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【発明の名称】 低副流煙型シガレットの製造機
【発明者】 【氏名】田淵 洋己

【氏名】指出 文夫

【氏名】木田 信三

【氏名】松村 武

【要約】 【課題】低副流煙型シガレットの製造を安定して行うことができる製造機を提供する。

【解決手段】低副流煙型シガレットの製造機、即ち、その巻上機はたばこロッドTRのラップシームの糊を加熱乾燥する乾燥ヒータ24を備え、乾燥ヒータ24はヒータブロック118の下面に高分子材料からなる摺接部材134を備え、摺接部材134はたばこロッドTRのラップシームに摺接し、その糊を加熱乾燥する摺接面136を有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 副流煙を低減した巻紙に刻みたばこを包み込みながら前記巻紙の両側縁を相互に重ね合わせて糊付け接着し、ラップシームを有するたばこロッドを連続して送出する巻上セクションと、前記巻上セクションの下流に設けられ、たばこロッドの前記ラップシームを加熱して前記ラップシームの糊を乾燥する乾燥ヒータとを備えた製造機において、前記ラップシームの糊付け接着の安定化を図る安定化手段を備え、この安定化手段は、前記乾燥ヒータに設けられ、前記ラップシームを摺接させて加熱する高分子材料からなる摺接面を含むことを特徴とするシガレットの製造機。
【請求項2】 前記摺接面は、前記乾燥ヒータのヒータブロックに交換可能に取り付けられた高分子材料部材の一面にて形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシガレットの製造機。
【請求項3】 前記安定化手段は、前記乾燥ヒータに内蔵され、前記たばこロッドの送出方向に延びるヒートパイプを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のシガレットの製造機。
【請求項4】 前記安定化手段は、前記乾燥ヒータの下側に前記たばこロッドの送出方向に沿って延び前記たばこロッドを案内する一対のサイドガイド面を有し、これらサイドガイド面は前記たばこロッドの周面に適合した断面円弧状をなすことを特徴とする請求項1〜3の何れに記載のシガレットの製造機。
【請求項5】 前記安定化手段は、前記巻上セクションに備えられ、前記ラップシームを予備的に加熱する予備加熱ヒータを含むことを特徴する請求項1〜4の何れかに記載のシガレットの製造機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シガレットの製造機、より詳しくは低副流煙型シガレットに好適した製造機に関する。
【0002】
【関連する背景技術】近年、副流煙の低減を図ったフィルタシガレットが種々開発されつつある。この種のフィルタシガレットは副流煙の発生を抑制した巻紙を使用することで実現されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】公知のようにシガレットはたばこロッドを切断して得られるものであり、このたばこロッドは巻紙に刻みたばこを包み込み、その巻紙の両側縁を相互に重ね合わせて糊付け接着し、そして、そのラップシームの糊を乾燥ヒータにより加熱乾燥して成形される。
【0004】巻紙の糊付け接着に関し、低副流煙型の巻紙は通常の紙製の巻紙とはその厚みに加えて、その機械的性質及び熱伝導性が大きく異なり、このため、通常のシガレットの製造には見られない不具合を発生させる。その不具合の1つは、乾燥ヒータへの垢の付着であり、この垢の付着は、たばこロッドのラップシームが乾燥ヒータに摺接するために、その材質に起因して発生するものと考えられる。
【0005】低副流煙型の巻紙は通常の巻紙に比べて熱伝導性が低い上に、その反発力は強い。このため、乾燥ヒータでのラップシール、つまり、その糊の加熱乾燥は十分に実施されなければならない。しかしながら、乾燥ヒータへの垢の付着はラップシームの糊への熱伝達を阻害してしまうことから、糊の加熱乾燥が不十分となって、ラップシームの接着強度が低下し、この結果、たばこロッドがそのラップシームから弾け、切断セクションでのたばこロッドの詰まりを発生させ易い。
【0006】本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、低副流煙型のラップを使用し、たばこロッドを安定して成形することができる低副流煙型シガレットの製造機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の低副流煙型シガレットの製造機は、たばこロッドにおけるラップシームでの糊付け接着の安定化を図るための安定化手段を備えており、この安定化手段は、たばこロッドのラップシームが摺接する乾燥ヒータの摺接面を高分子材料から形成することにより実現される(請求項1)。高分子材料の摺接面はラップシームとの親和性に乏しく、つまり、ラップシールに対する離型性に優れ、垢の付着を防止する。
【0008】摺接面は高分子材料部材の一面にて形成され、その高分子材料部材は乾燥ヒータのヒータブロックに交換可能に取り付けられている(請求項2)。好ましくは、安定化手段は乾燥ヒータに内蔵されたヒートパイプを更に含み(請求項3)、このヒートパイプは、たばこロッドの送出方向に関して摺接面の加熱温度の均一化を図り、そして、摺接面の加熱制御に関し、その応答性を改善する。
【0009】安定化手段は、乾燥ヒータの下側にたばこロッドをその両側から案内するサイドガイド面を備えているのが望ましく、これらサイドガイド面はたばこロッドの周面に適合した断面円弧状をなしている(請求項4)。たばこロッドが乾燥ヒータを通過するとき、サイドガイド面はたばこロッドをその両側から挟み付けるようにして案内し、乾燥ヒータの摺接面に対するたばこロッドの押し付け、即ち、そのラップシームの接触圧を十分に確保する。
【0010】更にまた、安定化手段は、たばこロッドを成形する巻上セクションに備えられ、たばこロッドのラップシームを予備加熱する予備加熱ヒータを含むことができる(請求項5)。ラップシームの予備加熱は、乾燥ヒータでの糊の加熱乾燥をより促進する。
【0011】
【発明の実施の形態】図1はシガレット製造機いわゆる巻上機を概略的に示している。巻上機自体は公知であるが、先ず、その全体の構成を簡単に説明する。巻上機は無端状のサクションバンド2を備え、サクションバンド2はその吸着面に刻みたばこを層状に吸着した刻みたばこ層TLを巻上セクション4に向けて移送する。巻上セクション4は無端状のガニチャテープ6を備え、ガニチャテープ6は複数のガイドローラ及び駆動ドラム8に案内されて成形ベッド上を水平に延び、そして、駆動ドラム8の回転に伴いサクションバンド2の吸着面と同一速度且つ同一方向に走行する。成形ベッドはサクションバンド2の出口部分の下側から巻上セクション4を通じて水平に延びている。
【0012】低副流煙型の巻紙WはそのロールR1から成形ベッドの始端側に向けて複数のガイドローラにより繰り出され、この繰出し経路にはロールR1側から自動接続装置10、巻紙Wのリザーバ12及び印刷器14が順次配置されている。自動接続装置10及びリザーバ12は、巻紙Wの繰出しを使用中のロールR1から待機ロールR2に切り換えるために備えられており、そして、印刷器14は巻紙Wに所定の情報を印刷する。ここで、低副流煙型の巻紙Wとしては、たばこ粉末を含有したものであってもよい。
【0013】成形ベッドの始端側にて、巻紙Wはその繰出し方向が折り返された後、ガニチャテープ6上に重ね合わされ、そして、前述したサクションバンド2からシュートング16を介して刻みたばこ層TLの供給を受ける。刻みたばこ層TLを載せた巻紙Wはガニチャテープ6とともに走行し、シュートング16内を経て巻上セクション6を通過する。
【0014】シュートング16はサクションバンド2から刻みたばこ層TLを剥離して、その内部に導き、刻みたばこ層TLを絞り込みながら断面半円状に圧縮成形する。この際、ラップWは成形ベッド上に形成された成形溝に従いガニチャテープ6を介してU字形に曲成され、刻みたばこ層TLを下方から包み込んでいく。巻上セクション4は、シュートング16の下流に順次配置されたフロント成形型18及びリア成形型20を備え、これら成形型18,20は成形ベッド上に配置され、そして、フロント成形型18の直上には糊塗布器22が配置されている。
【0015】巻紙Wとともに刻みたばこ層TLが巻上セクション4を通過する過程にて、フロント成形型18はガニチャテープ6を介して、U字形の巻紙Wの両側縁を円弧状に更に曲成し、刻みたばこ層TLを巻紙Wにより殆ど棒状に包み込むが、この際、巻紙Wの一方の側縁はフロント成形型18から上方に突出した状態にあって、この一側縁に糊塗布器22から糊が塗布される。この後、リア成形型20は巻紙Wの一側縁を曲成して他方の側縁に重ね合わせ、これら両側縁を相互に糊付け接着する。これにより、巻上セクション4の通過により、たばこロッドTRが連続的に成形され、このたばこロッドTRは巻上セクション4から送出される。
【0016】巻上セクション4の下流には乾燥ヒータ24が配置されており、たばこロッドTRは乾燥ヒータ24を通過する際、ラップWの互いに重ね合わされた両側縁、即ち、そのラップシームの糊が加熱乾燥され、ラップシームの接着強度が増加される。乾燥ヒータ24の通過後、たばこロッドTRはガニチャテープ6から分離され、そして、切断セクション26にて所定の長さ、つまり、シガレット2本分の長さを有するダブルシガレットDSに切断される。この後、これらダブルシガレットDSはキッカー28により互いに分離され、後段のフィルタアタッチメント(図示しない)に供給される。公知のようにフィルタアタッチメントはダブルシガレットDSから個々のフィルタシガレットを製造する。
【0017】ダブルシガレットDSの製造手順は以上の通りであるが、このダブルシガレットDSの製造には、通常の巻紙に代えて低副流煙型の巻紙Wが使用されることから、巻上機にはその巻紙Wによる包み込み、つまり、ラップシームの糊付け接着を安定して実行する上で、種々の改良が施されている。以下、これらの改良に関して順次説明する。
【0018】巻紙の予備曲成装置巻紙Wの繰出し経路中、成形ベッドの近傍には予備曲成装置30が配置されており、この予備曲成装置30の詳細は図2〜図4に示されている。予備曲成装置30はガイド台32を備え、ガイド台32は巻上機のフレーム34に支持レール36及び取り付けプレート38を介して支持されている。支持レール36はラップWの走行方向に対し、その直交する方向にガイド台32を摺動自在に支持している。更に、ガイド台32には送りねじ40が貫通して設けられており、送りねじ40はその先端が取り付けプレート38に回転自在に支持される一方、その基端にノブ42が取り付けられている。ノブ42の回転は支持レール36に沿ってガイド台32を移動可能とする。
【0019】ガイド台32上には一対のヒンジ44を介して曲成ガイド46が取り付けられており、曲成ガイド46はヒンジ44を中心として上下に回動することができる。曲成ガイド46はアウタガイド48を有しており、アウタガイド48には断面円形の貫通孔が形成されている。この貫通孔は巻紙Wの走行方向に延び且つガイド台32の上面に開口している。アウタガイド48の貫通孔内には同心状にして円柱形状のインナガイド50が配置されている。インナガイド50は貫通孔から突出した延長部52を有し、この延長部52にてアウタガイド48に連結されている。インナガイド50はアウタガイド48の貫通孔内に、ほぼ環状をなす曲成通路54を形成し、この曲成通路54はガイド台32側の一部が閉じたものとなっている。
【0020】巻紙Wの走行方向でみて、アウタガイド48の下流端からは絞り込みガイド56が延びており、この絞り込みガイド56は下方に開いた断面円弧状のガイド溝58を有している。ガイド溝58は曲成通路54と同軸上に位置し、曲成通路54に向けてその幅が徐々に減少し、そして、曲成通路54に滑らかに連なる。従って、巻紙Wがガニチャテープ6に向けて繰り出されるとき、巻紙Wは絞り込みガイド56のガイド溝58により徐々に下向きの円弧状に丸め込まれ、そして、曲成通路54を通過してからガニチャテープ6に導かれる。ここで、巻紙Wの丸め込みの向きはシュートング16及び巻上セクション4での巻紙Wの丸め込みの向き、即ち、その巻上方向に一致している。
【0021】このようにして巻紙Wが曲成されると、巻紙Wに曲げ癖を予め付けられ、巻上セクション4での巻紙Wの曲成を円滑に行えるばかりでなく、その曲成に伴う巻紙W自身の反発力をも低減される。従って、たばこロッドTRのラップシームの糊付け接着を安定して行え、たばこロッドTRがラップシームから弾けるのを防止できる。
【0022】巻紙Wの曲げ癖を更に確実に付けるため、ガイド台32にはヒータ素子60が内蔵されている。ヒータ素子60はガイド台32を介して曲成ガイド46の全体を所定温度に昇温し、曲成通路54を通過する巻紙Wを加熱し、その曲げ癖を安定化する。更に、図2に示されているように曲成ガイド46のインナガイド50にヒートパイプ62を内蔵することもでき、ヒートパイプ62はインナガイド50の長手方向に延びている。ヒートパイプ62は巻紙Wの走行方向でみて、インナガイド50の加熱温度を均一にする。曲成ガイド46の加熱温度を制御するため、図4に示されているように曲成ガイド46のアウタガイド48には熱電対などの温度センサ64が内蔵され、温度センサ64からのセンサ出力に基づき、ヒータ素子60の発熱量が制御される。
【0023】糊塗布器図5は糊塗布器22を詳細に示しており、糊塗布器22はフロント成形型18の直上に配置された噴出ノズル66を備えている。噴出ノズル66のノズル口は、フロント成形型18の上面から突出する巻紙Wの一側縁に近接対向し、その基端はノズルホルダ68に取り付けられている。ノズルホルダ68は上下に2分割の部材68a,68bからなり、断熱材70を介して取り付けプレート72に取り付けられ、この取り付けプレート72は巻上機のフレーム34に支持されている。ノズルホルダ68内には糊供給通路74が形成されており、糊供給通路74は一端が噴出ノズル66に連通し、その他端はノズルホルダ68の外側のコネクタ76を介して糊供給管路78に接続されている。糊供給管路78は供給ポンプ80を介して糊タンクに接続され、供給ポンプ80は糊タンク内の糊を糊供給経路78,74を介して噴出ノズル66に供給し、噴出ノズル66のノズル口から巻紙Wの前記一側縁に向けて噴出し、この一側縁に塗布する。
【0024】ノズルホルダ68にはヒータ素子82及び温度センサ84がそれぞれ内蔵されており、ヒータ素子82は温度センサ84のセンサ信号に基づいてノズルホルダ68を昇温し、糊供給通路74内の糊を所定温度に加熱する。巻紙Wの一側縁に塗布されるべき糊が予め加熱されていると、この後、たばこロッドTRにおけるラップシームの糊が乾燥ヒータ24にて加熱乾燥される際、その乾燥に要する時間を短縮させる。このことから、乾燥ヒータ24でのラップシームの乾燥処理が十分に発揮される結果、そのラップシームの接着強度を十分に確保でき、ラップシームからのたばこロッドTRの弾けを防止できる。なお、乾燥時間の短縮化は、巻上機の高速化、つまり、たばこロッドTRの高速化にも大きく寄与する。
【0025】更に、前述した糊供給管路78のコネクタ76には圧力計86が取り付けられており、この圧力計86は噴出ノズル66に供給される糊の圧力を検出し、その検出信号をモニタに出力する。巻上機の運転中、モニタは糊供給圧を常時監視し、これにより、糊供給圧の低下に起因するラップWへの糊塗布量の不足、即ち、ラップシームの糊付け不良や、糊供給圧の上昇に起因する噴出ノズル66内での糊の詰まりを防止可能となる。図5中、前述した成形ベッドは参照符号88で示されており、成形ベッド88は巻上機のベース90上に取り付けられている。
【0026】リア成形型図6及び図7には前述したリア成形型20が詳細に示されている。リア成形型20はエッジガイドホルダ92(図7)を備えており、エッジガイドホルダ92は成形ベッド88の成形溝に隣接し、そして、この成形溝に沿って延びている。成形溝側のエッジガイドホルダ92の面はその上部が成形溝の上方に張り出し、この張り出し部分にエッジガイド94が取り付けられている。エッジガイド94はたばこロッドTRの送出方向に延び、そして、この送出方向でみて、エッジガイド94の上流端は図6及び図7に示すように湾曲されている。それ故、刻みたばこ層を包み込みほぼ棒状に曲成されている巻紙Wがフロント成形型18からリア成形型20に進入する際、フロント成形型18から突出した巻紙Wの一側縁(糊が既に塗布されている:図6中の参照符号EW)はエッジガイド94の上流端にて案内されながら引き込まれて、巻紙Wの他方の側縁に重ね合わされ留。この結果、巻紙Wの両側縁は相互に糊付け接着され、ラップシームを有したたばこロッドTRが成形される。この後、たばこロッドTRはそのラップシームがエッジガイド94の下縁により押さえ付けられた状態でリア成形型20を通過し、乾燥ヒータ24に向かう。
【0027】エッジガイドホルダ92にはヒータ素子96が内蔵され、ヒータ素子96はたばこロッドTRの送出方向に延びている。また、エッジガイドホルダ92には温度センサ98が取り付けられており、温度センサ98はエッジガイドホルダ92、つまり、そのエッジガイド94の温度を検出する。ヒータ素子96は温度センサ98からの検出信号に基づき、エッジガイド94を所定の温度に昇温し、たばこロッドTRのラップシームを予備的に加熱する。このような予備加熱は、ラップシームの糊が乾燥ヒータ24にて加熱乾燥処理を受ける際、その乾燥を促進する。この結果、ラップシームの接着強度が十分に確保され、たばこロッドTRの弾けを防止できる。
【0028】エッジガイドホルダ92はスペーサ部材100を介して一対の回動アーム102に連結されており、各回動アーム102の基端は取り付けプレート104の上端にピン106を介して回動自在に支持されている。取り付けプレート104は巻上機のベース90に取り付けられ、ブラケット108を有している。ブラケット108にはピン110を介してアングルアーム112の基端が回動自在に支持されており、アングルアーム112は取り付けプレート104を跨ぎ、一対の回動アーム102の間からエッジガイドホルダ92の上方に延びている。この状態にて、アングルアーム112はノブ付きの連結ねじ114を介して取り付けアーム104に固定されている。アングルアーム112の先端にはノブ付きの押圧ねじ116が貫通してねじ込まれ、押圧ねじ116はその下端にてエッジガイドホルダ92を押圧し、成形ベッド88上に固定している。
【0029】乾燥ヒータ図8〜図11には乾燥ヒータ24が詳細に示されている。乾燥ヒータ24はヒータブロック118を備え、ヒータブロック118は成形ベッド88の上方をその成形溝に沿って、つまり、たばこロッドTRの送出方向に延び、その全長は通常の巻紙を使用する場合のヒータブロックに比べて長尺なものとなっている。ヒータブロック118の上面には複数の断熱部材120が突設されており、これら断熱部材120はヒータブロック118の長手方向に間隔を存し、そして、カバープレート122を貫通して取り付けプレート124に連結されている。つまり、ヒータブロック118は断熱部材120を介して取り付けプレート124に支持され、取り付けプレート124は巻上機のフレーム側に連結されている。
【0030】図9から明らかなようにカバープレート122は下向きの断面U字形をなし、ヒータブロック118をその両側から覆っている。カバープレート122の両内側面には断熱シート126がそれぞれ張り付けられ、これら断熱シート126はヒータブロック118に沿って延びている。ヒータブロック118にはヒータ素子128及びヒートパイプ130が上下に内蔵され、これらヒータ素子128及びヒートパイプ130はヒータブロック118のほぼ全長に亘って延びている。
【0031】図10から明らかなようにヒータブロック118の下端部は先細状をなし、その下端面が成形ベッド88の成形溝と対向した状態にある。ヒータブロック118の下端面はその幅が成形溝よりも狭く、その中央には図11に示すように嵌合溝132が形成され、嵌合溝132はヒータブロック118の全長に亘って延びている。
【0032】ヒータブロック118の下端面には摺接部材134が取り付けられており、摺接部材は断面T字形をなし、嵌合溝132に取り外し可能に嵌合されている。摺接部材134はヒータブロック118の全長に亘って延びる円滑な下面を有し、この下面は、たばこロッドTRのラップシームが摺接する摺接面136となっている。摺接面136は図示のように平坦面であるか、または、下向きの円弧面でであってもよい。
【0033】摺接部材134には耐熱性及び熱伝導性に優れた高分子材料、例えばポリイミド等を使用でき、更には熱伝動性を改善するために前記高分子材料にグラファイトを10〜50%添加した材料が好適する。更に、ヒータブロック118の下端部にはその外面に熱電対からなる温度センサ138(図10参照)が取り付けられており、温度センサ138はヒータブロック118、つまり、摺接部材134の温度を検出する。
【0034】そして、成形ベッド88の上面にはその成形溝の両側にプレート状のサイドガイド140が配置されており、これらサイドガイド140はたばこロッドTRの送出方向でみて、ヒータブロック118の上流端、つまり、たばこロッドTRのための入口から、その出口に向けて延びている。成形溝に隣接する側の各サイドガイド140内側面はその下部が円弧状に形成され、成形溝に滑らかに連なっている。更に、成形溝の出口部分はその両側がたばこロッドTRの送出方向に向けて徐々に拡開すべく切り取られている。
【0035】上述の乾燥ヒータ24によれば、そのヒータ素子128は温度センサ138からのセンサ信号に基づき、ヒータブロック118、つまり、摺接部材134を所定温度に昇温する。従って、乾燥ヒータ24に進入すると、たばこロッドTRはそのラップシームが摺接部材134に摺接しながら走行し、この際、ラップシームは摺接部材134から熱を受けて、その糊が乾燥され、ラップシームの接着強度が増加する。
【0036】摺接部材134は上述した高分子材料からなっているので、ラップWに対する離型性に優れており、摺接部材134の摺接面136に垢が付着することはない。従って、摺接面136に付着した垢がラップシームへの熱伝達を阻害することはなく、乾燥ヒータ24はラップシームを確実且つ良好に乾燥処理でき、この結果、たばこロッドTRがラップシームから弾け、その切断セクション26の入口にて詰まることもなく、その成形を安定して行うことができる。また、垢の付着により、たばこロッドTRの走行が不安定になることもなく、これに起因した切断セクション26での詰まりをも防止される。
【0037】巻上機の起動時、たばこロッドTRが乾燥ヒータ24を連続して通過し始めると、乾燥ヒータ24の入口部分はその出口側の部分に比べて、その温度が大きく低下しようとするが、このような温度低下はヒータブロック118内のヒートパイプ130により速やかに補償される。つまり、ヒートパイプ130は摺接部材134の長手方向に亘って、その加熱温度を均一に維持しようとするので、糊の乾燥処理は良好且つ安定したものとなる。また、ヒートパイプ130の存在は摺接部材134の温度変動に対し、ヒータブロック118の温度制御を容易にし、且つ、その制御の応答性をも改善する。
【0038】しかも、ヒータブロック118(即ち、摺接部材134)は通常の巻紙に対して使用されるものよりも長いので、糊の乾燥時間が十分に確保される。更に、たばこロッドTRが乾燥ヒータ24を通過する際、たばこロッドTRの両側はガニチャテープ6を介して一対のサイドガイド140により案内される。このことは、摺接部材134と成形溝との間にてたばこロッドTRが良好に挟持されることを意味する。従って、摺接部材134に対するラップシームの接触圧が十分に確保され、安定した糊の加熱乾燥処理が可能となる。
【0039】上述の乾燥ヒータ24に関し、摺接部材134はヒータブロック118の嵌合溝132に嵌合して取り付けられているだけであるので、摺接部材134に摩耗が生じたとき、その交換を容易に行うことができる。なお、ヒータブロック118に摺接部材134を確実に連結するには、図12に示すようにヒータブロック118に複数の止めねじ、或いは止めピン142を介し、摺接部材134を交換可能に取り付けてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように低副流煙型シガレットの製造機(請求項1)によれば、たばこロッドのラップシームに対する乾燥ヒータの摺接面が高分子材料から形成されいるので、その摺接面はたばこロッドのラップシールに対する離型性に優れ、垢の付着が防止される。この結果、ラップシームの糊の乾燥処理を良好に行え、たばこロッド、つまり、低副流煙型シガレットの製造を安定して実施可能となる。
【0041】請求項2の製造機によれば、乾燥ヒータの摺接部材が摩耗したとき、その交換を容易に行うことができる。請求項3〜5の製造機によれば、摺接面の温度分布の均一化、摺接面へのラップシームの接触圧向上、そして、ラップシームの予備加熱がそれぞれ達成され、その糊の加熱乾燥処理を大きく改善する。
【出願人】 【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
【出願日】 平成10年9月22日(1998.9.22)
【代理人】 【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
【公開番号】 特開2000−93151(P2000−93151A)
【公開日】 平成12年4月4日(2000.4.4)
【出願番号】 特願平10−268562