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【発明の名称】 成型ポテトチップスおよびポテトスナック菓子
【発明者】 【氏名】山下 政続

【氏名】平田 敢

【氏名】神原 績

【要約】 【課題】褐色に変化せずに、保存中に食感や風味が低下しない成型性に優れ色つや、風味を改良する成型ポテトチップスを提供するものである。また更にポテトフレークやマッシュポテト等を原料とする食感、色、形に優れた焼きポテトやポテトスナックなどのポテトスナック菓子を提供するものである。

【解決手段】HLB7〜15のポリグリセリン脂肪酸エステルを添加することで上記課題を解決する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 HLB7〜15のポリグリセリン脂肪酸エステルを添加することを特徴とする成型ポテトチップスおよびポテトスナック菓子。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な成型ポテトチップス菓子およびポテトスナック菓子に関する。詳しくはHLB7〜15のポリグリセリン脂肪酸エステルを添加することを特徴とし、外観や食感の良好な成型ポテトチップスおよびポテトスナック菓子に関する。
【0002】
【従来の技術】ポテトチップスは、原料の馬鈴薯の皮をとり、薄くスライスした後に水洗、水切りを行ってフライして調味料などで味付けをして製造されている。原料の馬鈴薯は、産地や栽培法、貯蔵法によって含有する還元糖、アミノ酸が変化するために、その品質管理を充分に行ってポテトチップスに使用する原料の選択を行っている。
【0003】このように製造されているポテトチップスは、原料の馬鈴薯の大きさや形によって得られる製品の形状が不揃いであるために、乾燥マッシュポテト等を原料に使用し、その原料形状に関係なく形や大きさ、色がほぼ均一である成型ポテトチップスが開発された。しかし、この成型ポテトチップスの製造法では、成型不良からくる製品の破損、原料の乾燥マッシュポテトを使用するために馬鈴薯本来の色つや、風味、味覚が劣るという問題がある。また、ポテトフレークやマッシュポテト等を原料とする焼きポテトやポテトスナック等のポテトスナック菓子は、軽い歯ざわりのソフトな食感を有する程度に膨化させることが困難な問題がある。またその菓子表面の仕上がりが良好なことが求められているがいまだに解決されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フライした持に褐色に変化せずに、保存中に食感や風味が低下がなく、成型性に優れ色つや、風味の改善された成型ポテトチップスを提供するものである。また更にポテトフレークやマッシュポテトを原料とする食感、色形など外観に優れた焼きポテトやポテトスナックを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは食感、形状、風味にすぐれた成型ポテトチップスおよびポテトスナック菓子の製造法について鋭意研究した結果、HLB7〜15のポリグリセリン脂肪酸エステルを添加させて製造した成型ポテトチップスおよびポテトスナック菓子は、食感、形状、風味が安定し優れた食感を有することを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明はHLB7〜15のポリグリセリン脂肪酸エステルを添加することを特徴とする成型ポテトチップスおよびポテトスナック菓子である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるHLB7〜15のポリグリセリン脂肪酸エステルは、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、オクタグリセリン、ノナグリセリン、デカグリセリンなどの重合度2以上のポリグリセリンの脂肪酸エステルである。これらのポリグリセリンは、単独またはその混合物で用いられる。ポリグリセリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ヤシ脂肪酸、パーム油脂肪酸、牛脂脂肪酸、などの炭素数12以上の飽和または不飽和脂肪酸であり、これらの脂肪酸は単独または混合物で用いられる。本発明に用いられるHLB7〜15のポリグリセリン脂肪酸エステルは、重合度2以上のポリグリセリンのモノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタの脂肪酸エステルであり、なかでもモノ、ジ、トリの脂肪酸エステルが望ましく、これらは単独またはその混合物で用いることができる。本発明に用いられるHLB7〜15のポリグリセリン脂肪酸エステルは、重合度2以上のポリグリセリンと脂肪酸を、アルカリ性触媒または、無触媒あるいは酸性触媒下で直接エステル化反応で得ることができる。また脂肪酸メチル、脂肪酸エチルなどを用いてポリグリセリンとのアルコリシス反応によっても得ることができる。これらの反応で得られたポリグリセリン脂肪酸エステルを、溶剤分別や分子蒸留によって本発明に望ましいポリグリセリンモノ、ジ、トリ脂肪酸エステルをそれぞれ純度50%以上の高純度に精製して用いることもできる。本発明に用いられるポリグリセリン脂肪酸エステルは、HLBが7から15の範囲にあるものであり、HLB7未満のポリグリセリン脂肪酸エステルは、本発明の効果が発揮されにくく、火膨れや食感に影響し、また風味に強く悪い影響を与えるため好ましくない。またHLB15をこえるポリグリセリン脂肪酸エステルは、組織が脆くなり、食感に悪い影響を与えるため好ましくない。本願におけるHLBとは、Hydrophilic Lipophile Balaanceの略で界面活性剤の親水基と疎水基のバランスを表す数値であり、そのHLB値の算出法としては特に限定されるものではないが、例えば計算によって求める方法や乳化試験によって求める方法などによって求めることができる。本発明のHLB7〜15のポリグリセリン脂肪酸エステルをデキストリン、カゼインNaなどの賦形剤を用いて、混合したり、スプレードライ法やフリーズドライ法などにより粉末化したポリグリセリン脂肪酸エステル製剤を使用することもできる。また本発明のポリグリセリン脂肪酸エステルを乳化油脂の製剤として使用することもできる。
【0007】HLB7〜15のポリグリセリン脂肪酸エステルの添加量は特に限定されるものではないがポテトチップス中に0.01重量%〜5重量%含有されることが望ましいが、更に望ましくは0.05〜2重量%である。0.01重量%未満では効果が不十分であり、5重量%をこえるとHLB7〜15のポリグリセリン脂肪酸エステルの風味が発現するために好ましくなく、また経済的にも問題となる。HLB7〜15のポリグリセリン脂肪酸エステルの添加方法は、特に限定はないが作業の容易さにより粉体のまま、あるいはデキストリン、カゼインNaなどの賦形剤で製剤化した粉末のHLB7〜15のポリグリセリン脂肪酸エステルの形態で添加することができる。またこれらを水に分散溶解したもので使用することもできる。またHLB7〜15のポリグリセリン脂肪酸エステルを含有した水溶液にスライスしたポテトを浸漬した後に油で揚げてポテトチップスを製造することもできる。本発明のHLB7〜15のポリグリセリン脂肪酸エステルにグリセリンモノ脂肪酸エステル、ジグリセリンモノ脂肪酸エステル、HLB7以上のショ糖脂肪酸エステル、酵素分解レシチンを配合してポテトチップス、焼きポテト、ポテトスナック菓子等を製造しても良いが、その割合はHLB7〜15のポリグリセリン脂肪酸エステルに対して40重量%以下が望ましい。40重量%をこえると本発明の効果が発揮されにくい。本発明のHLB7〜15のポリグリセリン脂肪酸エステルは、乾燥マッシュポテト、ポテトパウダーなどを使用する成形ポテトチップスの他、これらを原料として製造される焼きポテト、ポテトスナック等のポテトスナック菓子にも使用することができる。次に本発明を実施例によって説明するが、これらによって本発明をなんら制限するものではない。
【0008】
【実施例】実施例1乾燥マッシュトポテト15重量部、ポテトスターチ5重量部、ポテトパウダー30重量部を混合した。これに、HLB11のデカグリセリンジステアリン酸エステル(太陽化学製;サンソフトQ−182S)0.25重量部を温水5重量部に分散溶解した溶液と水40重量部を加えてニーダーで生地を調製した。その後ローラーにて厚さ約0.7mmのシートに圧延して型抜きで円形状に打ち抜いて成型した。この生地を180℃で約50秒間、米油を用いて油揚げを行なった。この成型ポテトチップスの成型性、火膨れによる外観、色つや、食感を評価した。その結果、この成型ポテトチップスの成型性は良好で、火膨れも無く、色、つやとも非常に良く、食感も良好であった。またエグ味や苦味もなく、美味しいものであった。
実施例2実施例1においてHLB11のデカグリセリンジステアリン酸エステルのかわりにHLB10.5のヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル(太陽化学製:サンソフトQ−18F)を使用して全く同様に実施した。この成型ポテトチップスの成型性、火膨れによる外観、色つや、食感を評価した。その結果、この成型ポテトチップスの成型性は良好で、火膨れも無く、色、つやとも非常に良く、食感も良好であった。またエグ味や苦味もなく美味しいものであった。
【0009】実施例3実施例1においてHLB11のデカグリセリンジステアリン酸エステルのかわりにHLB8のペンタグリセリントリミリスチン酸エステル(太陽化学製:サンソフトA−143E)を使用して全く同様に実施した。この成型ポテトチップスの成型性、火膨れによる外観、色つや、食感を評価した。その結果、この成型ポテトチップスの成型性は良好で、火膨れも無く、色、つやとも非常に良く、食感も良好であり、美味しいものであった。
実施例4実施例1においてHLB11のデカグリセリンジステアリン酸エステルのかわりにHLB12のトリグリセリンモノラウリン酸エステル(太陽化学製:サンソフトA−121C)を使用して全く同様に実施した。この成型ポテトチップスの成型性、火膨れによる外観、色つや、食感を評価した。その結果、この成型ポテトチップスの成型性は良好で、火膨れも無く、色、つやとも非常に良く、食感も良好であった。
【0010】実施例5実施例1においてHLB11のデカグリセリンジステアリン酸エステルのかわりにHLB13のペンタグリセリンモノステアリン酸エステルを50%含有するデキストリン製剤(太陽化学製:サンソフトA−181EP)0.5重量部を使用して全く同様に実施した。この成型ポテトチップスの成型性、火膨れによる外観、色つや、食感を評価した。その結果、この成型ポテトチップスの成型性は良好で、火膨れも無く、色、つやとも非常に良く、食感も良好であった。
実施例6HLB11のデカグリセリンジステアリン酸エステル(太陽化学製:サンソフトQ−182S):10重量部、ステアリン酸モノグリセリド(太陽化学製:サンソフト#8000):1重量部、パーム油:40重量部、水:39重量部、ショ糖:10重量部の組成物をホモミキサーにて乳化油脂を調製した。実施例1においてHLB11のデカグリセリンジステアリン酸エステルのかわりに、この乳化油脂を1重量部使用して全く同様に実施した。この成型ポテトチップスの成型性、火膨れによる外観、色つや、食感を評価した。その結果、この成型ポテトチップスの成型性は良好で、火膨れも無く、色、つやとも非常に良く、食感も良好であった。
【0011】実施例7実施例1においてHLB11のデカグリセリンジステアリン酸エステルのかわりにHLB13のペンタグリセリンモノステアリン酸エステルを50%含有するデキストリン製剤(太陽化学製:サンソフトA−181EP)0.5重量部とリゾレシチン含量85%の精製酵素分解大豆レシチンを33%含むデキストリン製剤(商品名:サンレシチンA−1、太陽化学(株)製)0.2重量部を使用して全く同様に実施した。この成型ポテトチップスの成型性、火膨れによる外観、色つや、食感を評価した。その結果、この成型ポテトチップスの成型性は良好で、火膨れも無く、色、つやとも非常に良く、食感も良好であった。5日間保存した後の硬さはやや柔らかいものであった。
実施例8ポテトパウダー270g、マッシュポテト150g、α―ワキシコーンスターチ80g、ショートニング20gをよく混合する。これに水340gにグラニュー糖30g、食塩5gを加えた溶液を加えよく混練する。また、更にHLB10.5のヘキサグリセリンモノステアリン酸エステル(太陽化学製:サンソフトQ−18F)2gを水100gに溶解した乳化液を加えてよく混練し生地を調製した。この生地をローラーにて圧延し針穴付きの型で型抜きし230℃で4分間焼成して、焼きポテトを調製した。この焼きポテトについて、製造中の生地の状態、食感、ソフトさなどを評価した。その結果、焼きポテトの生地は軟らかでよく伸び、得られた焼きポテトは、よく上下に膨らみ、非常に軽く、口どけの良いしっとり感のあるソフトな食感を有するものであった。
【0012】比較例1乾燥マッシュトポテト15重量部、ポテトスターチ5重量部、ポテトパウダー30重量部を混合した。これに、HLB6.5のジグリセリンジステアリン酸エステル(太陽化学製;サンソフトQ−18B)0.25重量部を温水5重量部に分散溶解した溶液と水40重量部を加えてニーダーで生地を調製した。その後ローラーにて厚さ約0.7mmのシートに圧延して型抜きで円形状に打ち抜いて成型した。この生地を180℃で約50秒間、米油を用いて油揚げを行なった。この成型ポテトチップスの成型性、火膨れによる外観、色つや、食感を評価した。その結果、外観から判断してこの成型ポテトチップスは、火膨れが認められ、褐変した色であり、つやもすこし無くなっていた。またその食感は、脆く粉っぽく感じられた。
比較例2乾燥マッシュトポテト15重量部、ポテトスターチ5重量部、ポテトパウダー30重量部を混合した。これに、HLB15.5のデカグリセリンモノラウリン酸エステル(太陽化学製;サンソフトQ−12S)0.25重量部を温水5重量部に分散溶解した溶液と水40重量部を加えてニーダーで生地を調製した。その後ローラーにて厚さ約0.7mmのシートに圧延して型抜きで円形状に打ち抜いて成型した。この生地を180℃で約50秒間、米油を用いて油揚げを行なった。この成型ポテトチップスの成型性、火膨れによる外観、色つや、食感を評価した。その結果、生地の成型性が不良で、得られた成型ポテトチップスは、褐変した色であり、つやもすこし無くなっていた。またその食感は、脆く粉っぽいものであった。
【0013】比較例3ポテトパウダー270g、マッシュポテト150g、α―ワキシコーンスターチ80g、ショートニング20gをよく混合する。これに水340gにグラニュー糖30g、食塩5gを加えた溶液を加えよく混練する。また、更にHLB15.5のデカグリセリンモノラウリン酸エステル(太陽化学製;サンソフトQ−12S)2gを水100gに溶解した乳化液を加えてよく混練し生地を調製した。この生地をローラーにて圧延し針穴付きの型で型抜きし230℃で4分間焼成して、焼きポテトを調製した。この焼きポテトについて、製造中の生地の状態、食感、ソフトさなどを評価した。その結果、焼きポテトの生地は軟らかすぎ、焼きポテトは、ややソフトであったが、生っぽくざらつき、乳化剤の味が感じられた。
比較例4ポテトパウダー270g、マッシュポテト150g、α―ワキシコーンスターチ80g、ショートニング20gをよく混合する。これに水340gにグラニュー糖30g、食塩5gを加えた溶液を加えよく混練する。また、更にHLB3.5のヘキサグリセリンデカステアリン酸エステル(太陽化学製;サンファットPS−68)2gを水100gに分散した乳化液を加えてよく混練し生地を調製した。この生地をローラーにて圧延し針穴付きの型で型抜きし230℃で4分間焼成して、焼きポテトを調製した。この焼きポテトについて、製造中の生地の状態、食感、ソフトさなどを評価した。その結果、焼きポテトの生地はやや硬めであり、焼きポテトは、膨らみがなく、口どけの悪くざらつきのある食感を有するものであった。
【0014】
【発明の効果】本発明のHLB7〜15のポリグリセリン脂肪酸エステルを使用して成型ポテトチップスを製造すると、褐変がなく、色とつやに優れており、保存後でも軟らかく、成型性に優れた特性を有するポテトチップスを得ることができる。またポテトフレークやマッシュポテト等を原料とする焼きポテトやポテトスナックの製造に本発明のHLB7〜15のポリグリセリン脂肪酸エステルを使用すると非常にソフトな軽い食感を有するものが得られる。
【出願人】 【識別番号】000204181
【氏名又は名称】太陽化学株式会社
【出願日】 平成11年3月4日(1999.3.4)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−245384(P2000−245384A)
【公開日】 平成12年9月12日(2000.9.12)
【出願番号】 特願平11−56320