| 【発明の名称】 |
旨み成分抽出方法とだしスープ |
| 【発明者】 |
【氏名】当麻 潔
【氏名】宮崎 浩一
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| 【要約】 |
【課題】安いコストで旨み成分を抽出できるようにする。
【解決手段】旨み成分を含む原材料1を、水分を含んだ状態で、マイクロ波照射によって加熱して、その原材料から旨み成分を抽出する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 旨み成分を含む原材料を、水分を含んだ状態で、マイクロ波照射によって加熱して、その原材料から旨み成分を抽出する旨み成分抽出方法。 【請求項2】 前記マイクロ波照射する原材料は、水に浸漬させたものである請求項1記載の旨み成分抽出方法。 【請求項3】 前記原材料にマイクロ波照射した後、その旨み成分を熱水中で抽出する請求項1又は2項記載の旨み成分抽出方法。 【請求項4】 前記原材料が、動植物を素材とするものである請求項1〜3のいづれか1項記載の旨み成分抽出方法。 【請求項5】 旨み成分を含む原材料を、水分を含んだ状態で、マイクロ波照射によって加熱して、前記旨み成分を、前記加熱した原料を浸漬した熱水中で抽出し、その旨み成分を抽出した熱水中から前記原材料を取り出して製造してあるだしスープ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、旨み成分を含む原材料から旨み成分を抽出する旨み成分抽出方法とだしスープに関する。 【0002】 【従来の技術】旨み成分を含む原材料( 以下、単に原材料という) としては、鰹節,そうだ節,マグロ節,さば節,むろ節,うるめ節,いわし節,さんま節等の節類や、煮干し,乾燥昆布,乾燥椎茸等の乾燥物、鳥がら,鶏足先,丸鶏等の鶏を素材とする生もの、豚骨,豚頭,豚正肉,豚足等の豚を素材とする生もの、牛骨等の牛を素材とする生もの、魚のあら等の魚を素材とする生もの、香味野菜などの生野菜を素材とするものがあり、これらの原材料から旨み成分を抽出する方法として、従来、原材料をそのまま熱水に投入して旨み成分を抽出する熱水抽出法が一般的に行われている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記熱水抽出法は、簡易な設備で旨み成分を抽出できる利点があるが、旨み成分の抽出効率が悪く、所望濃度の旨み成分を抽出するのに多くの原材料を必要とし、結果的に、抽出コストが高くつく欠点がある。また、上記熱水抽出法は、水や湯で希釈して料理に使用するいわゆる濃縮だし等の旨み成分濃度の濃いだしスープを製造するには、熱水の量に比べて大量の原材料を投入して旨み成分を抽出する必要があるが、投入できる原材料の量には限度があり、従って、抽出できる旨み成分の濃度に限界があるので、和風だしや中華スープ,洋風スープ等のだしスープを製造するにあたって、水や湯で希釈せずに料理に使用できるいわゆるストレートだし等の旨み成分濃度の薄いだしスープの製造に適しているが、濃縮だし等の旨み成分濃度の濃いだしスープの製造には適さない欠点がある。 【0004】本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、安いコストで旨み成分を抽出できるようにすることを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の旨み成分抽出方法は、旨み成分を含む原材料を、水分を含んだ状態で、マイクロ波照射によって加熱して、その原材料から旨み成分を抽出する点にある。 〔作用〕旨み成分を含む原材料を、水分を含んだ状態で、マイクロ波照射によって加熱すると、旨み成分の抽出効率が大幅に向上する。つまり、マイクロ波照射により、原材料の細胞内部の水分が誘電加熱され、この加熱により発生する水蒸気によって細胞内部の圧力が上昇し、細胞膜が破壊されて旨み成分が出てくることや、マイクロ波照射により、多糖類やタンパク質等に結合或いは囲まれていた旨み成分が分離・放出されることにより、抽出効率が向上するものと考えられる。 〔効果〕従来に比べて少ない原材料で多くの旨み成分を抽出することができるので、安いコストで旨み成分を抽出できる。 【0006】請求項2記載の旨み成分抽出方法は、前記マイクロ波照射する原材料は、水に浸漬させたものである点にある。 〔作用〕原材料から抽出した旨み成分が浸漬水に溶け込む。 〔効果〕抽出した旨み成分が浸漬水に溶け込んでいるので、抽出した旨み成分を利用する上で取り扱い易い。 【0007】請求項3記載の旨み成分抽出方法は、前記原材料にマイクロ波照射した後、その旨み成分を熱水中で抽出する点にある。 〔作用〕少ないマイクロ波照射量で原材料を効率良く加熱した後、その原材料を所望量の熱水に入れて、旨み成分を抽出することができる。 〔効果〕希釈せずに料理に使用できるストレートだし等の旨み成分濃度の薄いだしスープでも濃縮だし等の旨み成分濃度の高いだしスープでも、所望のだしスープを安いコストで製造できる。 【0008】請求項4記載の旨み成分抽出方法は、前記原材料が、動植物を素材とするものである点にある。 〔作用〕動植物やその加工品に含まれているグルタミン酸やイノシン酸,グアニル酸等の旨み成分を効率良く抽出できる。 〔効果〕従来に比べて少ない原材料で多くのグルタミン酸やイノシン酸,グアニル酸等の旨み成分を抽出することができる。 【0009】請求項5記載のだしスープは、旨み成分を含む原材料を、水分を含んだ状態で、マイクロ波照射によって加熱して、前記旨み成分を、前記加熱した原料を浸漬した熱水中で抽出し、その旨み成分を抽出した熱水中から前記原材料を取り出して製造してある点にある。 〔作用〕旨み成分を含む原材料を、水分を含んだ状態で、マイクロ波照射によって加熱すると、旨み成分の抽出効率が大幅に向上するので、その旨み成分を、加熱した原料を浸漬した熱水中で抽出し、抽出した熱水中から原材料を取り出して製造してあるだしスープは、少ない原料を使用しながら、多くの旨み成分を含ませることができる。つまり、マイクロ波照射により、原材料の細胞内部の水分が誘電加熱され、この加熱により発生する水蒸気によって細胞内部の圧力が上昇し、細胞膜が破壊されて旨み成分が出てくることや、マイクロ波照射により、多糖類やタンパク質等に結合或いは囲まれていた旨み成分が分離・放出されることにより、抽出効率が向上するものと考えられる。 〔効果〕安価で美味しいだしスープを需要者に提供できる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を、和風だしや中華スープ,洋風スープ等のだしスープの製造方法を例示して説明する。 〔第1実施形態〕図1示すように、容器に入れた水に旨み成分を含む原材料1を入れて所定時間浸漬した後、水分を含んだ状態の原材料1をその浸漬水ごと電子レンジでマイクロ波照射によって所定時間加熱する。 【0011】前記原材料1としては、動植物を素材とするもの、例えば、鰹節,そうだ節,マグロ節,さば節,むろ節,うるめ節,いわし節,さんま節等の節類や、煮干し,乾燥昆布,乾燥椎茸等の乾燥物、鳥がら,鶏足先,丸鶏等の鶏を素材とする生もの、豚骨,豚頭,豚正肉,豚足等の豚を素材とする生もの、牛骨等の牛を素材とする生もの、魚のあら等の魚を素材とする生もの、香味野菜などの生野菜を素材とするものがあり、複数種の原材料1を入れてマイクロ波照射によって所定時間加熱しても良い。上記のように、原材料1を水に入れて所定時間浸漬した後、その浸漬水ごとマイクロ波照射するので、乾燥物の原材料1に水分を吸収させる上で作業性が良い。 【0012】マイクロ波照射に使用する電子レンジとしては、家庭用の500W,600W程度のものから業務用の1300W,1500W程度のものがあるが、どの出力の電子レンジを使用しても効果があり、その効果の程度は、出力に略比例している。 【0013】次に、鍋に入れた水に容器内の加熱済み原材料1とその浸漬水を加えて加熱し、熱水中で旨み成分を抽出する。そして、沸騰する直前に、その旨み成分を抽出した熱水中から原材料1を取り出して加熱を停止し、だしスープを製造する。 【0014】〔第2実施形態〕図2に示すように、容器に入れた水に旨み成分を含む原材料1( 以下、第1原材料1という) を入れて所定時間浸漬した後、水分を含んだ状態の第1原材料1を浸漬水ごと電子レンジに入れてマイクロ波照射によって所定時間加熱する。 【0015】次に、鍋に入れた水に容器内の加熱済み第1原材料1とその浸漬水を加えて加熱し、熱水中で旨み成分を抽出する。また、別の容器に入れた水に別の旨み成分を含む原材料2( 以下、第2原材料という) を入れて浸漬し、水分を含んだ状態の第2原材料2をその浸漬水ごと電子レンジでマイクロ波照射によって所定時間加熱しておく。 【0016】そして、第1原材料1を沸騰する直前に鍋から取り出した後、別の容器で予め加熱してある別の加熱済み第2原材料2とその浸漬水をその鍋に加え、しばらく加熱して旨み成分を抽出した後、加熱を停止して、第2原材料2を取り出し、複数種の原材料1,2から旨み成分を抽出してある混合だし等のだしスープを製造する。 【0017】〔第3実施形態〕図3に示すように、旨み成分を含む生の原材料1を電子レンジに入れてマイクロ波照射によって所定時間加熱する。次に、鍋に入れた水を加熱して沸騰させ、沸騰した水に電子レンジで加熱済みの原材料1を投入して所定時間煮沸し、熱水中で旨み成分を抽出する。そして、所定時間煮沸した後、加熱を停止して、その旨み成分を抽出した熱水中から原材料1を取り出し、だしスープを製造する。 【0018】〔その他の実施形態〕 1.本発明による旨み成分抽出方法は、水を含んだ生ものの原材料をそのままマイクロ波照射で加熱してから、その旨み成分を熱水中で抽出しても良い。 2.本発明による旨み成分抽出方法は、旨み成分を含む原材料を水に浸漬させた状態でマイクロ波照射によって加熱し、そのマイクロ波照射による加熱だけで旨み成分を所望量の熱水に抽出しても良い。 3.本発明による旨み成分抽出方法は、抽出した旨み成分を粉末状や顆粒状に加工したり、旨み調味料や医薬品の原料とする目的で使用しても良い。 【0019】 【実施例】〔第1実施例〕だしスープの一例としての、乾燥椎茸のみを原材料1とする、うどんやそば用の和風の単独だしを、第1実施形態で示した旨み成分抽出方法( サンプル1,2,3) と、通常の熱水抽出法( 従来サンプル1) とを使用して製造し、旨み成分であるグアニル酸含有量と官能検査結果の比較を[表1]に示す。 【0020】 【表1】
【0021】サンプル1,2,3の製造方法を図1を参照しながら説明する。ビーカに入れた400ccの20℃〜25℃程度の室温の水に原材料1としての乾燥椎茸2.5gを入れて10分間浸漬した後、その浸漬水ごと出力500Wの電子レンジでマイクロ波照射によって加熱する。次に、寸胴形の鍋に入れた1600ccの20℃〜25℃程度の室温の水に加熱済みの椎茸とその浸漬水を加えてガスコンロで加熱し、沸騰する直前( 加熱後約10分) に椎茸を取り出して加熱を停止し、椎茸の旨み成分を抽出してある単独だしを製造した。そして、マイクロ波照射による加熱時間が1分のもの( サンプル1) と、2分のもの( サンプル2) と、3分のもの( サンプル3) とを製造した。 【0022】従来サンプル1の製造方法を図4を参照しながら説明する。20℃〜25℃程度の室温の水2000ccが入った寸胴形の鍋に乾燥椎茸2.5gを入れ、10分間浸漬した後、ガスコンロで加熱し、沸騰する直前( 加熱後約10分) に椎茸を取り出して加熱を停止し、乾燥椎茸の旨み成分を抽出してある単独だしを製造した。 【0023】[表1]から、サンプル1,2,3のいずれもが、従来サンプル1に比べて味が優れ、サンプル2,3は、従来サンプル1に比べて、色,味共に優れ、乾燥椎茸の旨み成分の抽出効率も大幅に向上していることが分かる。 【0024】〔第2実施例〕だしスープの一例としての、乾燥椎茸と乾燥昆布と鰹節とを原材料1,2とする、うどんやそば用の和風の混合だしを、第2実施形態で示した旨み成分抽出方法( サンプル4) と、通常の熱水抽出法( 従来サンプル2) とを使用して製造し、旨み成分であるイノシン酸,グアニル酸,グルタミン酸の各含有量と官能検査結果の比較を[表2]に示す。 【0025】 【表2】
【0026】サンプル4の製造方法を図2を参照しながら説明する。ビーカに入れた400ccの20℃〜25℃程度の室温の水に第1原材料1としての乾燥椎茸2.5gと乾燥昆布10gとを入れて10分間浸漬した後、その浸漬水ごと出力500Wの電子レンジでマイクロ波照射によって3分間加熱する。また、別のビーカに入れた400ccの20℃〜25℃程度の室温の水に第2原材料2としての鰹節60gを入れて浸漬し、その浸漬水ごと出力500Wの電子レンジでマイクロ波照射によって3分間加熱しておく。 【0027】次に、寸胴型の鍋に入れた1200ccの20℃〜25℃程度の室温の水に加熱済みの椎茸と昆布とその浸漬水を加えてガスコンロで加熱し、沸騰する直前(加熱後約10分) に椎茸と昆布を取り出して、予めマイクロ波照射で加熱してある鰹節60gとその浸漬水をその鍋に加え、2分間加熱した後、加熱を停止して、鰹節を取り出し、乾燥椎茸と乾燥昆布と鰹節から旨み成分を抽出してある混合だしを製造する。 【0028】従来サンプル2の製造方法を図5を参照しながら説明する。20℃〜25℃程度の室温の水2000ccが入った寸胴形の鍋に乾燥椎茸2.5gと乾燥昆布10gを入れ、10分間浸漬した後、ガスコンロで加熱し、沸騰する直前( 加熱後約10分) に椎茸と昆布を取り出し、沸騰したら鰹節60gを投入し、2分間加熱した後、加熱を停止して、鰹節を取り出し、乾燥椎茸と乾燥昆布と鰹節から旨み成分を抽出してある混合だしを製造する。 【0029】[表2]から、サンプル4が、従来サンプル2に比べて色,味共に優れ、旨み成分の抽出効率も大幅に向上していることが分かる。 【0030】〔第3実施例〕だしスープの一例としての、生の鶏ミンチ( 鶏のネックを骨も含めてミンチにしたもの) を原材料3とするラーメン用の中華スープ( 鶏スープ) を、第3実施形態で示した旨み成分抽出方法( サンプル5) と、通常の熱水抽出法( 従来サンプル3) とを使用して製造し、旨み成分である遊離アミノ酸とそのうちのグルタミン酸の各含有量と官能検査結果の比較を[表3]に示す。 【0031】 【表3】
【0032】サンプル5の製造方法を図3を参照しながら説明する。原材料1としての冷蔵庫内に5℃程度で保存していた生の鶏ミンチ1.25Kgを電子レンジ対応容器に入れ、出力500Wの電子レンジでマイクロ波を5分間照射して加熱する。次に、寸胴型の鍋に入れた5リットルの水をガスレンジで加熱して沸騰させ、その沸騰した熱水に、電子レンジで加熱した鶏ミンチの全量を投入し、1時間加熱を継続する。そして、ガスレンジの火を消して、鶏ミンチを漉し取り、ラーメンスープ用の中華スープを製造した。 【0033】従来サンプル3の製造方法を図6を参照しながら説明する。寸胴型の鍋に入れた5リットルの水をガスレンジで加熱して沸騰させ、その沸騰した熱水に、サンプル5と同じ冷蔵庫内に5℃程度で保存していた生の鶏ミンチ1.25K gを投入し、1時間加熱を継続した後、ガスレンジの火を消して、鶏ミンチを漉し取り、ラーメンスープ用の中華スープを製造した。 【0034】[表3]から、サンプル5が、従来サンプル3に比べてコク,旨味,色共に優れ、旨み成分の抽出効率も大幅に向上していることが分かる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000284 【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月17日(2000.3.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−342215(P2000−342215A) |
| 【公開日】 |
平成12年12月12日(2000.12.12) |
| 【出願番号】 |
特願2000−75622(P2000−75622) |
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