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【発明の名称】 豆腐加工食品の製造法
【発明者】 【氏名】森川 誠司

【氏名】針本 順子

【氏名】片山 務

【要約】 【課題】本発明は、豆腐を主体とする生地を用いて、ソフトで滑らかな食感を持った豆腐加工食品とその製造法を提供することを課題とする。

【解決手段】豆腐を主体とする生地を表面が固化する程度に油中加熱、及び湿熱加熱する豆腐加工食品の製造法により、上記の課題を達成出来た。更に詳しくは、上記の方法で豆腐が、大豆たん白ペーストである製造法、或いは豆腐と大豆たん白ペーストの混合物である製造法、更にはそれらの生地中に具材を含ませるものである製造法など、広がりを合わせ持つものである。これにより、従来のがんもどき、厚揚げ等の豆腐加工食品に比べて、ソフトで滑らかな食感を持ち、かつ望めば具材を多種類・高含量に均一的に含ませることが出来て、消費者に新規で、より健康的な食品の提供の貢献が出来る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】豆腐を主体とする生地を、表面が固化する程度に油中加熱、及び湿熱加熱する豆腐加工食品の製造法。
【請求項2】豆腐が大豆たん白ペーストである請求項1に記載の製造法。
【請求項3】豆腐と大豆たん白ペーストを混合して得た生地から成る請求項1に記載の製造法。
【請求項4】生地中に具材を含む請求項1から請求項3のいずれかに記載の製造法。
【請求項5】生地中に具材を含む請求項1から請求項4のいずれかに記載の豆腐加工食品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、がんもどき等の豆腐加工食品を表面が固化する程度に油中加熱、及び湿熱加熱する製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】豆腐加工食品として、焼き豆腐、厚揚げ(別名:生揚げ)、油揚げ、がんもどき(別名:ひろうす)、凍り豆腐(別名:高野豆腐)等がある。これらの製造方法は、厚揚げは水切りした豆腐を素揚げして製造する。油揚げは、固めに作った豆腐を薄く切って水切りし低温と高温でフライして製造する。がんもどきは、水切りした木綿豆腐をすりつぶし、にんじん、椎茸等の具材を入れ卵、山芋でつないでフライして製造する。この中で、従来の厚揚げは、脱水した豆腐をフライしている為、固い食感の厚揚げだったが、最近では製造技術の進歩で柔らかい食感の絹厚揚げが多く市販されている。しかし、豆腐をフライしている為、具材入りでソフトで滑らかな厚揚げを製造するのは困難である。豆腐を製造する際、野菜等の具材を豆乳に入れることも可能だが、具材が豆腐の下部に片寄ってしまう等、問題点が多く現実的ではない。がんもどきは、水切りした木綿豆腐を原料として野菜などの具材と、卵、山芋等でつなぎ、フライして製造する。更に柔らかいがんもどきを製造する為に、絹ごし豆腐、或いは脱水していない木綿豆腐を原料とした場合は、フライの時に生地が散る(散るとは、生地の水分が高い為にフライ時に生地の水分が激しく蒸発する為、フライ油の中に生地から細片が離れたり、生地の表面に小さい不規則な凹凸が発生する等の現象の意味。以下、同様)という問題点などがある。
【0003】がんもどき等の豆腐加工食品に関する特許公報等は、数多く公開されている。主要な先願として特開平10−56976号公報は、植物性たん白、水及び油脂の乳化物にトランスグルタミナーゼを作用させ、歯ごたえのある畜肉様食感のがんもどき、豆腐ステーキに関するものである。一方、特開平8−154614号公報は、大豆たん白含有量が高いにも関わらず、食感が硬くないがんもどきの製造法についてである。更に、特公昭63−64185号公報は、具材を含む更紗豆腐の製造法についてである。しかし、これらの従来技術は、がんもどき生地を対象にした技術であり、本発明のがんもどき生地などを油中加熱、及び湿熱加熱するものとは異なる。
【0004】代表的な豆腐加工食品としてがんもどきがある。がんもどきは、水切りした木綿豆腐を原料として野菜などの具材と、卵、山芋等でつなぎ、フライして製造する。更に柔らかいがんもどきを製造する為に、絹ごし豆腐、或いは脱水していない木綿豆腐を原料とした場合は、フライの時に生地が散ったり、散りを防止する為にでん粉等の使用があるが、でん粉の糊状の食感が出て、問題がある。また、厚揚げの場合は、豆腐をフライしている為、具材入りでソフトで滑らかな厚揚げを製造するのは困難である。豆腐を製造する際、野菜等の具材を豆乳に入れることも可能だが、具材が豆腐の下部に片寄ってしまう等、問題点が多く現実的ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、豆腐を主体とする生地を用いて、ソフトで滑らかな食感を持った豆腐加工食品とその製造法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、豆腐を主体とする生地を、表面が固化する程度に油中加熱、及び湿熱加熱する豆腐加工食品の製造法である。更に詳しくは、上記の方法で豆腐が、大豆たん白ペーストである製造法、或いは豆腐と大豆たん白ペーストの混合物である製造法、更にはそれらの生地中に具材を含ませるものである製造法など、広がりを合わせ持つものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明すると 本発明における豆腐を主体とする生地を、表面が固化する程度に油中加熱、及び湿熱加熱する豆腐加工食品の製造法においては、ソフトで滑らかな食感を持った豆腐加工食品とその製造法を提供することに関する。
【0008】先ず、本発明の用語を説明する。豆腐は、木綿豆腐、絹ごし豆腐、ソフト豆腐、充てん豆腐、沖縄豆腐があるが、本願ではいずれの豆腐も使用することができる。大豆たん白とは、大豆、脱脂大豆から得られる大豆たん白質を高濃度(例えば乾物当たり50%以上)含む大豆たん白質含有素材などを言う。大豆たん白ペーストは、大豆たん白の2.5〜8重量倍、好ましくは3.2〜7重量倍、最も好ましくは3.7〜5.5重量倍の水に水和させた水和物、または適当な重量倍の油脂と乳化した乳化物である。具材とは、食用の原材料の中で有形の物を指し、植物性、動物性に限らない。例えば、5mm位に小さくカットしたにんじん、椎茸、ごま等、がんもどきの公知の具材はもちろんであるが、大きくカットした野菜等も使用可能である。更に例えば、10mmダイスにカットしたにんじん、かぼちゃ、いも、水浸漬した大豆、黒豆、生のえんどう豆、枝豆等も使用することができる。豆腐加工食品とは、豆腐を二次的に加工し、又は豆乳を凝固させて生地を作り加工したもので生揚げ、がんもどき、油揚げ等や、及び豆腐を主原料としてその他の各種の副原料、調味料等を加えて加工したもの等を指す。
【0009】油中加熱とは、60℃〜220℃、好ましくは100℃〜190℃の油脂の中で加熱することで、油脂の種類は大豆油、菜種油、米油、綿実油、サフラワー油等、いずれの食用油も使用することが出来る。また、かき揚げの製造でよく行われている油脂をシャワー方式で噴霧することも可能である。湿熱加熱とは、加熱水蒸気中または加熱水中など高い湿度のもとにて対象物を加熱することで、蒸気加熱式、蒸気吹き込み式、熱水噴霧式、熱水浸漬式、レトルト式、マイクロ波加熱式、電気抵抗加熱式など、多くの方法がある。より詳しくは例えば、雰囲気温度が60℃〜100℃、好ましくは80℃〜90℃になる様に水蒸気で加熱した中で、製品の芯温が一般生菌、大腸菌群の殺菌に必要な温度になるまで加熱することである。ただし、芯温が90℃を超えるような加熱は、品質の劣化を生じることがあるので注意を要する。また、加圧下で60℃〜120℃の蒸気で殺菌に必要な時間加熱することも可能である。一方、水蒸気の代わりに60℃〜100℃、好ましくは80℃〜90℃の湯中で製品の芯温が一般生菌、大腸菌群の殺菌に必要な温度になるまで加熱することも可能である。表面が固化する程度とは、大豆たん白、卵等のたん白質が凝固を始める60℃以上の温度で加熱することであり、油中加熱により表面を固化(凝固)させることである。
【0010】本発明につき、更に詳しく説明する。豆腐(水分60〜90%、好ましくは72〜86%)又は大豆たん白ペースト(粉末状大豆たん白に対して2.5〜8重量倍の加水、好ましくは3.2〜7重量倍の加水の水和物)、或いはその乳化物を主体とし、これに野菜等の具材を練り込み、公知のがんもどき等の製造法と同様に卵、山芋、でん粉等をつなぎとして加えて生地とする。この生地を成型後、油中で表面が固化する程度に加熱し、更に湿熱加熱で芯温を上げるものである。この油中加熱と湿熱加熱の先後の順序は何れでもよく、生地や具材の状態、目的の品質により選ぶことが出来る。公知のがんもどきの製造法では含水生地中に具材として20〜30重量%程度を加えるが、本発明の加熱方法であれば生地中に80重量%程度まで加えることができる。上記のがんもどきの生地を、例えば饅頭型の様な立方体の形状に成型し、油中加熱及び湿熱加熱して製造した厚揚げは、ソフトで滑らかな食感で具材がたくさん入った厚揚げを製造することが出来る。
【0011】
【実施例】以下、実施例により本発明の実施様態を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例にその技術範囲が限定されるものではない。
【0012】実施例1、比較例1A及び比較例1Bこれらの例では、がんもどきについて説明する。実施例1では市販の木綿豆腐を軽く水切りし700重量部(以下、実施例及び比較例で特に断らない場合は、部と表す)を得た。この豆腐をすり鉢で軽くすりつぶし、卵50部、食塩8部、砂糖6部、5mm位に細かくカットしたにんじん100部、水戻しして千切りした干し椎茸30部、黒ごま5部を加えすり合わせ、更にでん粉20部を加え混合して、生地を得た。この生地中の具材の割合は14.7重量%であった。非常に柔らかく成型し難いが、手のひらで1個約40gの饅頭型に成型し、170℃の大豆油で1分間フライした。更に90℃の蒸し庫で15分間加熱してがんもどきを調製した。このがんもどきの芯温は78℃であった。比較例1Aでは、実施例1と同様の生地を、170℃の大豆油で3分間フライした。このがんもどきの芯温は82℃であった。比較例1Bでは、実施例1と同様の生地を、従来の技術である油揚げ・がんもどきの加熱方法(油中加熱のみ)で低温フライ(表1に例示)及び高温フライ(表1に例示)を行った。このがんもどきの芯温は79℃であった。
【0013】
【表1】加熱方法及び調製条件─────────────────────────────────── 実施例1 比較例1A 比較例1B───────────────────────────────────加熱方法 油中加熱=フライ 油中加熱=フライ 170 ℃ 1分間 170 ℃3 分間 低温フライ 110℃ 6分間 湿熱加熱=蒸し 90℃15分間 無し 高温フライ 170℃ 1分間加熱後の芯温 78℃ 82℃ 79℃生地の水分 74% 74% 74%加熱後の生地の水分 72% 67% 68%───────────────────────────────────生地の水分%は、一般の乾燥減量法(105℃で4時間)による乾燥減量分の重量%である。以下の各実施例、各比較例の生地の水分の測定も、当方法によった。
【0014】加熱時の状態及び品質評価加熱時の状態と品質評価を表2に示した。なお、品質評価は熟練したパネラー8名により5点評価法で行い、その平均点を採った(柔らかさ・5点:柔らかい、3点:普通、1点:硬い)。以下の各実施例、各比較例の製品の品質評価も、当方法によった。
【表2】
─────────────────────────────────── 実施例1 比較例1A 比較例1B───────────────────────────────────フライ後の状態 がんもどきの表面 表面から激しく水 表面に水分が蒸発 に水分が蒸発した 分が蒸発し、表面 した跡が残る。実 跡が僅かに残る。 が荒れている。 施例1より多く、 比較例1Aより少 ない。
───────────────────────────────────品質評価(柔らかさ)4.6 4.0 4.0───────────────────────────────────実施例1のがんもどきはフライ時に水分が蒸発した跡がわずか残ったが、食感は柔らかく絹ごし豆腐で作った様な柔らかさであった。比較例1Aは、フライ時に激しく水分が蒸発し、表面がクレーター状に荒れており、食感は柔らかいが実施例1と比較すると硬かった。比較例1Bは、実施例1よりフライ時に水分が蒸発した跡が残ったが比較例1Aより少なかった。比較例1Bの食感は比較例1Aと同等であった。
【0015】実施例2及び比較例2実施例2及び比較例2では、大豆たん白ペーストで製造したがんもどきについて説明する。粉末状大豆たん白(不二製油株式会社製「ニューフジプロSE」)10部、大豆油15部、水50部をサイレントカッターで乳化し大豆たん白ペーストを調製した。更に全卵8部、食塩1部、砂糖2部を混合し、でん粉2部を加えてがんもどきのつなぎ88部を得た。ミキサーでこのつなぎに5mm位にカットしたにんじん25部、水戻しして千切りした干し椎茸5部、黒ごま1部を加え混合してがんもどき生地を得た。この生地中の具材の割合は26.1重量%であった。非常に柔らかく成型し難いが、手のひらで1個約40gの饅頭型に成型し、170℃の大豆油で1分間フライした。更に90℃の蒸し庫で15分間加熱してがんもどきを調製した。このがんもどきの芯温は76℃であった。比較例2では、実施例2の生地を同様に成型し、170℃の大豆油で3分間フライした。このがんもどきの芯温は78℃であった。
【0016】
【表3】加熱方法及び調製条件─────────────────────────────────── 実施例2 比較例2───────────────────────────────────加熱方法 油中加熱=フライ 170 ℃ 1分 170 ℃3 分 湿熱加熱=フライ 90℃15分 無し加熱後の芯温 76℃ 78℃ 生地の水分 69% 69%加熱後の生地の水分 68% 65%───────────────────────────────────【0017】加熱時の状態及び品質評価加熱時の状態と品質評価を表4に示した。
【表4】
─────────────────────────────────── 実施例2 比較例2───────────────────────────────────フライ後の状態 がんもどきの表面に水分が がんもどきの表面から激し 蒸発した跡がわずか残る く水分が蒸発し、表面が荒 れている。
───────────────────────────────────品質評価(柔らかさ) 4.4 3.3 ───────────────────────────────────実施例2のがんもどきはフライ時に水分が蒸発した跡がわずか残ったが、食感は柔らかく絹ごし豆腐で作った様な柔らかさで滑らかさがあった。比較例2は、フライ時に激しく水分が蒸発し、表面の生地が油中に散っていた。食感は柔らかいが実施例2と比較すると硬かった。
【0018】実施例3及び比較例3実施例3及び比較例3では、公知のがんもどき生地で調製したがんもどきについて説明する。実施例3は市販の木綿豆腐1200部をガーゼに包み、更に重しを乗せて水切りし、脱水した木綿豆腐700部を得た。この脱水した木綿豆腐700部を使用して、成型後の加熱方法の油中加熱(フライ)と湿熱加熱(蒸し)の順序を逆にした以外は実施例1と同様の製法でがんもどきを調製した。このがんもどきの芯温は77℃であった。加熱前の生地中の具材の割合は14.7重量%であった。比較例3では、実施例3と同様の生地を170℃の大豆油で3分間フライした。このがんもどきの芯温は80℃であった。
【0019】
【表5】加熱方法及び調製条件─────────────────────────────────── 実施例3 比較例3───────────────────────────────────加熱方法 湿熱加熱=蒸し 90℃15分間 無し 油中加熱=フライ 170℃1分間 170℃3分間加熱後の芯温 77℃ 80℃生地の水分 67% 67加熱後の生地の水分 66% 65%───────────────────────────────────【0020】品質評価品質評価を表6に示した。
【表6】
─────────────────────────────────── 実施例3 比較例3───────────────────────────────────品質評価(柔らかさ) 3.5 2.8───────────────────────────────────比較例3のがんもどきは、公知の生地で調製している為、きつね色のがんもどきの外観で、食感も公知のがんもどきと同様であった。実施例3のがんもどきは実施例1のそれに比べ硬く、木綿豆腐的な食感であったが、比較例3より柔らかい食感であった。
【0021】実施例4及び比較例4実施例4及び比較例4では、野菜を多く含むがんもどきについて説明する。粉末状大豆たん白(不二製油株式会社製、ニューフジプロSE)4部、大豆油4部、水12部をサイレントカッターで乳化し大豆たん白ペーストを調製した。更に全卵5部、食塩1部、砂糖1部を混合し、でん粉2部を加えてがんもどきのつなぎ29部を得た。ミキサーでこのつなぎに5mm位にカットしたにんじん25部、5mm位にカットしたたまねぎ25部、5mmダイス状の水戻しした干し椎茸5部、みじん切りにしたさやいんげん15部、黒ごま1部を加え混合してがんもどき生地を得た。この生地中の具材の割合は71重量%であった。非常に柔らかく成型し難いが、手のひらで1個約40gの饅頭型に成型し、170℃の大豆油で1分間フライした。更に90℃の蒸し庫で15分間加熱してがんもどきを調製した。このがんもどきの芯温は75℃であった。比較例4では、実施例4と同様の生地を、170℃の大豆油で3分間フライした。このがんもどきの芯温は76℃であった。
【0022】
【表7】加熱方法及び調製条件─────────────────────────────────── 実施例4 比較例4───────────────────────────────────加熱方法 油中加熱=フライ 170℃1分間 170℃3分間 湿熱加熱=蒸し 90℃15分間 無し加熱後の芯温 75℃ 76℃生地の水分 75% 75%加熱後の生地の水分 73% 71%───────────────────────────────────【0023】
【加熱時の状態及び品質評価】
加熱時の状態と品質評価を表8に示した。
【表8】
─────────────────────────────────── 実施例4 比較例4───────────────────────────────────フライ後の状態 がんもどきの表面に水分が がんもどきの表面から激し 蒸発した跡がわずか残る く水分が蒸発し表面が荒れ 生地が散り、重量が約半分 になった───────────────────────────────────加熱歩留り 98% 53%───────────────────────────────────品質評価(柔らかさ) 4.8 4.4───────────────────────────────────実施例4のがんもどきはフライ時に水分が蒸発した跡がわずか残ったが、食感は柔らかく絹ごし豆腐で作った様な柔らかさで滑らかさの中に、野菜の食感を良く感じた。比較例4は、その食感は柔らかく絹ごし豆腐の様な滑らかさであったがフライ時に激しく水分が蒸発し、表面の生地が油中に散ってしまい、フライ後は重量が21gと約半分に減少した(加熱歩留りが53%と低く、不良であった)。
【0024】実施例5実施例5では、野菜を多く含む具材入り厚揚げについて説明する。粉末状大豆たん白(不二製油株式会社製、ニューフジプロSE)9部、大豆油10部、水36部、をサイレントカッターで乳化し大豆たん白ペーストを調製した。更に全卵5部、食塩1部、砂糖1部を混合し、でん粉2部を加えて厚揚げのつなぎ64部を得た。ミキサーでこのつなぎに5mm位にカットしたにんじん16部、水戻しした5mmダイス状の干し椎茸5部、20mm位にカットしたさやいんげん15部、を加え混合して厚揚げの生地を得た。この生地中の具材の割合は36重量%であった。この生地を50mm×50mm×20mmの立方体の形で成型した。1個約50gであった。170℃の大豆油で1.5分間フライした。更に90℃の蒸し庫で15分間加熱して野菜の具材を多く含む厚揚げを調製した。この厚揚げの芯温は78℃であった。
【0025】
【表9】加熱方法及び調製条件─────────────────────────────────── 実施例5───────────────────────────────────加熱方法 油中加熱=フライ 170℃1.5分間 湿熱加熱=蒸し 90℃15分間加熱後の芯温 78℃生地の水分 68%加熱後の生地の水分 67%───────────────────────────────────【0026】
【加熱時の状態及び品質評価】加熱時の状態と品質評価を表10に示した。
【表10】
─────────────────────────────────── 実施例5───────────────────────────────────フライ後の状態 表面は薄いきつね色で、具材の野菜も片寄ること無く 、野菜が多く入った厚揚げであった。
───────────────────────────────────品質評価(柔らかさ) 4.3───────────────────────────────────実施例5の厚揚げは、野菜を多く含み、食感も柔らかく滑らかであった。絹ごし豆腐の柔らかい食感の中に野菜の食感を感じる新しい厚揚げである。
【0027】
【発明の効果】本発明により、豆腐を主体とする生地を、表面が固化する程度に油中加熱、及び湿熱加熱して、ソフトで滑らかな食感を持った豆腐加工食品が得られた。これにより、例えば豆腐又は大豆たん白ペースト或いはその混合物を主体とした生地に野菜等の具材を加えないか又は、加えて、成形し、上記の加熱を行うことにより、ソフトで滑らかな食感を持った豆腐加工食品が出来て、かつ、加熱前の含水生地中の具材が約80%程度まで含むという高い配合率で含有させ得るという意外な効果も見い出せた。これらによって、従来の豆腐加工食品に比べて、新規な品質で消費者ニーズに対応出来る様になった。
【出願人】 【識別番号】000236768
【氏名又は名称】不二製油株式会社
【出願日】 平成10年9月30日(1998.9.30)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−102358(P2000−102358A)
【公開日】 平成12年4月11日(2000.4.11)
【出願番号】 特願平10−277961