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【発明の名称】 食品添加物及びこれを含有する食品組成物
【発明者】 【氏名】佐倉 義幸

【氏名】林 広弥

【氏名】山崎 実

【氏名】桜井 勝清

【要約】 【課題】より美容効果に優れた機能性食品を提供し得る鍵となる食用成分を見出し、この食用成分が食品添加物として添加された、体調調整機能を伴うことは勿論のこと、特に美容効果に優れる機能性食品として好適な食品を提供すること。

【解決手段】重量平均分子量が10,000〜500,000 のヒアルロン酸を含有する、好ましくは、高温・高圧処理を施した鶏冠の蛋白分解酵素消化物からなる、食品添加物及びこの食品添加物を含有する食品組成物は、ヒアルロン酸の腸管吸収性に優れ、その摂取により優れた便秘解消等の体調調整機能や美肌効果等を発揮し得ることを見出し、上記の課題を解決した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】重量平均分子量が10,000〜500,000 のヒアルロン酸を含有する、ヒアルロン酸の腸管吸収性が向上した食品添加物。
【請求項2】鶏冠の蛋白分解酵素消化物からなる、請求項1記載の食品添加物。
【請求項3】少なくとも下記の工程を含む製造方法により製造される、請求項2記載の食品添加物:工程1:鶏冠を蛋白分解酵素で消化し、この消化物を取得する工程;
工程2:工程1で得られた鶏冠の蛋白分解酵素消化物を高温・高圧処理し、この処理物を取得して、上記食品添加物とする工程。
【請求項4】高温・高圧処理がオートクレーブ処理である、請求項3記載の食品添加物。
【請求項5】請求項1乃至4のいずれかの請求項記載の食品添加物を含有する食品組成物。
【請求項6】少なくとも下記の工程を含む請求項2記載の食品添加物の製造方法:工程1:鶏冠を蛋白分解酵素で消化し、この消化物を取得する工程;
工程2:工程1で得られた鶏冠の蛋白分解酵素消化物を高温・高圧処理し、この処理物を取得して、上記食品添加物とする工程。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品に関する技術分野の発明である。より具体的には、主に機能性食品における添加物及びこの添加物を含有する食品組成物に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】近年の健康ブームにより、様々な体調調整機能を有する特定保健用食品、特別用途食品等(いわゆる機能性食品)が提供されている。かかる食品における体調調整機能には、ダイエット機能や便秘解消機能等の、使用者の健康と共に美容に大きく係わる機能が数多く認められる。このような機能性食品の体調調整機能のうち、さらに美容に深く係わる機能が付加されている機能性食品も提供されつつある。
【0003】
【発明が解決すべき課題】機能性食品を開発するにあたって、最も重要なことは、食用に耐え得る程に安全性に優れ、かつ、優れた効果を有する食用成分を見出すことであることは言うまでもない。
【0004】本発明において解決すべき課題は、より美容効果に優れた機能性食品を提供し得る鍵となる食用成分を見出し、この食用成分が食品添加物として添加された、体調調整機能を伴うことは勿論のこと、特に美容効果において優れる機能性食品として好適な食品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この特に美容効果に優れた機能性食品として好適な食品を提供するための鍵となる成分を見出すために、鋭意検討を重ねた。その結果、現在、医薬の分野や化粧品の分野で用いられている酸性ムコ多糖(グリコサミノグリカン)の一種であるヒアルロン酸のうち、特に低分子のものを選択して食品の成分とすることにより、美肌や便秘解消等として現れる体調調整機能や美容効果に優れる、機能性食品として好適な食品が提供され得ることを見出し、本発明を完成した。
【0006】ヒアルロン酸には、その物理的・生理的作用として、(a) 細胞外液の電解質と水分の調節作用, (b)瘢痕形成抑制作用,(c) 潤滑作用,(d) 保水作用,(e) 粘弾性等が認められ、これらの作用に着目した、ヒアルロン酸を有効成分とする整形外科や眼科領域における医薬品や、ヒアルロン酸を配合した化粧料が、既に提供されている。
【0007】すなわち、皮膚や関節の老化または病的状態により細胞機能が低下してくると、生体ヒアルロン酸量は減少し、その結果、皮膚の乾燥、肌荒れ、ハリ、弾力性の減少、シミ、シワの増加、あるいは関節の湿潤性悪化による関節痛等を引き起こす。そして、このような状態を改善すべく、皮膚にヒアルロン酸や自然保湿因子等の生体成分を配合した化粧料を塗布したり、関節に直接ヒアルロン酸を注入する等の方法がとられている。
【0008】本発明者は、このような優れた作用を有するヒアルロン酸を、食品添加物として用いることにより、体調調整機能だけではなく、特に、美肌作用等が認められる美容目的を達成し得る機能性食品として好適な食品を提供し得ることに想到した。
【0009】しかしながら、従来の医薬品や化粧品等の用途において用いられているヒアルロン酸は高分子量であるため、経口摂取しても、腸管吸収させることが困難であると考えられる。つまり、従来から上記の分野において用いられているヒアルロン酸を、そのまま食品添加物として用いても、これを添加した機能性食品に、生体内部からの根本的な改善効果、例えば、体調調整機能や美肌効果等を期待することができなかった。
【0010】また、従来から上記の分野において用いられているヒアルロン酸は、医薬品や化粧品に配合することを目的として製造されているために、高度に精製されており、食品添加物として用いるには高価に過ぎることは否めない。
【0011】そこで、本発明者は、腸管吸収性が向上したヒアルロン酸の供給源として、例えば、食用に供され、かつ、入手が比較的容易なニワトリ等の体の一部である「鶏冠」を選択し、さらに、この中に含まれるヒアルロン酸を低分子化する手段を施し、これを食品添加物とすることにより、上記の課題を解決することを見出した。
【0012】すなわち、本発明は、重量平均分子量が10,000〜500,000 のヒアルロン酸を含有する、ヒアルロン酸の腸管吸収性が向上した食品添加物(以下、本発明食品添加物ともいう)、好ましくは高温・高圧処理を施した鶏冠の蛋白分解酵素消化物からなる本発明食品添加物、及びこの本発明食品添加物を含有する食品組成物(以下、本発明食品組成物ともいう)を提供する発明である。
【0013】また、本発明食品添加物は、好ましくは、少なくとも下記の工程を含む製造方法(以下、本発明製造方法ともいう)により製造される食品添加物である。
工程1:鶏冠を蛋白分解酵素で消化し、この消化物を取得する工程。
工程2:工程1で得られた鶏冠の蛋白分解酵素消化物に、オートクレーブ処理等の高温・高圧処理を施し、この処理物を取得して、上記食品添加物とする工程。
【0014】なお、本発明において、「鶏冠」とは、ニワトリ等ある種のキジ目の鳥の頭上にある肉質の突起を意味するものである。
【0015】また、本発明において「食品」とは、食物として摂取し得るものを意味し、固形物や液状物等、その具体的な形態を問う概念ではない。
【0016】ここで、本発明の内容に最も近いと思われる先行技術について説明する。特開平5−111367号公報には、蛋白質分解酵素で酵素分解してペプタイド状にした蛋白質とヒアルロン酸を有する食品が記載されており、その製法として、鳥の鶏冠を蛋白質分解酵素で分解する方法を含む工程が記載されている。しかしながら、ヒアルロン酸の重量平均分子量を、10,000〜500,000 に調節して、ヒアルロン酸の腸管吸収性を高めた食品添加物や、鶏冠の蛋白分解酵素消化物の高温・高圧処理について、この公報中には、何らの記載も示唆もなされていない。
【0017】また、特開平3−35774号公報には、動物性粘性物質を添加してなる飲食物が記載されており、その起源として鶏冠が例示されている。また、この粘性物質の調製法として、軟骨を用い、これをアルカリ存在下で蒸煮して加水分解する方法が記載されている。さらに、この調製法により、ヒアルロン酸を約1%含有する粘性物質(おおよその分子量20,000〜100,000 )製造された旨が記載されている。しかしながら、ヒアルロン酸の重量平均分子量を10,000〜500,000 に調節して、ヒアルロン酸の腸管吸収性を高めた食品添加物や、鶏冠の高温・高圧処理については、何らの記載も示唆もされていない。
【0018】また、特開昭61−47418号公報には、コンドロイチン硫酸・ヒアルロン酸含有健康増進・維持剤について記載されており、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、レシチン及び大豆等の蛋白質を含有する組成物が記載されている。また、原料として鳥類の鶏冠等が例示されており、酵素法、オートクレーブ法等の方法による抽出についても例示されている。しかしながら、ヒアルロン酸の重量平均分子量を10,000〜500,000 に調節して、ヒアルロン酸の腸管吸収性を向上させた食品添加物や、鶏冠の蛋白分解酵素消化物を高温・高圧処理することによって、この食品添加物を製造することについては、何らの記載も示唆も認められない。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。上述のように、本発明食品添加物は、重量平均分子量が10,000〜500,000 、好ましくは同10,000〜100,000 、より好ましくは同60,000〜80,000であるヒアルロン酸を含有する、ヒアルロン酸の腸管吸収性が向上した食品添加物であり、好適には、鶏冠の蛋白分解酵素消化物からなり、かつ、この消化物に含まれるヒアルロン酸の重量平均分子量が、上記の重量平均分子量である食品添加物である。
【0020】本発明食品添加物として用いられる、腸管吸収性が向上したヒアルロン酸を含む素材は、特に限定されるものではないが、その安全性と経済性を鑑みると、ヒアルロン酸を非常に豊富に含有し、かつ、食用可能な、鳥類の「鶏冠」を選択することが好ましい。この「鶏冠」の供給源となる鳥類は、上述のようにある種のキジ目に属する鳥類であり、ニワトリに限定されるものではないが、その入手の圧倒的な容易性を鑑みると、ニワトリを鶏冠の供給源とすることが好ましい。
【0021】この鶏冠には、ヒアルロン酸が非常に豊富に含まれているが、その重量平均分子量は、100万〜200万という高分子量であり、これをそのまま経口摂取しても、腸管吸収は殆どなされない。
【0022】しかしながら、本発明においては、鶏冠を蛋白分解酵素で消化処理して、この消化物に、さらに高温・高圧処理を施すことによって、上記の高分子量のヒアルロン酸を低分子化することができる。
【0023】上記の蛋白分解酵素による消化処理を行う前提として、鶏冠に対して公知の前処理を施すことが好ましい。この前処理は、一般的な動物組織処理と同様に、例えば、鶏冠を水に浸し、可能な限り血液を除去し、一旦、熱水で煮沸する等により完了することができる。この前処理により、次の工程における蛋白分解酵素による消化処理を容易に行うことができる。
【0024】このように、好ましくは上述のような前処理を施した鶏冠に、蛋白分解酵素を作用させることにより、所望する鶏冠の蛋白分解酵素による消化物を得ることができる。
【0025】この蛋白分解酵素処理工程において用いられ得る蛋白分解酵素は、通常公知の蛋白分解酵素を、単独で又は組み合わせて用いることができる。かかる蛋白分解酵素としては、例えば、プロナーゼ、アクチナーゼ、サモアーゼ、ペプシン、トリプシン等を例示することが可能であるが、基質特異性ができる限り広い蛋白分解酵素を選択することが好ましい。この点において、上記のプロナーゼ、アクチナーゼ、サモアーゼは、基質特異性が広く、かつ、市販もされており、入手が比較的容易であるという点において、本発明製造方法における蛋白分解酵素処理工程において選択するのに好ましい蛋白分解酵素である。
【0026】また、上記の蛋白分解酵素処理工程においては、選択した蛋白分解酵素の至適条件において、消化処理を進行させることが好ましいことは勿論である。より具体的には、選択した蛋白分解酵素の性質に応じた、温度設定、pH設定等を行うことが好ましい。
【0027】このようにして、蛋白分解処理工程を経た鶏冠の消化物において、元来の蛋白質は、アミノ酸やペプチドに分解され、組織からヒアルロン酸をほぼ完全に分離することが可能であり、後述する鶏冠中のヒアルロン酸の低分子化処理の効率を向上させることができる。かかる蛋白質処理工程は、効率的に鶏冠のヒアルロン酸を抽出し、低分子化することを可能にするために必須の工程である。
【0028】本発明製造方法においては、この蛋白分解酵素処理工程に次いで、上述のように、ヒアルロン酸の低分子化工程を行うことが必要である。上記の蛋白分解酵素処理工程が終了した時点においても、鶏冠の消化処理物におけるヒアルロン酸の重量平均分子量は、100万〜200万であり、既報(特公昭60-9042 号公報、特公昭61-21241号公報)通り、この時点においては、ヒアルロン酸の低分子化は起こっていない。
【0029】ヒアルロン酸の低分子化手段としては、酸処理、アルカリ処理又はヒアルロニダーゼ等の特定の酵素処理等が既に知られている。しかしながら、これらの低分子化処理工程においては、本品に多くの塩が混入したり、着色したり、さらにはヒアルロン酸の分子量を一定の分子量にコントロールしにくい等の問題が認められる。
【0030】本発明製造方法においては、このヒアルロン酸の低分子化手段として、高温・高圧処理を選択することにより、ヒアルロン酸の分子量を調節することが容易である等、上記の他の手段によるヒアルロン酸の低分子化工程における不都合を回避することが可能になる。また、高温・高圧処理を施すことにより、滅菌処理を同時に行うことができる(上記の高温・高圧処理以外の方法を選択する場合には、別個に滅菌処理を行う必要がある)。
【0031】かかる高温・高圧処理の条件は、処理する鶏冠の消化物の量や濃度等に応じて適宜選択するべきものであり、特に限定されるものではないが、概ね、処理温度が110〜130℃、処理圧力が1〜2kg/cm2、処理時間が10〜600分程度が好ましい。これらの条件よりも処理条件が過酷であると、ヒアルロン酸が過度に分解して、目的とする重量平均分子量よりも低分子化する傾向や着色する傾向が強くなり好ましくなくなる場合が多く、逆にこれらの条件よりも緩和した条件であると、ヒアルロン酸の低分子化が十分に進行しない傾向が強くなり好ましくなくなる場合が多い。
【0032】また、この高温・高圧処理を、鶏冠の消化物に施す具体的な手段は、所望する高温・高圧処理条件を与え得る手段であれば特に限定されず、例えば、オートクレーブ処理、圧力窯処理等を選択することができるが、条件設定が容易である点や装置の取扱いが比較的簡単である点、大量処理が容易である点等を鑑みるとオートクレーブ処理を選択することが好ましい。このようにして、上記の蛋白分解酵素処理によって得られた、鶏冠の消化物におけるヒアルロン酸の低分子化処理工程を完了することができる。
【0033】好ましくは、これらの2工程(蛋白分解酵素工程及びヒアルロン酸低分子化工程)を少なくとも含む工程によって鶏冠を処理することにより得られる、含有されるヒアルロン酸の重量平均分子量が、10,000〜500,000 、好適には同10,000〜100,000 、より好適には同60,000〜80,000である生成物が、本発明食品添加物である。そして、かかる本発明食品添加物を製造する、この2工程を少なくとも含む製造方法が、本発明製造方法である。なお、生成物中のヒアルロン酸の重量平均分子量は、通常公知の方法、例えば、ゲルクロマトグラフィー、粘度の測定等により容易に行うことができる。
【0034】上述のように、好適には、本発明製造方法によって得られる本発明食品添加物は、これをヒトが経口摂取した場合に、この添加物中に含まれるヒアルロン酸が容易に腸管吸収され、このヒアルロン酸の作用による、便秘解消等という形で現される体調調整機能や、美肌作用等が容易に発揮され得る。
【0035】本発明食品添加物は、後述するように、文字通り、食品組成物中に含有される「食品添加物」として用いることの他に、本発明食品添加物を、そのまま食品として用いることも可能である。
【0036】本発明食品添加物は、具体的に用いられる態様に応じて、通常食品において施される公知の処理、例えば、凍結乾燥処理、エタノール添加による沈澱法や噴霧乾燥等による粉末化処理、液状化処理等を施すことができる。また、本発明食品組成物の1日当り摂取量は、本発明食品組成物の安全性が非常に高度であるために、特に限定されるものではなく、任意に選択され得る。
【0037】本発明は、さらに上記の本発明食品添加物を含有する本発明食品組成物を提供する。本発明食品組成物における、本発明食品添加物の添加量は、本発明食品組成物の具体的な形態や目的等に応じて適宜選択されるべきものであり、特に限定されないが、ヒアルロン酸換算で、概ね組成物全体に対して0.5〜30.0重量%が好ましく、特に好ましくは、同1.0〜5.0重量%である。
【0038】この配合量が、ヒアルロン酸換算で組成物全体の0.5重量%未満であると、通常人が摂取する食品の量を勘案すると、期待される美肌効果、体調調整機能等を実質的に発揮させることが困難になり、好ましくなく、逆に、同30.0重量%を超えて配合すると、ヒアルロン酸の吸湿性が顕在化し、種々の加工がしづらくなる傾向が強くなる。しかしながら、ヒアルロン酸換算で組成物全体の30.0重量%を超えてヒアルロン酸を配合することは、本発明食品組成物の体調調整機能や美肌作用に何らの悪影響を与えるものではなく、かえって、これらの機能や作用を増強する場合もあることから、本発明は、同30.0重量%を超えるヒアルロン酸の配合を、何ら排除するものではない。
【0039】このようにして、経口摂取することで、本発明食品添加物に配合されているヒアルロン酸の作用により、便秘解消等という形で現される体調調整機能や、美肌作用等を容易に発揮し得る、本発明食品添加物を含有する本発明食品組成物が提供される。
【0040】本発明食品組成物においては、その所期の効果を妨げない限り、通常、食品において添加される、一般的成分、例えば、充填剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、調味剤、香料、甘味料、酸味料、食塩、各種栄養成分、防腐剤、着色剤、保存剤等を配合することが可能である。また、本発明食品組成物の採り得る形態は、特に限定されるものではなく、米飯、パン、麺、菓子、飲料、スープ、錠剤状食品、顆粒状食品、液状食品、カプセル状食品や、その他の形態を採ることが可能である。
【0041】なお、本発明食品組成物において、所望される体調調整機能や美肌効果等の一層の向上を図る等の理由から、現在、医薬品や化粧品において用いられているヒアルロン酸の精製品を添加することも可能である。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、かかる実施例により、本発明の技術的範囲が限定されるものではない。また、本実施例において配合量は、特に断わらない限り、配合される成分の配合される対象に対する重量%で表示される。
【0043】〔試験例〕分子量が異なるヒアルロン酸における腸管吸収試験14Cで標識したヒアルロン酸(重量平均分子量100 万)(14C-HA100と称する)と、14Cで標識したヒアルロン酸(重量平均分子量10万)(14C-HA10 と称する)を調製し、2mg/kgの割合でゾンデを使用して、体重2.6 〜2.8Kg の日本白色在来種ウサギ(雌)3匹ずつに強制的に経口投与した。投与後6時間に、頸動脈からできるだけ採血し、この血液から血清を分離した。この血清は、分析するまで-80 ℃で凍結保存した。
【0044】14C-HA100及び14C-HA10 はそれぞれ21.3kBq/mg dry wt.(576nCi/mg dry wt.) であった。なお、ウサギの回腸及び盲腸内容物からヒアルロン酸分解菌を3株分離し、Bacterroides属に属する菌株として同定した。これらの3株は、いずれも24時間で培地中のヒアルロン酸を完全に分解すること、6時間で低分子化は起こすがヒアルロン酸としてまだ確認されることが判明したので、上記の採血は、標識したヒアルロン酸の投与6時間後に行った。血清中の放射能の測定は、0.5mL の血清を20mLのハイオニックフロー(パッカードジャパン株式会社、東京)と混合し、37℃で24時間インキュベーションすることにより、化学発光を減衰させることにより行った。次に、放射能を液体シンチレーション計測器(トリカーブ4640、パッカードジャパン株式会社)で測定した。その結果を第1表に示す。
【0045】
第 1 表─────────────────────────────────── ヒアルロン酸 血清中放射能濃度(μg Eq.of 14C-HA/mL)
─────────────────────────────────── 14C-HA100 0.334 ± 0.028 14C-HA10 1.553 ± 0.123───────────────────────────────────【0046】この結果により、重量平均分子量が100万の高分子のヒアルロン酸は、容易に腸管吸収されないが、同分子量が10万の低分子のヒアルロン酸は、容易に腸管吸収されることが明らかになった。
【0047】〔実施例1〕本発明食品添加物の製造(1)
ニワトリの鶏冠15kgに、水30L を加え、30分煮沸した。その後、ミンチにかけてサモアーゼ(大和化成製)を30g 加えて、65℃で1晩、上記鶏冠に蛋白分解酵素であるサモアーゼによる消化処理を施した。得られた消化液の一部を採取し、濾過して、ゲルクロマトグラフィ〔カラム:TSK gel G6000PWXL(東ソー製)〕で、かかる消化液に含まれているヒアルロン酸の分子量を測定すると、重量平均分子量で、110万であった。
【0048】次いで、上記の消化液に対して、オートクレーブを用いて、121 ℃で1時間(1Kg/cm2)の高温・高圧処理を行った。かかる高温・高圧処理後、消化液中の不溶物を濾過して、得られた濾液をスプレードライで乾燥した。
【0049】このようにして得られた本発明食品添加物の内容を解析したところ、第2表に示す結果が得られた。なお、ヒアルロン酸含量の解析は、Bitter-Muir によるカルバゾール硫酸法で行った(Analytical Biochemistry 4, 330-334,1962)。
【0050】
第 2 表 ───────────────────────── 項目 結果 ───────────────────────── 収量 1800g pH 6.0 重金属 20ppm以下 砒素 2ppm以下 ヒアルロン酸含量 6.5% ヒアルロン酸重量平均分子量 60,000 ─────────────────────────【0051】〔実施例2〕本発明食品添加物の製造(2)
ニワトリの鶏冠15kgに、水30L を加え、30分煮沸した。その後、ミンチにかけてサモアーゼ(大和化成製)を30g 加えて、65℃で1晩消化した。次いで、この消化液をオートクレーブで、121 ℃で1時間の高温・高圧処理を行った。この高温・高圧処理後、消化液中の不溶物を濾過して、得られた濾液30L に、食塩3%を含むエタノール60L を添加して、沈澱を得た。この沈澱を遠心して、取り出し水5L に溶解後、エタノール22.5L を添加して白色沈澱を得た。この沈澱物を濾過して、減圧下で乾燥した。このようにして得られた本発明食品添加物の内容を解析したところ、第3表に示す結果が得られた。
【0052】
第 3 表 ───────────────────────── 項目 結果 ───────────────────────── 収量 150g pH 5.9 重金属 20ppm以下 砒素 2ppm以下 ヒアルロン酸含量 76.9% ヒアルロン酸重量平均分子量 80,000 ─────────────────────────【0053】これらの実施例の結果により、本発明食品添加物におけるヒアルロン酸の重量平均分子量は、10,000〜500,000 であり、上述の試験例の結果を鑑みると、本発明食品添加物を摂取した場合の、ヒアルロン酸の腸管吸収が良好であることは明らかである。
【0054】〔実施例3〕本発明食品組成物の製造例及びこれを用いたパネルテスト(1)本発明食品組成物の調製以下の内容の本発明食品組成物〔検体A,検体B及び検体C(対照)〕を調製した(各配合成分をそれぞれ混和後、これを常法により顆粒化し、これをカプセルに充填した)。
【0055】
■検体A 配合成分 配合量(mg) 実施例1で製造した本発明食品添加物 500 (ヒアルロン酸として30mg)
レシチン 200 大豆蛋白 800【0056】
■検体B 配合成分 配合量(mg) 実施例2で製造した本発明食品添加物 39 (ヒアルロン酸として30mg)
レシチン 292 大豆蛋白 1169【0057】
■検体C 配合成分 配合量(mg) レシチン 300 大豆蛋白 1200【0058】(2)パネルテスト本発明食品組成物が経口摂取された後、いかなる経過を経て美肌効果を示すことになるのかについての詳細は知られていない。しかしながら、この美肌効果には、少なくとも、第一に、体調調整機能(ヒアルロン酸の組織修復作用、鎮痛作用、保湿・保護作用等による便秘解消機能)が向上すること、第二に、ヒアルロン酸が体内で吸収され、血中に入ることによる細胞及び組織機能の活性化が大きく関与していることは確実視されている。そこで、これら2種類の作用について、上記の検体において、パネルテストを行った。
【0059】■便秘に関するパネルテスト便秘で苦しんでいる年齢18〜60歳の女性で、便通が週1回の人15人及び同週2回の人15人に、それぞれ1回当り1500mgの上記の検体を、1日に3回、連続7日間服用させた。その結果を、第4表に示す。
【0060】
第 4 表──────────────────────────────────── 週1回の人 週2回の人 ────────────────────────────── 検体A 検体B 検体C 検体A 検体B 検体C──────────────────────────────────── 5人 5人 5人 5人 5人 5人────────────────────────────────────改善*1 4 2 0 3 1 0────────────────────────────────────改良*2 1 2 1 1 2 0────────────────────────────────────変化なし 0 1 4 1 2 5──────────────────────────────────── 注)
*1:服用開始2〜3日目から毎日通じがある人 *2:服用開始3日目から隔日又は毎日通じのある人【0061】■美肌効果に関するパネルテスト上記の便秘に関するパネルテストを行った後、同じパネルに、同じ検体を、同じ服用条件で、引き続いて8週間摂食させた。この試験期間終了後、パネル全員に対してアンケート調査を試みた。その結果を、第5表に示す。
【0062】
第 5 表──────────────────────────────────── 肌の状態が良い 8人 肌の状態がやや良い 28人 変化なし 5人 わからない 4人────────────────────────────────────肌の状態が良いと回答したパネルと、肌の状態がやや良いと回答したパネルを合わせて、パネル全体の80%であった。
【0063】この実施例3の結果により、本発明食品組成物を摂取することにより、体内にヒアルロン酸が効率良く吸収され、かかるヒアルロン酸の作用により、便秘解消機能等の体調調整機能と、美肌機能が発揮されることが明らかになった。 また、この結果により、本発明食品添加物自体にも、同様の体調調整機能と、美肌機能が発揮されることは明らかである。
【0064】
【発明の効果】本発明により、ヒアルロン酸の腸管吸収が良好な、その摂取により優れた便秘解消等の体調調整機能や美肌効果等を発揮し得る食品添加物、及びこの食品添加物の製造方法、並びにこの食品添加物を含有する、美肌効果等を発揮し得る食品組成物が提供される。
【出願人】 【識別番号】000195524
【氏名又は名称】生化学工業株式会社
【出願日】 平成10年9月30日(1998.9.30)
【代理人】 【識別番号】100103160
【弁理士】
【氏名又は名称】志村 光春
【公開番号】 特開2000−102362(P2000−102362A)
【公開日】 平成12年4月11日(2000.4.11)
【出願番号】 特願平10−293038