トップ :: A 生活必需品 :: A23 食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理




【発明の名称】 柿の皮剥き機
【発明者】 【氏名】滝本 純市

【要約】 【課題】機械による柿の皮剥き作業を実現し、干し柿を生産する際の人による手作業を減らすとともに、効率よく皮剥きを行えるようにする。

【解決手段】柿の上下方向に当接して挟持する第1保持部31に保持されるとともに、芯部を中心に回転している柿の肩周り部分に、第1皮剥き部79の第1皮剥き刃73を当接させて蔕周りを切り取ったあと、第2皮剥き部99の第2皮剥き刃93を柿に当接させつつ、アクチュエータ29によって柿を移動させることて、第2皮剥き刃93と柿との接触部分を移動させ、柿の皮剥き作業を行う。皮剥き作業の途中で、皮剥きが行われた側方部分に当接して柿を保持する第2保持部33に柿を保持させた後、第1保持部31を柿から離して、第1保持部31が当接していた柿の臍部分の皮剥きを行い、柿全体の皮剥きを完了する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 蔕部から臍部に至る柿の芯部表面に当接されて、柿を保持する保持手段と、該保持手段を回転させることにより、前記芯部を中心として前記柿を回転させる回転手段と、該回転手段による前記柿の回転中に、前記保持手段を前記柿の回転軸方向へ移動させる移動手段と、第1皮剥き刃を、刃面が前記柿の回転軸に交差し、且つ、刃先が前記柿の回転軸に向くよう支持する第1支持体を備え、前記回転手段の動作によって前記柿が回転しているときに前記第1支持体を揺動させて、前記第1皮剥き刃を前記柿の蔕部周囲の肩部に当接させ、該肩部を切り落とす第1皮剥き手段と、第2皮剥き刃を、刃面が前記柿の回転軸に平行な方向から回転軸に交差する方向まで揺動可能で、且つ、刃先が前記保持手段に保持された柿の表面の接線方向を向くよう支持する第2支持体を備え、前記移動手段の動作によって前記柿が前記軸方向に移動しているときに、前記第2支持体を揺動させることにより、前記第2皮剥き刃を前記柿の肩部から臍部に至る表面に当接させて、該表面の皮を剥く第2皮剥き手段と、外部から皮剥き指令を受けると、前記回転手段を起動して前記保持手段に保持された柿を回転させると共に、前記第1皮剥き手段を動作させて前記肩部の切り落としを行い、その後、前記移動手段を動作させて前記柿を前記回転軸方向に移動させつつ、前記第2皮剥き手段を動作させて、前記柿の肩部から臍部に至る表面の皮を剥く制御手段と、を備えることを特徴とする柿の皮を剥くための柿の皮剥き機。
【請求項2】 前記第1支持体は、長尺状に形成され、その長手方向一端が、前記柿の回転軸に対して平行に配置された第1回動軸にて回動自在に軸支され、他端に前記第1皮剥き刃を備えており、前記第1皮剥き手段は、前記第1支持体を、前記第1回動軸を中心に揺動させることにより、前記第1皮剥き刃を前記柿の肩部に当接することを特徴とする請求項1記載の柿の皮剥き機。
【請求項3】 前記第2支持体は、長尺状に形成され、その長手方向一端が、前記柿の回転軸に対して平行に配置された第2回動軸にて回動自在に軸支され、他端に、当該第2支持体の長手方向に平行な第3回動軸を備え、前記第2皮剥き刃は、該第3回動軸に対して回動自在に設けられ、前記第2皮剥き手段は、前記第2支持体を、前記第2回動軸を中心に揺動させると共に、前記第3回動軸を中心に前記第2皮剥き刃を回動させることにより、前記第2皮剥き刃を、前記柿の表面に当接させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の柿の皮剥き機。
【請求項4】 前記第2支持体は、前記第2皮剥き刃が設けられる側の一端に、前記第2回動軸に対して平行に延設された基台を備え、前記第3回動軸は、前記基台に立設されて、その先端部分にて前記第2皮剥き刃を軸支するよう構成されると共に、基台側では、当該第3回動軸に直交する方向に腕部が延設され、前記第2皮剥き手段は、前記第3回動軸の腕部を、前記基台に回動可能に固定した第1シリンダのロッドに接続し、前記腕部が該ロッドから付勢力を受けることにより前記第3回動軸が回動して、前記第2皮剥き刃の方向を変えるよう構成されたことを特徴とする請求項3記載の柿の皮剥き機。
【請求項5】 前記第2皮剥き手段において、前記第2皮剥き刃は、前記第3回動軸の延長上から離れた位置に配置されていること、を特徴とする請求項3または請求項4に記載の柿の皮剥き機。
【請求項6】 前記第2支持体は、その一端が、前記第2回動軸に直交するように設けられた第4回動軸を介して前記第2回動軸に取り付けられ、該第4回動軸周りに揺動することにより、前記柿の回転軸方向にも変位可能に構成され、前記第2支持体の前記第2回動軸側端部を、該第2回動軸よりも後方側に突出させ、その突出部に、当該第2支持体の長手方向を回動軸として回動自在に回転接触部を設け、更に、前記第2皮剥き手段には、曲面形状である側面を有し、該側面に沿って前記回転接触部を滑動させることで、前記突出部を第2回動軸の軸方向にも揺動させる揺動方向変更手段と、前記第2支持体が前記第4回動軸を中心として揺動することを防止する回動防止手段と、が設けられたことを特徴とする請求項3〜請求項5いずれかに記載の柿の皮剥き機。
【請求項7】 前記保持手段は、同一直線上に中心軸を有し、対向する2つの軸体からなり、柿の蔕部と臍部に当接して柿を挟持する第1保持部と、一端が回動自在に保持され、他端に柿との接触部を備えるとともに、前記第1保持部を中心に放射状に配置された略L字形の挟持腕を少なくとも2以上有し、該挟持腕が回動することで、各挟持腕の接触部の間隔を小さくし、柿を挟持する第2保持部と、を備えることを特徴とする請求項1〜請求項6いずれかに記載の柿の皮剥き機。
【請求項8】 前記第1保持部における柿の蔕部との接触面は、柿の枝と干渉しないよう中空部が設けられるとともに、柿との接触部分に突起が設けられたこと、を特徴とする請求項1〜請求項7いずれかに記載の柿の皮剥き機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柿の皮を剥くための柿の皮剥き機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、干し柿の生産工程において、柿の皮剥き作業を行うが、干し柿を生産する農家では、柿の皮剥き作業を人が手作業で行っていたため、大量に干し柿を生産するには、多大な時間と労力を必要とした。そのため、柿の皮剥きを行うことが出来る機械の実現が望まれていた。
【0003】この問題に対して発明された柿の皮剥き機としては、まず、人が手で柿の蔕部分の周りを平面になるように切り取り、平面になった柿の蔕部分を、短い針が設けられた吸着器に当て、吸着器の内部を真空状態にして柿を保持させた状態で吸着器をモータにより回転させ、回転している柿に人が皮剥き器を当てて皮を剥くという装置が知られている。
【0004】この柿の皮剥き機を用いることで、人が手作業で皮剥きをする場合に比べ、柿の皮剥き作業に要する時間を短くすることができ、効率良く柿の皮を剥くことが可能となった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような従来の柿の皮剥き機では、手作業による皮剥きに比べ、作業時間を短縮することは出来るが、皮剥き刃を備えた皮剥き器を柿に当てる作業は、人が行わなくてはならず、人による作業を必要とした。そのため、作業時間の短縮は実現できるが、柿を剥くための人の労力は依然必要になるという問題があった。
【0006】また、近年、農家は後継者不足のため、皮剥きのための人手が不足しており、人による作業が少ない皮剥き機の実現が望まれている。そのため、柿に皮剥き器を当てる機構が必要になるが、柿は略球状であるため、その表面は多方向を向いており、回転している柿に対して皮剥き器を当てることは容易ではない。また、全ての柿の大きさや形状が同一ではないため、皮剥き器を当てる角度も、柿によって少しづつ異なる。このため、皮剥き器を柿に対して正確に当てることが出来ず、うまく皮剥きが出来ないため、皮剥き機として実現されたものはなかった。
【0007】よって、柿に対して皮剥き器を当てるためには、柿の表面形状に合わせて皮剥き器の方向を変化させる必要があり、柿の表面形状を検出して、その検出結果に応じて皮剥き器の角度を制御すれば、実現可能である。しかし、これを実現するためには、複雑な制御処理や高価な検出機器を用いた構成となるため、多大な費用が必要となるという問題があった。
【0008】本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、複雑な制御処理や高価な検出機器を用いずに、柿の皮剥き作業を行う柿の皮剥き機を実現することで、人による手作業を減らすとともに、より効率よく柿の皮剥きを行なえるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明である柿の皮剥き機は、蔕部から臍部に至る柿の芯部表面に当接されて、柿を保持する保持手段と、該保持手段を回転させることにより、前記芯部を中心として前記柿を回転させる回転手段と、該回転手段による前記柿の回転中に、前記保持手段を前記柿の回転軸方向へ移動させる移動手段と、第1皮剥き刃を、刃面が前記柿の回転軸に交差し、且つ、刃先が前記柿の回転軸に向くよう支持する第1支持体を備え、前記回転手段の動作によって前記柿が回転しているときに前記第1支持体を揺動させて、前記第1皮剥き刃を前記柿の蔕部周囲の肩部に当接させ、該肩部を切り落とす第1皮剥き手段と、第2皮剥き刃を、刃面が前記柿の回転軸に平行な方向から回転軸に交差する方向まで揺動可能で、且つ、刃先が前記保持手段に保持された柿の表面の接線方向を向くよう支持する第2支持体を備え、前記移動手段の動作によって前記柿が前記軸方向に移動しているときに、前記第2支持体を揺動させることにより、前記第2皮剥き刃を前記柿の肩部から臍部に至る表面に当接させて、該表面の皮を剥く第2皮剥き手段と、外部から皮剥き指令を受けると、前記回転手段を起動して前記保持手段に保持された柿を回転させると共に、前記第1皮剥き手段を動作させて前記肩部の切り落としを行い、その後、前記移動手段を動作させて前記柿を前記回転軸方向に移動させつつ、前記第2皮剥き手段を動作させて、前記柿の肩部から臍部に至る表面の皮を剥く制御手段とを備える。
【0010】ここで、柿の臍部とは、蔕部を上として柿を吊下げたときの下端部のことであり、蔕部と臍部とを結ぶ直線は、柿の中心を貫く中心軸であり、柿の中心軸は柿の芯部でもある。本発明の柿の皮剥き機の使用に際しては、まず、保持手段に柿を装着することにより、柿の蔕部から臍部に向かう柿の中心軸を中心として、柿を回動自在に保持させる。
【0011】そして、制御手段に対して運転指令を行なうと、制御手段が皮剥き作業を開始する。はじめに、制御手段は、回転手段を動作させることにより、保持手段及び柿を回転させる。その後、第1支持体を揺動させて、第1皮剥き刃を回転している柿の蔕部周囲の肩部に当て、柿の肩周りの皮および蔕の縁部を切り取る。
【0012】そして、柿の肩回りを切り取った後、第1支持体を揺動させて、第1皮剥き刃を柿から離すと、第2支持体を揺動させて、第2皮剥き刃を柿に近づけ、回転しながら回転軸方向に移動している柿の表面のうち、第1皮剥き刃によって切り取られた柿の肩部に第2皮剥き刃を当接させ、柿の皮を剥き始める。このとき、第2皮剥き刃は、刃先が前記保持手段に保持された柿の表面の接線方向を向くよう支持されており、回転している柿の表面に当接することで柿の皮を剥くことができるのである。
【0013】続いて、制御手段は、移動手段を動作させ、柿が蔕部方向に移動するよう保持手段を移動させることで、第2皮剥き刃が柿に当たる部位を移動させていくとともに、柿の表面形状に合わせて第2皮剥き刃を揺動させて方向を変えることで、第2皮剥き刃を柿の肩部から臍部に至る柿の表面に当接させることが可能となり、柿全体の皮を剥いていく。柿の表面全体の皮剥きが完了すると、制御手段は、第2支持体を揺動させて第2皮剥き刃を柿から離し、移動手段および回転手段の動作を停止させて、柿の皮剥き作業を終了する。
【0014】このように、本発明の柿の皮剥き機によれば、皮剥き作業を機械によって行うことができ、人が行なう作業を減らすとともに、より効率よく柿の皮剥きを行なうことが出来る。また、可動方向が異なる皮剥き刃を複数備えることで、柿の蔕部周り部分と側方部分とを異なる皮剥き刃で剥くようにしている。これにより、柿の表面形状に適した皮剥き刃を用いて皮剥きを行うことができ、干し柿として商品価値の高い柿となるような皮剥きを実現できる。
【0015】ここで、皮剥き刃を柿に当接させるための第1皮剥き手段としては、例えば、請求項2に記載したように、前記第1支持体は、長尺状に形成され、その長手方向一端が、前記柿の回転軸に対して平行に配置された第1回動軸にて回動自在に軸支され、他端に前記第1皮剥き刃を備えており、前記第1皮剥き手段は、前記第1支持体を、前記第1回動軸を中心に揺動させることにより、前記第1皮剥き刃を前記柿の肩部に当接するように構成するとよい。
【0016】このようにすると、該保持手段の回転軸に対して垂直に揺動する第1支持体を、第1回動軸を中心として揺動させて、第1皮剥き刃を回転軸に垂直に揺動させて回転している柿の肩部分に当てることで、柿の肩周りの皮および蔕の縁部を切り取ることができる。
【0017】一方、皮剥き刃を柿に当接させるための第2皮剥き手段としては、請求項3に記載したように、前記第2支持体は、長尺状に形成され、その長手方向一端が、前記柿の回転軸に対して平行に配置された第2回動軸にて回動自在に軸支され、他端に、当該第2支持体の長手方向に平行な第3回動軸を備え、前記第2皮剥き刃は、該第3回動軸に対して回動自在に設けられ、前記第2皮剥き手段は、前記第2支持体を、前記第2回動軸を中心に揺動させると共に、前記第3回動軸を中心に前記第2皮剥き刃を回動させることにより、前記第2皮剥き刃を、前記柿の表面に当接させるように構成するとよい。
【0018】この第2皮剥き手段では、第2支持体を第2回動軸を中心として回動させることで、第2皮剥き刃を柿に近づけることができ、回転しながら回転軸方向に移動している柿の表面のうち、第1皮剥き刃によって切り取られた柿の肩部に第2皮剥き刃を当接させることで、柿の皮を剥き始める。このとき、第2皮剥き刃は、第3回動軸に平行な方向に皮剥きができるよう配置されており、すなわち、柿の回転軸を中心とする円の接線方向に向かって皮剥きをすることが出来るように配置されており、回転している柿の表面に当接することで柿の皮を剥くことができるのである。そして、制御手段が移動手段を動作させて、柿が蔕部方向に移動するよう保持手段を移動させることで、第2皮剥き刃が柿に当たる部位を移動させていくとともに、柿の表面形状に合わせて第2皮剥き刃が回動して方向を変えることで柿の表面に当接し、柿全体の皮を剥くことができる。
【0019】また、第2皮剥き手段については、請求項4に記載したように、前記第2支持体は、前記第2皮剥き刃が設けられる側の一端に、前記第2回動軸に対して平行に延設された基台を備え、前記第3回動軸は、前記基台に立設されて、その先端部分にて前記第2皮剥き刃を軸支するよう構成されると共に、基台側では、当該第3回動軸に直交する方向に腕部が延設され、前記第2皮剥き手段は、前記第3回動軸の腕部を、前記基台に回動可能に固定した第1シリンダのロッドに接続し、前記腕部が該ロッドから付勢力を受けることにより前記第3回動軸が回動して、前記第2皮剥き刃の方向を変えるよう構成するとよい。
【0020】この第2皮剥き手段では、ロッドに付勢力が印加されると、第1シリンダからロッドが伸長して腕部を揺動させ、この腕部の揺動により第3回動軸が回動して、第2皮剥き刃の方向を変える。この時、基台には、第3回動軸の回動範囲を制限するための突起があり、該突起により第3回動軸の回動を一定の位置で停止させることで、第2皮剥き刃を柿の表面に当接可能な方向に維持させる。そして、第2支持体が、第2回動軸を中心として、保持手段の回転軸に対して垂直に揺動し、第2皮剥き刃を柿に当接させる。このとき、ロッドには常に付勢力が印加されており、この付勢力は、第2皮剥き刃を柿に押し付けるように作用している。
【0021】こうして、皮剥き作業が始まると、移動手段によって柿が蔕部方向に移動するに伴い、第2皮剥き刃に対する柿の表面の方向が変わり、第2皮剥き刃は、柿の移動による反力によって押し戻される方向に動く。このとき、ロッドには常に付勢力が印加されているが、この付勢力は、柿の移動による反力によって、ロッドが第1シリンダ内に押し戻される程度に調整されているため、第2皮剥き刃が柿に押されて第3回動軸が回動し、第2皮剥き刃は、柿の表面形状に適した方向に向きを変えて柿に当接しつづける。
【0022】本発明によれば、検出機器を用いて柿の表面形状を検出して、第2皮剥き刃の方向を柿の表面形状に適した方向に変化させるというような複雑な制御を行うことなく、一定の付勢力を常に印加した状態で、第2皮剥き刃を柿に当接させることで、柿の表面形状に対して、第2皮剥き刃を適切な方向に変えることが出来る。また、印加される付勢力は、第2皮剥き刃を柿に押し付ける力としてだけではなく、第2皮剥き刃の方向を変える力としても働いている。
【0023】尚、この第2皮剥き手段は、ロッドが第1シリンダ内を摺動することで、第3回動軸が回動可能に構成されているため、ロッドに付勢力が印加されていない時に、ロッドと腕部との連結軸、第3回動軸および第1シリンダの回動軸が一直線上に整列してしまうと、ロッドに付勢力を印加しても、第3回動軸を回動させることが出来なくなる。また、第1シリンダの方向が不確定であると、ロッドに付勢力を印加したときに、第2皮剥き刃が柿に当接する方向を向かない虞がある。そのため、ロッドに付勢力が印加されていない場合の第1シリンダの方向は、ロッドが伸長したときに、第2皮剥き刃が柿に対して当接可能になるような方向に定めておくことが望ましい。
【0024】ところで、第2支持体は、柿の回転軸方向には揺動せず、柿自体が回転軸方向に移動することで接触部分を変化させており、柿の回転軸方向における第2皮剥き刃と柿との相対関係は、大別して第2皮剥き刃が柿を迎える場合と、第2皮剥き刃が柿を追いかける場合とに分けることが出来る。このうち、後者である第2皮剥き刃が柿を追いかける場合については、柿が第2皮剥き刃から離れていく関係となるため、第2皮剥き刃を柿に押し付ける力が不足して、第2皮剥き刃が柿から離れてしまう可能性がある。
【0025】そこで、請求項4に記載の第2皮剥き手段においては、更に、請求項5に記載したように、前記第2皮剥き手段において、前記第2皮剥き刃は、前記第3回動軸の延長上から離れた位置に配置されているようにするとよい。つまり、第2皮剥き刃が、第3回動軸を中心に回動して、第2皮剥き刃の方向を変えるとともに、回動軸を中心とした円弧上を第2皮剥き刃が移動するようにするのである。
【0026】ここで、第2皮剥き手段は、柿の移動方向には揺動しないため、基台および第3回動軸も柿の移動方向には移動しない。しかし、前述のように、第3回動軸の回動軸の延長上から離れた位置に配置された第2皮剥き刃は、第3回動軸を中心とした円弧上を移動するため、柿の移動方向への移動変位がある。ここで、第3回動軸の回動軸に垂直な平面上に投影された第3回動軸、第2皮剥き刃および柿の位置関係について考えると、第2皮剥き刃の垂線が、第3回動軸を通るように、第3回動軸および第2皮剥き刃が配置されている。また、第2皮剥き刃は、第3回動軸と柿の間に配置されているため、皮剥き作業中に、第2皮剥き刃が柿の回転軸に平行な位置になったあと、すなわち、第2皮剥き刃が柿を追いかける相対関係になった時には、第2皮剥き刃は方向を変えると共に、第3回動軸を中心とした円弧上を、第3回動軸よりも柿に近づくよう移動することになる。
【0027】したがって、第2皮剥き刃を第1回動軸の回動軸の延長上から離れた位置に配置することで、第2皮剥き刃が柿を追いかける相対関係になる場合に、第2皮剥き刃が第3回動軸を中心とした円弧上を柿に近づくように移動させ、第2皮剥き刃を柿に押しつける力を補うことができる。
【0028】しかし、この方法では、第2皮剥き刃が柿の回転軸に平行になった直後は、第2皮剥き刃が柿に対して近づく方向への移動距離が大きいが、回動が進むに従い、第2皮剥き刃が柿に近づく距離は小さくなる。そこで、請求項6に記載したように、前記第2支持体は、その一端が、前記第2回動軸に直交するように設けられた第4回動軸を介して前記第2回動軸に取り付けられ、該第4回動軸周りに揺動することにより、前記柿の回転軸方向にも変位可能に構成され、前記第2支持体の前記第2回動軸側端部を、該第2回動軸よりも後方側に突出させ、その突出部に、当該第2支持体の長手方向を回動軸として回動自在に回転接触部を設け、更に、前記第2皮剥き手段には、曲面形状である側面を有し、該側面に沿って前記回転接触部を滑動させることで、前記突出部を第2回動軸の軸方向にも揺動させる揺動方向変更手段と、前記第2支持体が前記第4回動軸を中心として揺動することを防止する回動防止手段と、を設けるようにするとよい。
【0029】つまり、回動防止手段が動作している場合には、第2支持体が第2回動軸を中心として保持手段の回転軸に対して垂直な方向にのみ揺動し、回動防止手段が動作していない場合には、第2支持体が第2回動軸を中心として揺動する際に、突出部が揺動方向変更手段の曲面上を滑動して軌道を変更し、第4回動軸を中心として第2支持体が保持手段の回転軸方向にも揺動するようにするのである。
【0030】これにより、保持手段の回転軸方向にも第2支持体を揺動させることができ、第2皮剥き刃から離れていく柿に対して、第2皮剥き刃を近づけることが可能になる。ただし、第4回動軸を中心として第2支持体を常に回動自由にすると、第2皮剥き刃が柿を迎える相対関係になった場合、柿から第2皮剥き刃が離れてしまい、皮剥きが不可能になってしまう。このため、第2皮剥き刃が柿を迎える相対関係の時には、回動防止手段を動作させることによって第2支持体の揺動方向を制限し、第4回動軸を中心として回動することを防止し、第2皮剥き刃が柿を追いかける相対関係の場合には、回動防止手段の動作を解除し、第4回動軸を中心とする回動を可能にする。
【0031】この時、揺動方向変更手段によって、揺動方向を変えることで、第2回動軸を中心として回動するための動力を、第4回動軸を中心として回動するための動力としても使用している。これにより、第4回動軸を中心として回動するための動力機構の追加を不要にしている。
【0032】したがって、柿の臍部分の皮剥きを行うときには、揺動方向変更手段の作用によって、第2皮剥き刃が柿に近づけられるため、皮剥きを良好に行うことが出来る。一方、保持手段としては、柿をその中心軸に対して回動自在に保持できればよく、例えば、従来のように、釘状の突起物を刺して柿を保持するようにしてもよい。しかし、釘状の突起物を刺して柿を保持する方法の場合、突起物を刺すことで柿に穴が出来てしまい、この穴から細菌が侵入する可能性があるため、柿が食用としては不適格となるという問題があった。
【0033】また、真空を用いて保持するようにすれば、柿に穴を開けずに保持することは可能となるが、柿の蔕部周りを切り落とし平面にする作業を人が行う必要があるため、手間が掛かってしまう。したがって、柿に穴を開けずに保持する方法としては、挟み込んで保持する方法があるが、少なくとも2箇所に接触しないと柿を保持することはできず、そのため、皮剥きをすべき部分に接触することになるため、その接触部分には皮剥き刃を当てることができなくなる。
【0034】そこで、保持手段としては、請求項7に記載のように、同一直線上に中心軸を有し、対向する2つの軸体からなり、柿の蔕部と臍部に当接して柿を挟持する第1保持部と、一端が回動自在に保持され、他端に柿との接触部を備えるとともに、前記第1保持部を中心に放射状に配置された略L字形の挟持腕を少なくとも2以上有し、該挟持腕が回動することで、各挟持腕の接触部の間隔を小さくし、柿を挟持する第2保持部と、から構成するとよい。
【0035】つまり、この保持手段によれば、第1保持部が柿を保持しているときに、柿の側面部分に皮剥き刃を当てて皮を剥き、その後、第2保持部が皮剥きが行われた側面部分に接触して柿を保持するとともに、第1保持部を柿から離し、皮が残っている部分に皮剥き刃を当てて、柿の全体の皮剥きを行なう。このようにすれば、柿に穴を開けることなく、柿を保持することができるとともに、柿の表面全体の皮を剥くことが出来る。
【0036】ここで、第1保持部は、柿の蔕部および臍部に当接して柿を挟持するが、干し柿は、皮を剥いた後に吊下げて干すことができるように、蔕部分に枝を残した状態にすることが多く、挟持する際にこの枝が障害になり、柿の蔕部に当接して挟持することができなくなってしまう。
【0037】これに対して、請求項8に記載の発明のように、前記第1保持部における柿の蔕部との接触面は、柿の枝と干渉しないよう中空部が設けられるとともに、柿との接触部分に突起が設けられるようにするとよい。これにより、枝を残した状態の柿の蔕部分に第1保持部の接触部分を接触させることができ、柿を挟持することが可能になる。また、皮剥きが完了した後、第2保持部が柿を解放した時に、枝が第1保持部に吊下げられ、柿が落下することを防ぐことも可能になる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を図面と共に説明する。まず、図1は、実施例の柿の皮剥き機の平面図であり、図2は、実施例の柿の皮剥き機の正面図である。
【0039】図1および図2に示すように、本実施例の柿の皮剥き機1は、各機器を支持する本体フレーム9と、電力によって回転するモータ11と、モータ11の回転を伝達する摩擦車13、ベルト15およびシャフト17と、各部の動作を制御する皮剥き制御部19と、柿の皮剥き刃を備える皮剥き部21と、モータ11で発生された回転を受けながら柿を保持する保持部25と、保持部25をその回転軸方向に移動させるアクチュエータ29と、から構成される。
【0040】ここで、モータ11、摩擦車13、ベルト15およびシャフト17は、特許請求の範囲における回転手段として備えられており、アクチュエータ29は、移動手段として備えられている。また、皮剥き制御部19は、操作員からの指令を受け、皮剥き作業を行うよう各部の動作を制御しており、特許請求の範囲における制御手段として備えられている。さらに、保持部25は、特許請求の範囲における保持手段として備えられ、第1保持部31と第2保持部33とから構成されている。
【0041】まず、第1保持部31は、同一直線上に中心軸を有し、対向するよう配置されるとともに、軸方向にスプラインが設けられた円柱状の軸体35および軸体37からなり、軸体35の端部に設けられたシリンダ39のロッド39aが空気圧力により摺動することで、軸体35は軸体37の方向(図1における左方向)に移動し、軸体37の端部に設けられた接触部41との間に、柿を保持する。このとき、柿の蔕部が接触部41に当接し、柿の臍部が軸体35の端面に当接して、柿を保持する。ここで、柿の臍部とは、蔕部を上として柿を吊下げたときの下端部のことであり、蔕部と臍部とを結ぶ直線は、柿の中心を貫く中心軸である。
【0042】次に、図3は、接触部41の形状を表す説明図であり、図3(a)は正面図、図3(b)は右側面図、図3(c)は下方から見た平面図である。ここで、接触部41は、柿との接触面となる軸体37の端面の円部分をU字状に切り取り、柿の枝と干渉しないよう軸体37に中空部43が設けられて形成されるとともに、柿との接触部分に突起45が設けられている。これにより、枝が残された状態の柿を保持する場合にも、枝を避けて蔕部分に接触することが可能となり、かつ、接触部と柿とが滑ることを防止する。さらに、皮剥きが完了して、軸体35と軸体37が離れて柿を解放した状態で停止する時に、接触部41のU字状の開口部が上方を向くように停止させることで、柿が枝によって吊り下げられ、落下を防ぐことも出来る。
【0043】そして、第1保持部31には、モータ11で発生された回転が摩擦車13、ベルト15および、シャフト17を介して伝達され、軸体35及び軸体37が回転し、第1保持部31に保持された柿は、柿の蔕部と臍部を結んだ中心軸を回転軸として回転する。また、軸体37に連結されたアクチュエータ29によって、回転している第1保持部31が、軸体37の軸方向(図1の左方向)に移動させられる。本実施例では、アクチュエータ29は、内蔵されたモータを動力として、ロッド29aを軸体37の軸方向(図1の左右方向)と平行に一定速度で移動するように構成されており、皮剥き制御部19の指令に従って動作する。このとき、シリンダ39には空気圧力が印加されているため、軸体37の移動に伴って、軸体35は、軸体37と同方向に移動して、軸体35と軸体37との間に柿を保持し続ける。
【0044】尚、アクチュエータ29は、油圧により摺動するシリンダとしても実現できる。次に、第2保持部33は、一端がリング47に回動自在に保持され、他端に柿との接触部49を備えた略L字形の挟持腕51を4本有し、挟持腕51は軸体37を中心に放射状に配置されている。リング47は、円筒部53の端部に円筒部53と一体に形成され、円筒部53の他端にはリング55が一体に形成されており、リング47、リング55および円筒部53の中心軸は、軸体37の回転軸に重なると共に、リング47およびリング55の直径は円筒部53の直径よりも大きくなっている。そして、円筒部53の内径は、軸体37の直径よりもわずかに大きく、円筒部53は、リング47を備えた端部が接触部41に近くなるよう配置され、軸体37の周囲を回転軸方向に摺動可能となっている。
【0045】また、略L字形である挟持腕51は、L字の二辺のうち、リング47に保持された辺の略中央位置に、連接板59の端部が回動自在に支持され、そして、連接板59の他端は、軸体37を中心として放射状に延設された支持部材57の延設部57bに回動自在に支持されている。さらに、連接板59が支持されている挟持腕51の辺のうち、連接板59の支持部分と挟持腕51の曲折部との略中央位置に、スプリング61の一端が係止され、スプリング61の他端は支持部材57の延設部57bに係止されており、スプリング61の弾力は、挟持腕51の接触部49が開くように作用している。
【0046】ここで、支持部材57は、円筒部53の周囲を軸体37の軸方向に摺動可能に設けられた環状部57aと、環状部57aから放射状に延びた延設部57bと、シリンダ65と連結される連結部57cとから構成されている。そして、支持部材57は、シリンダ65によって、軸体37の回転軸方向(図2の左右方向)の動きを制限されるとともに、初期状態の位置を決定される。ここで、シリンダ65は、内部を摺動するロッド65aを備え、ロッド65aの摺動方向が、軸体37と平行になるよう本体フレーム9に固定されている。このとき、ロッド65aは、シリンダ65から伸出すると軸体35に近づき、シリンダ65内に収納されると軸体35から遠ざかるように配置されている。
【0047】このように、支持部材57の初期状態の位置が決定すると、スプリング61の作用により、挟持腕51の接触部49が開き、挟持腕51の回動軸51bを備えたリング47は、リング55が支持部材57に当接するまで、軸体37上を接触部41の方向に近づき静止する。このため、シリンダ65のロッド65aの位置によって、支持部材57、リング47、円筒部53、リング55および挟持腕51の初期状態の位置が決定されることになり、ロッド65aの位置を調整することで、挟持腕51の位置を調整することが可能となる。
【0048】そして、前述したように、アクチュエータ29によって、第1保持部31が軸体37の軸方向(図1の左方向)に移動すると、リング47と接触部41との間の軸体37上に固定されたリング63は、リング47に向かう方向(図1の左方向)に移動し、リング63がリング47に当接すると、更に、リング63は、支持部材57に向かう方向(図1の左方向)に移動する。これにより、リング47と支持部材57との間隔が狭くなり、連接板59との連結点を中心として挟持腕51が回動することで接触部49が閉じていき、接触部49の間に柿を挟持する。すなわち、第2保持部33が、柿を側方から接触して挟持する。
【0049】こうして、接触部49が柿に当接すると、挟持腕51は接触部49間の間隔が、柿の大きさよりも小さくなるように揺動することが出来ないため、リング47と支持部材57との間隔は、接触部49が柿を保持した時点での間隔よりも短縮されることはない。しかし、軸体37、すなわち、リング63が、さらに支持部材57に向かう方向(図2の左方向)に移動すると、支持部材57を支持するロッド65aがシリンダ65に収納される方向(図2の左方向)に摺動していき、リング47および支持部材57がリング63と一体となって、リング63が支持部材57に向かう方向(図2の左方向)に移動し、柿を潰すことなく保持を継続する。
【0050】このとき、シリンダ65には空気圧力が印加されており、支持部材57を右方向に押すように作用しているが、リング63の移動に伴って押し込まれる程度の圧力が印加されている。このシリンダ65の作用によって、挟持する柿の大きさに違いがある場合でも、挟持可能になっている。
【0051】また、リング63の軸体37上における位置は変更可能であり、リング63の軸体37上での位置を変更することで、挟持腕51が動き始める時期を調整でき、接触部49が柿に当接する位置を調整することもできる。図4は、第2保持部33が柿を保持した状態を示す説明図である。尚、図4において、実際には、軸体37の手前にも、挟持腕51が存在するが、図の参照を容易にするため、省略している。図1および図2に比べ、図4では、リング63が、リング47に当接して、支持部材57に向かう方向(図4の左方向)に移動しており、これによって、挟持腕51の接触部49が閉じて、接触部49が柿の側面に接触して柿を保持している。
【0052】次に、皮剥き部21は、第1皮剥き部79と第2皮剥き部99とから構成されており、軸体35および軸体37が柿を保持する位置から、第1保持部の回転軸である軸体37に対して垂直方向に移動した位置に設けられている。第1皮剥き部79および第2皮剥き部99は、それぞれ、特許請求の範囲における第1皮剥き手段および第2皮剥き手段として備えられている。
【0053】図5は、図2のA−A視の皮剥き部21を示す説明図であり、アクチュエータ29から軸体35の方向を見たときの皮剥き部21を示す説明図である。まず、第1皮剥き部79は、一端が軸体37の回転軸と平行な第1回動軸71にて本体フレーム9に回動自在に軸支され、他端に刃渡り方向を軸体37の回転軸に対して垂直に配置された第1皮剥き刃73が設けられた第1支持体75と、内部を摺動するロッド77aを備えたシリンダ77とからなる。ロッド77aの端部は第1支持体75と回動自在に連結され、ロッド77aが伸出する端部とは反対方向であるシリンダ77の端部が軸体37の回転軸と平行な回動軸77bを介して本体フレーム9に回動自在に軸支されている。そして、シリンダ77に図示しない空気圧縮装置(コンプレッサ)から空気圧力が印加されることによって、ロッド77aがシリンダ77から伸出し、第1皮剥き刃73が軸体37の回転軸に近づく方向(図5の下方向)に第1支持体75を揺動させ、また、空気圧力が印加されなくなるとロッド77aが短縮してシリンダ77に収納され、第1皮剥き刃73が軸体37の回転軸から遠ざかる方向(図5の上方向)に第1支持体75を揺動させる。
【0054】ここで、図6は、第1皮剥き刃73の動作を示す説明図であり、柿の皮剥き機を正面から見た時の、第1皮剥き刃73と柿との関係を表している。シリンダ77に空気圧力が印加されることで、第1皮剥き刃73が、軸体37の回転軸に近づく方向、すなわち、柿に近づく方向(図6の下方向)に揺動し、保持部25の第1保持部31、すなわち、軸体35および軸体37の間に挟持されて回転している柿の肩周りに当たり、柿の蔕部周りを平面に切り取る(図6)。ここで、ロッド77aの長さは、シリンダ77から伸出する長さが最長になる時に、第1皮剥き刃73が軸体37に接触する直前で停止するように設定されている。
【0055】また、図5において、第2皮剥き部99は、第2支持体95と、内部を摺動するロッド97aを備えたシリンダ97とから構成されている。ここで、第2支持体95は、一端が軸体37の回転軸と平行な第2回動軸91にて本体フレーム9に回動自在に軸支され、他端には、第2支持体95の長手方向に平行な第3回動軸103bを回動軸とする第1軸体103とともに第2皮剥き刃93が設けられている。さらに、ロッド97aの端部は、第2支持体95から第2回動軸91に対して垂直方向に突設された第2腕部133と回動自在に連結され、ロッド97aが伸出する端部とは反対方向であるシリンダ97の端部は、軸体37の回転軸と平行な回動軸97bにて、本体フレーム9に回動自在に軸支されている。そして、皮剥き制御部19の指令により、図示しない空気圧縮装置(コンプレッサ)から、シリンダ97に空気圧が印加されると、ロッド97aがシリンダ97から伸出し、第2支持体95は、第2皮剥き刃93が軸体37の回転軸に近づく方向(図5の上方向)に揺動されて、また、空気圧力が印加されなくなるとロッド97aが短縮してシリンダ97に収納され、第2支持体95は、第2皮剥き刃93が軸体37の回転軸から遠ざかる方向(図5の下方向)に揺動される。
【0056】次に、図7(a)は、図5のB−B視の第2皮剥き部99を示す説明図であり、第2皮剥き部99の長手方向の側方から見た第2皮剥き部99を示す説明図であり、また、図7(b)は、図5のC−C視の第2皮剥き部99を示す説明図であり、第2皮剥き部99の長手方向から見たときの第2皮剥き部99を示す説明図である。
【0057】図7において、第2支持体95は、一端が第2回動軸91にて回動自在に軸支され、他端には、第2回動軸91に平行に延設された基台109が設けられ、さらに、長軸状に形成された第1軸体103と、ロッド105が内部を摺動する第1シリンダ107と、を備える。
【0058】ここで、第1軸体103は、特許請求の範囲における第3回動軸として備えられ、第2支持体95の長手方向に平行な第3回動軸103bを回動軸として、回動自在に基台109に軸支されており、第1軸体103の一端は第2皮剥き刃93が備えられ、他端には第1軸体103の軸方向に対して垂直に延設された腕部101が備えられる。そして、腕部101の端部と、ロッド105の端部とは、連結軸101bにて回動自在に連結されている。
【0059】また、第1シリンダ107は、第3回動軸103bに対して平行である回動軸107bにて、基台109に回動自在に軸支される。このとき、第1シリンダ107は、ロッド105の摺動方向が回動軸107bに対して垂直になるとともに、ロッド105が摺動する端部に回動軸107bが設けられるように配置されている。ここで、第2皮剥き刃93の刃渡り方向と、腕部101の長手方向は互いに平行である。また、第1シリンダ107からのロッド105の出力幅が最短となるとき、第1シリンダ107の回動軸107bと、腕部101とロッド105との連結軸101bと、第1軸体103の回動軸である第3回動軸103bとが一直線上に整列し、第1シリンダ107の回動軸107bから第1軸体103の回動軸である第3回動軸103bに向かう方向は、軸体35から軸体37に向かう方向と平行な関係となっている。
【0060】また、第1シリンダ107は、空気圧力が印加されることでロッド105を伸出する構造であり、空気圧力が印加されていない場合には、第1シリンダ107の回動軸107bに備えられたスプリング111によって方向が決定されており、第2皮剥き刃93が、軸体37の方向ではなく、わずかに軸体35の方向に向いた状態で停止する。すなわち、図7(a)において、第3回動軸103bと回動軸107bとを結ぶことで形成される直線よりも、連結軸101bがわずかに上方に位置するように停止するように、スプリング111が作用する。そして、第1シリンダ107に、空気圧力が印加されると、ロッド105が伸長して腕部101を揺動させ、第1軸体103を回動させて、第2皮剥き刃93が、より軸体35の方向に向くように、第2皮剥き刃93の方向を変える。すなわち、第1シリンダ107に、空気圧力が印加されると、ロッド105が伸長して腕部101を図7の上方向に押す。
【0061】このとき、第1軸体103に設けられた突部113が、基台109の突部115に当接するまで第1軸体103が回動すると、第1軸体103は静止して、第2皮剥き刃93の方向を維持する(以下、状態Aという)。この状態で、シリンダ97に圧力を印加してロッド97aを伸出させると、第2皮剥き刃93を軸体37に近づける方向(図5の上方向)に第2支持体95が揺動され、第2皮剥き刃93を柿に当接させる。
【0062】図8は、第2皮剥き刃93と柿との関係を示す説明図である。ただし、実際にこの方向から見た場合には、第2皮剥き刃93は、基台109に隠れて見ることは出来ないが、図の参照を容易にするため、基台109が無いものとして第2皮剥き刃93を表し、基台109は点線で記載した。
【0063】図8(a)は、第2皮剥き刃93が、前述の状態Aになって、柿に当接した直後の状態を表しており、第1シリンダ107からロッド105が伸出して、腕部101を押すことで、第2皮剥き刃93が柿に当接している。このとき、挟持腕51の接触部49が開いた状態で待機している。
【0064】ここで、第2皮剥き刃93が柿に当接するとき、柿の回転方向は、図8(a)の左方向から見て右回り、すなわち軸体37側から見て右回りとしているため、第2皮剥き刃93には、柿との摩擦力によって柿とともに回転しようとする力が働くが、第2回動軸91に支持された第2支持体95によって、その方向への移動を妨げられるため、第2皮剥き刃93は柿と共に回転することはない。しかし、この回転しようとする力によって、第2皮剥き刃93は、柿の中心に向けて移動しようとするため、柿の回転方向を軸体37から見て右回りとすることで、第2皮剥き刃93を柿に押し付ける力を発生させている。
【0065】そして、第1保持部31に保持された柿が、回転しながら軸体35から軸体37に向かう方向(図8(a)の左方向)に移動すると、第2皮剥き刃93が柿によって軸体35から軸体37に向かう方向(図8の左方向)に押されて、第1軸体103が回動するように反力が働き、ロッド105が第1シリンダ107の中に押し戻される。このとき、第1シリンダ107には、空気圧力は印加されているが、ロッド105が押し戻される程度に調整されているため、第1軸体103が回動して、第2皮剥き刃93は、柿の表面に沿うように、方向を変えていく。
【0066】ここで、第2皮剥き刃93が、軸体35の方向を向いている場合(図8(a)のように、腕部101とロッド105との連結軸101bが、第1軸体103の回動軸である第3回動軸103bと第1シリンダ107の回動軸107bとを結んだ線よりも上にある場合)には、第1シリンダ107に印加されている空気圧力により、第1軸体103を腕部101から見ると、第1軸体103には左回りの力が作用しているため、第2皮剥き刃93の軸体37に近い側の半分を柿に押し付けるように力が作用している。
【0067】また、第2皮剥き刃93が、軸体37の方向を向いている場合(図8(b)のように、腕部101とロッド105との連結軸101bが、第1軸体103の回動軸である第3回動軸103bと第1シリンダ107の回動軸107bとを結んだ線よりも下にある場合)には、第1シリンダ107に印加されている空気圧力により、第1軸体103を腕部101から見ると、第1軸体103には右回りの力が作用しているため、第2皮剥き刃93の軸体35に近い側の半分を柿に押し付けるように力が作用している。
【0068】さらに、シリンダ97によって、第2皮剥き刃93を含めた第2支持体95に、軸体37の回転軸に近づく方向(図8の下方向)への力が作用している。これらのことから、第2皮剥き刃93が柿の表面に沿って方向を変えていき、蔕部分の反対側である柿の臍部分まで移動し、皮剥きを実行する(図8(c))。
【0069】また一方、図8(a)において、基台109は、軸体37の回転軸方向(図8の左右方向)には移動しないことから、第1軸体103も軸体37の回転軸方向(図8の左右方向)には移動しない。しかし、第2皮剥き刃93が、第1軸体103の回動軸である第3回動軸103bの延長上から離れた位置に配置されており、第1軸体103が回動すると、第2皮剥き刃93は、方向を変えるとともに、第1軸体103の回動軸である第3回動軸103bを中心とした円弧上を移動するため、第2皮剥き刃93には、軸体37の回転軸方向(図8の左右方向)への移動変位があることになる。特に、第2皮剥き刃93の刃渡り方向が、軸体37の回転軸に平行になった直後に、軸体37の方向に向かう場合(図8において、腕部101とロッド105との連結軸101bが、第1軸体103の回動軸である第3回動軸103bと第1シリンダ107の回動軸107bとを結んだ線上から下に移動する場合)には、第2皮剥き刃93は第1軸体103よりも軸体37に近づく方向(図8の左方向)に移動するため、第2皮剥き刃93は柿に近づくよう移動することになる。
【0070】このとき、柿自身は、第2皮剥き刃93から離れる方向に移動するため、第2皮剥き刃93が柿に押し当てられる力が弱くなるが、前述のように、第2皮剥き刃93が第1軸体103を中心として回動し、柿に近づくよう移動することで、第2皮剥き刃93を柿に押し当てる力を補うことが出来る。
【0071】しかし、第2皮剥き刃93が柿の臍部分に近づくにつれて、円弧上の移動のうち、柿に近づく方向への変位が小さくなっていき、第2皮剥き刃93が柿に押し付けられる力が小さくなる。それに対して、第2支持体95は、図7のように、第2回動軸91を中心に回動すると共に、第2回動軸91に対して垂直な第4回動軸121を中心として保持部25の回転軸方向に揺動し、第2回動軸91にて軸支されている第2支持体95の端部から第2支持体95の長手方向に突設された突出部123と、突出部123の側面に、第2支持体95の長手方向を回動軸131bとして回動自在に備えられた回転接触部131と、曲面形状である側面を有し、該側面に沿って回転接触部131を滑動させることで、突出部123を第2回動軸91の軸方向にも揺動させる揺動方向変更部127と、第2支持体95が第4回動軸121を中心として揺動することを防止する回動防止部129と、を備えている。
【0072】ここで、回動防止部129は、突出部123の端部の近傍に設けられ、皮剥き制御部19からの指令により動作すると、軸が伸長して突出部123の側面に接し、突出部123が軸体37から軸体35に向かう方向(図7の左方向)に移動することを制限する。動作が解除されると、突出部123に接していた軸が回動防止部129に収納され、突出部123は軸体37から軸体35に向かう方向(図7の左方向)に揺動可能になる。
【0073】そして、回動防止部129が動作している場合には、第2支持体95が第2回動軸91を中心として保持部25の回転軸に対して垂直な方向にのみ揺動し、回動防止部129が動作していない場合には、第2支持体95が第2回動軸91を中心として揺動する際に、突出部123が揺動方向変更部127の曲面上を滑動して第2支持体95の軌道を変更し、第4回動軸121を中心として第2支持体95が保持部25の回転軸方向にも揺動する。
【0074】このとき、揺動方向変更部127の曲面は、シリンダ97が伸長するほど、第2支持体95が第4回動軸121を中心として移動する方向が大きくなるように、第2回動軸91の軸方向への揺動幅が大きくなるように形成されている。したがって、柿の臍部分の皮剥きを行うときには、揺動方向変更部127の作用によって、第2皮剥き刃93が柿の臍部分に近づけられるため、皮剥きを良好に行うことが出来る。
【0075】ただし、第4回動軸121を中心として第2支持体95を常に回動自由にすると、第2皮剥き刃93が軸体35の方向を向いている場合(第2皮剥き刃93が柿を迎える相対関係になった場合(図8(a)))には、柿から第2皮剥き刃93が離れてしまい、皮剥きが不可能になってしまう。このため、第2皮剥き刃93が軸体35の方向を向いている場合(第2皮剥き刃93が柿を迎える相対関係の場合)には、回動防止部129を動作させることによって第2支持体95の揺動方向を制限し、第4回動軸121を中心として揺動することを防止し、一方、第2皮剥き刃93が軸体37の方向を向いている場合(第2皮剥き刃93が柿を追いかける相対関係の場合(図8(b)))には、回動防止部129の動作を解除し、第4回動軸121を中心とする揺動を可能にする。
【0076】この時、揺動方向変更部127によって、揺動方向を変えることで、第2回動軸91を中心として回動するための動力を、第4回動軸121を中心として回動するための動力としても使用している。これにより、第4回動軸121を中心として回動するための動力機構の追加を省略している。
【0077】以上に、本発明の実施例である柿の皮剥き機の各部の動作説明を記したが、本柿の皮剥き機の使用に際しては、まず、操作員が、軸体37の接触部41に皮剥きを行なう柿の蔕部分を当接した状態で、セットスイッチを押下すると、皮剥き制御部19がセットスイッチからの指令を受け、皮剥き制御部19が、シリンダ39に対して空気圧力を印加して、軸体35を柿の臍部分に近づけ、軸体35と接触部41との間に、柿を挟持する。
【0078】続いて、運転スイッチを押下すると、皮剥き制御部19が運転スイッチからの指令を受け、皮剥き制御部19が、モータ11を始動させて、軸体35および軸体37を回転させるとともに、シリンダ77に空気圧力を印加して、第1皮剥き刃73を柿の肩周りに当接して、蔕部周りを平面に切り取る。
【0079】そして、皮剥き制御部19が、シリンダ77への空気圧力の印加を停止し、第1皮剥き刃73を柿から離すと、第1シリンダ107に空気圧力を印加して、第2皮剥き刃93を定方向に維持し(状態A)、さらに、シリンダ97に空気圧力を印加して、第1皮剥き刃73によって切り取られた部分の端である柿の表面に第2皮剥き刃93を当接する。
【0080】このあと、皮剥き制御部19は、アクチュエータ29を作動させ、図1において、軸体37とともに回転している柿を軸体37の方向(図1の左方向)に移動させていき、第2皮剥き刃93による皮剥きを進行させる。そして、軸体37の移動を進ませていき、第2皮剥き刃93の方向が徐々に変わり、第2皮剥き刃93の刃渡り方向が、軸体37と平行になった後に、リング63がリング47に当接して支持部材57の方向(図1の左方向)に移動し始め、挟持腕51が接触部49を閉じるように動き始める。このとき、運転スイッチを押下したときから動作していた回動防止部129が動作を停止する。
【0081】さらに、リング47を支持部材57の方向(図1の左方向)に移動させると、接触部49が柿に当接して、柿を保持する(図8(b))。挟持腕51が柿を保持すると、皮剥き制御部19は、シリンダ39への空気圧力の印加を停止し、軸体35を柿から離す。
【0082】続いて、第2皮剥き刃93による皮剥きを進めていくと、シリンダ97からのロッド97aの伸出幅が大きくなっていき、揺動方向変更部127の作用により、第2支持体95が第4回動軸121を中心に回動し始め、第2皮剥き刃93が柿に近づくように揺動して、最終的には、臍部分の皮剥きを行い、皮剥きされた柿ができあがる。
【0083】その後、皮剥き制御部19は、シリンダ97への空気圧力の印加を停止し、第2支持体95を柿から離し、モータ11を停止させる。このとき、接触部41の中空部43が上方向を向くように、軸体37の回転を停止させる。そして、アクチュエータ29の動作方向を逆にして、軸体37を軸体35に向かう方向(図1の右方向)に移動させると、挟持腕51の接触部49を開いて柿を解放させ、接触部41に柿の枝が掛かり、皮剥きされた柿が吊下げられた状態で皮剥き作業が完了する。
【0084】このように、本発明の実施例である柿の皮剥き機によれば、皮剥き作業を機械によって行うことができ、人が行なう作業を減らすことが出来る。また、可動方向が異なる皮剥き刃を複数備えることで、柿の蔕部周り部分と側方部分とを異なる皮剥き刃で剥くようにしている。これにより、柿の表面形状に適した皮剥き刃を用いて皮剥きを行うことができ、干し柿として商品価値の高い柿となるような皮剥きを実現できる。
【0085】また、本発明の実施例によれば、柿の表面形状を検出して、第2皮剥き刃の方向をその表面形状に適した方向に変化させるというような複雑な制御を行うことなく、一定の空気圧力を印加した状態で、第2皮剥き刃を柿に当接させることで、柿の表面形状に対して、第2皮剥き刃を適切な方向に変えることが出来る。また、印加される空気圧力は、第2皮剥き刃の方向を変えるだけでなく、第2皮剥き刃を柿に押し付ける力も供給している。
【0086】さらに、第2皮剥き刃を第1軸体の延長上から離れた位置に配置し、また、回動方向変更部を設けることにより、第2皮剥き刃を柿に押し当てるように作用させ、皮剥きを良好に行うことが出来る。また、柿を保持する手段として、それぞれ異なる部分に接触して挟持する第1保持部と第2保持部を設け、これら保持部が順次柿を保持することで、柿に穴を開けることなく保持できるとともに、柿の全表面を皮剥き刃に触れさせることが可能になる。
【0087】そして、枝が残された柿を保持する場合にも、接触部に中空部を設けることで保持可能とすると共に、保持部が柿を挟持することを解除した後に、柿が落下することを防ぐことが出来る。
【出願人】 【識別番号】596030623
【氏名又は名称】滝本 純市
【出願日】 平成11年3月1日(1999.3.1)
【代理人】 【識別番号】100082500
【弁理士】
【氏名又は名称】足立 勉 (外1名)
【公開番号】 特開2000−245421(P2000−245421A)
【公開日】 平成12年9月12日(2000.9.12)
【出願番号】 特願平11−52709