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【発明の名称】 マグネシウムエマルジョン、その製造方法及びその用途
【発明者】 【氏名】鳥羽 保宏

【氏名】平井 智子

【氏名】高田 幸宏

【氏名】田中 都

【氏名】青江 誠一郎

【要約】 【課題】呈味性及び分散安定性の良好なマグネシウムエマルジョン、その製造方法、及び該マグネシウムエマルジョンを添加したマグネシウム強化飲料を提供する。

【解決手段】難溶性又は不溶性マグネシウム塩の粒子を平均粒子径が 0.7μm以下になるまで微粉化し、乳化剤とともに水に分散させ、エマルジョンとする。さらに、このエマルジョンを各種飲料に添加してマグネシウム強化飲料を製造する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 平均粒子径が 0.7μm 以下である微粉化マグネシウムと乳化剤とが分散していることを特徴とするマグネシウムエマルジョン。
【請求項2】 平均粒子径が 0.7μm 以下である微粉化マグネシウム5〜20重量%と乳化剤 0.1〜5重量%とが分散している請求項1に記載のマグネシウムエマルジョン。
【請求項3】 微粉化マグネシウムが、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムカルシウム、リン酸水素マグネシウム又はこれらの中のいずれか一種以上を主成分とする天然物由来マグネシウムである請求項1又は2に記載のマグネシウムエマルジョン。
【請求項4】 乳化剤が、糖脂肪酸エステルである請求項1乃至3に記載のマグネシウムエマルジョン。
【請求項5】 水分散液とした難溶性又は不溶性マグネシウム塩の粒子を平均粒子径が 0.7μm 以下になるまで微粉化し、得られた微粉化マグネシウム水分散液に乳化剤を添加することを特徴とするマグネシウムエマルジョンの製造方法。
【請求項6】 難溶性又は不溶性マグネシウム塩の水分散液に乳化剤を添加した後、該水分散液中のマグネシウム塩の粒子を平均粒子径が 0.7μm 以下になるまで微粉化することを特徴とするマグネシウムエマルジョンの製造方法。
【請求項7】 難溶性又は不溶性マグネシウム塩の粒子を高圧で壁面に衝突させて微粉化することを特徴とする請求項5又は6に記載の製造方法。
【請求項8】 請求項1乃至4のいずれかに記載のマグネシウムエマルジョンを添加したマグネシウム強化飲料。
【請求項9】 マグネシウム添加量が、5〜200mg/100gである、請求項8に記載のマグネシウム強化飲料。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分散状態が良好で安定なマグネシウムエマルジョンとその製造方法、及び該マグネシウムエマルジョンを添加したマグネシウム強化飲料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、健康維持や成人病の予防等に関してマグネシウムの役割が重要視され始めている。マグネシウムは生体内においてその60%は骨に、残りは筋肉やその他の軟組織に存在し、酵素の調節作用、エネルギー産生作用、タンパク質合成調節作用等を有しており、マグネシウムの摂取が不足すると臓器において重大な症候性の変化が生じることが示唆されている。我が国においても、出納試験の結果等から、1989年の「第4次改定 日本人の栄養所要量」からは、成人の摂取目標量が 300mg/日と設定された。しかし、日本人成人の実際のマグネシウム摂取量は250mg/日程度であるといわれており、マグネシウムの摂取は不足していると考えられる。また、アルコールや精神的なストレスにより、マグネシウムの尿中排泄が増大することが知られており、現代ストレス社会におけるマグネシウムの損失が危惧されている。
【0003】また、マグネシウム代謝はカルシウム代謝と密接な関係を有することが知られている。マグネシウムが不足するとカルシウム代謝のバランスが崩れ、カルシウムが軟組織に沈着し動脈硬化症や腎臓結石につながる。また、カルシウムの摂取量が増大するとマグネシウムの腸管吸収が抑制され、体内のマグネシウム濃度を維持するために骨中に貯蔵されていたマグネシウムが遊離する。
【0004】一方、従来より、カルシウムを多く含む食品として、牛乳が注目されてきた。しかし、牛乳はカルシウムを多く含んでおり栄養価も高いものの、そのマグネシウム含量は約10mg/100ml であり、必ずしもマグネシウムを多く含んだ食品とはいえない。従って、カルシウムとマグネシウムを同時に多く含む食品の一つとして、もともとカルシウムを多く含む牛乳を原料としてマグネシウムが強化された乳飲料が求められていた。さらに、清涼飲料水やジュース等の各種飲料においてもカルシウムやマグネシウムの強化された製品が求められている。
【0005】従来よりマグネシウムを含む食品添加物として、塩化マグネシウムや硫酸マグネシウム等の無機塩が使用されている。しかし、無機のマグネシウム塩は苦味を呈するため、マグネシウム補強剤としての利用上は必ずしも好ましいものとはいえない。さらに、牛乳に塩化マグネシウムや硫酸マグネシウムを添加するとタンパク質の凝固が生じる等の欠点があった。また、近年では、穀類果皮由来のマグネシウム(特開平7- 87930号公報)やマグネシウム含有量を増加したミルクカゼイン(特開平8- 84562号公報)等の天然物由来のマグネシウムが開発されているが、風味の点では改善が認められるものの、マグネシウム含有量が低く、製造コストも高いため、マグネシウムの補給という点で必ずしも充分とはいえない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の問題点に鑑み、呈味性が良好で、しかも牛乳や清涼飲料水、ジュース等の各種飲料に添加した際に沈澱の生じないマグネシウムを提供することを目的とし、検討を重ねた結果、微粉化された難溶性又は不溶性マグネシウム塩と乳化剤が水に分散しているマグネシウムエマルジョンが前記目的に合致することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明のマグネシウムエマルジョンは、平均粒子径が 0.7μm 以下であり、乳化剤と共に水に分散した状態に調製する。このようにして調製されたマグネシウムエマルジョンは、乳化状態が極めて安定であり、飲料への適性が非常に高いという特徴を有する。
【0008】本発明のマグネシウムエマルジョンは、難溶性又は不溶性マグネシウムを水に分散させ、その状態で高圧で壁面に衝突させて平均粒子径が 0.7μm 以下になるまで微粉化し、この微粉化マグネシウムに乳化剤を加えて分散させることにより製造できる。また、本発明のマグネシウムエマルジョンは、難溶性又は不溶性マグネシウムの水分散液に乳化剤を添加した後、高圧で壁面に衝突させて平均粒子径が 0.7μm 以下になるまで微粉化することによっても製造できる。
【0009】本発明のマグネシウムエマルジョンの製造に用いることのできる難溶性又は不溶性マグネシウムとしては、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウムカルシウム、リン酸水素マグネシウム又はこれらの中のいずれかを主成分とする天然物由来マグネシウム等が適している。天然物由来マグネシウムとしては、例えば、炭酸マグネシウムカルシウムを主成分とするドロマイト、炭酸マグネシウムと炭酸カルシウムを主成分とする珊瑚由来ミネラル等が挙げられる。また、本発明で用いる乳化剤としては、生体への安全性が高く、かつ分散安定性の良好な糖脂肪酸エステルが望ましい。このような糖脂肪酸エステルとしては、例えば、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル等が挙げられる。
【0010】前記製造方法において、用いる難溶性又は不溶性マグネシウム及び乳化剤の量に特に制限はないが、好ましくは、微粉化マグネシウム塩粒子5〜20重量%と、0.1〜5重量%の乳化剤とが水に分散した状態となるように調製する。ここで、微粉化マグネシウム塩の存在量を5〜20重量%とするのは、5重量%未満では、食品に添加するマグネシウム塩の添加量を多くできないからであり、20重量%を越えると、長期間マグネシウム塩を安定して分散させることができないからである。また、乳化剤の存在量を 0.1〜5重量%とするのは、5重量%を越えると食味が悪くなると共に、乳化剤の無駄が多くなるからであり、 0.1重量%より少ないと長期間マグネシウム塩が安定して分散していることができないからである。
【0011】次いで、このように調製された難溶性又は不溶性マグネシウムの分散液を、高圧で壁面に衝突させて微粉化する。この微粉化の方法としては、ロールミル、ボールミル、高圧ホモジナイザー等の公知の粉砕機を使用して行うことができるが、高圧ホモジナイザーを用いると分散微粒子化の処理効率が高く好ましい。なお、前記高速ホモジナイザー処理における圧力は、マグネシウム塩の微粒子化や分散の安定性を考慮に入れ、 100〜1,000kgf/cm2の範囲とすることが好ましく、 300〜600kgf/cm2の範囲が特に好ましい。
【0012】上記のようにして得られたマグネシウムエマルジョンは、飲料に添加して容易に分散させることができ、長期間の保存後でも沈澱することがない。本発明のマグネシウムエマルジョンは良好な分散安定性を有するため、飲料への分散は、公知のいかなる技術を用いて行っても良く、例えば、通常用いられている撹拌混合槽等を用いて飲料に分散させることが可能である。ここで、マグネシウムエマルジョンの飲料への添加量は、日本人のマグネシウム摂取量の不足分を考慮に入れ、飲料100gに対するマグネシウムの添加量を5〜200mg の範囲とすることが望ましい。以下、実施例及び試験例を示して本発明を詳細に説明する。
【0013】
【実施例1】乳化剤としてショ糖ステアリン酸エステル(商品名:リョートーシュガーエステル、三菱化学フーズ製)を、65℃に保持した温水に15分間保持して溶解し、6重量%となるように水溶液を調製した後、冷却した。次いで、炭酸マグネシウム(富田製薬製)と前記で調製したショ糖脂肪酸エステル水溶液とを、分散液中の炭酸マグネシウムの濃度が15重量%、ショ糖脂肪酸エステルの濃度が 1.5重量%になるように混合して、炭酸マグネシウムを含有する分散液を得た。次いで、前記の操作で得られた炭酸マグネシウムを含有する分散液を、高圧ホモジナイザーにより微粉化した。圧力は400kgf/cm2となるように調整した。得られた微粉化炭酸マグネシウムの平均粒径は、電子顕微鏡写真観察により測定したところ、 0.3μm であった。このマグネシウムエマルジョンをポリエチレン容器に詰めて保管し、炭酸マグネシウムの沈澱の発生の状態を観察した。その結果、2週間経過した後も沈澱が見られなかった。なお、このマグネシウムエマルジョン中のマグネシウム含量は 4.1重量%であった。
【0014】
【実施例2】乳化剤としてショ糖脂肪酸エステル(商品名:DKエステルF−160、第一工業製薬製)を、65℃に保持した温水に15分間保持して溶解し、6重量%となるように水溶液を調製した後、冷却した。次いで、ドロマイト(協和ハイフーズ製)と前記で調製したショ糖脂肪酸エステル水溶液とを、分散液中のドロマイトの濃度が15重量%、ショ糖脂肪酸エステルの濃度が 1.5重量%になるように混合して、ドロマイトを含有する分散液を得た。次いで、前記の操作で得られたドロマイトを含有する分散液を、高圧ホモジナイザーにより微粉化した。圧力は450kgf/cm2となるように調整した。得られた微粉化ドロマイトの平均粒径は、電子顕微鏡写真観察により測定したところ、 0.4μm であった。このマグネシウムエマルジョンをポリエチレン容器に詰めて保管し、ドロマイトの沈澱の発生の状態を観察した。その結果、2週間経過した後も沈澱が見られなかった。なお、このマグネシウムエマルジョン中のマグネシウム含量は 1.9重量%であった。
【0015】
【実施例3】乳化剤としてショ糖ステアリン酸エステル(商品名:リョートーシュガーエステル、三菱化学フーズ製)を、65℃の温水中に15分間保持して溶解し、6重量%となるように水溶液を調製した後、冷却した。次いで、酸化マグネシウムと前記で調製したショ糖ステアリン酸エステル水溶液とを、分散液中の酸化マグネシウムの濃度が10重量%、ショ糖ステアリン酸エステルの濃度が1重量%になるように混合して、酸化マグネシウムを含有する分散液を得た。次いで、前記の操作で得られた酸化マグネシウムを含有する分散液を、高圧ホモジナイザーにより微粉化した。圧力は350kgf/cm2となるように調整した。得られた微粉化酸化マグネシウムの平均粒径は、電子顕微鏡写真観察により測定したところ、 0.2μm であった。このマグネシウムエマルジョンをポリエチレン容器に詰めて保管し、酸化マグネシウムの沈澱の発生の状態を観察した。その結果、2週間経過した後も沈澱が見られなかった。なお、このマグネシウムエマルジョン中のマグネシウム含量は 5.9重量%であった。
【0016】
【実施例4】乳化剤としてショ糖脂肪酸エステル(商品名:DKエステルF−160、第一工業製薬製)を、65℃の温水中に15分間保持して溶解し、6重量%となるように水溶液を調製した後、冷却した。次いで、珊瑚由来マグネシウム(商品名:SMP−500、マリーンバイオ製)と前記で調製したショ糖脂肪酸エステル水溶液とを、分散液中の珊瑚由来マグネシウムの濃度が18重量%、ショ糖脂肪酸エステルの濃度が2重量%になるように混合して、珊瑚由来マグネシウムを含有する分散液を得た。次いで、前記の操作で得られた珊瑚由来マグネシウムを含有する分散液を、高圧ホモジナイザーにより微粉化した。圧力は450kgf/cm2となるように調整した。得られた微粉化珊瑚由来マグネシウムの平均粒径は、電子顕微鏡写真観察により測定したところ、 0.2μm であった。このマグネシウムエマルジョンをポリエチレン容器に詰めて保管し、珊瑚由来マグネシウムの沈澱の発生の状態を観察した。その結果、2週間経過した後も沈澱が見られなかった。なお、このマグネシウムエマルジョン中のマグネシウム含量は 1.8重量%であった。
【0017】
【実施例5】乳化剤としてショ糖脂肪酸エステル(商品名:DKエステルF−160、第一工業製薬製)を、65℃に保持した温水に15分間保持して溶解し、6重量%となるように水溶液を調製した後、冷却した。次いで、リン酸水素マグネシウム(3水和物)と前記で調製したショ糖脂肪酸エステル水溶液とを、分散液中のリン酸水素マグネシウムの濃度が20重量%、ショ糖脂肪酸エステルの濃度が2重量%になるように混合して、リン酸水素マグネシウムを含有する分散液を得た。次いで、前記の操作で得られたリン酸水素マグネシウムを含有する分散液を、高圧ホモジナイザーにより微粉化した。圧力は450kgf/cm2となるように調整した。得られた微粉化リン酸水素マグネシウムの平均粒径は、電子顕微鏡写真観察により測定したところ、 0.3μm であった。このマグネシウムエマルジョンをポリエチレン容器に詰めて保管し、リン酸水素マグネシウムの沈澱の発生の状態を観察した。その結果、2週間経過した後も沈澱が見られなかった。なお、このマグネシウムエマルジョン中のマグネシウム含量は 2.7重量%であった。
【0018】
【試験例1】上記実施例1〜5で製造したマグネシウムエマルジョンを、マグネシウム含量が 50mg/100gとなるように生乳に添加し、150kgf/cm2で均質処理を行い、プレート殺菌機を用いて 130℃、2秒間殺菌し、マグネシウム強化乳飲料を製造した。得られたマグネシウム強化乳飲料について、官能評価及び製造1週間後のマグネシウムの沈澱の発生の状態の観察を行った。また、対照として、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムを、マグネシウム含量が 50mg/100gとなるようにそれぞれ生乳に溶解して同様に処理したものを製造し、同様に評価した。官能評価は、専門パネル20人による4段階の評価点で行った。評価点は、苦味、収斂味に関しては、0点:全く感じない、1点:僅かに感じる、2点:やや感じる、3点:かなり感じる、として評価した。また、全体の好ましさは、0点:好ましい、1点:やや好ましい、2点:やや好ましくない、3点:好ましくない、として評価した。その結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
─────────────────────────────────── 苦味 収斂味 全体の好ましさ ─────────────────────────────────── 実施例1添加乳 0.55±0.61a 0.95±0.61a 0.65±0.49a 実施例2添加乳 0.65±0.59a 0.70±0.47a 0.95±0.39a 実施例3添加乳 0.70±0.66a 0.80±0.52a 0.90±0.64a 実施例4添加乳 0.70±0.57a 0.70±0.57a 0.80±0.52a 実施例5添加乳 0.95±0.95a 0.65±0.75a 0.75±0.72a 塩化マグネシウム添加乳 2.80±0.41b 2.85±0.37b 2.65±0.49b 硫酸マグネシウム添加乳 2.65±0.49b 2.75±0.44b 2.85±0.37b ─────────────────────────────────── 数値は平均値±SD a,b のラベルが異なる試料間に有意差あり(p<0.05)【0020】表1の結果より、実施例1〜5の添加乳は苦味、収斂味共、殆どせず、全体的に好ましいことが示された。
【0021】一方、製造1週間後のマグネシウムの沈澱生成およびタンパク質の凝集について評価した。その結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
─────────────────────────────────── マグネシウム塩の沈澱 タンパク質の凝集 ─────────────────────────────────── 実施例1添加乳 なし なし 実施例2添加乳 なし なし 実施例3添加乳 なし なし 実施例4添加乳 なし なし 実施例5添加乳 なし なし 塩化マグネシウム添加乳 なし あり 硫酸マグネシウム添加乳 なし あり───────────────────────────────────【0023】表2の結果より、実施例1〜5のマグネシウム添加乳は、マグネシウムの沈澱やタンパク質の凝集が認められず、乳化状態が安定であることが認められた。
【0024】
【試験例2】上記実施例1〜5で製造したマグネシウムエマルジョンをマグネシウム含量が100mg/100gとなるように水に添加し、さらに混合異性化糖15重量%、果汁10重量%、香料5重量%を添加し、容器に充填後、加熱殺菌して、マグネシウム強化清涼飲料を製造した。得られたマグネシウム強化飲料について、試験例1と同様に官能評価及び製造1週間後のマグネシウムの沈澱の発生の状態の観察を行った。また、対照として、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムを、マグネシウム含量が100mg/100gとなるようにそれぞれ水に溶解して同様に処理した清涼飲料を製造し、同様に評価した。官能評価の結果を表3に示す。
【0025】
【表3】
─────────────────────────────────── 苦味 収斂味 全体の好ましさ─────────────────────────────────── 実施例1添加飲料 0.80±0.62a 1.15±0.59a 0.90±0.55a 実施例2添加飲料 0.90±0.55a 1.00±0.65a 1.05±0.61a 実施例3添加飲料 0.95±0.76a 1.05±0.69a 1.10±0.55a 実施例4添加飲料 1.05±0.76a 0.95±0.69a 1.00±0.69a 実施例5添加飲料 1.20±0.89a 1.05±0.69a 1.05±0.69a 塩化マグネシウム添加飲料 2.90±0.31b 2.90±0.31b 2.90±0.31b 硫酸マグネシウム添加飲料 2.75±0.55b 2.90±0.31b 2.85±0.37b ─────────────────────────────────── 数値は平均値±SD a,b のラベルが異なる試料間に有意差あり(p<0.05)【0026】表3の結果より、実施例1〜5の飲料は苦味、収斂味共、殆どせず、全体的に好ましいことが示された。
【0027】一方、製造1週間後のマグネシウムの沈澱生成について評価した。その結果、実施例1〜5のマグネシウム強化飲料は、マグネシウムの沈澱が認められず、乳化状態が安定であることが認められた。
【0028】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明により、平均粒子径が 0.7μm 以下であり、難溶性又は不溶性マグネシウム塩と乳化剤とが水に分散した状態のマグネシウムエマルジョンを提供できる。本発明のマグネシウムエマルジョンは、分散状態を良好に保持でき、製造が簡単で、かつ使用が容易なマグネシウムエマルジョンである。すなわち、本発明のマグネシウムエマルジョンは、乳化状態が安定で、かつ凝集し難く、液状で保存ができ、かつそのままの状態で容易に各種飲料に添加・分散できるので、マグネシウム強化飲料等を製造する際に非常に有用である。
【出願人】 【識別番号】000006699
【氏名又は名称】雪印乳業株式会社
【出願日】 平成10年9月29日(1998.9.29)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−102365(P2000−102365A)
【公開日】 平成12年4月11日(2000.4.11)
【出願番号】 特願平10−275618