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【発明の名称】 フライ用食品およびフライ済食品
【発明者】 【氏名】近藤 道子

【氏名】東 雅幸

【要約】 【課題】揚げ衣を付けずに油ちょうすることができるフライ用食品、それを油ちょうして得られる、適度な厚さの皮膜とサクサク感を有するフライ済食品、およびそのフライ済食品を凍結して得られる冷凍フライ済食品を提供する。

【解決手段】加熱して含有される澱粉をα化させたマッシュ状の野菜または野菜を主原料とする食品に、α化澱粉を添加した後、水分を調整して成形することによりフライ用食品を得る。前記フライ用食品を油ちょうすることによりフライ済食品を得る。前記フライ済食品を凍結することにより冷凍フライ済食品を得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 加熱して含有される澱粉をα化させたマッシュ状の野菜または野菜を主原料とする食品に、α化澱粉を添加した後、水分を調整して成形することにより得られるフライ用食品。
【請求項2】 加熱して含有される澱粉をα化させたマッシュ状の野菜または野菜を主原料とする食品を主原料とし、α化澱粉を0.5〜1.5重量%含有し、水分含量が55〜65重量%であることを特徴とする請求項1記載のフライ用食品。
【請求項3】 糖類およびタンパク質が添加されたものであることを特徴とする請求項1または2記載のフライ用食品。
【請求項4】 中種を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフライ用食品。
【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のフライ用食品を油ちょうすることにより得られるフライ済食品。
【請求項6】 α化澱粉を0.5〜1.5重量%含有し、水分含量が55重量%以下であることを特徴とする請求項5記載のフライ済食品。
【請求項7】 請求項5または6記載のフライ済食品を凍結することにより得られる冷凍フライ済食品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フライ用食品、それを油ちょうして得られるサクサク感を有するフライ済食品、およびそのフライ済食品を凍結した冷凍フライ済食品に関する。本発明のフライ用食品は、揚げ衣を付けないで油ちょうすることができ、油ちょうすることにより、適度な厚さの皮膜が形成され、サクサク感を有するフライ済食品が得られる。また、このフライ済食品を凍結した冷凍フライ済食品は、電子レンジで加熱調理することにより、揚げたてのサクサク感を再現することができる。
【0002】
【従来の技術】一般に、フライとは、食品を油ちょうすること、あるいは油ちょうして得られる食品のことをいう。食品を加工せずにそのままの形で油ちょうする場合は、小麦粉やパン粉等の揚げ衣を付けたり、揚げ衣を付けないで油ちょうすることもできる。一方で、コロッケなど、食品を加工して成形したものでは、素材間の結着性が弱く、油ちょう中に油が素材の中に浸透して、成形食品が崩壊することがあるので、これを防止するために揚げ衣を付けて油ちょうするのが一般的である。しかしながら、揚げ衣を付けることは、成形食品に小麦粉等の粉類をまぶし卵をからめてパン粉を付ける、あるいは、バッター液に浸漬させてパン粉を付けるというように非常に手間のかかる作業である。また、近年、冷凍食品市場の拡大、主婦の有職化、家庭の個食化等により、予め油ちょうされた冷凍食品の利用が盛んである。これらはほとんどが、電子レンジで加熱調理して食卓に供されるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような現状において、揚げ衣を付けずに油ちょうしたにもかかわらず、サクサク感を有するフライ済食品や、このようなフライ済食品を凍結して冷凍保存した後、電子レンジで加熱調理しても、揚げたてのようなサクサク感を呈する冷凍フライ済食品が求められているが、そのような食品は未だ提供されていないのが現状である。したがって、本発明は、揚げ衣を付けずに油ちょうすることができるフライ用食品、およびそれを揚げ衣を付けずに油ちょうしたにもかかわらず、表面に衣と同様の皮膜を形成し、この皮膜がサクサク感を有するフライ済食品を提供することを課題とする。本発明はまた、上記フライ済食品を凍結して冷凍保存した後、電子レンジにより加熱調理しても、揚げたてのようなサクサク感を呈する冷凍フライ済食品を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、加熱して含有される澱粉をα化させたマッシュ状の野菜または野菜を主原料とする食品に、α化澱粉を添加した後、水分を調整して成形することにより得られるフライ用食品を油ちょうすることにより、揚げ衣を付けないにもかかわらず、適度な厚さの皮膜が形成され、サクサク感を有するフライ済食品が得られることを見出した。さらに、得られたフライ済食品を凍結して長期間保存した後、電子レンジにより加熱調理すると、より揚げたてのようなサクサク感を呈する冷凍フライ済食品が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0005】すなわち、本発明は、加熱して含有される澱粉をα化させたマッシュ状の野菜または野菜を主原料とする食品に、α化澱粉を添加した後、水分を調整して成形することにより得られるフライ用食品、加熱して含有される澱粉をα化させたマッシュ状の野菜または野菜を主原料とする食品を主原料とし、α化澱粉を0.5〜1.5重量%含有し、水分含量が55〜65重量%であることを特徴とする前記フライ用食品、糖類およびタンパク質が添加されたものであることを特徴とする前記フライ用食品、中種を含有することを特徴とする前記フライ用食品、前記フライ用食品を油ちょうすることにより得られるフライ済食品、α化澱粉を0.5〜1.5重量%含有し、水分含量が55重量%以下であることを特徴とする前記フライ済食品、および前記フライ済食品を凍結することにより得られる冷凍フライ済食品である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。本発明のフライ用食品の製造において使用することができる野菜は、その成分中に澱粉を含有するものであることを要件とし、澱粉を含有するものであれば限定されず、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、コンニャク等の芋類、カボチャ、トウモロコシ、カンピョウ、クワイ、ゴボウ、ソラマメ等の野菜類、あるいはこれらを加工処理したものを例示することができる。
【0007】本発明において使用することができる野菜を主原料とする食品もまた、その成分中に澱粉を含有するものであることを要件とし、澱粉を含有する食品をフレーク状に乾燥させたもの、例えば、ドライカボチャフレーク、ドライポテトフレーク等を例示することができる。これらは乾燥品であるので、使用する際に所定量の水分を加えておくとよい。なお、このような澱粉を含有する野菜および澱粉を含有する野菜を主原料とする食品は、1種を単独で用いることもできるが、2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。
【0008】本発明のフライ用食品は以下のようにして得られる。前記の澱粉を含有する野菜または澱粉を含有する野菜を主原料とする食品を加熱することにより、それらの中に含まれる澱粉をα化させて、マッシュ状にする。澱粉をα化することにより、上記野菜または食品は所望の形状に成形されやすくなる。加熱は、野菜に含有される澱粉がα化される温度である60℃以上で行えばよく、蒸煮加熱、電子レンジ加熱または茹で等により加熱をすることができる。加熱して含有される澱粉をα化させた野菜をマッシュ状にするには、裏ごし器またはマッシャー等を用いて行なうことができる。また、ドライカボチャフレーク、ドライポテト等は、既にα化されているので、所定量の水分を加え、マッシュ状にして用いればよい。次いで、加熱して含有される澱粉をα化させたマッシュ状の野菜または野菜を原料とする食品にα化澱粉を添加した後、必要に応じて副原料を添加し、水分を調整する。
【0009】ここで添加する「α化澱粉」とは、ジャガイモ、トウモロコシ、小麦粉等の澱粉溶液を加熱によりα化させ、ロール式乾燥機を用いて老化前に直ちに乾燥し、粉末化して得られるもの、あるいは、澱粉を含有する野菜または澱粉を含有する野菜を主原料とする食品中に含有される澱粉をα化させ、機械的に磨砕して得られるペーストであり、商業的に入手可能なものを用いることができる。α化澱粉は、フライ用食品中の含有量が0.5〜1.5重量%となるように添加することが好ましい。α化澱粉を添加することにより、澱粉同士の結着を向上させることができる。すなわち、野菜または食品中に含まれる澱粉をα化しても、澱粉粒は細胞膜中に含有されていて、ほとんど破壊されないため、組織が連続層にならないが、α化澱粉を添加することにより、単独であった組織が結着して組織が連続層を有するようになり、成形性のよい食品を得ることができる。α化澱粉の含有量が0.5重量%未満となると、澱粉同士の結着性が不十分なため好ましくなく、1.5重量%を超えると、逆に、結着力が成形性を阻害するため好ましくない。
【0010】フライ用食品の水分含量は、食品を油ちょうした際の水分と油の置換、皮膜のサクサク感、さらに凍結した冷凍フライ済食品を電子レンジで加熱調理した際の皮膜のサクサク感を考慮して、55〜65重量%に調整することが好ましい。すなわち、一般的に、食品を油ちょうする場合、食品に含まれる水分の10〜15%が油と置換され、置換された油が食品中に浸透するため、水分含量が高いコロッケのような成形食品を油ちょうすると、油が食品中に浸透しやすくなり、油ちょう中に成形食品の形が崩壊しやすくなる。また、本発明ではフライ済食品を凍結して冷凍フライ済食品とするが、冷凍フライ済食品の水分が高くなると、冷凍保存中に水分が表面に形成された皮膜に移行し、電子レンジで加熱調理した場合に、サクサク感を呈さなくなるため、油ちょう後のフライ済食品の水分含量が55重量%以下となるように調整することが好ましい。したがって、このように、油ちょう中の成形食品の崩壊を防止し、フライ済食品の水分含量を55重量%以下とするためには、フライ用食品の水分含量を、55〜65重量%に調整することが好ましいというわけである。フライ用食品の水分含量が、55重量%未満となると、フライ済食品または冷凍フライ済食品の食感がパサつくため好ましくなく、65重量%を超えると皮膜に水分が移行し、サクサク感が失われるため、好ましくない。
【0011】水分含量を調整するための副原料として、ドライカボチャフレークまたはドライポテトフレーク等の澱粉を含有する食品を乾燥処理したもの、増粘剤、蛋白質および糖類のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。増粘剤、蛋白質、糖類は、成形時や油ちょう時の型崩れを防止し、食品中への過剰な油の浸透を抑制して、食品表面に、より強固でサクサク感を有する皮膜を形成させることができる。
【0012】増粘剤としては、ワキシーコーンスターチ、コーンスターチ、ジャガイモ等の澱粉類、リン酸架橋澱粉、ヒドロキシプロピル化化工澱粉等の化工澱粉類、ジャガイモ、トウモロコシ、小麦粉等のα化澱粉類やアルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、カルボキシルメチルセルロース、カードラン等の増粘多糖類を例示することができる。蛋白質としては、脱脂粉乳、ホエー蛋白質、カゼインナトリウム、乳蛋白質濃縮物等の乳蛋白質類、卵白や卵黄等の卵蛋白質類、大豆蛋白質、獣肉蛋白質、魚肉蛋白質等を例示することができる。また、糖類としては、ショ糖、乳糖、麦芽糖、オリゴ糖、キシロース等を例示することができる。
【0013】これらの水分含量を調整するための副原料は、フライ用食品中の含有量が0.5〜3.5重量%となるように添加することが好ましい。なお、増粘剤として、α化澱粉を用いる場合には、上記のα化澱粉との合計含有量が、0.5〜1.5重量%の範囲内となるように調整することが望ましい。
【0014】また、蛋白質と糖類を同時に添加することにより、油ちょう時の加熱により生じるメイラード反応を促進させ、短時間で好ましい揚げ色と、サクサク感を付与することができる。蛋白質および糖類をメイラード反応の促進のために添加する場合には、フライ用食品中蛋白質を0.1〜3重量%および糖類を0.1〜3重量%含有するように添加することが好ましい。
【0015】成形は、適宜の形状および大きさとなるように行なえばよく、形状は、円形、楕円形、星型または花形等を例示することができ、大きさは、1つの重量が約10〜20gとなるようにすることが好ましい。このようにして、フライ用食品が得られる。
【0016】得られたフライ用食品を油ちょうすることにより、フライ済食品が得られる。油ちょうは、150〜200℃に熱した油で、30〜120秒間行うことが好ましい。この油ちょうにより、揚げ衣を付けないにもかかわらず、表面にサクサクとした食感を有する、衣と同様の厚さ1〜2mmの皮膜が形成される。このように皮膜が形成されることにより、凍結し冷凍保存後、電子レンジで加熱調理した際に、揚げたてのようなサクサク感を有する冷凍フライ済食品が得られる。
【0017】このように、本発明のフライ済食品は、常法に従って凍結して、冷凍フライ済食品とすることができる。この冷凍フライ済食品は、油ちょう後の水分含量が、55重量%以下となるように調整されているため、冷凍保存中における冷凍庫内でのデフロスト作用による内圧の変化から生じる水分の蒸発や結晶化によるひび割れが生じることもない。
【0018】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に説明する。
【0019】(実施例1)
(1)フライ用食品の調製ジャガイモ2000gの皮を剥き、30分間蒸煮加熱を行い、ポテトマッシャーを用いて潰し、マッシュ状にしたジャガイモ(水分含量78重量%)1500gを得た。表1に示す配合に従って、マッシュ状にしたジャガイモに、ドライポテトフレーク(雪印乳業社製)、卵白、植物油脂、砂糖、食塩およびジャガイモ澱粉由来のα化澱粉(アミコールHF:日澱化学社製)を加え、十分に混捏した後、水分含量を、50、60、65、70および72.5重量%となるように調整し、それぞれ15gの楕円形に成形し、フライ用食品(試料1〜5)を得た。
【0020】
【表1】
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 試 料 1 2 3 4 5−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 水 分 含 量(重量%)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 原 料 55 60 65 70 72.5−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−マッシュポテト 60.8 67.2 73.6 80.0 80.0ドライポテトフレーク 21.7 15.3 8.9 2.5 −水 − − − − 2.5卵白 9.0 9.0 9.0 9.0 9.0植物油脂 6.0 6.0 6.0 6.0 6.0砂糖 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0食塩 0.5 0.5 0.5 0.5 0.5α化澱粉 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (単位:重量%)
【0021】(2)フライ済食品の調製上記(1)で得られたフライ用食品(試料1〜5)を、それぞれ200℃に熱した菜種油中にて2分間油ちょうし、フライ済食品を得た。試料1〜5のフライ用食品およびフライ済食品の水分含量を表2に示す。
【0022】
【表2】

【0023】(3)冷凍フライ済食品の調製上記(2)で得られたフライ済食品を−30℃で急速凍結し、冷凍フライ済食品を得、これを−20℃で3カ月間保存した。
【0024】(試験例1)実施例1の(2)で得られたフライ直後のフライ済食品および同(3)で得られた凍結保存3カ月後の冷凍フライ済食品を電子レンジ(500W、EMO−VA4:三洋電機社製)で加熱調理したものについて、皮膜の硬さを測定し、また、下記官能評価基準に従い、官能評価を行った。
【0025】硬さの測定は、硬度測定機(レオナーRE−33OO5:山電社製)を用い、プランジャー(直径3mm)を用い、テーブルスピード1mm/sec.で貫入試験を行い、貫入したときの破断強度(g)を測定した。なお、破断強度は、150〜250(g)の範囲である場合に、フライ後のフライ済食品および冷凍フライ済食品は、皮膜が適度に硬く、サクサク性を有するものとなる。結果を表3に示す。
【0026】
【表3】
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 破断強度(g)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− フライ済食品 冷凍フライ済食品−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−試料1 193 176試料2 195 181試料3 201 180試料4 95 63試料5 87 51−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−【0027】表3の結果から明らかなように、表2において油ちょう後の水分含量が55重量%以下であった試料1〜3のフライ済食品および冷凍フライ済食品の破断強度の値は、上記の好ましい範囲内であり、皮膜が適度に硬く、サクサク性を有するものであることが判明した。
【0028】官能評価は、25名の熟練パネラーに試料1〜5を食してもらい、食したときのサクサクとした食感について、大変良い;5点、良い;4点、どちらともいえない;3点、悪い;2点、大変悪い;1点の5段階で評価し、その平均点で示した。なお、小数点第2位を四捨五入した。結果を表4に示す。
【0029】
【表4】
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 官能評価結果−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− フライ済食品 冷凍フライ済食品−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−試料1 4.1 4.6試料2 4.9 4.8試料3 4.9 3.8試料4 2.9 2.4試料5 2.7 1.7−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−【0030】表4の結果から明らかなように、油ちょう後の水分含量が55重量%以下である試料1〜3のフライ済食品および冷凍フライ済食品では、水分含量が55重量%を超える試料4、5のものに比べて、高い評価が得られた。
【0031】(実施例2)
(1)フライ用食品の調製ジャガイモ2000gの皮を剥き、30分間蒸煮加熱を行い、ポテトマッシャーを用いて潰し、マッシュ状にしたジャガイモ(水分含量78重量%)1500gを得た。マッシュ状にしたジャガイモ73.6重量部に、ドライポテトフレーク(雪印乳業社製)8.9重量部、ジャガイモ澱粉由来のα化澱粉(アミコールHF:日澱化学社製)1重量部、植物性油脂6重量部、卵白9重量部、砂糖1重量部および食塩0.5重量部を加え、十分に混捏し、水分含量が65重量%になるように調整し、それぞれ15gの楕円形に成形し、フライ用食品を得た。
【0032】(2)フライ済食品の調製上記(1)で得られたフライ用食品を、200℃に熱した菜種油中にて2分間油ちょうし、フライ済食品(水分含量53重量%)を得た。
(3)冷凍フライ済食品の調製上記(2)で得られたフライ済食品を、−30℃で急速凍結し、冷凍フライ済食品を得た。
【0033】(比較例1)ドライポテトフレークの添加量を9.9重量部とし、α化澱粉を添加しなかったこと以外は、実施例2と同様にして、冷凍フライ済食品を調製したが、α化澱粉を添加しなかったため、油ちょう中に崩壊し、製品とすることができなかった。
【0034】(試験例2)
デフロスト試験実施例2で得られた冷凍フライ済食品を、0℃以上のデフロスト作用が1日2回生じる−20℃の冷凍庫にて3カ月間冷凍保存した。この条件は、店頭で販売される時のリーチインショーケースでの保存状態を想定したものである。実施例2の冷凍フライ済食品を3カ月間冷凍保存した後、各8個ずつを電子レンジ(500W、EMO−VA4:三洋電機社製)で2分間加熱し、試験例1と同様の方法で皮膜の硬さを測定したところ、破断強度は、180(g)であり、上記の好ましい範囲(150〜250(g))内であった。また、官能評価を行ったところ、結果は、4.7であり、高い評価が得られた。
【0035】これらの結果から、実施例2の冷凍フライ済食品は、デフロストの影響を受けることなく、3カ月間保存後も、皮膜が硬く、電子レンジ加熱により、揚げたてのようなサクサク感を呈するものであることが明らかとなった。
【0036】(実施例3)
(1)フライ用食品の調製ドライポテトフレーク30重量部にホエーパウダー(サンラクトI−1:太陽化学社製)1.5重量部、乳糖(メグレ社製)1重量部、食塩0.5重量部、α化澱粉(アミコールHF:日澱化学社製)1重量部を混合し、80℃の温湯60重量部およびバター6重量部を添加し、十分に混捏し、水分含量を60重量%に調整した後、それぞれ15gの梅花型に成形し、フライ用食品を得た。
【0037】(2)フライ済食品の調製上記(1)で得られたフライ用食品を200℃の菜種油中にて1分間油ちょうし、フライ済食品(水分含量60重量%)を得た。なお、このフライ済食品は、(1)において蛋白質としてホエーパウダー、糖類として乳糖を添加したため、油ちょうの際にメイラード反応が起き、短時間で良好な揚げ色が付き、好ましいものであった。
【0038】(3)冷凍フライ済食品の調製上記(2)で得られたフライ済食品を−30℃にて凍結し、冷凍フライ済食品を得た。
【0039】(試験例3)実施例3で得られた冷凍フライ済食品を、電子レンジ(500W,EMO−VA4:三洋電機社製)を用いて、4個ずつ1分間加熱し、試験例1と同様の方法で皮膜の硬さを測定したところ、破断強度は203(g)であり、揚げたてのようなサクサク感を呈するものであった。
【0040】(実施例4)
(1)フライ用食品の調製ブタ挽肉40重量部、コーン15重量部、玉葱のみじん切り30重量部、食塩0.7重量部および粉末コンソメ0.5重量部を、菜種油8重量部で炒め、これにドライポテトフレーク5.8重量部を添加し、水分を62重量%に調整した後、それぞれ7gずつに丸めて中種を調製した。実施例2の(1)で得られたフライ用食品10gで、この中種を包み、中種入りフライ用食品を得た。
【0041】(2)フライ済食品の調製上記(1)で得られたフライ用食品を、200℃の菜種油中にて2分間油ちょうし、フライ済食品(水分含量53重量%)を得た。
(3)冷凍フライ済食品の調製上記(2)で得られたフライ済食品を−30℃にて凍結し、冷凍フライ済食品を得た。
【0042】(試験例4)実施例4で得られた中種入り冷凍フライ済食品を、電子レンジ(500W、EMO−VA4:三洋電機社製)により、4個ずつ1分間加熱し、試験例1と同様の方法で皮膜の硬さを測定したところ、破断強度は196(g)であり、揚げたてのようなサクサク感を呈するものであった。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、揚げ衣を付けないで油ちょうすることのできるフライ用食品が得られる。また、このフライ用食品を油ちょうすることにより、揚げ衣を付けないで油ちょうしたにもかかわらず、適度な厚さの皮膜を有し、サクサク感のあるフライ済食品が得られる。本発明のフライ済食品は、揚げ衣を付けずに油ちょうすることができるので、揚げ衣を付ける手間が省け、製造工程を簡便化することができる。さらに、本発明のフライ済食品を冷凍した冷凍フライ済食品は、電子レンジで加熱調理することにより、揚げたてのサクサク感を再現することができるので、電子レンジ加熱用食品として有用である。
【出願人】 【識別番号】000006699
【氏名又は名称】雪印乳業株式会社
【出願日】 平成10年12月4日(1998.12.4)
【代理人】 【識別番号】100098110
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 みどり
【公開番号】 特開2000−166488(P2000−166488A)
【公開日】 平成12年6月20日(2000.6.20)
【出願番号】 特願平10−345346