| 【発明の名称】 |
耐マイクロ波性脱酸素剤包装体 |
| 【発明者】 |
【氏名】畠山 秀利
【氏名】竹内 照雄
|
| 【要約】 |
【課題】金属検出器に検知されない非鉄系脱酸素剤包装体であって、電子レンジ加熱時のマイクロ波照射を受けても発火したり破袋による内容物漏洩が発生したりせず、かつ取り扱い性に優れた安全で実用的な脱酸素剤包装体の提供。
【解決手段】エチレン系重合体層と耐熱性樹脂層とが積層され、貫通する孔を有する外材1が、紙または不織布と貫通する孔を有するエチレン系重合体層とを積層してなる内材2に熱シールされてなる、二重フィルムの対面する内材2同士の熱シールにより、非鉄系脱酸素剤を収納して形成される三方シール包装体であって、外材1の透湿度が内材2の透湿度より小さく、かつ外材1と内材2との間の剥離強度が内材2同士の間の剥離強度より十分小さいことを特徴とする、耐マイクロ波性脱酸素剤包装体。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エチレン系重合体層と耐熱性樹脂層とが積層され、貫通する孔を有する外材1と、紙または不織布と貫通する孔を有するエチレン系重合体層とを積層してなる内材2とが、周縁部において熱シールされてなる二重フィルムの対面する内材2同士の熱シールにより非鉄系脱酸素剤を収納して形成される包装体であって、外材1の透湿度が内材2の透湿度より小さく、かつ外材1と内材2との間の剥離強度が内材2同士の間の剥離強度より小さいことを特徴とする、脱酸素剤包装体。 【請求項2】 三方シール包装体であることを特徴とする、請求項1記載の脱酸素剤包装体。 【請求項3】 外材1と内材2との間の剥離強度が、内材2同士の間の剥離強度の70%以下であることを特徴とする、請求項1記載の脱酸素剤包装体。 【請求項4】 エチレン系重合体層と耐熱性樹脂層とが積層され、貫通する孔を有する外材1と、紙または不織布と貫通する孔を有するエチレン系重合体層とを積層してなる内材2とが、周縁部において熱シールされてなる二重フィルムと、エチレン系重合体からなる内材3を有する多層フィルムとの対面する内材2と内材3との熱シールにより非鉄系脱酸素剤を収納して形成される包装体であって、外材1の透湿度が内材2の透湿度より小さく、かつ外材1と内材2との間の剥離強度が内材2と内材3との間の剥離強度より小さいことを特徴とする、脱酸素剤包装体。 【請求項5】 四方シール包装体であることを特徴とする、請求項4記載の脱酸素剤包装体。 【請求項6】 外材1と内材2との間の剥離強度が、内材2と内材3との間の剥離強度の70%以下であることを特徴とする、請求項4記載の脱酸素剤包装体。 【請求項7】 非鉄系脱酸素剤が、吸着性非導電性担体に被酸化性有機化合物及び水を担持したものからなる、水分を含む非鉄系脱酸素剤であることを特徴とする、請求項1又は4記載の脱酸素剤包装体。 【請求項8】 非鉄系脱酸素剤が、粒状消石灰、グリセリン、遷移金属化合物及び水からなる、水分を含む非鉄系脱酸素剤であることを特徴とする、請求項1又は4に記載の脱酸素剤包装体。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は通気性包装材料からなる袋内に脱酸素剤を収納した脱酸素剤包装体に関する。更に詳しくは、金属検出器に検知されず、かつ電子レンジ等のマイクロ波加熱装置で加熱されても発火や脱酸素剤の漏洩のない、安全衛生性に優れた耐マイクロ波性脱酸素剤包装体に関する。 【0002】 【従来の技術】包装内の酸素を吸収除去して食品、医薬品等の品質劣化を防止する脱酸素剤包装が広く行き渡っている。脱酸素剤包装は酸素バリアー性の高い容器、袋等の包装内に脱酸素剤包装体を被保存物とともに封入して行われる。脱酸素剤包装体は紙やプラスチックフィルムからなる通気性の包装材料を熱シールによって小袋形状に製袋し、酸素を吸収する脱酸素剤を充填したものである。脱酸素剤としては種々の提案がされているが、安全性、酸素吸収効率及びコスト等から鉄粉類を主成分として含有するもの(以降、「鉄系脱酸素剤包装体」ということがある)が多く用いられてきた。 【0003】また脱酸素剤として、アスコルビン酸化合物を主成分とするもの(特開昭54−73140号公報、特開平5−269376号公報など)や1,2−グリコールを主成分とするもの(特開平2−284645号公報)、グリセリンを主成分とするもの(特開平2−284646号公報)、糖アルコールを主成分とするもの(特開平2−284647号公報)、アミノアルコールを主成分とするもの(特開平8−323195号公報)、没食子酸を主成分とするもの(特開平8−309181号公報)等、鉄粉を使用しないものも提案されており、これらは金属検出器に検知されない脱酸素剤包装体とすることが可能である。脱酸素剤には、実質的に水分を含まずに食品等の被保存物から水分の供給を受けて酸素吸収を開始する水分依存型脱酸素剤と、水分供与体を含み食品等の被保存物からの水分の供給を受けずに酸素吸収を開始する自力反応型脱酸素剤包装体がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】安心して喫食できる食品を提供する一手段として、食品類を包装前、包装後または包装途中で金属検出器にかけ、針、ボルト、刃物の破片、銃弾、加工機械の破片その他の金属製異物が混入したものを除去することは公知であり、以前より一部の食品メーカーで実施されていたが、最近ではコンビニエンスストアや量販小売店が販売商品の安全性管理のため、取り扱い食品包装体には必ず金属検出器の通過を食品メーカーに要求する等、安全性に関する関心が高まりつつある。 【0005】このような状況下、前記金属検出器に検知されない脱酸素剤包装体(以降「非鉄系脱酸素剤包装体」と称する)の需要が増加しつつある。また一方、簡便に食品の加熱ができる電子レンジも家庭やコンビニエンスストアで普及しており、喫食前に電子レンジで加熱または調理する商品も増加している。このような状況下、電子レンジから発生するマイクロ波を受けても発熱、発火、包装体の破袋、または内容物である脱酸素剤の漏出等が起きない非鉄系脱酸素剤包装体が要望されていた。 【0006】電子レンジ加熱が可能な耐マイクロ波性脱酸素剤包装体については、特開昭63−082967号公報にアルミ箔層等の導電層を有する包装材料を用いた脱酸素剤包装体が提案されている。しかしながらこの方法は、脱酸素剤の種類には制約がないものの、マイクロ波照射時に導電層が帯電して包装体端部から放電が起きたり、導電層がマイクロ波の透過を妨げるため、脱酸素剤包装体直下の食品が加熱されにくいという問題があった。 【0007】また、特開平2−413号公報には粒度、比表面積を特定した粉末フィラーを大量に混合した鉄系脱酸素剤組成物を通気性包装材料で包装した脱酸素剤包装体が提案されている。これは従来の鉄系脱酸素剤包装体がマイクロ波照射により、内容物(鉄系脱酸素剤)が極めて短時間で発熱またはスパークし、容易に発火してしまう問題の解決を図ったものである。しかしながら、脱酸素剤中に水分が含まれていると、マイクロ波照射時に気化して包装袋内を加圧し破袋の原因となるので、組成中の水分は少なくなければならない。この方法は、脱酸素剤包装体内に実質的に水分を含まない水分依存型脱酸素剤に適用されるものであって、自力反応型脱酸素剤包装体には不適当であった。 【0008】一方、非鉄系脱酸素剤包装体の内容物である前記の有機物を主成分とする非鉄系脱酸素剤は水分含有が必須であり、組成物のみで酸素を吸収する自力反応型脱酸素剤であるため、この方法で用いられる通気性の大きな包装材料を用いると取扱中に大量の酸素吸収をしてしまい、能力が失活してしまう問題がある。また粉末フィラーを大量に混合することは更に脱酸素剤の容量を増加させ、包装材料も大型になってしまい、扱いにくくコストの高いものになってしまう欠点がある。即ち、従来の技術では耐マイクロ波性を有する非鉄系脱酸素剤包装体を得る手段はなかった。 【0009】本発明はこの課題を解決し、金属検出器に検知されない非鉄系脱酸素剤包装体であって、包装体内に予め水分を含有しているにも関わらず電子レンジ加熱時のマイクロ波照射を受けても発火したり破袋による内容物漏洩が発生したりせず、かつ取り扱い性に優れた安全で実用的な脱酸素剤包装体を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明者らは脱酸素剤の開発技術を生かし、各種の非鉄系脱酸素剤を試作しての評価研究を重ねた結果、マイクロ波を照射されても発火に至ることがない非鉄系脱酸素剤を見出した。しかしながら組成物中に含まれる水分がマイクロ波によって加熱気化することは避けられなかった。その結果、発火はしないものの、急激に発生した水蒸気によって袋内部が加圧状態になり、袋が膨張してついには熱シール部が破壊されて破袋し、内容物である非鉄系脱酸素剤が漏出する危険があるものであった。 【0011】そこで更に鋭意研究を進めた結果、外側内側二枚の通気性、シール強度が異なる包装材料を用いた小袋と先の非鉄系脱酸素剤を組み合わせることによって、マイクロ波照射時に水蒸気で加圧状態になった際、袋が膨張することはあっても二枚の通気性包装材料間のシール部のみが破壊されることによって圧力を放出し、内容物を包装している内側の包装袋には損傷がなく、よって内容物の漏出が起こらない脱酸素剤包装体が得られることを見出した。またこの方法により、小袋全体としては通気性の小さいものが得られるため、放置しても失活が少なく取り扱い性に優れた非鉄系脱酸素剤包装体とすることができることを見出し、本発明を完成した。 【0012】本発明は、組成物内に水分を含有し、金属検出器に検知されない脱酸素剤包装体であって、放置時の性能低下が少ないために取り扱い性に優れ、マイクロ波照射を受けても発火したり、包装袋が破袋して内容物が漏出したりすることがない、実用性に優れた耐マイクロ波性脱酸素剤包装体を提供するものである。 【0013】即ち本発明の第一は、エチレン系重合体層と耐熱性樹脂層とが積層され、貫通する孔を有する外材1と、紙または不織布と貫通する孔を有するエチレン系重合体層とを積層してなる内材2とが、周縁部において熱シールされてなる二重フィルムの、対面する内材2同士の熱シールにより非鉄系脱酸素剤を収納して形成される包装体であって、外材1の透湿度が内材2の透湿度より小さく、かつ外材1と内材2との間の剥離強度が内材2同士の間の剥離強度より小さいことを特徴とする、脱酸素剤包装体に関する。 【0014】また本発明の第二は、エチレン系重合体層と耐熱性樹脂層とが積層され、貫通する孔を有する外材1と、紙または不織布と貫通する孔を有するエチレン系重合体層とを積層してなる内材2とが、周縁部において熱シールされてなる二重フィルムと、エチレン系重合体からなる内材3を有するフィルムとの、対面する内材2と内材3との熱シールにより非鉄系脱酸素剤を収納して形成される包装体であって、外材1の透湿度が内材2の透湿度より小さく、かつ外材1と内材2との間の剥離強度が内材2と内材3との間の剥離強度より小さいことを特徴とする、脱酸素剤包装体に関する。 【0015】本発明品は金属検出器に検知されない自力反応型の非鉄系脱酸素剤包装体として取り扱い性が良いために食品の含有水分に関わらず脱酸素剤包装に良好に使用でき、食品の喫食前にこの脱酸素剤包装ごと電子レンジ等でマイクロ波加熱しても脱酸素剤包装体が発火する事がなく、また脱酸素剤包装体内部の水分が急速に気化膨張してもその圧力は二重の包装材料間のシール部のみをを破壊して抜けるために破袋による内容物の漏出がなく、よって食品を損傷したり汚染することなしに安全に加熱された食品を喫食することができる、極めて実用性に優れた諸特性を有するものである。 【0016】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態について詳細に説明する。外材1は、エチレン系重合体層と耐熱性樹脂層からなる。本発明に用いられるエチレン系重合体層とは、外材1と内材2とを熱シールした際に溶融して接着効果を創出するヒートシール性樹脂層であり、低密度、中密度、高密度の各ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリル酸共重合体、アイオノマー等が例示される。エチレン系重合体層の厚さは10〜50ミクロンが好ましい。 【0017】また、外材1を構成する耐熱性樹脂層とは、外材1及び内材2を、又は内材同士を熱シールする際、熱により溶融することなく外観を保持し円滑な熱シールを行うための樹脂層であり、延伸または無延伸のポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、セロファン等が例示される。中でも製造上の取り扱いやすさからポリエステル又はポリアミドからなるフィルムが好ましい。耐熱性樹脂層の厚さは10〜40ミクロンが好ましい。またこの層は片面に印刷を施し、美観を整えた後に前記ポリエチレンまたはこれより軟化点が低い樹脂層とドライラミネート、押し出しラミネート等により積層して外材1とすることが好ましい。印刷はインキが外材表面に出ないよう、ラミネートする側に柄印刷及び隠蔽ベタ印刷を施すのがより好ましい。 【0018】外材1には、孔が開けられ、通気性が付与される。孔は、外材1を貫通するものであれば、その形状は問わない。通常、エチレン系重合体層と耐熱性樹脂層を積層後、製袋前に、針で孔を開ける。針先の形状は円錐形、多角推形等が用いられ、孔の大きさは針の太さや長さを変える方法、又は、針を加熱して外材1を溶融させる方法等で適宜調節できる。通気性は脱酸素剤の酸素吸収能力に合わせて適宜設定されるが、酸素吸収速度が必要以上に速すぎて発熱が大きかったり、それに伴い脱酸素剤中の水分が不必要に蒸散してしまうために製造時及び放置時の失活が少なくなるよう、孔数を減らしたり孔の大きさを小さくして通気性を低く設定することにより取り扱い性の良好な脱酸素剤包装体とすることができる。このため通気性は透湿度として後述の内材2より小さいことが好ましく、内材2の透湿度の70%以下の透湿度であることがより好ましい。 【0019】透湿度は、以下のようにして測定する。 1)各包装材料をそれぞれ単独で本発明品及び比較品で用いた自動充填包装機にかけ、脱酸素剤の充填をせず、一方の袋口の熱シールをしない状態で自動充填包装機を運転して本発明品及び比較品と同寸法、同開孔条件の空袋を得る。これらの各空袋に無水塩化カルシウムを充填し、袋口をインパルス式シーラーで熱シールした後、各包装体の重量を精秤する。 2)得られた各包装体を速やかに、25℃、75%RHの恒温恒湿器中に移し、保管する。 3)経時的に重量を測定し、重量変化の値と、各包装体の表面積からシール部の面積を除いた面積とから、各包装材料の透湿度(0/75%RH、25℃、単位g/m2・24h)を求める。 【0020】内材2は、紙または不織布、及び、孔を開けたエチレン系重合体からなる。本発明に用いられる内材2を構成する紙は、和紙、洋紙、レーヨン等との混抄紙が使用される。紙の坪量が20g/m2から100g/m2のものが使用され、包装適性等から30g/m2から60g/m2のものが好ましく使用される。また、内材2を構成する不織布としては、湿式、乾式、スパンボンド不織布等いずれの不織布も使用可能であり、材質もポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、レーヨン又はこれらの複合物等いずれも使用できる。不織布の坪量が20g/m2から100g/m2のものが使用され、包装適性等の点で30g/m2から80g/m2のものが好ましく使用される。前記の紙または不織布には、撥水性あるいは撥油性を与えるため、撥水剤または撥油剤による加工をした紙または不織布を用いることも可能である。 【0021】内材2を構成するエチレン系重合体樹脂層は、内材2を製袋する際のシーラントとなる層であり、かつ通気性を阻害しないよう開孔される。樹脂材質としては、低密度、中密度、高密度の各ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリル酸共重合体、アイオノマー等が用いられる。層シール強度を確保するためにエチレン系重合体層の厚さは20〜50ミクロンが好ましい。内材2を構成するエチレン系重合体は、外材1を構成するエチレン系重合体と同種の樹脂であっても異種の樹脂であってもよい。 【0022】開孔の方法は予めエチレン系重合体フィルムに孔を開けてから紙または不織布と熱ラミネートまたはドライラミネートする方法や、紙または不織布にエチレン系重合体フィルムを熱ラミネート、ドライラミネートするかまたは溶融したエチレン系重合体樹脂を押し出しラミネートした後に孔を開ける方法等が利用できる。 【0023】内材2を構成するエチレン系重合体樹脂層に開ける孔は、エチレン系重合体樹脂層を貫通するものであれば、その形状は問わない。マイクロ波照射時に急激に発生する水蒸気を円滑に透過させるために通気性は大きい必要があるので、シーラントとしての接着性を阻害しない範囲で単位面積当たり開孔面積を大きくすることが好ましく、具体的には開孔率で10〜30%になるように孔の大きさと数を設定する。また、1孔あたりの開孔面積が小さすぎる場合には加圧時の通気性に乏しく破袋の原因となる場合があるので、1孔あたりの開孔面積は0.03mm2以上が好ましい。内材2としての透湿度は100g/m2・24h以上が好ましい。透湿度の測定方法は後述する。また内材2のガーレ透気度は60秒/100cc以下が好ましい。 【0024】外材1と内材2とは、包装体の周縁部において熱シールされて二重フィルムを形成する。すなわち、本発明においては、外材1と内材2との間には気体の流通する空間が形成される。 【0025】内材3を有する多層フィルムは、エチレン系重合体層からなるフィルムを内材3とし、これが他のフィルムと組み合わされた多層フィルムである。開孔して通気性を与えても、開孔しなくてもよい。開孔しない際には、エチレン系重合体層からなるフィルム(内材3)、及び、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、セロファン等の耐熱性樹脂からなるフィルムが積層された少なくとも2層の積層フィルムが好ましく使用される。開孔して通気性を与える際には、開孔したエチレン系重合体層からなるフィルム(内材3)、紙または不織布、及び、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体、セロファン等の耐熱性樹脂からなる開孔したフィルムが積層された少なくとも3層の積層フィルムが好ましく使用される。内材3を構成するエチレン系重合体層の樹脂材質としては、低密度、中密度、高密度の各ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリル酸共重合体、アイオノマー等が用いられる。内材2を構成するエチレン系重合体と同種の樹脂であることが好ましい。 【0026】本発明において内材同士の熱シールにより形成される内袋に収納される脱酸素剤は、水分を含む非鉄系脱酸素剤である。好ましい非鉄系脱酸素剤は、吸着性非導電性担体に有機化合物及び水を担持した組成物である。本発明に関わる脱酸素剤を構成する吸着性非導電性担体とは、それ自体が電気の良導体ではなく、かつ有機化合物水溶液を吸着保持できる物質であり、非晶質シリカ、花弁状結晶シリカ、珪藻土、活性白土、セピオライト等の珪酸化合物、ゼオライト、雲母、ベントナイト、パーライト、バーミキュライト等のシリカ・アルミナ化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物などが例示できる。 【0027】本発明の吸着性非導電性担体は粉末でも粒状でも使用できるが、粉末の場合はこれらに本発明の有機化合物水溶液を担持して脱酸素剤としたときに、充填包装工程で円滑に包装材料中に充填するためには流動性が必要なため、脱酸素剤とする工程で造粒する事が好ましい。粒状の場合は脱酸素剤とした後でも流動性を得やすく、造粒工程が不要である利点がある。またこれらの化合物成分中には不純物として金属検出器に反応する酸化化合物が含まれるものがあるので、重金属化合物、特に鉄化合物含量は少ない方が好ましい。鉄化合物の中でも硫化鉄、四三酸化鉄は特に金属検出器に反応しやすいのでこれらの含有量が少ないほど良い。これらの観点から、珪藻土、セピオライト、ゼオライト、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムが好ましく、粉末より粒状がより好ましい。尚、吸着性非導電性担体を製造するプロセスで粉砕器、焼成炉等の設備中から鉄分が混入することもあり、そのために金属検出器に反応しやすくなる場合があるので、プロセスからの鉄混入防止策、除鉄機の設置、酸による洗浄等の手段を講じることが好ましい。 【0028】本発明の脱酸素剤を構成する被酸化性有機化合物はアルカリ性環境下、自ら酸化して酸素吸収を行う脱酸素剤の主剤であり、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム等のアスコルビン酸類、カテコール、没食子酸、ピロガロール等の多価フェノール類、グリセリン、エチレングリコール、プロパンジオール等の多価アルコール類が使用できるが、入手のし易さ、安全性、水への溶解度の点などからアスコルビン酸ナトリウム、グリセリンが好ましい。 【0029】本発明の脱酸素剤には、必要に応じて各種添加剤を添加することができる。以下に本発明の脱酸素剤に必要に応じ添加される添加物の例を挙げる。添加物はこれらに限らず、金属検出器に検出されないこと、耐マイクロ波が低下し、発火、スパークが起こらないことを勘案しつつ適宜加えることができる。 1)アルカリ性物質本発明の脱酸素剤に用いられる被酸化性有機化合物は、アルカリ性水溶液の条件下で酸素吸収を行う。そのために苛性ソーダ、炭酸ソーダ、水酸化カルシウム等のアルカリ性物質を添加することができる。アルカリ性物質は有機化合物水溶液中に添加する方法、有機化合物担持後に粉末として添加する方法等をとることが可能である。吸着性非導電性担体自体がアルカリ性の場合、他の添加物がアルカリ性の場合には前記アルカリ性物質を添加しない場合もある。 【0030】2)触媒酸素吸収反応を活発化する触媒として、鉄、銅、コバルト、マンガン等の遷移金属の水溶性塩、フェノール類、キノン類、活性炭から選ばれる一種または二種以上を添加することが好ましい。しかしながら添加量が多すぎると耐マイクロ波性、安全性等を低下するため、添加量は合計で脱酸素剤組成物中の10重量%以下が好ましい。活性炭は酸素吸収反応に伴い発生する微量の臭気成分を吸着する効果も有する。 3)滑剤脱酸素剤の流動性を向上し、脱酸素剤製造性や充填包装適性を上げるために、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等の滑剤を添加することができる。 【0031】本発明に関わる脱酸素剤は金属検出器に検出されず、かつマイクロ波を照射された際、脱酸素剤中の水分はマイクロ波によって急速に加熱され気化するものの、それ以外の成分は急速に発熱したり、発火、スパークしたりせず、食品または食品包装材料の汚染、損傷がないことが特徴である。前述の水分の加熱気化については、元来食品のマイクロ波加熱が食品中の水分を中心に加熱するものであるから、食品または食品包装体を汚染、損傷させる原因にはならない。本発明において特に好ましい脱酸素剤は、粒状消石灰、グリセリン、遷移金属化合物及び水からなる非鉄系脱酸素剤組成物である。 【0032】本発明の脱酸素剤は、例えば、前記吸着性非導電性担体に前記有機化合物及び水を担持させる事により得られる。担持させる方法は、粉末状の吸着性非導電性担体、有機化合物、水を混合し、押し出し造粒、転動造粒等の方法で造粒する方法、粒状の吸着性非導電性担体に有機化合物水溶液を含浸する方法等をとることができる。脱酸素剤として単位体積あたりの有機化合物量が多い方が小型で酸素吸収能力が高い優れた包装体が得られるので、有機化合物の水溶液濃度は高い方が好ましい。本発明の脱酸素剤に含まれる水分は、好ましくは2重量%以上、より好ましくは5〜50重量%である。水分が少なすぎると、酸素吸収能力が低下する。 【0033】前記した本発明の第一に関わる耐マイクロ波性脱酸素剤包装体を製造するには、一般に、包装体の三辺がシールされた三方シール方法又は四辺がシールされた四方シール方法が採られる。好ましくは、縦型または横型の公知の三方シール自動充填包装機による三方シール方法が用いられる。 【0034】三方シール方法においては、外材1のエチレン系重合体樹脂層側と内材2の紙または不織布側が対面するように重ね合わせて三方シール自動充填包装機へ導き、内材2を内側にし二つ折りにして袋周縁部の離れた二辺に相当する部分を熱シールし、適量の脱酸素剤を充填し、袋周縁部の残りの辺相当部分を熱シールして製造される。このとき、外材1の寸法を内材2の寸法よりも1mm以上、好ましくは2mm以上大きくすると内材2が外材1からはみ出すことがなく好ましい。また、外材1に予め孔が開けられていない場合には、三方シール自動充填包装機に設けられた穿孔装置により、外材1に適当数の開孔が施される。 【0035】前記した本発明の第二に関わる耐マイクロ波性脱酸素剤包装体を製造するには、一般に、四辺がシールされた四方シール方法がとられる。好ましくは、縦型または横型の公知の三方シール自動充填包装機による四方シール方法が用いられる。四方シール方法においては、外材1のエチレン系重合体樹脂層側と内材2の紙または不織布側が対面するように重ね合わせて四方シール自動充填包装機へ導き、エチレン系重合体層からなる内材3を有するフィルムを、内材3が内材2に対面するように重ね合わせて、袋周縁部を熱シールし、適量の脱酸素剤を充填した後、残りの辺相当部分を熱シールして製造される。また、外材1に予め孔が開けられていない場合には、四方シール自動充填包装機に設けられた穿孔装置により、外材1に適当数の開孔が施される。 【0036】本発明において、外材1及び内材2の透湿度、並びに、脱酸素剤包装体の熱シール部分における外材1と内材2の間、及び、内材2同士又は内材2と内材3との剥離強度は重要である。外材1と内材2とのシール部分が選択的に破壊されるために、外材1の透湿度が内材2の透湿度より小さく、外材1と内材2の間の剥離強度が内材同士の剥離強度より小さいことが必要である。外材1と内材2の間の剥離強度の弱い部分は外材1と内材2とのシール部分全周のうち一部分でも良い。強度差が小さいと破壊箇所の選択性が不確実になるため、外材1と内材2との剥離強度は、内材2同士又は内材2と内材3との剥離強度の70%以下であることが好ましい。また、脱酸素剤包装体の膨張時に内材同士のシール部分が剥離することを防止するために内材2同士又は内材2と内材3との剥離強度は0.8kg以上であることが好ましい。更に、通常の取り扱い中に不用意に外材1が剥離することを防止するためには外材1と内材2との剥離強度は0.1kg以上であることが好ましい。 【0037】これらシール部の剥離強度の調節は、外材1のエチレン系共重合体樹脂層、内材2の紙もしくは不織布層、又は、内材2もしくは内材3のエチレン系共重合体樹脂層の各層の材質及び厚さを適宜選択すること、製袋充填包装機の熱シール方式を適宜選択すること、熱シール時の温度及び時間を適宜選択することによって行うことができる。 【0038】本発明に関わる脱酸素剤包装体が食品とともにマイクロ波照射された際、脱酸素剤中の水分は加熱され、急速に気化膨張するとともに速やかに通気性の高い内材2を通過するが、通気性の低い外材1の外へ通過する速度は気化する速度に比べて小さいため、外材1と内材2の間で滞留し、外材1を内側から加圧する。外材1は外側へ押し広げられるが外材1と内材2は包装体周縁部でシールされているため、結果的に脱酸素剤包装体全体が限界にまで膨らむことで初期の内圧増加を吸収する。更に脱酸素剤からの水分の気化が継続する場合、脱酸素剤包装体内の圧力は更に増加を続け、ついにはシール強度の相対的に弱い、外材1と内材2とのシール部分が限界に達し、選択的に破壊されて水蒸気を放出する。この時、内袋を形成する内材同士のシール部分は破壊されないので、内容物である脱酸素剤は内袋内に残存する。よって、本発明の脱酸素剤包装体は、マイクロ波加熱を行っても、脱酸素剤が漏出しない。気体放出後は、引き続き気化する水分は速やかに内材を通過して外気に蒸散するので、もはや圧力上昇は起こらない。 【0039】 【実施例】以下に本発明の実施例及び比較例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。 実施例1局方グリセリン96重量部、水10重量部を混合し、さらに塩化マンガン1重量部、没食子酸1重量部を溶解した溶液を平均粒径1mmの顆粒状消石灰に含浸後、0.5重量部の粉末活性炭及び0.5重量部のステアリン酸マグネシウム粉末を混合して脱酸素剤Aを得た。ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製、厚み12ミクロン)の片面に文字印刷、ベタ印刷の順で印刷を施した後、印刷面上に低密度ポリエチレン(日本ユニカー(株)製)を厚み15ミクロン、エチレン−メタクリル酸共重合体(ダウケミカル(株)製)を厚み15ミクロンでこの順に押し出しラミネートしてフィルム状の外材10を得、幅110mm、長さ500mに裁断し紙管に巻き取った。一方、サイズ剤及び耐油剤を塗布した耐水耐油性の洋紙に、直径0.8mmの孔を開孔率25%で開けた中密度ポリエチレン(東セロ(株)製TUX−TC、厚さ30ミクロン)を熱ラミネートしてフィルム状の内材20を得、幅105mm、長さ500mに裁断し紙管に巻き取った。内材20のガーレ透気度は30秒以下であった。 【0040】外材10と内材20を巻き出し、横型三方シールロータリー式自動充填包装機((株)トパック製)に外材10のエチレン−メタクリル酸共重合体層と内材20の洋紙層が対面するように重ね合わせ、内材2が内側になるように折り込み、熱シール前に外材10を底辺の直径0.7mm円錐針で開孔しつつ、幅55mm、長さ45mm、脱酸素剤A2.5g入りの脱酸素剤包装体(本発明品1とする)を製造した。脱酸素剤包装体は製造後10分以内にアルミ箔を積層したプラスチックフィルムからなる袋に密封して保管し、酸素吸収による劣化を防止した。後述する手順により、包装材料の透湿度、各脱酸素剤包装体の剥離強度、各脱酸素剤包装体の酸素吸収能力及び放置安定性を測定し、各脱酸素剤包装体の金属検出器通過テストを行った。 【0041】実施例2二軸延伸ナイロンフィルム(ユニチカ(株)製、厚み15ミクロン)の片面に文字印刷、ベタ印刷の順で印刷を施した後、印刷側に低密度ポリエチレンフィルム(厚み20ミクロン)をドライラミネートし、更に加熱した直径1mmの針で開孔を施して外材11を得た。幅120mm、長さ500mに裁断し紙管に巻き取った外材11と、幅115mm、長さ500mに裁断し紙管に巻き取った内材20を、縦型三方シール自動充填包装機(三光機械製作所製)に外材11の低密度ポリエチレン層と内材20の洋紙層を対面させ、内材2が折り込み内側になるようにセットし、充填ホッパー中に脱酸素剤Aを入れて、幅60mm、長さ80mm、脱酸素剤A9g入りの脱酸素剤包装体(本発明品2とする)を得た。実施例1と同様にして保管し、包装材料の透湿度、各脱酸素剤包装体の剥離強度、各脱酸素剤包装体の酸素吸収能力及び放置安定性を測定し、各脱酸素剤包装体の金属検出器通過テストを行った。 【0042】実施例3l−アスコルビン酸ナトリウム100重量部を水120重量部に溶解し、更に硫酸第一鉄15重量部、炭酸ナトリウム25重量部を溶解した溶液100kgを塩酸洗浄した造粒焼成珪藻土100kgに含浸後、粉末活性炭5kgを混合して脱酸素剤Bを得た。ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み12ミクロン)の片面に文字印刷、ベタ印刷の順で印刷を施した後、印刷側にエチレン−酢酸ビニル共重合体20ミクロンを押し出しラミネートして外材12を得た。一方、ポリエステル系不織布(坪量30g)に、直径1mmの孔を開孔率20%で開けた中密度ポリエチレン(厚さ30ミクロン)をドライラミネートして内材21を得た。内材21のガーレ透気度は30秒以下であった。 【0043】幅130mm、長さ500mに裁断し紙管に巻き取った外材12と、幅123mm、長さ500mに裁断し紙管に巻き取った内材21を、横型三方シールロータリー式自動充填包装機に外材12のエチレン−酢酸ビニル共重合体層と内材21の不織布層を対面させ、内材2が折り込み内側になるようにセットし、充填ホッパー中に脱酸素剤Bを入れるとともに熱シール前に外材12を底辺の直径0.7mm円錐針で開孔しつつ、幅60mm、長さ45mm、脱酸素剤B2.5g入りの脱酸素剤包装体(本発明品3とする)を得た。実施例1と同様にして保管し、包装材料の透湿度、各脱酸素剤包装体の剥離強度、各脱酸素剤包装体の酸素吸収能力及び放置安定性を測定し、各脱酸素剤包装体の金属検出器通過テストを行った。 【0044】比較例1また、本発明の比較例として、以下の脱酸素剤包装体を作成した。各脱酸素剤包装体及び各脱酸素剤は実施例と同様、製造後10分以内にアルミ箔を積層したプラスチックフィルムからなる袋に密封して保管し、酸素吸収による劣化を防止した。ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製、厚み12ミクロン)の片面に文字印刷、ベタ印刷の順で印刷を施した後、印刷側に低密度ポリエチレン15ミクロンを押し出しラミネートした2層フィルムに、加熱した直径1mmの針で開孔を施した。この開孔2層フィルムのポリエチレン側に耐水耐油紙を熱ラミネートし、更に耐水耐油紙側に加熱した直径1mmの針で開孔を施した低密度ポリエチレンフィルム(30ミクロン)を熱ラミネートして包装材料30を得た。外材10及び内材20の代わりに、幅110mm、長さ500mに巻き取った包装材料30を低密度ポリエチレンフィルム側を折り込み内側として横型三方シールロータリー式自動充填包装機にセットし、充填ホッパー中に脱酸素剤Aを入れて、幅55mm、長さ45mm、脱酸素剤A2.5g入りの脱酸素剤包装体(比較品1とする)を得た。実施例1と同様にして保管し、包装材料の透湿度、各脱酸素剤包装体の剥離強度、各脱酸素剤包装体の酸素吸収能力及び放置安定性を測定し、各脱酸素剤包装体の金属検出器通過テストを行った。 【0045】比較例2縦型三方シール自動充填包装機の熱シール温度を上げ、充填包装速度を低下させて熱シール部の剥離強度を高く設定した以外は本発明品2と同様の材料及び方法を用いて幅60mm、長さ80mm、脱酸素剤B9g入りの脱酸素剤包装体(比較品2とする)を得た。実施例1と同様にして保管し、包装材料の透湿度、各脱酸素剤包装体の剥離強度、各脱酸素剤包装体の酸素吸収能力及び放置安定性を測定し、各脱酸素剤包装体の金属検出器通過テストを行った。 【0046】比較例3l−アスコルビン酸ナトリウム100重量部を水120重量部に溶解し、更に硫酸第一鉄15重量部、炭酸ナトリウム25重量部を溶解した溶液100kgを亜鉛賦活された粒状活性炭70kgに含浸して脱酸素剤Cを得た。脱酸素剤Bの代わりに脱酸素剤Cを用いた以外は本発明品3と同様の材料及び方法を用いて、幅60mm、長さ45mm、脱酸素剤B2.5g入りの脱酸素剤包装体(比較品3とする)を得た。実施例1と同様にして保管し、包装材料の透湿度、各脱酸素剤包装体の剥離強度、各脱酸素剤包装体の酸素吸収能力及び放置安定性を測定し、各脱酸素剤包装体の金属検出器通過テストを行った。 【0047】比較例4脱酸素剤Aの代わりに鉄粉系脱酸素剤Dを用いた他は本発明品1と同様の材料及び方法を用いて、幅55mm、長さ45mm、脱酸素剤D2.5g入りの脱酸素剤包装体(比較品4とする)を得た。実施例1と同様にして保管し、包装材料の透湿度、各脱酸素剤包装体の剥離強度、各脱酸素剤包装体の酸素吸収能力及び放置安定性を測定し、各脱酸素剤包装体の金属検出器通過テストを行った。 【0048】比較例5外材10に底辺の直径0.7mm円錐針で開孔する際に、開孔数を増加した他は本発明品1と同様の材料及び方法で幅55mm、長さ45mm、脱酸素剤A2.5g入りの脱酸素剤包装体(比較品5とする)を得た。実施例1と同様にして保管し、包装材料の透湿度、各脱酸素剤包装体の剥離強度、各脱酸素剤包装体の酸素吸収能力及び放置安定性を測定し、各脱酸素剤包装体の金属検出器通過テストを行った。 【0049】測定方法〔包装材料の透湿度測定〕前記本発明品1〜3、比較品1〜5の各脱酸素剤包装体に用いた外材10〜12、内材20及び21、包装材料30の各包装材料をそれぞれ単独で本発明品及び比較品で用いた自動充填包装機にかけ、脱酸素剤の充填をせず、一方の袋口の熱シールをしない状態で自動充填包装機を運転して本発明品及び比較品と同寸法、同開孔条件の空袋を得た。これらの各空袋に無水塩化カルシウムを充填し、袋口をインパルス式シーラーで熱シールした後、速やかに各包装体の重量を精秤した。このものを25℃、75%RHの恒温恒湿器中に保管し、経時的に測定した重量変化の値と、各包装体の表面積からシール部の面積を除いた面積とから、各包装材料の透湿度(0/75%RH、25℃、単位g/m2・24h)を求めた。結果を表1に示した。 【0050】〔各脱酸素剤包装体の剥離強度測定〕前記本発明品1〜3、比較品1〜5の各脱酸素剤包装体の3辺の各シール部について15mm幅の短冊状に切断し、プッシュプルゲージを用いて剥離強度を測定した。尚、外材と内材とのシール部は表裏の各3辺について測定した。各脱酸素剤包装体のシール部のうち、最も剥離強度が弱かった部分の数値(単位kg/15mm)を表1に示した。 【0051】〔各脱酸素剤包装体の酸素吸収能力及び放置安定性測定〕前記本発明品1〜3、比較品1〜5の各脱酸素剤包装体を、それぞれガスバリアー性袋内に空気300ml(但し本発明品2及び比較品2については空気900ml)、酸素の有無を色調の変化で示す酸素検知剤(三菱ガス化学(株)製、商品名「エージレスアイ」)とともに封入し、5℃の室内に放置して48時間後及び240時間後に酸素検知剤の色調を観察し、脱酸素の状態を測定した。また、各脱酸素剤包装体を大気中に20分放置した後、同様の酸素吸収能力測定を行い、放置安定性を測定した。何れも観察時に酸素検知剤が酸素ありの色調であれば×、酸素なしの色調であれば○として結果を表2に示した。 【0052】〔各脱酸素剤包装体の金属検出器通過テスト〕金属検出器(日新電子工業(株)製ND−800型)を、鉄0.7mmφテストピースは検出せず、鉄0.8mmφテストピースは検出する条件に設定し、前記本発明品1〜3、比較品1〜5の各脱酸素剤包装体をそれぞれ通過させた。検出されなければ○、検出されれば×として結果を表2に示した。 【0053】〔各種脱酸素剤包装体の耐マイクロ波性テスト〕前記本発明品1〜3、比較品1〜5の各脱酸素剤包装体を食品の標準的加熱条件、すなわち、1)出力500Wの電子レンジ(三菱電機(株)製RR−50型)で1分間加熱2)出力1700Wの電子レンジ(松下電器産業(株)製NE−1700型)で30秒間加熱の2条件でマイクロ波照射し、照射後脱酸素剤包装体の外観を観察した。結果を表2に示した。 【0054】 【表1】
【0055】 【表2】
【0056】 【発明の効果】本発明の脱酸素剤包装体は、酸素吸収能力及び取り扱い性に優れ、脱酸素剤包装体として実用性が高いばかりではなく、金属検出器に検出されず、なおかつ電子レンジ加熱等のマイクロ波照射を受けても、破袋による内容物の漏出や焼損等の不具合が無いという、優れた特徴を有する。従って本発明の脱酸素剤包装体は、金属検出器を使用して異物チェックが行われる各種の食品又は医薬品等の包装体であって、かつマイクロ波加熱される分野に特に好適に使用できる。すなわち、喫食前にマイクロ波加熱またはマイクロ波調理される弁当、おにぎり、餅等の米飯類、やきそば、スパゲッティ等の麺類、各種総菜類、調理パン、ピザ、ケーキ、饅頭、団子等の菓子類、ソーセージ、唐揚げ、焼き鳥等の畜肉加工品類や等の各種食品、使用前にマイクロ波滅菌されたり、マイクロ波加熱軟化される各種医薬品等の保存時における酸化防止、微生物増殖抑制に高い効果を有する。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000004466 【氏名又は名称】三菱瓦斯化学株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年6月14日(1999.6.14) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2000−354477(P2000−354477A) |
| 【公開日】 |
平成12年12月26日(2000.12.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−167059 |
|