| 【発明の名称】 |
健康食品 |
| 【発明者】 |
【氏名】早川 幸江
【氏名】又平 芳春
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| 【要約】 |
【課題】キトサンやキトサン分解物独特の苦味、渋味を改善し、美味しく食することのできる健康食品を提供する。
【解決手段】(A)キトサン及び/又はキトサン分解物と、(B)ソーマチン、アルギン酸ナトリウム、pH調整剤からなる呈味改善剤とを含有させることにより、風味が良好で各種の生理活性効果が期待される健康食品を得る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (A)キトサン及び/又はキトサン分解物と、(B)ソーマチン、アルギン酸ナトリウム、pH調整剤からなる呈味改善剤とを含むことを特徴とする健康食品。 【請求項2】 キチン及び/又はキチン分解物を含むことを特徴とする請求項1記載の健康食品。 【請求項3】 前記健康食品が、打錠品、カプセル、顆粒、粉末又は飲料である請求項1又は2記載の健康食品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、免疫賦活効果、コレステロール低下効果、肝機能改善効果等、種々の効果を持つキトサン及び/又はキトサン分解物を、多量に無理なく摂取するための呈味の改善された健康食品に関する。 【0002】 【従来の技術】現代のわが国の食生活は、飽食の時代を迎え、栄養の欠乏による疾病がほとんどなくなった代わりに、高血圧症、糖尿病、高脂血症などの「生活習慣病」が増加する傾向にある。このような生活習慣病の増加、更には高齢化社会の到来により、国民医療費は年々増加の一途を辿り、わが国の保健機構は破綻の危機に立たされている。 【0003】このような流れの中で、国民の健康指向は、急速な高まりを見せるようになり、生活習慣における食事、運動、喫煙と言ったものが見直されるようになった。 【0004】特に、毎日摂取する食品には、「栄養」、「嗜好」に加えて、更に「生体調節機能」が求められるようになり、機能性を高めた食品、つまり健康食品の開発が盛んに行われている。 【0005】特に、キチン、キトサンは、様々な研究により、その有用性が次々に明らかにされている有用な天然素材のひとつであり、健康食品素材として開発、利用されている。 【0006】日本は、カニ、エビの大量消費国であるが、その副産物として大量に産出される甲殻の主成分は多糖類であるキチンであり、キチンを脱アセチル化することによりキトサンが得られる。 【0007】さらに、キトサンを酸又は酵素で加水分解して得られるキトサン分解物(低分子キトサン、キトサンオリゴ糖)は水溶性で、免疫賦活効果、コレステロール低下効果、肝機能改善効果、血糖値低下作用、更には、抗菌作用、エリシター効果等も認められており、高分子品にはない新たな有効性が見い出されており、生活習慣病の予防に有効な素材である。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、キチンやキトサンは水に不溶であり、さらにキトサンは、独特の苦味、渋味を呈するため健康食品素材として使用する場合には種々の制約があった。また、キトサン分解物もやはり独特の苦味、渋味を呈するため、高配合製品の味は必ずしも好ましいとは言えなかった。 【0009】食品である以上、さらには毎日摂取するためには、美味しいということがたいへん重要な要素であるため、キトサンやキトサン分解物の独特の不快な呈味は、大きな障害となっていた。 【0010】従って、本発明の目的は、キトサンやキトサン分解物の有効な物性に影響を及ぼさずにそれらの独特の苦味、渋味を改善し、美味しく食することのできる健康食品を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題を解決するために、鋭意検討を行った結果、キトサン及び/又はキトサン分解物にソーマチン、アルギン酸ナトリウム、pH調整剤を配合することで、キトサン及び/又はキトサン分解物の不快な味を効果的にマスキングできることを見出し、本発明を完成するに至った。 【0012】すなわち、本発明の健康食品は、キトサン及び/又はキトサン分解物、ソーマチン、アルギン酸ナトリウム、pH調整剤を含むことを特徴とする。 【0013】前述したように、ソーマチン単独ではキトサン及び/又はキトサン分解物の呈味を十分に改善することができないが、さらに塩基性のアミノ糖であるキトサンの性質を利用し、アルギン酸ナトリウムを混合することによる凝集作用、及びpH調整剤を添加することによる酸味の低減によって、キトサン及び/又はキトサン分解物の不快な味を効果的にマスキングできることがわかった。 【0014】従って、本発明によれば、キトサン及び/又はキトサン分解物を含有すると共に、風味が改善され、おいしく食することのできる健康食品を提供することができる。 【0015】 【発明の実施の形態】キトサンとは、甲殻の主成分であるキチンを脱アセチル化することにより得られるものであり、キトサン分解物とは、キトサンを酸又は酵素で加水分解して得られる低分子キトサン、及びキトサンオリゴ糖をいう。また、キチン分解物とは、キチンを酸又は酵素で加水分解して得られる低分子キチン、及びキチンオリゴ糖をいう。 【0016】本発明において用いられるキトサン、キトサン分解物、キチン、キチン分解物は、特に制限はなく、市販のものが用いられる。 【0017】ソーマチンは、持続性のある爽快な甘味を有し、一般には甘味料として使用されている。また、苦味、渋味をマスキングする効果があること(特開平10−248501号公報)が知られている。本発明に用いられるソーマチンは、特に限定はなく、市販のものが使用される。 【0018】アルギン酸ナトリウムは、海藻類に含まれ、主に水溶性食物繊維として利用されており、本発明に用いられるものは、特に制限はなく、純品でも海藻から抽出された混合物でもよい。アルギン酸ナトリウムを添加することにより、キトサン及び/又はキトサン分解物と反応して凝集し、渋味が低減される。 【0019】本発明において、pH調整剤としては、特に制限はなく、例えば、リン酸水素2ナトリウムや重曹、炭酸ナトリウム等を用いることができる。pH調整剤を添加することにより、酸味を和らげ、味がまろやかになる。 【0020】なお、本発明の食品のpHは、pH5.5〜6.5に調整されることが好ましい。pHが5.5未満であると酸味がきつく、6.5を越えると塩味を強く呈するため好ましくない。 【0021】本発明においては、後述するようにソーマチン、アルギン酸ナトリウム、pH調整剤それぞれ単独ではキトサン及び/又はキトサン分解物の呈味を完全にマスキングすることができないため、これら3成分の全てが含まれていることが必要である。 【0022】そして、キトサン及び/又はキトサン分解物1000mgに対して、ソーマチンの添加量は0.005〜0.1mg、アルギン酸ナトリウムの添加量は5〜200mg、pH調整剤の添加量は100〜800mgであることが好ましい。 【0023】上記において、ソーマチンの添加量が0.005mg未満であると十分なマスキング効果を得ることができず、0.1mgを越えると抑えられていた酸味、渋味を再び呈するようになるため好ましくない。 【0024】また、アルギン酸ナトリウムの添加量は、その増加と共に沈殿物も増加するため、なるべく少ないほうが良いが、5mg未満であると十分なマスキング効果を得ることができないため好ましくない。一方、200mgを越えると沈殿物の量が多くなりすぎ、また、再び酸味を呈するようになるため好ましくない。 【0025】さらに、pH調整剤の添加量が100mg未満であると十分なマスキング効果を得ることができず、800mgを越えるとかなり強く塩味を呈するようになるため好ましくない。 【0026】本発明においては、さらに上述したキチン及び/又はキチン分解物を添加することもできる。キチン及び/又はキチン分解物は、免疫賦活作用、食欲増進作用があることが知られており、さわやかな甘味を有することから甘味料としても有効である。 【0027】本発明においてキトサン及び/又はキトサン分解物を高配合した食品としては、錠菓、飲料、粉末飲料、粉末スープの素等各種の食品が挙げられる。 【0028】ここで錠菓は、キトサン及び/又はキトサン分解物とソーマチン、アルギン酸ナトリウム、pH調整剤と、キチン及び/又はキチン分解物と、糖類と、賦形剤とを含有する原料を混合し、造粒して、打錠成形することにより製造することができる。 【0029】飲料としては、例えば、キトサン及び/又はキトサン分解物と上記呈味改善剤と、キチン及び/又はキチン分解物と、糖類と果汁パウダーや、香料をブレンドし、水に溶解し、瓶、缶、紙パック等の容器に充填した後加熱殺菌する、あるいは、加熱殺菌した後、無菌充填する等の方法で製造することができる。粉末飲料としては、例えば、上記原料を混合する等の方法により、製造することができる。 【0030】粉末スープの素は、キトサン及び/又はキトサン分解物と、上記呈味改善剤と、調味料、具材を含有する原料を混合することにより製造することができる。ここで調味料は、コンソメ類、野菜エキスパウダー、野菜パウダー、アミノ酸パウダー、乳製品パウダー、粉末油脂、畜肉エキスパウダー等や、グルタミン酸ソーダ等の化学調味料が利用できる。具材としては、コーン、タマネギ、キャベツ、ホウレン草等の野菜類や、わかめ等の海藻類、油揚げ、豆腐等の加工食品等の乾燥物が使用できる。 【0031】 【実施例】以下、試験例及び実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。 試験例1キトサン分解物1,000mgに対して、ソーマチンを表1に示した割合で混合し、50mlに溶解して官能評価を行った。 【0032】 【表1】
【0033】表1の結果から、ソーマチンを0.0225〜0.0375mg添加することにより、キトサン分解物の呈味をほぼ改善することができた。しかしながら、最も良い0.0375mg添加区においても、若干の酸味と渋味が残っており、キトサン分解物の呈味を完全にマスキングすることはできなかった。 【0034】試験例2キトサン分解物1,000mgに対して、pH調整剤(リン酸水素2ナトリウム)を表2に示した割合で混合し、50mlに溶解して官能評価を行った。 【0035】 【表2】
【0036】表2の結果から、pH調整剤を300〜450mg添加することにより、キトサン分解物の呈味をほぼ改善することができた。しかしながら、pH調整剤の添加による酸味の低減に伴ない、中和塩に由来する塩味が発生し、最も良い450mg添加区においても、渋味、苦味はマスキングされているが、塩味を呈していた。 【0037】試験例3キトサン分解物1,000mgに対して、アルギン酸ナトリウムを表3に示した割合で混合し、50mlに溶解して官能評価を行った。 【0038】 【表3】
【0039】表3の結果から、アルギン酸ナトリウムを40〜60mg添加することにより、キトサン分解物の呈味を改善することができた。しかしながら、最も良い60mg添加区においても、若干の酸味が残っており、完全にキトサン分解物の呈味をマスキングすることはできなかった。 【0040】試験例4キトサン分解物1,000mgに対して、ソーマチン、pH調整剤、アルギン酸ナトリウムの3品を表4に示した割合で混合、添加し、50mlに溶解して官能評価を行った。 【0041】 【表4】
【0042】表4の結果から、ソーマチン、pH調整剤、アルギン酸ナトリウムの3品を混合して使用することにより、渋味,苦味をより完全にマスキングして、より良好な呈味改善がなされた。また、それぞれの成分の添加量を減らすことができた。 【0043】実施例1表5に示す配合割合の原料を粉体混合し、流動造粒、押し出し造粒等で造粒後、打錠成形してキトサン及びキチン分解物含有錠菓(300mg/錠)を製造した。 【0044】 【表5】
【0045】この錠菓は、キトサン及びキチン分解物を含有するにも係わらず、ソーマチン、アルギン酸ナトリウム及びpH調整剤を配合したことにより、キトサン及びキチン分解物の呈味がマスキングされ、ココア風味も良好で食べやすいものであった。 【0046】実施例2表6に示す配合割合の原料をブレンドして溶解し、50ml容量のガラス容器に充填後、殺菌することによりバナナ味の飲料を製造した。 【0047】 【表6】
【0048】実施例3表7に示す配合割合の原料を粉体混合し、4gづつ分包し、粉末飲料を製造した。この粉末飲料を50mlのお湯に溶かしたところ、溶解性も良好で、ココア風味の良好な粉末飲料であった。 【0049】 【表7】
【0050】実施例4表8に示す配合割合の原料を粉体混合し、10gづつ分包し、粉末スープの素を製造した。この粉末スープの素を100mlのお湯に溶かしたところ、溶解性も良好で、風味の良好なスープであった。 【0051】 【表8】
【0052】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、キトサン及び/又はキトサン分解物含有すると共に、風味が改善され、おいしく食することのできる健康食品を提供することができる。この健康食品は、キトサン及び/又はキトサン分解物を高含有しても風味が良好であるため、これらを毎日の生活の中で無理なく摂取することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390033145 【氏名又は名称】焼津水産化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月29日(1999.3.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086689 【弁理士】 【氏名又は名称】松井 茂
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| 【公開番号】 |
特開2000−270809(P2000−270809A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月3日(2000.10.3) |
| 【出願番号】 |
特願平11−85780 |
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