| 【発明の名称】 |
含水粘状部材の成分放出用シート |
| 【発明者】 |
【氏名】酒井 憲悦
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| 【要約】 |
【課題】含水粘状部材の所定成分を成分吸収体に放出させる手法、例えば食材を味噌等の調味素材に漬ける場合に、手を煩わすことなく、かつ汚すことなく、また必要以上に調味素材の成分を放出させることのないようにする。
【解決手段】水分透過性シート12と、水分不透過性シート10と、両シート10,12の間に挟持される含水粘状部材(例えば味噌13)とからなり、両シート10,12を接着して前記粘状部材を封入した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水分透過性シートと、水分不透過性シートと、両シートの間に挟持される含水粘状部材とからなり、両シートを接着して前記粘状部材を封入したことを特徴とする含水粘状部材の成分放出用シート。 【請求項2】 水分透過性シートと、水分不透過性シートと、両シートの間に挟持される含水粘状部材とからなり、両シートを接着して前記粘状部材を封入するとともに、その封入状態の積層シートを、水分透過性シートが内面となって重なるように折曲自在に形成させたことを特徴とする含水粘状部材の成分放出用シート。 【請求項3】 請求項1の成分放出用シートを、その水分透過性シートが重ね合うようにして袋状に形成させたことを特徴とする成分放出用シート。 【請求項4】 含水粘状部材が調味素材であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の含水粘状部材の成分放出用シート。 【請求項5】 含水粘状部材が栄養素材であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の含水粘状部材の成分放出用シート。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、水分を含んだ粘状部材の所定成分を、手を煩わすことなく、かつ汚すことなく、簡単に成分吸収体に放出させることのできる技術に関する。 【0002】 【従来の技術】含水粘粘部材の所定成分を成分吸収体に放出させることは、種々の分野で行われている。例えば、食品分野における食材を味噌・糠・糟などの調味素材に漬ける手法や、美容分野における泥や擦り潰した薬草・海草などの栄養素材を身体に塗る手法などがその典型例である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、含水粘状部材という独特な素材を用いるがゆえに、これらの手法においては次のような問題がある。 【0004】まず、もっともその問題が顕著となる、食材を調味素材に漬ける手法について見てみる。この手法においては、例えば魚、肉などを味噌、酒粕などの調味素材に直接漬け込む場合、食品表面に多量の調味素材が付着してしまい、加熱調理する際に焦げやすく風味を損ねることが多かった。 【0005】そのような調理を回避するため、加熱する前に調味素材を水で洗い流すこともあるが、そうすると漬け物特有の独特の味を損なってしまう場合が多い。そこで、加熱調理前に、調味素材を布や紙などでふき取ることも考えられるが、使用した布や紙を処分したり、布及び手を洗ったりする手間があり、時間的及び作業的負担が増すことになる。 【0006】また、根菜類を漬け込む場合を考えると、やはり食材に調味素材が多量に付着しているので、食する場合は、水で洗い流す手間を要する。 【0007】そして、何より、糟、味噌、酒粕などの独特の臭みと触感のある調味素材を直に触れなければならず、このことが、家庭内において食材を漬けるという手法があまり普及しない最たる要因となっていた。 【0008】一方、美容分野における泥や薬草などの栄養素材を身体に塗りつける手法においても、それら独特の臭みと触感のある栄養素材に直に触れなければならず、また塗りつけた後はそれらをふき取ったり洗い流す手間があって、作業的及び時間的負担が大きかった。 【0009】この発明は、以上のような問題に鑑み創案されたもので、水分を含んだ粘状部材の所定成分を、手を煩わすことなく、かつ汚すことなく、また必要以上に成分を放出させることのない技術を提供しようとするものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】このため、この発明に係る含水粘状部材の成分放出用シートは、水分透過性シートと、水分不透過性シートと、両シートの間に挟持される粘状部材とからなり、両シートを接着して前記粘状部材を封入したことを特徴とするものである。 【0011】ここで、前記含水粘状部材における粘状とは、水分を含んで確固として形状が定まらないような形態をいい、半固化状態のもの、ゲル状のもの、ペースト状のものなど、粘性の程度に関わらない広い概念で用いるものとする。粘状部材として、具体的には、味噌や糟、酒粕、泥、粘土、海草・薬草を擦り潰したものなどが含まれる。 【0012】また前記水分透過性シートとしては、例えば不織布、布、有孔合成樹脂、薄紙などが、前記水分不透過性シートしては、例えば合成樹脂、合成紙製、厚紙などが挙げうるが、特にそれらに限定されるものではない。これらシート相互の接着手段は、それらで挟持する含水粘状部材を封入できるものであれば、どのような手段でも利用可能である。ヒートシールによる溶着や接着剤を用いる接着はもちろんのこと、両シート間に含水粘状部材を封入できればいいことから、樹脂製ファスナー等を用いて開閉自在に接着する構成でもよい。すなわち、本願にいう接着とは、両シート間に含水粘状部材が封入できるような接合手段を含む広い概念で用いているものである。 【0013】本発明に係る成分放出用シートは、水分透過性シートと水分不透過性シートの間に含水粘状部材が挟持封入されているので、水分不透過性シート面を成分吸収体に接触させれば、水分不透過性シート面から、粘状部材の成分が水分と一緒に、あるいは成分を含んだ水分が、成分吸収体に放出されることになる。粘状部材から放出される成分は、水分透過性シートを介しているので、必要以上に成分吸収体に放出されることはない。逆に時間をかければ、成分はじんわりと成分吸収体に放出されることになる。また、水分透過性シートの反対面は、水分不透過性シートなのでその面から成分及び水分は放出されることがなく、このため成分吸収体に水分透過性シート面を接触させる時は、水分不透過性シート面をもてば、粘状部材の成分や水分によって手が汚れることが防げる。 【0014】また、本発明に係る成分放出用シートを、水分透過性シートが内面となって重なるように折曲自在な形態とすれば、成分吸収体を、重なり面となる水分透過性シート面で上下から挟持でき、効率的な成分放出効果が得られる。さらに、水分透過性シートが重なり合うような袋状に形成すれば(1枚の成分放出用シートを折り畳んだ後接着させる態様、2枚の成分放出用シートを積層させて接着させる態様のいずれでも良い)、成分吸収体をその袋内に入れることで、より効率的な成分放出効果が得られる。もちろん、折曲自在な形態や袋状の形態の場合であっても、それらの外面は水分不透過性シートで形成されることになるので、粘状部材の成分や水分によって手が汚れることはない。 【0015】 【発明の実施の形態】この発明の具体的実施の形態例を図面に基づき説明する。 【0016】図1及び図2は、食品分野において食材を調味素材に漬ける手法に用いられる例である。 【0017】図1は第1形態例を示し、同図(a)は一方面側から見た状態図、(b)は二つ折りにした状態図、(c)は(a)中のA−A断面図である。 【0018】本形態例に係る成分放出用シート1は、水分不透過性シートである合成樹脂シート10と、水分透過性シートである不織布シート11,12と、含水粘状部材であって調味素材である味噌13とからなる。 【0019】合成樹脂シート10は、成分放出用シート1の外面をなし、その合成樹脂シート10の内面側には、不織布シート11,12が順次重ねられる。調味素材である味噌13は、不織布シート間11,12に配置される。重なったシート10,11,12の周縁14と、縦、横をそれぞれ二分割する中央線上15,16とにおいて、溶着(ヒートシール)される。重なったシート10,11,12周縁14を溶着することで、味噌13が(不織布シート11を介した)合成樹脂シート10と不織布シート12との間に封入される。なお、本形態例で用いられる不織布シート11,12は遠赤外線放出部材が混入される素材を用いており、それらで味噌13を挟持することで、遠赤外線を両面から照射させ、味噌13の旨味をさらに引き出している。したがって、この不織布シート11,12に、普通の不織布を用いるのであれば、合成樹脂シート10に接する不織布シート11は特になくても良い。また、シート周縁14だけでなく、各中央線上15,16をも溶着しているのは、味噌13の封入区間を細かく分けることで、味噌13がシート1全面に薄くかつ均等に行き渡るように図ったものである。したがって、封入する味噌13の量がそれ程多くなければ、周縁以外の溶着は特にしなくても良い。すなわち、調味素材の量の多少により溶着箇所を決定すれば良い。もっとも、縦に二分割する中央線上15の溶着は、それによって形成される溶着線を折り込み線とすることで、シート1を縦方向に折り畳むことを容易にしているという効果がある(特に図1(b)参照)。なお、シート1の製造として、まずその周縁14の一辺を残してシート10,11,12を溶着し、次に、未溶着の開口から味噌13を充填した後、開口となった未溶着部を溶着することで、味噌13を封入するとする工程を経てもよい。 【0020】本形態例の使用方法としては、2枚のシート1を用いて、不織布シート12面相互で食材(例えば魚)を挟み込んだり、1枚のシート1だけの場合であれば、図1(b)に示すように、合成樹脂シート10が外面となるように中央線15から折り畳み、重なる上下の不織布シート12面で食材を挟み込めばよい。これらの方法によれば、味噌13の旨味成分は水分に含まれながら、不織布シート12を介して食材に放出されることになる。すなわち、不織布シート12がフィルタとなって、食材に味噌13の旨味成分だけが放出され、このため食材を調理する際でも調味素材自体は付着していないので食材が焦げ付いたりすることが防げ、また事前に不要の調味素材を水洗いする必要もまったくない。しかも、いずれの方法でも、外面となる合成樹脂シート10をもてば、調味素材である味噌13自体はもちろん、その水分や成分が手に付くことがなく、簡単に漬けおきができる。さらに、コンパクトな形状なので携行することもでき、国内・海外旅行やアウトドアの際にも大いに利用できる。なお、調味素材の旨味成分の放出スピードと量は、不織布シート12の厚み及び孔の大きさによって調節できることは言うまでもない。 【0021】図2は第2形態例を示し、同図(a)は斜視図、(b)は(a)中のB−B断面図である。図中の符号で第1形態例と同じものはすべて共通している。 【0022】本形態例は、第1形態例の前記シート1を2枚用いて袋状に形成してなる。すなわち、前記シート1の不織布シート12が内面となるように、2枚を重ね合わせ、一辺のみ残して、両周縁14を溶着させる。これにより、溶着させない一辺が開口20となる袋状に形成される。該開口20には、嵌合溝よりなる溝ファスナー等を形成したり、あるいは粘着テープを貼着したりして、完全密閉自在としても良い。 【0023】この形態例も、基本的には第1形態例のシート1を利用するものなので、上述したシート1の作用効果はすべて有するものとなる。もっとも、本形態例では、袋状となる形態であることから、袋内部に入れた食材は、その密閉効果によって、より効率的な成分放出効果が得られるものとなる。また、作業としても、食材を開口20から袋内部に挿入すれば足りるので、第1形態例にも増して、味噌13の成分及び水分が手に付くことがない。また、密閉効果によって調味素材の独特の臭いも放出しない。さらに、合成樹脂シート10の厚みを調節したり、空気遮断機能のある素材を採用することによって、より防臭機能を高めることもできる。 【0024】図3は美容分野に利用される例である、第3形態例を示す。本形態例のシート3は深海の泥土を利用した顔パックに用いられる例である。該シート3の外周形状は、人の顔の形状を考慮して丸く形成されている。またシート3の積層構造は、表面側から、合成樹脂シート10、不織布シート(図示なし)となっており、両シート間に深海の泥土(図示なし)が配置される。そして周縁においてシート相互が溶着され、泥土はシート間に封入される。また本形態例では、目・鼻・口に相当する部分に切り込み30が入れられ、その切り込み線に沿ってシート11,12,13相互がさらに溶着されている。 【0025】この形態例の使用方法は極めて単純であり、裏面となる不織布シートを顔に載せるだけでよい。不織布シートがフィルタとなって、深海泥土のミネラル等の栄養成分が水分に含まれながら適度に顔面に浸み出し、パック効果が得られる。もちろん、不織布シートを介しているので、泥土自体は顔に付かない。そして、このような作業は、合成樹脂シート10をもって行えば、泥土はもとよりその水分や成分が手に付くことがない。また、本形態例のシート3も極めてコンパクトなので、もちろん旅行などにも携行できるものとなっている。 【0026】なお、本願では食品分野と美容分野の2分野における形態例しか示していないが、これら分野の例に限定されるものではなく、水分を含んだ粘状部材の成分を成分吸収体に放出させるような手法であれば、他の分野においても、当然に本発明は適用できるものである。 【0027】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る成分放出用シートによれば、水分を含んだ粘状部材の成分を成分吸収体に放出させるような場合、粘状部材自体はもとより、その成分や水分を手に触れることなく作業ができることになる。また、水分透過性シートを介して、粘状部材の成分を放出させるので、粘状部材自体が成分吸収体に付着することがなくなり、また常に適量の成分が成分吸収体に放出されることになる。また、構造的にも極めて簡易であり、製造コストも低廉である。なお、食品分野や美容分野において使用される際の効果の一例を、特に以下に示す。 【0028】食品分野において食材を調味素材に漬ける手法に用いられると、次のような効果がある。 ■食材に調味素材自体が付着することがなく、加熱調理する食材の場合、加熱の際に焦げ付くことがない。このため、焦げ付きによって風味を損なうことがない。 ■また、調味素材は直に食材に接触せず、その成分が適量に放出されるだけなので、調味素材を洗い流したり、ふき取ったりする手間が省ける。 ■調味素材に直に触れずに作業を行えるので、臭みや触感で漬けることを嫌っていた人も気軽に食材を調味素材に漬け込めることができる。 ■調味素材はもとより、その水分や成分も手に触れずに作業を行えるので、作業後に手を洗う手間もなくなる。 ■携行も可能な構造なので、国内・海外旅行やアウトドアの際に大いに利用できる。 ■従来の漬け物用容器(樽、桶、バット等)の代わりとなるものであるが、それらに比べて極めてコンパクトな構造であり、保管場所も特に要さないし、製造コストも低廉である。 【0029】美容分野において栄養素材を身体に吸収させる手法に用いられると、次のような効果がある。 ■必要以上の栄養素材を用いることがなくなる。 ■栄養素材に直に触れることなく作業ができるので、誰でも気軽に利用できる。 ■栄養素材自体やその水分や成分にも手に触れずに作業ができるので、作業後手を洗う手間が不要である。 ■携行も可能な構造なので、旅行時の際にも利用できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】599044700 【氏名又は名称】株式会社 エスピープロダクツ
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| 【出願日】 |
平成11年4月2日(1999.4.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068249 【弁理士】 【氏名又は名称】吉原 省三 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−287658(P2000−287658A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月17日(2000.10.17) |
| 【出願番号】 |
特願平11−96080 |
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