トップ :: A 生活必需品 :: A23 食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理




【発明の名称】 液状物の殺菌装置
【発明者】 【氏名】川北 有

【氏名】加藤 茂

【氏名】千林 暁

【氏名】苗代 晃一

【要約】 【課題】平行平板電極形の殺菌装置における無駄な空間を少なくして装置全体に占める処理部の体積の割合を大きくして、装置のコンパクト化を可能にする。

【解決手段】接地電位に保たれる金属製容器2内に、3枚の平行平板形の電極であって中央の高圧電極4およびその両側の2枚の接地電極6を設けている。各電極4、6の周縁部4a、6aと金属製容器2の側面2aとの間に固体絶縁物20を充填している。高圧電極4と2枚の接地電極6との間の空間に、液状物10が満たされそれに対して殺菌処理を行う処理部8をそれぞれ形成している。高圧電極4と2枚の接地電極6との間にパルス電源14から高電圧パルスVPを印加する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 接地電位に保たれる金属製容器と、この金属製容器内に収納されていていずれも周縁部を曲面にした3枚の平行平板形の電極であって中央の非接地の高圧電極およびその両側の接地された2枚の接地電極と、この高圧電極の周縁部と当該高圧電極に交差する前記金属製容器の壁面との間に充填された固体絶縁物と、前記高圧電極と前記2枚の接地電極との間にそれぞれ形成された空間であって被殺菌物である液状物が満たされ当該液状物に対して殺菌処理を行う処理部と、前記高圧電極と前記2枚の接地電極との間に高電圧パルスを印加するパルス電源とを備えることを特徴とする液状物の殺菌装置。
【請求項2】 接地電位に保たれるものであってその二底面が互いに平行な金属製容器と、この金属製容器内にその二底面に平行に収納されていて周縁部を曲面にした非接地の高圧電極と、この高圧電極の周縁部と前記金属製容器の側面との間に充填された固体絶縁物と、前記高圧電極と前記金属製容器の二底面との間にそれぞれ形成された空間であって被殺菌物である液状物が満たされ当該液状物に対して殺菌処理を行う処理部と、前記高圧電極と前記金属製容器との間に高電圧パルスを印加するパルス電源とを備えることを特徴とする液状物の殺菌装置。
【請求項3】 前記固体絶縁物は、前記高圧電極および前記接地電極の周縁部とこれらの電極に交差する前記金属製容器の壁面との間に充填されており、かつ前記高圧電極および前記接地電極の周縁部を前記固体絶縁物内に埋め込んでいる請求項1記載の液状物の殺菌装置。
【請求項4】 前記高圧電極の周縁部を前記固体絶縁物内に埋め込んでいる請求項2記載の液状物の殺菌装置。
【請求項5】 前記高圧電極に前記高電圧パルスを供給するブッシングを更に備えており、かつこのブッシングと前記固体絶縁物とを一体化構造にしている請求項1、2、3または4記載の液状物の殺菌装置。
【請求項6】 前記高圧電極は、その前記処理部に面する領域に、前記液状物が通過する複数の孔を有している請求項1、2、3、4または5記載の液状物の殺菌装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば飲料(ジュース、牛乳等)、液状卵黄、液状卵白、水、化粧水、液体医薬品等の液状物(液体を含む)にパルス高電界を印加して殺菌処理を施す殺菌装置に関し、より具体的には、無駄な空間を無くしてコンパクトな装置を実現する手段に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば特公平3−11755号公報、特表平2−501348号公報等に記載されているように、上記のような液状物に短パルスの高電界をある回数印加して、それに殺菌処理を施す技術は既に知られている。
【0003】この技術の原理は、簡単に言えば、上記のような液状物中に存在する微生物や雑菌が、印加される電界の作用によって、細胞膜の破壊等の影響を受けて死滅し、殺菌されることである。
【0004】従って、原理的には、■省エネルギーが可能、■低温殺菌が可能、■液状物の変質がない、■物理的殺菌なので有毒化学物質残留の恐れがない、等の利点を有しており、優れた殺菌技術として注目されている。
【0005】具体的には、従来の殺菌装置は、図5または図6に示す構成をしている。
【0006】図5の殺菌装置は、接地電位に保たれる金属製容器2と、その中に収納された2枚の平行平板形の電極であって非接地の高圧電極4および接地された接地電極6と、両電極4、6間に形成された空間であって前述したような液状物10が満たされ当該液状物10に殺菌処理を行う処理部8と、両電極4、6間に高電圧パルスVPを印加するパルス電源14とを備えている。高圧電極4には、ブッシング12を通して上記高電圧パルスVPが供給される。
【0007】図6の殺菌装置は、接地電位に保たれ接地電極を兼ねる円筒状の金属製容器2と、その中に同軸状に収納された円柱状の非接地の高圧電極4と、この高圧電極4の周囲と金属製容器2との間に形成された空間であって前述したような液状物10が満たされ当該液状物10に殺菌処理を行う処理部8と、高圧電極4と金属製容器2との間に高電圧パルスVPを印加するパルス電源14とを備えている。金属製容器2と高圧電極4とで、同軸円筒電極を形成している。高圧電極4には、ブッシング12を通して上記高電圧パルスVPが供給される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような殺菌装置において、均一で効率的な殺菌処理を行うためには、処理部8の電界強度を均一化する必要がある。
【0009】ところが、図6に示した同軸円筒電極形の殺菌装置では、金属製容器2に比べて内側の高圧電極4の直径が小さいので、処理部8の電界強度は高圧電極4に近づくにつれて高くなり、殺菌処理の均一化および高効率化が難しい。
【0010】しいて処理部8の電界分布の均一化を図ろうとすると、高圧電極4を太くしてその外径と金属製容器2の内径との比を1に近づける必要があり、そのようにすると高圧電極4の体積が大きくなって、液状物10の殺菌作用をしない無駄な空間が大きくなり、装置全体に占める処理部8の体積の割合が小さくなり、装置のコンパクト化が困難になる。
【0011】一方、図5に示した平行平板電極形の殺菌装置では、電極4、6の周縁部4a、6aを電界集中緩和のために曲面にすることによって、処理部8の電界分布の均一化を図ることは可能であるけれども、高圧電極4の周縁部4aとそれに対向する金属製容器2の壁面との間は電界が集中するため、両者間の距離Lを、液状物10を通して電気的に絶縁破壊しないように十分長く取る必要があり、従って正常に液状物10の殺菌作用をしない無駄な空間が大きくなる。高圧電極4の周縁部4aの曲率を大きくすると、上記電界集中は緩和されるけれども、そのようにすると高圧電極4の体積が一層大きくなり、その分、液状物10の殺菌作用をしない無駄な空間が増える。また、高圧電極4の上面(接地電極6とは反対側の面)と金属製容器2との間も、電気絶縁のための空間9が必要であり、この空間9も、液状物10の殺菌作用をしない無駄な空間である。
【0012】このように、図5に示した平行平板電極形の殺菌装置も、液状物10の殺菌作用をしない無駄な空間が多く、装置全体に占める処理部8の体積の割合が小さいので、装置のコンパクト化が困難である。
【0013】そこでこの発明は、平行平板電極形の殺菌装置における無駄な空間を少なくして装置全体に占める処理部の体積の割合を大きくして、装置のコンパクト化を可能にすることを主たる目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明に係る第1の殺菌装置は、接地電位に保たれる金属製容器と、この金属製容器内に収納されていていずれも周縁部を曲面にした3枚の平行平板形の電極であって中央の非接地の高圧電極およびその両側の接地された2枚の接地電極と、この高圧電極の周縁部と当該高圧電極に交差する前記金属製容器の壁面との間に充填された固体絶縁物と、前記高圧電極と前記2枚の接地電極との間にそれぞれ形成された空間であって被殺菌物である液状物が満たされ当該液状物に対して殺菌処理を行う処理部と、前記高圧電極と前記2枚の接地電極との間に高電圧パルスを印加するパルス電源とを備えることを特徴としている(請求項1)。
【0015】上記構成によれば、高圧電極とその両側の2枚の接地電極との間にそれぞれ処理部が形成されているので、従来の2枚の平行平板電極形に比べて、液状物の殺菌作用をしない無駄な空間が少ない。
【0016】しかも、高圧電極の周縁部と金属製容器の壁面との間の電界集中箇所には固体絶縁物を充填しているので、その部分の絶縁耐力が向上しており、従って高圧電極の周縁部と金属製容器の壁面との間の距離を小さくすることができ、その分、液状物の殺菌作用をしない無駄な空間を更に少なくすることができる。
【0017】従って、装置全体に占める処理部の体積の割合を大きくして、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0018】この発明に係る第2の殺菌装置は、接地電位に保たれるものであってその二底面が互いに平行な金属製容器と、この金属製容器内にその二底面に平行に収納されていて周縁部を曲面にした非接地の高圧電極と、この高圧電極の周縁部と前記金属製容器の側面との間に充填された固体絶縁物と、前記高圧電極と前記金属製容器の二底面との間にそれぞれ形成された空間であって被殺菌物である液状物が満たされ当該液状物に対して殺菌処理を行う処理部と、前記高圧電極と前記金属製容器との間に高電圧パルスを印加するパルス電源とを備えることを特徴としている(請求項2)。
【0019】上記構成によれば、高圧電極とその両側の金属製容器底面との間にそれぞれ処理部が形成されているので、従来の2枚の平行平板電極形に比べて、液状物の殺菌作用をしない無駄な空間が少ない。
【0020】しかも、高圧電極の周縁部と金属製容器の側面との間の電界集中箇所には固体絶縁物を充填しているので、その部分の絶縁耐力が向上しており、従って高圧電極の周縁部と金属製容器の側面との間の距離を小さくすることができ、その分、液状物の殺菌作用をしない無駄な空間を更に少なくすることができる。
【0021】従って、装置全体に占める処理部の体積の割合を大きくして、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0022】しかも、金属製容器が接地電極を兼ねているので、独立した接地電極を設けなくて済む分、上記第1の殺菌装置よりも一層、装置のコンパクト化および構造の簡素化を図ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、この発明に係る殺菌装置の一例を示す縦断面図である。図2は、図1の線A−Aに沿う横断面図である。図5および図6の従来例と同一または相当する部分には同一符号を付し、以下においては当該従来例との相違点を主に説明する。
【0024】この実施例の殺菌装置は、殺菌処理容器部1と、この殺菌処理容器部1に(具体的にはその高圧電極4と2枚の接地電極6との間に)高電圧パルスVPを印加するパルス電源14とを備えている。
【0025】殺菌処理容器部1は、この例では、接地電位に保たれる金属製容器2と、この金属製容器2内に収納された3枚の平行平板形の電極であって中央の非接地の高圧電極4およびその上下両側にあって接地された2枚の接地電極6とを備えている。各電極4、6は、平板状をしており、かつその周縁部4a、6aは、電界集中緩和のために曲面にしている。
【0026】上記各電極4、6の周縁部4a、6aとこれらの電極4、6に交差する(例えば直交する)金属製容器2の壁面(例えば側面)2aとの間には、この例では側面2aが金属製容器2内に露出しないように、固体絶縁物20を充填している。しかもこの例では、各電極4、6の周縁部4a、6aを固体絶縁物20内に埋め込んでいる。
【0027】固体絶縁物20は、絶縁耐力が高く、かつ液状物10に比べて十分小さい誘電率のものが好ましい。具体的には比誘電率が約10以下のものが好ましい。固体絶縁物20の絶縁耐力が高い方が、高圧電極4の周縁部4aと金属製容器2の側面2aとの間の距離をより小さくすることができる。また、固体絶縁物20の比誘電率が小さい方が、当該固体絶縁物20での電力損失が少なくて済む。このような固体絶縁物20の具体例として、アルミナ等のセラミックス、ガラス、フッ素樹脂が挙げられる。これらの比誘電率は、それぞれ、約8〜10、約5、約3であり、いずれも通常の液状物10の比誘電率約80よりも十分に小さい。
【0028】高圧電極4と2枚の接地電極6との間の空間には、被殺菌物である前述したような液状物10が満たされ、この液状物10に対して殺菌処理を行う処理部8がそれぞれ形成されている。
【0029】液状物10を、両処理部8を満たして流通させるために、この例では、一方の接地電極6およびそれに接する金属製容器2に液状物10の供給孔18を設け、他方の接地電極6およびそれに接する金属製容器2に液状物10の取出孔19を設けている。かつ高圧電極4の処理部8に面する領域に、液状物10が通過する複数の孔(貫通孔)16を設けている。このようにすれば、液状物10を一方の処理部8から他方の処理部8へと高圧電極4を通してうまく流すことができる。この孔16の数は、図示例のものに限らないが、多い方が(即ち多孔の方が)より均一に液状物10を流すことができる。
【0030】更にこの例では、パルス電源14から、金属製容器2の側面2aを貫通して、高圧電極4に前記高電圧パルスVPを供給するブッシング12を備えている。
【0031】上記処理部8に液状物10を例えば連続的に流通させながら、パルス電源14から高圧電極4と2枚の接地電極6との間に高電圧パルスVPを印加することによって、両処理部8において電界の作用によって液状物10に殺菌処理を施すことができる。
【0032】しかもこの殺菌装置は、高圧電極4とその両側の2枚の接地電極6との間にそれぞれ処理部8が形成されているので、図5に示した従来の2枚の平行平板電極形に比べて、液状物10の殺菌作用をしない無駄な空間が少ない。処理部8の全体積は、他の条件を同じにした場合、図5の従来例の約2倍になる。
【0033】更に、高圧電極4の周縁部4aと金属製容器2の側面2aとの間の電界集中箇所には固体絶縁物20を充填しているので、液状物10が満たされる図5の従来例に比べて、その部分の絶縁耐力が向上しており、従って高圧電極4の周縁部4aと金属製容器2の側面2aとの間の距離を小さくすることができ、その分、液状物10の殺菌作用をしない無駄な空間を更に少なくすることができる。
【0034】従って、無駄な空間を非常に少なくして、即ち装置全体に占める処理部の体積の割合を大きくして、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0035】図1中のB部付近の等電位面22の分布を図3に示す。ここでは、高圧電極4の左右または上下は対称なので、片側のみを示している。この図から分かるように、液状物10を殺菌処理する処理部8の電界分布は、誘電率の小さい固体絶縁物20の部分の影響を殆ど受けることなくほぼ均一になっている。即ちこの例のように高圧電極4の周縁部4aを固体絶縁物20中に埋め込んでおくのが好ましく、そのようにすれば高圧電極4の周縁部4aの電界が不均一になる領域を処理部8として使わずに済む。従って、液状物10に対してより均一でより効率的な殺菌処理を施すことができる。
【0036】更に上記例では、ブッシング12と固体絶縁物20とは、境界面を作らず一体化構造にしている。このようにすれば、ブッシング12の中心導体と接地電位の金属製容器2との間にブッシング12を横切る方向の沿面絶縁部が形成されないので、絶縁耐力が高く、高電圧パルスVPの給電部をより小型化することができ、この理由からも装置のよりコンパクト化を図ることができる。後述する図4の装置においても同様である。
【0037】なお、高圧電極4の周縁部4aとそれに対向する金属製容器2の側面2aとの間で電界強度が最も高くなるので、少なくともその間に固体絶縁物20を充填しておけば良いけれども、図1に示す例のように、高圧電極4を挟む一方の接地電極6の周縁部6aから他方の接地電極6の周縁部6aにかけての全域と金属製容器2の側面2aとの間に側面2aが露出しないように固体絶縁物20を充填しておく方が、より絶縁耐力が高まるので好ましい。
【0038】殺菌処理容器部1の断面形状は、図2の例では一例として正方形にしているけれども、それに限るものではなく、長方形でも良いし円形でも良い。図4に示す装置においても同様である。
【0039】次に、図4に示す殺菌装置を、図1の例との相違点を主体に説明する。この例では、殺菌処理容器部1において、金属製容器2が接地電極を兼ねている。
【0040】即ち、殺菌処理容器部1は、接地電位に保たれるものであってその二底面2bが平らで互いに平行な金属製容器2と、この金属製容器2内にその二底面2bに平行に収納された非接地の高圧電極4とを備えている。高圧電極4は、全体的に見れば平らな形状をしており、かつその周縁部4aを、図1の例の場合と同様、電界集中緩和のために曲面にしている。
【0041】この高圧電極4の周縁部4aと当該電極4に交差する金属製容器2の側面2aとの間には、この例では側面2aが金属製容器2内に露出しないように、前述したような固体絶縁物20を充填している。しかもこの例では、高圧電極4の周縁部4aを固体絶縁物20内に埋め込んでいる。
【0042】高圧電極4と金属製容器2の二底面2bとの間の空間には、前述したような液状物10が満たされ、この液状物10に対して殺菌処理を行う処理部8がそれぞれ形成されている。
【0043】高圧電極4の処理部8に面する領域は、この例ではメッシュ状にしている。メッシュ状も、多数の孔を有しているので多孔の一種であると言うことができる。メッシュ状にすれば、液状物10を一方の処理部8から他方の処理部8へと高圧電極4を通してより均一に流すことができる。
【0044】上記高圧電極4と金属製容器2との間に、パルス電源14から、ブッシング12を通して高電圧パルスVPが印加される。ブッシング12と固体絶縁物20とは、図1の例の場合と同様、境界面を作らずに一体化構造にしている。その効果は前述のとおりである。
【0045】この図4の殺菌装置においても、高圧電極4とその両側の金属製容器底面2bとの間にそれぞれ処理部が形成されているので、従来の2枚の平行平板電極形に比べて、液状物10の殺菌作用をしない無駄な空間が少ない。処理部8の全体積は、他の条件を同じにした場合、図5の従来例の約2倍になる。
【0046】しかも、高圧電極4の周縁部4aと金属製容器2の側面2aとの間の電界集中箇所には固体絶縁物20を充填しているので、液状物10が満たされる図5の従来例に比べて、その部分の絶縁耐力が向上しており、従って高圧電極4の周縁部4aと金属製容器2の側面2aとの間の距離を小さくすることができ、その分、液状物10の殺菌作用をしない無駄な空間を更に少なくすることができる。
【0047】従って、無駄な空間を非常に少なくして、即ち装置全体に占める処理部の体積の割合を大きくして、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0048】しかも、金属製容器2が接地電極を兼ねているので、独立した接地電極を設けなくて済む分、図1の例の場合よりも一層、装置のコンパクト化および構造の簡素化を図ることができる。
【0049】
【発明の効果】この発明は、上記のとおり構成されているので、次のような効果を奏する。
【0050】請求項1記載の発明によれば、高圧電極とその両側の2枚の接地電極との間にそれぞれ処理部が形成されているので無駄な空間が少なく、しかも固体絶縁物充填によって高圧電極の周縁部と金属製容器の壁面との間の距離を小さくすることができるので無駄な空間を更に少なくすることができる。従って、液状物の殺菌作用をしない無駄な空間を非常に少なくして、即ち装置全体に占める処理部の体積の割合を大きくして、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0051】請求項2記載の発明によれば、高圧電極とその両側の金属製容器底面との間にそれぞれ処理部が形成されているので無駄な空間が少なく、しかも固体絶縁物充填によって高圧電極の周縁部と金属製容器の側面との間の距離を小さくすることができるので無駄な空間を更に少なくすることができる。従って、液状物の殺菌作用をしない無駄な空間を非常に少なくして、即ち装置全体に占める処理部の体積の割合を大きくして、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0052】しかも、金属製容器が接地電極を兼ねているので、独立した接地電極を設けなくて済む分、請求項1記載の発明よりも一層、装置のコンパクト化および構造の簡素化を図ることができる。
【0053】請求項3記載の発明によれば、高圧電極および接地電極の周縁部を固体絶縁物内に埋め込むことによって、これらの電極の周縁部の電界が不均一になる領域を処理部として使わずに済むので、処理部の電界分布がより均一化し、従って液状物に対してより均一でより効果的な殺菌処理を施すことができる。
【0054】請求項4記載の発明によれば、高圧電極の周縁部を固体絶縁物内に埋め込むことによって、高圧電極の周縁部の電界が不均一になる領域を処理部として使わずに済むので、処理部の電界分布がより均一化し、従って液状物に対してより均一でより効果的な殺菌処理を施すことができる。
【0055】請求項5記載の発明によれば、ブッシングと固体絶縁物とを一体化構造にしていて、ブッシングの中心導体と接地電位の金属製容器との間にブッシングを横切る方向の沿面絶縁部が形成されないので、絶縁耐力が高く、高電圧パルスの給電部をより小型化することができ、この理由からも装置のよりコンパクト化を図ることができる。
【0056】請求項6記載の発明によれば、高圧電極は液状物が通過する複数の孔を有しているので、液状物を一方の処理部から他方の処理部へと高圧電極を通してうまく流すことができる。
【出願人】 【識別番号】000003942
【氏名又は名称】日新電機株式会社
【出願日】 平成10年9月30日(1998.9.30)
【代理人】 【識別番号】100088661
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 惠二
【公開番号】 特開2000−102371(P2000−102371A)
【公開日】 平成12年4月11日(2000.4.11)
【出願番号】 特願平10−294454