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【発明の名称】 殺菌装置
【発明者】 【氏名】楠本 智志

【要約】 【課題】牛乳やつゆ類或いは酒類の液状食品の殺菌処理に使用する殺菌装置において、運転開始時の液温の変動を防止し、未殺菌液の発生を抑えて液の品質を安定させることのできる殺菌装置を提供する。

【解決手段】熱交換器1の伝熱板を介して加熱媒体と被処理液との熱交換をする殺菌装置において、加熱媒体の温度を目標温度に調節する手段と、被処理液の送液開始後、被処理液が液管路2を通過した後の液温検知手段4と、この液温検知手段4の信号により液流量を制御する自動制御手段13とを設けた殺菌装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱交換器の伝熱板を介して加熱媒体と被処理液との熱交換をする殺菌装置において、加熱媒体の温度を目標温度に調節する手段と、被処理液の送液開始後、被処理液が液管路を通過した後の液温検知手段と、この液温検知手段の信号により液流量を制御する自動制御手段とを設けたことを特徴とする殺菌装置。
【請求項2】 液流量の自動制御手段として、送液ポンプをインバーター制御するようにした請求項1記載の殺菌装置。
【請求項3】 液流量の自動制御手段として、液流量を予め組み込んだプログラマブルロジックコントローラにより制御するようにした請求項1記載の殺菌装置。
【請求項4】 熱交換器の伝熱板を介して加熱媒体と被処理液との熱交換をする殺菌装置において、加熱媒体の温度を目標温度に調節するよう温度センサーと、自動調節計と、インラインヒータの蒸気量を調節する蒸気調節弁とを設け、被処理液の送液開始後、温度センサーの信号により自動調節計を介して被処理液の液量を制御する液流量調節弁を設けたことを特徴とする殺菌装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は牛乳やつゆ類或いは酒類の液状食品の殺菌処理に使用する殺菌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の殺菌装置の構成を図4に示す。1は熱交換器であり、伝熱板を介して被処理液と加熱媒体としての温水との熱交換をする流路を形成している。2は液管路で、送液ポンプ3により被処理液が送液される。4は温度センサーで、被処理液が液管路2を通過した後の液温検知手段である。温水は温水管路5から温水ポンプ6により供給され、伝熱板を介して被処理液の殺菌を行う。
【0003】被処理液の殺菌温度は、温度センサー4により検知し、殺菌温度の低温による未殺菌発生時は、送液ポンプ3を自動停止する。加熱用温水の昇温は温水管路5に設けたインラインヒータ8に蒸気を吹き込み、温水に蒸気を混入して行う。温水の温度制御は、温度センサー7の信号により自動調節計11を介して蒸気調節弁9の弁開度を調節することにより、インラインヒータ8への蒸気量を調節して行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】殺菌装置の運転開始時、液管路2が空状態で加熱用温水のみを所定の温度に昇温した後、送液ポンプ3により液管路2に被処理液を流す。この時、温水は目標温度への昇温が完了しているため、蒸気調節弁9の弁開度は締め切りに近くなっており、被処理液の送液開始直後は、温水が被処理液との熱交換のため温度が低下することになる。しかし、これを回復するのに充分な量の蒸気をインラインヒータ8へ直ちに供給することができないため、温水温度及び被処理液温度が上昇せず殺菌温度の低下となり未殺菌が発生する。
【0005】このように、運転開始時には液温が安定せず、安定した品質の被処理液が得られない難点があった。本発明の目的は、上記のような難点を解消し、運転開始時の液温の変動を防止し、未殺菌液の発生を防止し液の品質を安定させることのできる殺菌装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、殺菌装置として、第1発明では、熱交換器の伝熱板を介して加熱媒体と被処理液との熱交換をする殺菌装置において、加熱媒体の温度を目標温度に調節する手段と、被処理液の送液開始後、被処理液が液管路を通過した後の液温検知手段と、この液温検知手段の信号により液流量を制御する自動制御手段とを設けた。
【0007】第2発明では、液流量の自動制御手段として、送液ポンプをインバーター制御するようにした。第3発明では、液流量の自動制御手段として、液流量を予め組み込んだプログラマブルロジックコントローラを用いた。第4発明では、熱交換器の伝熱板を介して加熱媒体と被処理液との熱交換をする殺菌装置において、加熱媒体の温度を目標温度に調節するよう温度センサーと、自動調節計と、インラインヒータの蒸気量を調節する蒸気調節弁とを設け、被処理液の送液開始後、温度センサーの信号により自動調節計を介して被処理液の液量を制御する液流量調節弁を設けた。
【0008】(作用)第1発明では、殺菌装置において加熱媒体を供給して所定温度に昇温した後、被処理液の送液を開始すると共に被処理液の流路を通過した後の液温検知を行い、この検知に基づき液流量を自動制御するようにしたので、未殺菌液が生じるまでの温度低下が発生しないよう液流量を自動制御して調節できるようになった。
【0009】第2発明では、液流量の自動制御をインバーターによる送液ポンプの制御により、送液を加速又は停止若しくは減速するようにして制御を自動的にした。第3発明では、予め測定した経験に基づいて殺菌装置に組み込んでおいたプログラムにより自動制御するようにした。第4発明では、加熱媒体の温度調節をする蒸気調節弁の信号を利用して被処理液の送液量を制御するようにしたので、自動的にプログラムで殺菌が可能となった。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明では、熱交換器の伝熱板を介して加熱媒体と被処理液との熱交換をする殺菌装置において、加熱媒体の管路に温度調節をする温度センサー、自動調節計及びインラインヒータの蒸気量を調節する蒸気調節弁とを設け、被処理液の送液開始後、被処理液の管路を通過した後の液温検知手段を設け、この液温検知手段の信号により液流量を自動制御して、温度低下や変動による未殺菌の発生がないようにした。
【0011】また被処理液の管路を通過した後の液温検知手段による制御に代えて、インラインヒータの蒸気量を調節する蒸気調節弁の信号により自動調節計を介して被処理液の液量を制御する液流量調節弁を設けた殺菌装置とすることもできる。以下、図面に従って実施例を説明する。
【0012】
【実施例】図1はこの発明に係る殺菌装置を示す。同図において、1は熱交換器であり、伝熱板を介して被処理液と加熱媒体との流路を形成している。2は液管路、3は送液ポンプ、4は温度センサーで、被処理液が液管路2を通過した後の液温検知手段である。被処理液は送液ポンプ3により、液管路2へ送液され、熱交換器1で殺菌される。
【0013】5は温水管路、6は温水ポンプ、7は温度センサー、8はインラインヒータ、9は蒸気調節弁、10は蒸気管路、11は自動調節計である。加熱媒体としての温水は、温水ポンプ6で加熱媒体の流路へ送られ、温度センサー7により自動調節計11を介して蒸気調節弁9の開度が調節されて、インラインヒータ8への蒸気量が制御され、殺菌温度の調節が行われている。
【0014】12は自動調節計で、被処理液が液管路を通過した後の液温を温度センサー4で検知し、流量を調節するようになっている。13は自動制御手段として用いたインバーターで、送液ポンプ3の吐出量を変化させるために使用する。本発明では、殺菌装置の運転開始時、液管路2が空状態で加熱用温水のみを所定の温度に昇温した後、送液ポンプ3により液管路2に被処理液を流す。この時被処理液の殺菌温度を液管路2の出口に設けた温度センサー4にて検知し、自動調節計12を介してインバーター13に信号を送り、送液ポンプ3の吐出液流量を制御する。
【0015】殺菌温度安定後、再度流量を増加し未殺菌液の発生を防止する。すなわち殺菌温度が未殺菌にならないまでも低下した場合は、インバーター13の加速を停止もしくは減速することを特徴とする。このようにして液流量を調節し殺菌装置運転開始時、被処理液の殺菌温度に変動及び未殺菌発生を防止し、安定した品質の被処理液を得ることができるようになった。
【0016】図2は、他実施例を示すもので、14はプログラマブルロジックコントローラで、液流量を予め組み込んだプログラムに従って液流量を制御するようになっている。送液開始後、液流量を徐々に増加するよう予めプログラマブルロジックコントローラ14にプログラムをしておき、液温を液管路2の出口に設けた温度センサー4にて検知し、プログラマブルロジックコントローラ14に信号をフィードバックして、インバーター13に信号を送り送液ポンプ3の吐出液流量を連続的又は断続的に変化するように制御する。すなわち、インバーターに対する加速指令を中断、もしくは減速指令することで液温の変動及び未殺菌発生を防止し、安定した品質の被処理液を得ることができるようになった。
【0017】図3は、さらに他実施例を示すもので、加熱媒体としての温水の入口温度を温度センサー7にて検知し、自動調節計11により蒸気調節弁9の弁開度を調節し、自動調節計12を介して液流量調節弁15の弁開度を調節する。すなわち、弁開度の上昇を停止もしくは絞ることで未殺菌液の発生を防止し、安定した品質の被処理液を得る。
【0018】
【発明の効果】本発明は牛乳やつゆ類或いは酒類の液状食品の殺菌処理に使用する殺菌装置において、被処理液の出口側に設けた液温検知手段からの信号により、被処理液の送液量を制限することにより、運転開始時の液温の変動を防止し、未殺菌液の発生を防止し液の品質を安定させることが可能になった。
【0019】また被処理液の出口側に設けた液温検知手段からの信号による制御に代えて、加熱媒体側の温度センサーにより液流量調節弁を制御して調節ができるようにした。
【出願人】 【識別番号】000152480
【氏名又は名称】株式会社日阪製作所
【出願日】 平成10年9月29日(1998.9.29)
【代理人】 【識別番号】100062812
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 一公
【公開番号】 特開2000−93136(P2000−93136A)
【公開日】 平成12年4月4日(2000.4.4)
【出願番号】 特願平10−275267