強領域2cが、同パンティ部2の下部から上部へかけて、徐々にボス糸を編み込む領域を広げることにより形成されており、股下部分5も補強されている。 【0008】或いは、図9に示すパンティストッキングは、パンティ部2とレッグ部3との間の、股下部分をも含めてガータ部分4の編組織をタック編に切換えており、ガータ部分4と共に股下部分5が補強されている。また、図10に示すパンティストッキングは、パンティ部2とガータ部分4とをレッグ部3よりも厚地にして補強し、更に、少なくとも前記ガータ部分4をタック編とすることで、股下部分5の補強を強めている。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図9及び図10に示すガータ部分4をもつパンティストッキングは、同ガータ部分4において編組織を切換えているため、すっきりとした外観とすることができない。一方、図6〜図8に示すパンティストッキングでは、裁断線Cに沿った特に破れ易い部分において、必要最小限の領域で編組織を変更して補強している。そのため、パンティ部2とレッグ部3との間に切換え線は生じないが、編組織の変更により補強領域2a〜2cでの他部との外観状の相違が生じることは否めない。また、編成された筒状素材を裁断する際に、このような補強領域2a〜2cのない筒状素材の場合であれば、任意の個所において裁断可能であるが、同図6〜図8の筒状素材では、その裁断箇所が前記補強領域2a〜2cの狭い範囲に限られるため、製造効率が著しく低下するといった問題もある。 【0010】本発明はかかる問題を解決すべくなされたものであり、縫着部分における身生地の破れをなくし、耐久性を向上させると共に、はき心地が良く外観にも優れ、しかも高生産性が確保できるパンティストッキングを提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、本発明は、ウエストバンド部、パンティ部、及びレッグ部を備えてなる左右1対の筒状素材を、前記ウエストバンド部及びパンティ部で裁断し、その裁断線に沿って縫着して得られるパンティストッキングにおいて、前記筒状素材は20〜45デニールの糸条をストッキング編機により70〜80ゲージで編成した身生地からなり、前記裁断線を縫着する縫針目数が、同裁断線の股下部分において他部よりも30〜50%多いことをことを特徴とするパンティストッキングを主要な構成としている。 【0012】かかるパンティストッキングは脱ぎ着の際や、着用時に歩行する際などにパンティ部が伸長されて縫着線に沿って引張り力が作用した場合にも、その引張り力が特に大きく作用する股下部分での縫針目数が他部よりも30〜50%多いため、その多数の縫い目に分散される。従って、一つの縫い目に作用する引張り力を小さくでき、縫糸により身生地の編糸が切断されることがなく、パンティストッキングに破れや伝線、引きつれなどが生じることがない。 【0013】また、編組織を変更したり身生地を厚手にして格別の補強領域を形成するものではないため、すっきりとした外観とすることができ、また筒状素材のウエストバンド部及びパンティ部を裁断する際にも任意の箇所で裁断することができ、製造効率を低減させるものではない。 【0014】前記身生地の全てが同一組織で編成されることが好ましく、身生地の全てがプレーン組織で編成されることが好ましい。このように身生地の全てを同一組織で編成することにより、パンティ部とレッグ部との間に編組織の切換えによる切換え線がなく、更にスッキリとした美しい外観のパンティストッキングとすることができる。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態について図示実施例を参照して詳細に説明する。図1は本発明のパンティストッキングを製造する際に使用される筒状素材を正面からみた外観図、図2は股下部分の近傍における拡大図、図3は左右の筒状素材を縫い合わせたパンティストッキングの腰部斜視図である。 【0016】本発明のパンティストッキングはウエストバンド部1、パンティ部2及びレッグ部3から構成されている。前記パンティストッキングは、左右1対の筒状素材10に編成され、同筒状素材10のウエストバンド部1側の端縁から、前記ウエストバンド部1及びパンティ部2を任意の箇所で直線状に裁断し、その左右の筒状素材10を突き合わせ、裁断線Cを縫着して製造される。 【0017】左右の前記筒状素材10は20〜45デニールの糸条をストッキング編機により70〜80ゲージでプレーン編みに編成した身生地から形成される。前記筒状素材10は、裁断して縫着されるパンティ部2に、格別の補強領域は形成されておらず、また、前記レッグ部3との間で編組織を変更することもない。 【0018】かかる筒状素材10を裁断して縫着する際に、図2に示すように、裁断線Cの下端近傍の所謂R部分、即ち、股下部分5における縫針目数を、他の部分よりも30〜50%、増やしている。具体的には、前記他の部分の縫針目数は23目程度であり、前記股下部分5での縫針目数は30〜35目である。 【0019】このように、特に大きな引張り力が作用する股下部分5において、縫針目数を増やして多数の縫い目に前記引張り力を分散させることで、一つの縫い目にかかる応力を著しく低減させることができる。そのため、前記縫糸により身生地の編糸(ループ)が切断されることがなく、前記股下部分5において破れや伝線、引きつれなどが生じない。 【0020】また、編み組織を変更したり厚手とした格別の補強領域を必要としないため、すっきりとした美しい外観とすることができる。しかも、前記筒状素材10のウエストバンド部1とパンティ部2とにおいて裁断する際に、裁断箇所が格別に限定されてはおらず、円周の任意の1点から直線状に裁断することができるため、製造効率を損なうこともない。 【0021】一方、上述の筒状素材10を積極的に縫針目数を変更することなく縫い合わせて、改めて縫針目数を数えたところ、前記股下部分での縫針目数は23〜25目であり、その他の部分での縫針目数は22〜23目であった。従って、前記裁断線Cの下端近傍では縫針目数が0〜13.6%、増加しているにすぎない。なお、前記裁断線Cの下端近傍において若干の縫針目数の増加が見られるのは、縫着時に特に前記裁断線Cの下端のR部分において身生地が引っ張られ、縫着後に収縮するためである。 【0022】このように縫針目数を変更することなく縫着されたパンティストッキングは、脱ぎ着する際や歩行時などにパンティ部が伸長されると、股下部分において縫い目が強く引っ張られ、縫着糸により身生地の編糸(ループ)が引っ張られ、時には同編糸が切断されてパンティストッキングに破れや伝線、引きつれが生じた。 【0023】図4は本発明の変形例によるパンティストッキングの腰部斜視図である。前記パンティストッキングは、パンティ部2を20〜50デニールの糸条をプレーン編みに編成し、レッグ部3ではパンティ部2よりも細いデニールの糸条で、前記パンティ部2と同一のプレーン編みで編成している。このようにパンティ部2とレッグ部3との間では編糸の太さを変更するだけであり、編組織を変更することがなく、また補強糸を編み込むこともないため、レッグ部3とパンティ部2との切換え部分が目立たない。なお、同変形例によるパンティストッキングにあっても、筒状素材10を縫い合わせる際に、股下部分5における縫針目数を他の部分よりも30〜50%増やしている。 【0024】図5は本発明の更に他の変形例によるパンティストッキングの腰部斜視図である。前記パンティストッキングは、上述の変形例と同様に、パンティ部2を20〜50デニールの糸条をプレーン編みに編成し、レッグ部3ではパンティ部2よりも細いデニールの糸条で、前記パンティ部2と同一のプレーン編みで編成している。更に、股下部分5には略菱形のマチ生地6を介して、左右の筒状素材10を縫い合わせている。この変形例でも股下部分5である前記マチ生地6を縫着する際に、縫針目数を他の部分よりも30〜50%増やしている。このように股下部分5にマチ生地6を介在させることにより、履き心地がより改善される。 【0025】 【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、本発明によれば左右の筒状素材を縫い合わせる際に、裁断線の下端近傍、即ち、股下部分に相当する部位において、縫針目数を他の部位よりも30〜50%増やすことにより、パンティ部が伸長されて縫着線に沿って引張り力が作用した場合に、その引張り力を多数の縫い目に分散させることができ、縫い目から身生地のループが切断されてパンティストッキングが破れることがない。また、パンティストッキングの身生地に格別の補強を施す必要がないため、製造効率も向上し、廉価な製品を提供できる。更には、パンティ部をレッグ部と同一の編組織とすることができるため、編組織の切換え線もなく、すっきりとした美しい外観のパンティストッキングとすることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591023413 【氏名又は名称】オーアイ工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年11月12日(1998.11.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091948 【弁理士】 【氏名又は名称】野口 武男
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| 【公開番号】 |
特開2000−144501(P2000−144501A) |
| 【公開日】 |
平成12年5月26日(2000.5.26) |
| 【出願番号】 |
特願平10−322062 |
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